< 笑顔なら見えるでしょうか >
何かを無くして、 或いは、 何かを失う事で。
人は初めて。
芯に其れを、 学ぶのかも知れないけれど。
其処に在ってこそ、 価値在る事で。
其処に在ってこそ、 意義在る事で。
知り得た想いは、 其の後の想いの糧にしか為らぬから。
其れ故に。
きっと、 糧を糧とした刻に。
想いは、 初めて想いに化けるのだろう。
携帯では無く、 態と、 迂回路で届けられた由は。
恐らくは。
音の無い場に生きるが故の、 配慮なのだと。
幾つもの情報源を捥がれた、 其の後の自身には、 殊更、 良く響く。
「無事で良かった。」 「生きて。」
坂の街から届いた電信に、 ようやっと辿り着き。
当たり前ぇだと、 微笑んだ。
そっか。
震災後。
穏やかに笑えたのは、 初めてなんだね。
---------- References Dec.16 2011, 「深さと想いは反比例でしょうか」 Jan.29 2007, 「相手の言葉を使いこなせますか」
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2011年03月17日(木)
---------- History
2006年03月17日(金) 想いが消えたのでしょうか 2004年03月17日(水) 前科を消す術が在りますか 2003年03月17日(月) 仕掛けに気付きませんでしたか 2001年03月17日(土) この感情は血迷いですか
< 代わりに壊れたのでしょうか >
其処に宿る、 想いの強さに比例して、 揺れが、 大きく成るのだろうか。
其処に在る想いの強さが、 大きい程に、 強く、 想いが折れるからか。
其れとも。
其処に宿り在る意思が、 賺した罰として、 記念を奪って了ったのか。
或いは暗示か。
逆に、 身代わりで、 其の姿を差し出したのか。
倒れ壊れた数々の家具を、 一つ、 一つ、 整理しながら。
互いを一にした日の、 其の記念の、 三鞭酒用の硝子杯が。
真っ先に、 下敷きに成った事を知る。
「高価な物から壊れるよなぁ。」 「此の食器も粉々だ。」
其の一つ一つを。
姫は、 値踏みしながら。
「余程嫌だったんじゃないの?」 「此れで柵が一つ無くなったね♪」
瞳を爛々と輝かせ。
想いへの、 踏み絵を迫った。
形さえ無ければ。
壊れる事も、 割れぬ様にと護る事も、 不要だけれど。
其れは。
何も望まぬ事と同義では、 無いのかな。
---------- References Mar.11 2011, 「浮かんだ命が真実でしょうか」 Dec.07 2010, 「一つの幹に為り損ねましたか」 Dec.07 2009, 「想いの封は難しいですか」
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2011年03月16日(水)
---------- History
2006年03月16日(木) 何処で流れが絶てるでしょうか 2005年03月16日(水) 何処まで話して居るのでしょうか
< 色気の無い味気でしょうか >
想いは本来、 核の領域のみで構成され。
其処に、 何の条件も制約も、 無い筈なのに。
何故に。
一定の条件が整った上で、 初めて。
想いは、 成立するのだろう。
最低限、 生命維持の為の存在しか、 存在し得ない、 其処に。
著しく、 似つかわしく無い香りが、 漂い始める。
中学校の体育館の、 暗闇の中。
避難所で、 徐に開いた箱。
配給された乾麺麭の、 其の傍らで。
「こんな時にこんな所で悪いんだけれど。」 「此れ。」
「腹の足しにはなるよ。」 「洋酒入り?」 「じゃぁ小坊主は酔うから駄目だね。」
一月前の、 其の御礼の洋菓子が。
非常食へ、 姿を変えた。
純粋な想いには。
如何して、 想い以外の物が必須なのかな。
---------- References Mar.12 2011, 「任務が優先でしょうか」 Mar.11 2011, 「浮かんだ命が真実でしょうか」
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2011年03月14日(月)
---------- History
2007年03月14日(水) 尻尾が見えて居たのでしょうか 2006年03月14日(火) 埋まらぬ溝を暗示するのでしょうか 2005年03月14日(月) 無言は想いに成り得ぬでしょうか 2004年03月14日(日) 必要の無い格好良さでしょうか 2002年03月14日(木) 挑んでも良いですか 2001年03月14日(水) もう少し待ってみますか
< 任務が優先でしょうか >
暗闇と、 寒気と、 留まる事の無い余震と、 届かぬ情報と。
光も、 熱源も、 皆失った儘で、 身を寄せ合うしか無い。
互いを、 想い遣りながら。
こうして、 既に身を寄せ逢える事すら、 幸運で。
何物にも代え難いのだと、 本能が断じて居た。
唯、 生きて居れば良い。
唯、 生き延びて居れば良い。
恐らくは。
困窮に在るであろう幾多の命の、 無事を祈りながら。
想いなんて物は。
削ぎ落せば、 総て落ちて了う物なのだと、 想い至る。
傍らで、 時折目を覚ます二つの命を、 延ばす事は。
想いでは無くて、 きっと、 任務の様な感覚なんだね。
---------- References Mar.11 2011, 「浮かんだ命が真実でしょうか」
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2011年03月12日(土)
---------- History
2007年03月12日(月) 蓼も喰らう気でしょうか 2006年03月12日(日) 通じる想いが在るのでしょうか 2004年03月12日(金) 都合の良い状態が必要ですか 2003年03月12日(水) 千里眼ですか 2001年03月12日(月) 友達と会うのもだめですか
< 浮かんだ命が真実でしょうか >
真っ先に浮かんだ、 其の存在は。
果たして、 想いの近さ反映するのだろうか。
其れとも、 距離の近さを反映したのだろうか。
或いは、 機能的に重要な存在に過ぎないのか。
倒れる棚を、 歪む床を、 割れる窓を、 崩れる壁を、 目の当たりにしながら。
抗う事も、 逃れる事も出来ず、 揺れに蹂躙されるが儘の、 自身の脳裏が。
自身の命より先に、 愛しい、 別の命を想う。
其れは。
極自然な事かも知れないけれど。
娘では無く、 姫の命を、 第一に護りたいと。
俺は、 そう願ったのだろうか。
姫が無事なら、 娘も無事逃げたで在ろうと。
唯、 そう想っただけなのか。
連絡すら付かぬ儘で、 罅割れた道を急ぎ歩きながら。
真っ先に浮かんだ姫の意味を、 自問自答した。
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2011年03月11日(金)
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2006年03月11日(土) 二人の子に間違いないですか 2005年03月11日(金) 其れでも応えは否定ですか 2001年03月11日(日) 俺を想う余裕がありますか
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