えあですこんにちは。 母入院日記15。 初日はこちらから。
土曜日になりましたので、お見舞いに行きました。
木曜日に行ったという肺の検査は、別になんともなかったようです。 またレントゲンとか、CTを取るのかな?と思っていましたが、なにやらへんな機械で呼気を検査した……とかなんとか? まあよく分かりませんが、なんともないならそれに越したことはありません。
金曜日のカテーテルは、腕の血管から入れたようです。 昨日の日記でも書きましたように、カテーテル検査とは腕の血管から心臓に管を通して薬とか器具とかを注入するとかいうことをするわけですが、やっぱり何度聞いてもこれ、背筋がぞくぞくします。あいたた。 だってほら、血管とか、心臓とか、そんな所に管なんて入れてうっかり突き破っちゃったらどうするんですか。痛いですよ。いや、痛いじゃすみませんって(当たり前)。 あってたまるかという感じの事故ですが、これまでになかった事故ではないらしいです。 ……もっともそこまで現実的に、万に一つの医療事故を心配していたわけではないですが……。 でも聞いた感じ痛そうなのは変わりありません。血管に管……。 ともあれこちらも検査自体は無事に終了していました。 こちらの結果は後日になるようです。
カテーテル検査は痛くはないが苦しい?らしいです。 そ、そりゃ心臓とか血管に異物入れるわけですからね……。うわぁ。 腕にはなにやら盛大な青タンが浮いていて……やっぱり痛そうでした。
所で話は変わりますが…… 夜を迎えてから気づいたのですが、この循環器科の部屋には、部屋全体を照らす蛍光灯がないのです。 部屋の通路の真ん中にあっても良さそうな、蛍光灯の照明がない。かわりにあるのは、手元の蛍光灯と電球と、患者の個人スペースの天井に設えられたスポットライトのような灯りのみ…… え、これが部屋の照明代わりですか? な、なんか非常に暗いんですけど。 直下の自分スペースは確かに明るいんですが、部屋全体を照らす用途の灯りではないので、部屋全体を見ると、暗い、というか……まだ夕食時間なのに消灯後の夜更かしみたいな……うーん。 確かに眠りたい人には便利だと思うんで、もしかしたらこっちの方がスタンダードな病院設備なのかもしれないんですけど…… 何か微妙な気分でした。
2007年03月30日(金) |
血管の中をぞわぞわと |
えあですこんにちは。 お久しぶりの母入院日記14。 初日はこちらから。
婦人科から循環器科に移ってきました母ですが、ついでに発見された糖尿病とも戦いながら(戦闘方法:おやつ抜き)、検査に明け暮れる日々を過ごしていました。
循環器科、というのは心臓や血管などの病気を扱う科です。 具体的な病名を挙げれば、心筋梗塞とか高血圧とか動脈硬化とか…… その辺の、ザ・生活習慣病、というような病気のスペシャリストです。 実際に心臓病であるという確定診断が出てのお引越しではないですが、母は実は絶対放っておいてはいけなかったレベルに重度な高血圧ですし、糖尿病が循環器科の本来の範疇であるかどうかは分かりませんが、恐らく同じ生活習慣病を扱う科としてキッチリとコントロールしてもらえるのではないかと思います。 婦人科では……おやつも文句言われずに普通食でしたからね。 いいのか婦人科。 おやつを食べられないのは可哀想ですが、ここに放り込まれて正解でしょう。
今週の検査は肺の検査とカテーテル検査だそうです。 カテーテルについては、科を移った日に説明を聞いていたのですが、肺の検査というのは寝耳に水でして、妹からそれを行ったという話を聞いたときにはいささかどきりとしました。 何で循環器科で肺なのさ…… 循環器の病気が怖くないというわけはないのですが、ここに移って来たことで、がんとか、そういった内臓の怖い病気の恐怖からはとりあえず開放されたと思った矢先だったのに…… いや、しかし、検査、ですからね。検査。 きっとなんともないはずです。これまでの検査がなんともないなんともないの連続だったように…… ……まあ、入院するような症状が出ているのになんともねー、じゃ、逆に困るわけです、が。
カテーテル検査というのは、科を移った日にも先生から説明を受けましたが、私も聞いたことがありました。 母の弟である叔父も、かなり前に心筋梗塞で倒れた際にこれをしていたはずなので、その時に聞いたんだったでしょうか。 カテーテルというとても細い管を腕や足から血管の中に入れ、それを心臓の中まで徐々に押し進め、造影剤を流し込んでその様子を撮影する、という検査です。
血管の中を、管が、ゆっくり、ゆっくり、ぞわぞわと、……
あっ。 なんか、想像するだけでぞわぞわしてきます。
