2009年09月10日(木)  9/19『ぼくとママの黄色い自転車』小豆島上映会

今井雅子の6本目の長編『ぼくとママの黄色い自転車』は、ただいま公開3週目。時間差で今後公開する館もあるので、「うちの近くに来ない!」と諦めていた方にもスクリーンで観るチャンスがあるかも。

日記でお知らせするのがすっかり遅くなった小豆島上映会は、来週土曜日開催。これに合わせて、大学4年の応援団の夏合宿ぶりに小豆島へ行くことに。ロケ地巡りもとても楽しみ。小豆島では今、劇中で使われたのと同じ黄色い自転車を貸し出しているそう。

『ぼくとママの黄色い自転車』小豆島上映会

日時:9月19日(土)12:30〜/14:20〜
当日料金:一般 1500円/シニア・大高・中・小 1000円
※映画チラシを持参の場合1000円  ※全国共通券使えます
場所:土庄中央公民館 電話:0879-62-0238

『ぼくとママの黄色い自転車』上映劇場情報
(9/10時点。日付は公開日)

10.3 【北海道】苫小牧シネマトーラス 0144-37-8182
12.19 【北海道】北見シアターボイス 0157-31-3600
10.3 【青森】 シネマディクト 017-722-2068
9.26 【青森】 八戸フォーラム 0178-44-4411
10.3 【岩手】 盛岡フォーラム 019-622-4703
8.22 【宮城】 MOVIX利府 022-767-7400
9.5 【宮城】 仙台フォーラム 022-728-7866
10.3 【山形】 山形フォーラム 023-632-3220
8.22 【東京】 新宿バルト9 03-5369-4955
8.22 【東京】 T・ジョイ大泉 03-5933-0147
8.22 【東京】 立川シネマシティ 042-525-1251
10.31 【東京】 船堀シネパル 03-5658-3230
8.22 【東京】 品川プリンスシネマ 03-5421-1113
8.22 【神奈川】川崎チネチッタ 044-223-3190
8.29 【神奈川】ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウン 045-914-7677
8.22 【千葉】 エクスワイジー・シネマズ蘇我 043-209-3377
8.29 【埼玉】 MOVIX三郷 048-949-2300
8.29 【埼玉】 ワーナー・マイカル・シネマズ浦和美園 048-812-2055
8.29 【群馬】 MOVIX伊勢崎 0270-30-1700
8.22 【新潟】 T・ジョイ新潟万代 025-242-1840
8.22 【新潟】 T・ジョイ長岡 0258-21-3190
8.22 【長野】 長野千石劇場 026-226-7665
8.22 【長野】 松本エンギザ 0263-32-0396
10/3〜23 【長野】 i city cinema 0263-97-3892
9/12〜25 【静岡】 静岡シネギャラリー 054-250-0283
8.22 【愛知】 ゴールド劇場 052-451-0815
8.22 【愛知】 ユナイテッド・シネマ豊橋18 0532-38-0888
8.22 【愛知】 イオンシネマ岡崎 0564-72-3020
9.5 【愛知】 イオンシネマ・ワンダー 052-509-1414
8.22 【大阪】 梅田ブルク7 06-4795-7602
8.29 【京都】 京都シネマ 075-353-4723
8.22 【広島】 T・ジョイ東広島 082-493-6781
8.22 【広島】 広島バルト11 082-561-0600
9.26 【広島】 エーガル8シネマズ 084-960-0084
10.10 【広島】 福山ピカデリー 084-932-3381
8.22 【島根】 T・ジョイ出雲 0853-24-6000
10.3 【愛媛】 シネマサンシャイン大街道 089-933-6677
8.22 【香川】 ワーナー・マイカル・シネマズ綾川 087-870-8787
8.22 【香川】 ワーナー・マイカル・シネマズ高松 087-822-0505
10.3 【徳島】 徳島シネアルテ 088-632-2239
8.22 【福岡】 T・ジョイリバーウォーク北九州 093-573-1566
8.22 【福岡】 T・ジョイ久留米 0942-41-8250
8.29 【長崎】 TOHOシネマズ長崎 095-848-1400
10.3 【佐賀】 シアター シエマ 0952-27-5116
8.22 【大分】 T・ジョイパークプレイス大分 097-528-7678
9.26 【大分】 日田シネマテークリベルテ 0973-24-7534
8.22 【鹿児島】 鹿児島ミッテ10 099-8

2008年09月10日(水)  さすらいの「書き鉄」
2007年09月10日(月)  マタニティオレンジ174 ご近所さんちで2歳児の会 
2006年09月10日(日)  マタニティオレンジ5 卵から産まれた名前
2005年09月10日(土)  『チャーリーとチョコレート工場』初日
2004年09月10日(金)  原始焼『七代目寅』in English?
2002年09月10日(火)  大槻ケンヂ本


