姿形も、 立ち居振る舞いも、 品格も。
全てに気品溢れ、 遥かに、 高貴な存在だから。
純粋に、 比べ並べる行為など。
畏れ多い事なのだけれど。
飽く迄、 生物的には。
其処に表出した、 現象は。
何ら、 変わりない筈なのだ。
けれども。
自身に備わる、 其の、 格の差異が。
産み出したかも知れぬ、 其の言葉は。
想いでは、 決して埋める事の出来ぬ、 何らかの存在を。
暗示して居る様で、 怖いのだ。
娘が、 父親に似た。
其の両者の、 何処に違いが在るのだろうか。
「愛子様は。」 「皇太子似で羨ましいなぁ。」
画面を観ながら。
そう口にして居た筈の、 姫は。
「此の子は。」 「小坊主似で可哀想だよ・・・。」
掌を返して。
俺へ、 刃を向けて来る。
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