想いは。
注いだ想いの三割も返れば、 其れで、 御の字だけれど。
抑も、 注がなければ孵らぬ物だ。
其れ故に。
如何なる理由で在っても。
注がぬ事には、 孵す気は無い事の意思表示が、 付帯する。
普段から、 長時間接する相手の、 其の、 想いや行動や。
そして、 其処に込められた意味を。
察しようともしなかった、 其れが。
想いを注ごうとする意思や、 想いの応答を希う意思が、 欠如する。
其の、 確固たる証拠なのだ。
「コンサートに誘われたんだけれど。」 「行っても良いかな。」 「餃子は作ってから行くからさ。」
「娘の了解を取ったらね。」 「彼女は餃子が食べたいだけのね?」
其の付帯条件と、 念押しの鍵に込めた意図迄も、 無視して。
姫は、 娘に何も言わずに、 不在を決めた。
普通なら。
其れが、 食事の内容では無くて。
俺の、 生誕を祝う宴を指すのだと、 想い至る筈なのに。
「反省しています。」
多分。
そう言う所に、 自分の想いを言えない。
姫は、 そんな人なんだろうけれど。
そうやって。
自分の事しか考えないのだと、 想われては。
益々敵視され、 距離が離れて行くのにね。
俺からも。
そして、 娘からも。
---------- References Jul.29 2012, 「積み重ねる気が在るのでしょうか」 Jan.08 2012, 「歳上を想う資格が無かったのでしょうか」
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