素直な想いと、 少しだけ複雑な想いは。
確かに、 両極に位置するけれど。
何れの想いも、 其処に、 同居する事が可能だから。
一つの入力に対して、 両極端の出力が産まれたとしても。
不思議では無い。
其れ故に。
其の両極の想い、 何れにも、 応えられる様にと。
両極の問いを、 準備した筈なのに。
「熱測った?」 「熱無いもん。」
「熱在りそう?」 「頭痛い。」
「寝よ?」 「寝ない。」
「無理しちゃ駄目だよ。」 「平気。」
「其れは良かった。」 「頭クラクラする。」
「病院行こ?」 「平気。」
「病院行かなくて大丈夫だね。」 「大丈夫じゃない。」
「頭熱いね。」 「熱無いよ。」
「寝なくて大丈夫かな?」 「早く帰って来てよ。」
「早く帰るね。」 「帰らなくて良いから仕事して。」
何を問うても、 何を勧めても。
全て、 答えは否定なのだ。
如何すれば。
姫は、 大人しく寝てくれるの? |