< 何処まで話して居るのでしょうか >
根も、 葉も、 確かに在るけれど。
恐らくは、 表出する事の無い話なのだ。
未遂に終わった、 彼の夜の、 半端な出来事は。
お互い、 封じて置くべきだと、 認識して居る筈なのだ。
其れ故に。
届いた噂は酒宴迄で。
数日後の、 彼の夜の話など、 届いて居ないに違いない。
何の情報も、 俺から、 提供して居ない以上は。
「小坊主、良いの?」 「事務員との話、話しちゃって。」
「良いですよ。」 「何も悪い事なんて無いっすよ。」
何の情報も持たぬ筈の、 人間から。
ふわっと、 彼の日が浮き上がった。
もしかして。
彼女は、 何かを話して了ったのだろうか。
決して隙を魅せぬ様に、 平然と応じ。
果たして、 何処迄の話か探り続ける。
「きっと私は。」 「このあと会っても。」 「普通に接したりするんだよ?」
「そりゃ当然だろ?」
別れ際、 彼女と交わした会話に。
何の確証も、無いと、 気付きつつ。
---------- References Aug.10 2004, 「其の奥と脇が良いのでしょうか」 |
2005年03月16日(水)
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