2009年09月09日(水)  エッセイの文体とはその人自身なのではないか

女流作家の桜庭一樹さんが新聞の対談で「一日一冊読む」とさらりと語られていて、ともすれば週に一冊も読めないわが身を反省した。少し仕事が落ち着いたので、この3日愛で3冊読んでみる。まずは『きりこについて』(西加奈子)と『カツラ美容室別室』(山崎ナオコーラ)を続けて。どちらも書評で目をつけていて、二人ともそれぞれ気になる作家さん。西さんは『きいろいゾウ』はとてもすんなりと入り込める作品だったし、山崎さんが新聞の日曜版に連載していたエッセイ「指先からソーダ」(同タイトルで単行本になっている)を毎週楽しみにしていた。そんな二人が旅行に行くほどの仲良しだと先日美容院で読んだFIGAROの読書特集で知り、続けて読んでみたのだった。淡々とした文体の底に流れるあったかいものや比喩の面白さに、二人が親しくなった接点があるのかなと想像したりした。

西さんは何と言っても擬態語擬音語を駆使した大阪弁のリズムが心地よく、全体は大阪弁で書かれているわけではなく時々紛れ込むのだけど、わたしは自然と大阪弁に翻訳して読んでいて、体に文章がしみこんでくる。物語の中で発揮されるたくましい想像力がとても好ましく、読み物としても楽しい。ヒロインである「ぶす」のきりこの顔を頭に思い描きながら読み、この作品は映像化は難しいだろうし、しても映画のきりこは小説ほど愛されないだるなと思った。とてもぶすだけど愛せるヒロインを成立させるのは読者一人一人の補正作業あるいは補強作業が必要で、そのきりこは一人一人の頭の中にしか存在せず、最大公約数的なきりこは誰からも愛されないだろうという気がする。でも、もしも観客一人一人の補正・補強作業を可能にする余地を残した、それこそ小説の中の言葉にあるように「奇跡」の顔の持ち主をキャスティングできたら、劇場で観てみたい。その奇跡を共有するという体験に思いを馳せて、わくわくした。

ナオコーラ(英語で表記するとnao-cola)さんの小説を読むのは初めて。エッセイと同じく簡潔で無駄がない、けれど鋭く心に残る文章を積み重ねながら、この人にしか作れない世界を形作っている。とくに大きな事件は起こらず、けれど登場人物たちにとっては一日の数時間あるいは一週間の数日を止めるような出来事がいくつか起こり、人間関係が少しずつスライドしながら組み変わって行くさまが興味深い。見落としそうな日常のささいなことの愛おしさをすくいとるのがとてもうまい人だと思う。

そして、今日は『手紙』(東野圭吾)を読んだ。『天使の卵』と同じ頃に沢尻エリカさん出演で映画化されていた作品だけど、映画にも小説にもまだ触れていなかった。同じ作者の『秘密』にも唸らされたけれど、本当に構成がお見事。東野さんの作品が次々と映像化されるのがよくわかる。切り取って絵になる場面、鮮やかで劇的な展開、ラストに用意されている驚き点点脚本家が映像化にあたって苦労して膨らませるところを小説が先に提示してくれている。

『手紙』の素晴らしさは、手紙を出す側の気持ちと受ける側の気持ちの温度差の変化がドラマになっていること。返事を待つ身の切なさ、見たくない手紙を破り捨てる心の痛み、そのどちらにも気持ちが加担でき、きりきりと胸を締めつけられる。強盗殺人犯の兄を抱えてしまったことで人生を狂わされる弟を追いかけてくる手紙の重みは、読み手の肩にものしかかるような重苦しさを実感させる。どうして文字を追いかけるだけで、こんなに息苦しくなるのか。読者に鏡を突きつける小説だと解く井上夢人さんの解説もすばらしい。打ち合わせへの移動の車中で読み始め、打ち合わせが終わって近くの紅茶専門店のカウンターで続きを読み、残りの数十ページを帰りの電車で読み切った。本はどこへでも連れて行けて、どこへでも連れて行ってくれる、本当にその通り。

三者三様の小説を読み、作家が違えば文体が違うということに、あらためて感じ入った。それは声や間の取り方や話の運び方が違うように「呼吸」のようなもので、真似されたり交じり合ったりしないものなのだろうなと思った。

ちょうど今日の打ち合わせは、新しいエッセイ連載の編集者との顔合わせだった。「FAXでいただいた原稿をこちらで推敲し、打ち込んで確認します」というやり方にわたしは戸惑い、議論になった。こちらとしては素材ではなく完成原稿をお渡しするつもりだし、指定された文字数で納めるので、最初から推敲、編集する前提でいられると困りますと訴えた。「無駄な表現は省き、わかりにくい言葉はカッコ付きで説明を加えたい」という趣旨のことを言われたので、「そのように指示していただければ自分で再考して修正しますが、勝手に手を加えられると文体が崩れます」と食い下がった。

こちらがFAXで送った原稿を編集者が打ち直すということにも抵抗があった。メールでの受け渡しではないので必要な作業なのだが、それによって編集者の頭が整理される利点もあると言う。打ち直すと、確かに、こうすればもっといい文章になるという方向性が見えるのは確かだが、それで手直しをすると、編集者の文章になってしまうのではないか。

そもそもどうしてメールを使わないのかという議論も交じって話は堂々巡りしたのだけど、突き詰めると「自分の文体へのこだわり」の違いなのかなと重い至った。「原稿を送りますから適当に編集してください」とおまかせされる方は、この編集者のやり方には何の違和感も覚えないし、「これでどうだという原稿を送るので、よっぽどのことがない限り尊重していただきたい」と主張するわたしには、原稿を一から打ち直されること自体に抵抗を覚える。