これらの検査を、母は木曜日と金曜日に行いました。 明日には、結果は出ているでしょうか……。
えあですこんにちは。 母入院日記その13。 初日はこちらから。
今日は、主治医の先生から、母の病状についての話を聞くために、会社を休んで病院へ行くことになりました。 10時からという約束だったので、朝の9時半の少し前に家を出ました。 外は晴れていてとてもいい陽気で、自転車で走るのも爽快です。 桜もそろそろ咲き始めているのでしょうか。家から病院までの道のりに桜の咲く場所はありませんので分かりませんが、今度川沿いか、小学校の方を回ってみましょうか。 ……咲いてたら、母にも見せてあげたかったのですが。 今度、携帯にでも撮って見せに行くことにします。
病院に着きまして、いつものように駐輪場に自転車を止めて救急入り口から入りました。救急入り口の方が正面入り口よりも近いのです。 母の病室に行くと母は荷物を纏めてベッドを移る準備を既に終えて待っていました。 荷物を纏めたついでにこのまま退院できればいいのにねえ……。いや、こんな時点で笑顔で退院してもイイヨ?とか言われても、ある意味ヤですがね。 先生に会いにナースステーションに行ってみましたが、先生は外されているようでした。看護婦さんに言うと呼んでおきますね、と言っていたので、病室に戻ってしばらく待っていることにしました。
いつものように雑談しているうちに30分程が経過しました。 約束の10時は過ぎましたね……声をかけてはくれないんですかね。ナースステーションの前で待っていたほうがよかったんでしょうか? ひとまずもう一度行ってみましょうか。 ということでもう一度ナースステーションに行ってみましたが、先生はまだいないご様子でした。 ちょ待て、とか言いたい所ですが先生はお忙しいですからねと理解を示してみることにします。 ……とりあえずトイレに行ってきます。 と、トイレに引き返した途端に先生とばったり遭遇。 トイレに行く旨を伝えてそそくさと用事を済ませ、ナースステーションに戻りました。
先生は、ナースステーションの奥にある、カンファレンスルームのような部屋へ私を案内しました。 母は、そわそわとしながらナースステーションの外で先生の後についていく私を見ていましたが、先生は母を振り返り、 「左沢さん(仮名)もどうぞ」 と声を投げかけました。
母も一緒に聞くんですか。 重篤な病気を告知する際は、まず家族にのみ告知しておくものだと思っていましたが(祖父はそうだった)…… 母も一緒ってことは実はそこまで重い病気でもなかったり……? だったらいいなあとか……いやしかし、本人も同時に告知を聞くっていうパターンもあるって聞くよなあとか……でも母にはそういうの聞かせたくないんだよなあとか…… 等と色々考えを巡らしながら、母と一緒に部屋に入りました。
部屋には長机とパイプ椅子と、レントゲン写真を貼るバックライトのついたホワイトボードみたいなのが置いてありました。 二人並んで待っていると、先生が正面に座りました。
「婦人科で腹水が見られる場合、まず疑われるのは卵巣腫瘍です」 先生は、席につくとおもむろに話し始めました。 切り出しの説明は、入院時に聞いたものと同じでした。その疑惑があるために……この婦人科に入院したのですから。 「そこで、CT、MRI、レントゲン、血液検査、尿検査、腹水の検査など、あらゆる検査を行いました所……」 冷静な顔をしつつも、内心は叫び出してしまうほどの緊張を覚えながら、食い入るように先生の話に耳を傾けました。 ああ、どうか、余命数ヶ月とかそんな話にはなりませんように。 祈る気持ちで聞いている私たちに先生は言いました。
「とりあえず、がんではないですね」
!! がんじゃない!? これまでに腫瘍マーカーだの卵巣腫瘍だのという言葉に怯え続けてきた私にとって、その言葉は全身が脱力するほどにほっとする一言でした。 無論、がんではないながらも原因は他にあるということですから、本来は全く安心できる説明ではないのですが、やはり、一般人にとって「がん」以上に衝撃を受ける病名はないのではないかと思います。 母の父である祖父もがんで亡くなっておりますし…… 母自身も、口には出さないながらもかなりの恐怖を覚えていたのではないかと思います。
「あるとしたら影も映らず血液検査などにも全く出ない腫瘍ですけど、まあそれは大変低い可能性なので、ないと思っていいです」 と先生は重ねて言いました。 !?最初に言った腫瘍マーカー云々ってなんだったのさ!? ここは本当は突っ込むべき所だったような気はしますが、突っ込む前に先生は続けました。 「婦人科でも消化器でもないとすると、心臓が弱って水が溜まったということが考えられます。 なので、今日の午後から循環器科の方に移ってもらうことになります」
