大はしゃぎで居る貴女を感じると、 喜びより先に、 やはり不安が頭を擡げる。
素直過ぎる行動に、 単純過ぎる反応に、 不安感が頭を擡げて来る。
未だ俺には知らない事が多いから。
貴女は何が好きか、 貴女は何を好むのか、 網を張ったのに。
未だ俺には知らない事が多いから。
お返しの伏線として、 ちゃんと網を張ったつもりなのに。
鍵に気付きもせず貴女は通り過ぎ、 そして目の前に現れた贈り物に無邪気に喜ぶ。
「毎朝俺を想い出すように。」
カードに記した文字の通りに。
きっと貴女は、 毎朝俺を想ってくれるだろう。
毎朝贈り物を視界に入れ、 その度に俺を想ってくれるだろう。
大はしゃぎで居る貴女を感じると、 嬉しさよりも、 少し残念な気持ちが頭を覆う。
予想通りの反応など要らない。
貴女の突拍子も無い反応が、 俺は見たいんだ。
それで良いんだ。
自然に素直に。 それで良いんだ。
きっと俺が欲張り過ぎなんだね。 |