一言一句変えてくれるなということではなく、書き手の文体を尊重して欲しいのだということをただわかって欲しかったのだ。脚本にももちろん文体はあるのだけど、それは撮影のための設計図としての使命を担うから、より使い勝手のいいように直される宿命を負っている。けれど、エッセイは書き手の内面が文章に映し出されたものであり、その文体は小説以上に書き手自身を現しているとわたしは思う。だから、いじることが前提と言われると、聖域を侵されるような気がして、ムキになった。それだけのことだけど、千疋屋フルーツパーラーに不似合いな熱さで言い募り、編集者を閉口させてしまった。

2008年09月09日(火)  腰痛は気功で治せるか
2007年09月09日(日)  マタニティオレンジ173 父母連総会で区長と話そう 
2005年09月09日(金)  アンティークボタンの指輪


2009年09月08日(火)  昭和芸能舎『長ぐつのロミオ』

朝ドラ「つばさ」の打ち上げに、ちょうどそのとき放送中の第20週で竹雄を「過去からの刺客では」と怯えさせる谷村鉄次役を好演した及川いぞうさんがいらしていた。特長のある渋い声とあまたま似の丸い頭ですぐにわかり、話しかけたところ、「今度芝居やるんですよ」とチラシを渡されたのが、昭和芸能舎公演の『長ぐつのロミオ』。作・演出を見て、「羽原大介さんじゃないですか!」。わたしの大好きな『パッチギ!』や『フラガール』を書かれた羽原さんの舞台を一度見たいと思っていたので、ぜひ行きます!と社交辞令ではなく即答した(>>>8月14日の日記)。

お芝居好きの元同僚アサミちゃんと、アサミちゃんに輪をかけたお芝居通で演劇フリーペーパー「プチクリ」の発行人の一人(そしてアサミちゃんはプチクリのデザイナーでもある)の広告マン、ヤマシタさんも誘い、三人で新宿スペース107へ向かった。一名分を招待にしていただく。及川さんとマネージャーの柏谷さんに感謝!

補助椅子も出て満席。初めて観た昭和芸能舎のお芝居、まずはコント仕立てで鑑賞マナーの注意があり、早くも劇団のサービス精神をうかがわせる。発泡スチロールの箱を抱えた魚河岸ルック集団のダンスの決めのポーズで箱を合わせると、蛍光塗料で書かれたタイトルが浮かび上がる。

劇団名を新宿芸能舎から昭和芸能舎にあらためたそうだが、まさに昭和の匂いプンプン。出てくる歌謡曲や洋楽が、ヤマシタさんやアサミちゃんの中高生時代、わたしの小中学生時代の懐メロで、どの曲も口ずさめる。劇団名のもうひとつの柱である「芸能」をこれでもかと見せてくれるのも特長で、物語の端々で歌やダンスが披露されるのだけど、それぞれがちゃんとエンターテイメントとして楽しませてくれる。突然歌い出す、踊り出す芝居では、その唐突さと中途半端さに観客が椅子に張りついて硬直してしまう場合も多い。でも、「笑いを取りに行く物真似ダンス」「キレを見せるダンス」とそれぞれの立ち位置がはっきりしていて、笑えるものは笑い、見惚れるものは見惚れ(ディスコシーンでのダンスの振付けは、ダンス単体として観ても十分見応えがあった)ることができた。

ショーで遊べるのは、ストーリーの幹がしっかりしているためで、そこはさすが羽原さんの脚本。築地市場の移転問題という題材を膨らませ、移転推進派と反対派の対立に恋と祭りを絡めて起伏をつけた物語で、観客をぐいぐい引き込む。数多い登場人物それぞれにもしっかり光を当て、見せ場を作るという見事な目配り、筋運び。理想と現実、本音と建前、強がりと心細さ……誰もが持ち合わせる強さと弱さ、その間にある揺れが丁寧に描かれていて、どの登場人物にもじわじわと感情移入してしまう。

物語の運びも歌と踊りもラストの祭り神輿も、最初から最後まで息をつかせず、舞台の上は常に全力投球。暗転がなく、場面の切り替えが実に鮮やかで、2時間を超える長尺なのに退屈する暇はなかった。出演者一同そろってのにぎにぎしい挨拶の後「続いて、次回公演『モスクワ』の予告を行います」の告知。「モスクワオリンピックの幻の種目、男子シンクロ」がモチーフであるらしく、いきなり男性陣が海パン姿で再登場して踊り出したのに面食らいつつ、大いに受けた。これでもかのサービス精神、あっぱれ!アサミちゃんとヤマシタさんも大いに気に入り、「モスクワ」もすっかり観に行く気になっていた。

出演者は皆さん威勢がよく、気になる人が続々。贔屓目もあり、及川さん演じる吉野屋のオヤジはダントツに光ってた。もちろん、頭のてっぺんだけではなく……とネタにしていいのやら。でも、「禿げ散らかす」というセリフでしっかり笑いを取っていた。「そこまで禿げ散らかしても、わからないのか?」のようなひどい言われようをされ、「ぐずぐずしてたら髪がなくなって禿げ散らかせなくなる」と言い返す喧嘩に、妙なおかしみを誘われた。禿げ散らかす、なんともインパクトのある言葉だ。

