何時までも、 歯を磨き続ける。
何時までも、 着替えに手間取る。
鈍重な、 緩慢な、 少しも進まぬ就寝の準備。
理由を察しようと、 少しでも理解しようと。
思考回路を働かせ、 集中をする。
川の字の中央に誰が来るか。
そんな事まで 毎朝毎晩話し合ったと。
小さな彼と貴女とで、 毎日懸命に話し合ったと。
貴女から聞かされていたから。
「一緒に寝るか?」
俺の出した解答は、 小さな彼の満面の笑みを呼び出す事に、 成功した。
けれども。
「髭ジョリジョリだ!」 「くすぐったい!」
隣に寝た俺の姿に。
小さな彼は、 喜びを表してくれたのだろうか。
「お父さんに。」 「髭ジョリジョリの刑されたんだ!」
隣に寝た俺の姿に。
小さな彼は、 父親を重ねて見ただけなのだろうか。 |