及川さんの息子役を演じたゆかわたかしさんは、森岡利行さん(監督・脚本の『女の子ものがたり』を公開中)主宰のストレイドッグの公演でおなじみだった湯川崇さん。はじけた役どころがよく合っていた。主役のロミオこと博己を演じた佐野大樹さんは、見たことあると思って過去の日記を検索したら、『やわらかい脚立』に出演。日記内検索機能のついた日記をつけていると、自分が忘れていたことを思い出してくれるので、便利便利。まさに脳みその出張所。脳内ハードディスクの検索はできないけれど、日記に書き出しておくと、記憶を掘り出せる。

というわけで、今日の公演の出演者を後々のために記しておきましょう。ロミオの姉役の藤田美歌子さん、オカマのヨッチャン役の渡邊慶人さんが印象に残った。

長ぐつのロミオ

【出演】

★築地市場

魚勝グループ 博己:佐野大樹(*pnish*)
       波子:藤田美歌子
       勝男:松林慎司
社員 哲也:高橋稔  
   鮎子:康実紗  

★場外市場

吉野家グループ 吾郎:及川いぞう     
        樹里:福下恵美
        修仁:ゆかわたかし

チーム月島軍団 トシオ:浦島三太朗
        マッチ:アフロ後藤   
        ヨシオ:渡邊慶人

★六本木ゴージャス 

成田真佐江:中川絵美
小根村:笠原紳司

ゴージャスガールズ ルミネ:神谷奈々江   
          パルコ:鹿島由香
          リカ:高橋梨佳   
          マユ:藤森麻由     
          メグメグ:若原めぐみ

黒服1:佐々木恵太郎   
黒服2:熊谷淳司
黒服3:藤沼豊   
黒服4:池田恵美

伝説の振付師 ヨーコ:ちかみれい
常連客 亜矢:涌澤未来

【スタッフ】
照明:太田安宣(ロンブル)
音響:山本能久(SEシステム) 
舞台監督:赤坂有紀子
振付:井上陽平(ILKスタジオ)
宣伝美術:田久保宗稔(mt-w design works)
企画協力:星久美子(ラ・セッテ)
 制作:奥井美樹
制作補:鄭光誠
協力 シバイエンジン
企画製作:昭和芸能舎

2008年09月08日(月)  マタニティオレンジ331 おばけごっこ トンネルごっこ
2007年09月08日(土)  対岸のタクシー
2006年09月08日(金)  マタニティオレンジ4 男の子か女の子か?
2005年09月08日(木)  文芸社パンフレットの取材
2004年09月08日(水)  東銀座の『台湾海鮮』
2003年09月08日(月)  「すて奥」作戦


2009年09月06日(日)  朝ドラ「つばさ」第24週は「あなたを守りたい」

ホンづくりをしているとき、打ち合わせのたびに残り週が少なくなり、「あと少しですねえ」「あんなに長いと思ってたのにねえ」としみじみとした感慨が挨拶になった。きついマラソンのゴールが見えてきたときの安堵感と淋しさを味わいつつ、悔いのないゴールをとラストスパートをかけていた。長年朝ドラを見ていると、途中までは調子良く飛ばしていたのに、後半で疲れちゃったかなという印象を受ける作品があったりする。力尽きたか、愛が尽きたか。「つばさ」に関していうと、最後まで惜しみなく力と愛を注いでいた、と自信を持って言える。それが出来上がった作品に表れ、観る人に伝わりますように。

明日からの第23週は、「あなたを守りたい」。家族を、仲間を、甘玉堂を、ぽてとを……守りたい人やものがある分だけ、人は強くもなるし、迷いや惑いを抱えて弱くもなる。けれど、守りたい存在があることが幸せなんだなと感じられる週。「毎回楽しみにしています」という人がちらほらいる完成台本ショット、今回は互いを守りあう玉木家をイメージ。週の中盤にも家族が抱き合う場面があるのだけど、5人組のぬいぐるみが一人見当たらず、4人のハグになった。でも、4人という数も今週の玉木家を象徴しているといえる。仲間が去ったぽてとを守ろうと孤軍奮闘するつばさと真瀬、そして優花の「もうひとつの家族」にもご注目。ただでさえ大変なぽてとに揺さぶりをかけるのは、城之内房子(冨士眞奈美)。彼女が登場すると画面に釘づけになるという声多し。

演出は1〜3週、6週(斎藤と加乃子)、10週(紀菜子あらわる)、14週(大衆演劇)、16週(台風)、19週(ビバマリア)の西谷真一チーフ・ディレクター。続く第25週「最後のラブレター」と2週連続で「脚本協力 今井雅子」のクレジットが毎日出る増量週間。最終週の第26週まで、どうぞお楽しみください。

ご感想は、ぜひ公式掲示板へ。賛否両論にぎやか。公式サイトトップページからどうぞ。サイトもコンテンツ充実で、こちらも力と愛を惜しみなく投入。

2008年09月06日(土)  マタニティオレンジ330  『ちょうちょう』熱唱! はじめてのカラオケ
2007年09月06日(木)  マタニティオレンジ171 苦し紛れの雨カバー
2006年09月06日(水)  マタニティオレンジ2 着たいがない!
2004年09月06日(月)  シナトレ1 採点競技にぶっつけ本番?
2002年09月06日(金)  ミナの誕生日


2009年09月04日(金)  「しましま みいつけた」ごっこ

福音館の月刊絵本を取りはじめて二年目。去年はこどものともの名作を求めやすい形で復刊した「えほんのいりぐち」を届けてもらい、今年は2、3歳児対象の「こどものとも年少版」を毎月楽しみにしている。月によって食いつきのいい本と興味を示さない本があるのだけど、当たり外れがあっても一冊410円。食わず嫌いせず、いろんな作者の本に触れさせたいし、わたしも触れてみたい。最初は振り向きもしなかった本が、何か月か経ってお気に入りに昇格することもある。

8月号の「しましま みいつけた」は配本されたその日から気に入り、何度も読み聞かせをせがまれた。シャツのしましま、ネクタイのしましま、ストローのしましま、しまうま、うり、横断歩道、床屋のポール,バーコード……身の回りには、なんとたくさんのしましまがあることかと目を開かされる。この絵本に出会って以来、「うちの街にこんなに理髪店があったのか!」と驚くことになった。トリコロールのポールを見つけるたび、「しましま、あった!」とたまが教えてくれる。

さらに面白いのが、バーコード。レジを通す商品一般についているのは理解していたが、それを打った生協のレシートにもバーコードがついている。単行本も商品だからもちろんバーコードがついているが、それを借りるために図書館で貼られるシールにもバーコードがついている。「ピッ」と読み取るものにはバーコードがついている。ということは、先日の総選挙の投票ハガキにも、もれなくついていた。

大人がそうだと認識しないものでも、子どもの目には「しましま」に映る。電車の天井のアルミ(?)も、服の布地の織目も。チカチカするなあとしか思ったことのなかったパチンコ屋の電飾も「あ、しましまだ!」。世の中は、しましまと、そうでないものに分かれているというシンプルで新鮮なルール。「しましま みいつけた」ごっこは、おおらかな気持ちにくれる。

ひさしぶりの子守話は、バーコードのお話。
子守話93「しましま どこどこ」

しましまの えほんを よんだ たまちゃんと ママが
しましま さがしを はじめました。

くろと しろの しましまは バーコード。
えほんにも ジュースにも レシートにも おもちゃにも ついてるね。

バーコードには 「じょうほう」が はいっているんだって。
なまえや ねだんや どこの くにで つくられたか などなど。

おうだんほどうは どうろにつけた バーコードみたい。
なまえは おうだんほどう。おねだんは うんと たかそうだね。
みんなが しんごうを まもって どうろを あんぜんに わたるように
あんないするのが おしごとです。

じいじの あたまは ちょっと バーコードに にてるね。
じいじの バーコードには なんて かいてあるかな。
たまちゃんが だいすきです だって。

しまうまの しましまは くねくねの バーコード。
とおい みなみの くにから やってきたんだって。
なかよくしてねって きっと バーコードに かいてあるね。

ママが おいしゃさんで とった レントゲンの しゃしんも
しろい ほねが しましまに なって バーコードみたい。
げんきですって かいてあるかな。

あっちこっちに バーコード。
しましまが はなしかけてくるよ。

2008年09月04日(木)  佐瀬寿一さんと『はだしになって』
2007年09月04日(火)  愛すべき映画『Little DJ〜小さな恋の物語』
2004年09月04日(土)  文京ふるさと歴史館
2002年09月04日(水)  暑い日の鍋


2009年09月03日(木)  IKEAのある暮らし

IKEA(イケア)の名前を知ったのは1998年のことだから10年以上前になる。映画祭と同じ会場で開かれるカンヌ国際広告祭でクセのあるCMを連発している家具屋として記憶した。あちこちの国にあるらしく、国によって読み方が「イケア」だったり「アイケア」だったりした。先日ビデオで観たアメリカ映画『理想の恋人.com』では「アイケア」と発音していた。

そんなイケアが日本に上陸したとき、わたしはまだ広告会社に勤めていて、イケアのローンチ広告の競合プレゼン準備を近くのチームがやっていた。あのコンペには勝ったのだったか負けたのだったか。イケアと聞くと、コピーライター時代の記憶をくすぐられる。

『パコダテ人』で子役だった前原星良ちゃんの母、せらママから「今井さんは絶対好きよ! ぜひ行きましょう」と誘っていただいていたイケアに、ついに行く機会を得た。捨てても捨てても物があふれているわが家にこれ以上雑貨を持ち込んではいけない、と心に言い聞かせて出かけたものの、いざショールームに足を踏み入れると、「かわいい」「ほしい」を交互に繰り返し、気がつくとあれもこれもと手に取ってしまう。「こんな色、他にないよね」と夢中にさせる色使いの罪なこと。これでお値段が高いとブレーキになってくれるのだけど、「これぐらいなら」と財布の紐を緩めさせる絶妙な価格設定。「子どもが小さいうちに、こんなベッドカバーがあったら」なんてせらママが言うものだから、そうよねえと手が伸びる。

カフェテリア形式のランチがこれまたそそられるメニュー。広い店内を歩き回るので、空腹が何よりのおいしさ増強剤に。元気を盛り返して、また歩く。おひさまの形のランプシェード、写真を入れられる戸棚のドア、お絵描き用のロール紙ホルダー……面白いなあと心惹かれるけれど、大きい物は我慢我慢。結局、カーテンとベッド&枕カバーと細かいものをちょこちょこ買って、一万円でおつりが来た。買い物というより、物が手元に残るレジャーの感覚。

わたしが行った新三郷店はJR武蔵野線新三郷駅から徒歩数分の距離。すぐ近くにはCOSTCO(コストコ)があって、どやっという迫力の業務用サイズの商品群を受け止めるカートは、通常の四倍はあろうかという大きさ。座布団大ピザが1400円也。サイズ感覚が狂って、ちょっとしたミクロアドベンチャー気分。金銭感覚もおかしくなりそう。ここではぐっと我慢して、娘のたまにパンツと靴下を買うにとどめた。ハーシーズのチョコレートがけプレッツェルに惹かれたけれど、1キロを超える大袋を食べきれる自信はなく、食べ切れたとしたらそれはそれで怖いので、断念。

帰宅して、早速わが家をイケアで彩る。カーテンは長さは一種類で、すそをマジックテープで調節する。こういうところが安さのヒミツなんだろう。わたしが買ったものはすそに模様があるので、「お好きなところでカットして縫い直してください」とのこと。そんな芸当はできないので、長いまま斜めに垂らして使うことに。洒落た天蓋風になり、物置となっているベッドの上のごちゃごちゃ隠しにもなり、一石二鳥。カーテンひとつで部屋の印象ががらりと変わったのには、びっくりした。たまもかくれんぼができて大喜び。「これいいじゃん!」と柄も気に入った様子。


カーテンレールには色とりどりのリボンでくくりつけ、裾にはポップな色づかいの動物たちがぞろぞろ。

ちょうど書き上げたフリーペーパーbukuに連載中のエッセイ「出張いまいまさこカフェ」13杯目に添える写真の背景にも動物柄を借りる。邪魔をしに来たたまの手もアクセントに入れた。今回のタイトルが「母と子と映画」なので、これはこれでよし。小さな手と動物イラストで子ども感が高まった。

カーテンと同じ動物柄の枕&掛け布団カバーも購入。「たまちゃんのおふとん」と中に入ってごろごろ。たまが生まれた頃、白いレースじゃなくて絵本の挿絵みたいな子ども部屋用のカーテンや布団はどこで売っているんだろとネットで探し回ったけど、そうか、イケアにあったのか。

ランチョンマットや食器も楽しい色づかい。値段は予想した半値ぐらい。だから、お友だちの分も二つずつ。

袋ものの口を止めるクリップが30本で99円也。底がマグネットで中身が見える小物入れ(こんなのが欲しかった!)は3つで1480円。おたまの絵が壊れたので、新しいのを探してたら、パスタ用や平たいのやフライ返しとセットになって698円。持ち手つきのざるも498円。物はしっかりしていて、安っぽさは感じさせない。

こうなると、あれもこれも買いそろえたい、買い替えたい衝動にかられてきて、帰ってくるなり「次はいつ行こう?」とうずうずしている。

2008年09月03日(水)  マタニティオレンジ329 アンパンマンがミッキーのおうちへ行く話
2007年09月03日(月)  お金を恵むのではなく
2004年09月03日(金)  下高井戸シネマで『Big Fish』


2009年09月02日(水)  やっぱり面白かった『南極料理人』

先日の日記(2009年08月28日(金) 『映画とたべもの』と「レシピに著作権がない」問題)に「すごく観たいし、関わっている人がうらやましい」と書いた『南極料理人』をテアトル新宿で観る。ロビーではペンギンのボーリングピンなどかわいい撮影小道具がお出迎え。上映15分前で最前列を残すのみの盛況。徒歩3分のバルト9『ぼくとママの黄色い自転車』の入りはいかがか、と気になる。

冒頭、雪煙に視界が曇る一面の氷野原にドームから駆け出してくる男たち。「もうイヤなんです!」と逃げ出す若い隊員に追いつき、「お前が強くなるしかないんだ!}と年配隊員が肩を揺さぶる。スポ根ノリの熱い映画なのかと思わせておいて、次のシーンでお茶目にオチをつけ、なるほど。この作品の力の抜き具合を知ると同時に、食べものだけでなくてムードもおいしそうだと身を乗り出した。

「とにかく食べものがおいしそうなのよ」「ラーメン食べたくなるのよ」とすでに観た人が口々に言うので、食材が限られた極北の地ならではのB級グルメが目白押しかと思いきや、堺雅人演じる料理人が腕をふるうメニューの数々に目を見張った。乾物と冷凍野菜、自家栽培のスプラウト類でこれだけの食事を作れてしまうとは。手抜き主婦のわたしに任されたわが家の食卓よりも豊かではないか。南極での食事と言えば、味気なくそっけないものを勝手に想像していたので、これには驚いた。映画的な脚色がどこまでされているのか、本当にこんな感じなのか、原作の体験記『面白南極料理人』を読んでみたい。

食事はもとより南極観測隊の生活についてはほとんど知識がなく、それゆえに「個室はこうなっているのか!」「トイレはこうなっているのか!}「電話があるのか!」などといちいち新鮮に驚くことができた。「平均気温マイナス57℃ 日本との距離14000km 究極の単身赴任!」と公式サイトにあるが、異文化体験をのぞくような面白さがある。今や海外旅行は珍しくないけれど、観測隊員として派遣される人の数はとても限られていて、そうそう遭遇できるものではないから、その土産話に興味が湧くのは当たり前。ずいぶん昔、幼なじみのフミちゃんのダンナさんが観測隊で南極へ行くということを実家の母が興奮気味に電話してきたが、稀少価値でいうと「甲子園出場」以上だろう。

日本に残した家族や恋人との物語が挟まれると、季節感のない観測隊の毎日に、時の流れが感じられる。家族とのやりとりのベタベタしない感じがリアル。毎日顔を合わせる隊員同士もだんだん家族になっていくが、家族ならではの「必要最小限のことしか言わなくてもわかりあう」感じが良く出ている。逆に、最初は「おう」「おうおう」で通じあっていた恋人との電話の会話が時間とともにぎこちなくなっていき、遠距離恋愛の終焉を感じさせるところもうまかった。この若き隊員の恋の結末は、とても好き。劇場映画初監督の沖田修一監督が脚本を書いているが、自然なセリフがとてもいい。達者な役者さんの力なのか、演出がうまいのか、絶妙な間で笑いを確実に取っていたのはお見事。雪と氷の世界なのに、滑らない。

欲を言うと、料理人以外はどういう仕事をしているのか、あまり描かれていなかったけれど、見やすい長さだったし、料理がメインなのだから、いいのかもしれない。車両担当さんは具体的には何をするのだろう。料理については、思った以上の眼福を味わわせてもらった。ラーメンもさることながら、ローストビーフのジューシーな肉汁にはおなかが鳴った。湯気までおいしそうといえば、去年観た『しあわせのかおり』。もしかしてカメラは同じ芦澤明子さんではとエンドロールに注目したら、当たり。この人の撮る食べものは、スクリーンを通しても鮮度が落ちない。

2008年09月02日(火)  マタニティオレンジ328 買い物ごっこ
2007年09月02日(日)  マタニティオレンジ170 せらちゃんのおさがり
2004年09月02日(木)  「とめます」と「やめます」
2002年09月02日(月)  My pleasure!(よろこんで!)


2009年09月01日(火)  防災ずきんを防空ずきんと呼んでしまう

9月1日は防災の日だということを娘のたまが保育園に通っているおかげで、ここ数年思い出させてもらっている。毎年この日には園で防災訓練があり、お迎えのときは父兄は引き渡し訓練をする。いつものお迎えと違うのは「すでに先生方が荷物をまとめてくださっている」ことと「父兄のフルネームを名乗る」ことと「3才未満の小さい子はおんぶして帰る」こと。

たまは3才になったのでおんぶの必要はないのだけど、おんぶして帰ることにすると、背負った途端、泣き出した。「あさも おんぶが よかったよー」。昨日はわたしの仕事が遅くなるのでじいじばあばの家にお泊まりしたのだが、ぐっと我慢していた淋しさが、おんぶされた安堵で一気に吐き出されたらしい。泣きじゃくるたまをおんぶであやしながら家路についた。

防災訓練では何をやっているのか、これまでわからなかったが、今年は「かじになると えんちょうせんせいが バケツもってきて くれるんだよ」などと報告してくれる。これは火事のときの消火訓練か? 家に帰ると、タオルや座布団を頭にかぶり、「ぼうさいずきーん」と遊び出したので、ずきんをかぶる練習をした様子。防災ずきんは今年から園に常備することになり、どこで売ってるんだ、と探し回った挙げ句、楽天にてメール便で送ってくれるものを見つけて購入した。「防災ずきん」という言葉がどうも使い慣れず、つい「防空ずきん」と言ってしまう。同年代の保育園の先生も「防空ずきん」とつられて、「世代かしら?」と笑い合う。防空ずきんもなじみがあるわけではないのだけど……。

2008年09月01日(月)  『ブタがいた教室』と『ヤング@ハート』
2007年09月01日(土)  第2回ユニバーサル映画祭
2004年09月01日(水)  年を取らない誕生日
2003年09月01日(月)  「うんざりがに」普及運動


2009年08月31日(月)  愛のないヤツとは仕事せえへん

撮影監督出身の津田豊滋監督に会ったのは、2004年、『丹下左膳 百万両の壺』で監督デビューされる少し前のことだった。前田哲監督の『パローレ』の試写を観終えて、前田さんとお茶をしに入った渋谷のセガフレードで、木下ほうかさんとお茶しているところに加わらせてもらった。大阪弁でよくしゃべる気さくな人柄に好印象を持った。去年、共通の知人の披露宴で再会したとき、ちゃんと覚えていてくれたのは、別な共通の知人がいたからで、その人からお互いのことは何となく耳に入れていた。

その津田監督と、出会ったセガフレードでまたお会いした。津田さんと十年来組んでいる映像技術車の鈴木康公さんを紹介され、三人で二時間ほどお茶したのだけど、これがとても楽しかった。母国語の大阪弁で話すと、言いたいことがちゃんと言葉になって伝わる感覚がある。津田監督とじっくり話してみると、生理的に好きなことと嫌いなことが近いこともわかった。作品の中で人を殺したくないとか血を見せたくないとか、ファンタジーや夢のある話が好きだとか。CMもたくさん手がけられているので、「CM一本の予算で映画作れちゃうんですよねえ」という話で盛り上がった。

『ぼくとママの黄色い自転車』主演の武井証君を『いま会いに行きます』より早く『丹下左膳』で起用した話、今まででいちばん楽しかったのは「世界の車窓から」の撮影、ロスで仕事していた頃もあってマイケル・ジャクソンの『BAD』も撮影したので、ちょっと前は追いかけられて大変だった話……「へー」「ほんまですかー」と身を乗り出しつつ、「そういえば」とわたしもボールを投げる。大阪弁の会話にありがちな、話題があっちゃこっちゃ行っては戻ってくるのが楽しい。鈴木さんも大阪弁だったからすっかり関西人かと思ったら、「つられているだけです」。

「俺は愛のないヤツとは仕事せえへん」という言葉が気に入った。

2008年08月31日(日)  マタニティオレンジ327 くるくる ぐるぐる 何度でも
2007年08月31日(金)  『怪談』より怖い話
2005年08月31日(水)  佳夏の誕生日
2004年08月31日(火)  東京ディズニーランド『ブレイジング・リズム』


2009年08月30日(日)  朝ドラ「つばさ」第23週は「旅立ちのうた」

25日の火曜日に開設された公式掲示板(公式サイトトップページからどうぞ。書き込みもぜひ!)でも賛否両論の「つばさ」。否定的意見もしっかり載せる潔さにもチャレンジを感じるが、わたしのまわりでも「ついていけない」派が少なからずいて、そんな人たちには、「観続けていたら、きっと面白くなるから!」と言い続けてきた。その甲斐あって、踏みとどまってくれた人や舞い戻って人たちが、今では「あと一か月で終わっちゃうの?」と淋しがってくれていたりする。

わが家にも脱落者が一人いて、放送開始時2才8か月だった娘のたまは、「ちゅばさ、きらい」「シーザーきらい」「いないいないばあ、みるー」とテレビの音量をかき消していた。それをあの手この手でなだめすかすこと数か月。7月に会った同い年のアオチンが主題歌を歌い「ゆうかちゃん、かわいい」などと言うのを見て、一気に歩み寄りを見せ、「きょうは ゆうかちゃん でないねー」「ラジオぽてと」などと口走るようになった。第22週で登場した「川越〜チャレンジ〜イエイ!」のジングルを気に入って口ずさんだかと思うと、「たけちゃん、ちゅばさのおとうさん」とまで言い出し、急成長。

3歳児にも毎日の視聴習慣が継続は力なりになることがわかったけれど、「つばさ」は第1週から巻いてきた伏線をどんどん刈り取っていくので、ずっと観ている人にとっては、「あれはこういう意味だったか!」と発見する楽しみがある。今後はさらに回収率が上がるので、乞うご期待。

ところで、昨日、浅草サンバカーニバルの打ち上げを抜け出したご近所仲間のミキ嬢からゴキゲンな電話があった。会社のサンバチームの応援に行っていたらしいが、「うちのチームの指導してるブラジル人ダンサーが、前に朝ドラで西城秀樹さんと共演したことがあるんだって。朝ドラつながりで今井さんに電話しちゃった」と言うので、「それって、つばさの第19週に出てたビバマリア役のアンドレアさんじゃない?」と言うと、「ええっ、前って言ってたけど、今の朝ドラ?」と電話の向こうで動揺するミキ嬢。「ごめん。その週観てない」と言い訳するので、「っていうか、西城さんが出てるといえば、つばさでしょう」と突っ込むと、「ぎゃーどうしよう。ほとんど観てないのバレちゃった」。うろたえる酔っぱらいミキ嬢に「つばさを観てたら、もっとテンション上がったのに、もったいない!」と言うと、「サンバだけでもすっごく感動したのに、もっと感動できたのかあー!」と酔いにまかせて悔しがっていた。

さて、西城さん演じる斎藤は、第22週でラジオぽてとが念願の広場になったのを見届け、明日からの第23週「旅立ちのうた」で川越を出て行くことに。回を追うごとにどんどんカッコ良くなるヒロリン。打ち上げで間近で拝見したご本人も、タダ者でない渋さで、スターの貫禄。ヒロリンファンの皆様にはたまらない週となるはず。しかし、旅立つのは、ヒロリンだけではなく……。

この週のあらすじを聞いて思い出したのは、はるか20年以上前、中学生だったか高校生だったかのときに観た『ファミリー』という洋画。母親の死期が迫った兄弟姉妹が次々と里親に引き取られていく話で、一人去るたびにハンカチ一枚分ほど号泣し、涙を拭く布がなくて困った記憶がある(調べてみると、1983年アメリカABCで放映。日本ヘラルドで配給)。ハンカチ四枚もしくはそれ以上をご用意して、どうぞ。演出は初登場の松川博敬さん。

続く第24週「あなたを守りたい」は再び今井雅子のクレジットが毎日出る増量週間。冨士眞奈美さん演じる城之内房子のラジオぽてとへの揺さぶりが激しさを増し、最終週へ向けて、ますます目が離せない展開に。どうぞ最後まで見届けてくださいませ。

2008年08月30日(土)  インド三昧、のち、『ペガモ星人の襲来』
2007年08月30日(木)  マタニティオレンジ169 布おむつはエコかエゴか

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