心臓、ですか…… 入院前の診察で、内科からまず最初に回されたここへ、また舞い戻ってくることになりました。 ……。 ……? あれ、循環器科って言いました、今? 母が言い間違えたのか、私が聞き間違えたのか謎ですが、お引越し先は消化器科ではなくて、循環器科だったようです。 循環器科だと最初から認識していたら、少なくともがんではなさそうだということはその時点で分かっていたのに……(いや、知らないだけで循環器にもがんはあるのかもしれませんが) なんか非常に騙された感を覚えます。勝手に。
勿論循環器系の疾患は、がんと並び日本人の三大死因の一つですから、怖いものには違いないのですが…… 余命数ヶ月を本気で覚悟していた側としては、ひとまず安堵の吐息を漏らす余裕を得た心地でした。 心臓の働きが悪くなって、というのはつまり心不全ということだと思うのですが、これは慢性的な持病としてゆるゆるお付き合いしていくような症状ではなかったかと思います。 少なくとも数ヶ月、とかそういう話ではないはずです。
しかし、 「婦人科でも消化器でもないとすると、心臓が弱って水が溜まったということが考えられます」 という言い回しですと、実際は循環器科の病気と分かったからそっちへ行くことになった、というよりは、がんではないから次にありそうな所に回してみた、という感じのようです。 つまりは結局まだ正式な結果は出てない、ということなんですよね……
そもそも本当に心不全だとしても、心不全自体も腹水と同じように、何らかの原因があって出てくる症状であった筈ですし…… 一体、母の病気とはなんなのでしょうか。 結局それは、謎のままです。
ともあれ、先生のお話は以上でした。 お昼を食べたら、この婦人科病棟にお別れし、新天地へとお引越しです。 看護婦さんが、荷物を運ぶ為にワゴンを持ってきてくれて、それに着替えやら漫画やらを積み込みました。 漫画が10冊以上あるのはさすがに多すぎだと思いました。持って帰っておけばよかった……
新天地、循環器科はひとつ降りた3階にありました。 母は今は特に不自由なく一人で歩きまわれるのですが、看護婦さんが車椅子を持ってきてくれて、それに乗っていきました。 入院時は、車椅子にはまり込んで抜けなくなるほどにあった身体の幅でしたが、今や車椅子に座っても両側はすかすかです。
あれ?そういえば言ってませんでしたっけ。 母の体重はその後も減りに減り、私の体重など、とっくに抜かされましたが、何か? ……。 ……おかしいな、母は元々は今の私程度の体型だったと思ってたんですが……
私の懊悩はさておき、新しい病室に到着しました。 母のベッドの位置は4人部屋の窓際でした。 やった、また窓際、と思いましたが……窓から外を覗いても、眼下には2階のロビーの屋根が広がるばかりで、眺めは非常に微妙な感じでした。残念。 まあ、明るいことはいいことなのですがね。
ところで、たった1階の差なのに、この循環器科病棟は、婦人科とは雰囲気が全く違いました。 設備的にも、カーテンの色からして違ったのですが、よくよく見ますと違いはそういう点のみには留まっていませんでした。 まず婦人科は、前に書いた記憶があるのですが、何故かこちらが心配になるほど空いていて、どの部屋も半分くらいベッドが空いていたりとか、それどころか時には大部屋に母ひとりぼっち!という日も生じたりしたのですが(母はイヤホンを使わずにテレビが見れたりして喜んでいましたが)、循環器科はどの部屋も満員に近い盛況ぶりでした。 そして、婦人科では比較的若い年齢層の方が多かったのですが、こちらはじさまばさまの多いこと。婦人科の患者さんは皆大体個別のベッドのカーテンを締め切って生活していたのですが、何故かじさまばさま方は皆様カーテン全開なのです。廊下を通るとベッドに転がったままこっちを見ます。怖えぇ! そしてなにより……そう、当然なのですが、この病棟には婦人科には当然一人もいない、男性患者がいます。これが大分違います。なんか違います。匂いじゃないけどそういう感じのものがなんか違う。 総じて私は、なんか婦人科の方がいいなあ、と思いましたが、まあ、私が入院するわけではないので拘っても仕方のない所です。
運んできた荷物をロッカーに詰め込み一息ついていますと、病室に、新しい主治医の先生が来てくださいました。 これまで何回か診てもらったことのある、女の先生です。
婦人科の先生からの話を聞き終わり、ひとまず最悪の結果は回避されたと思い込んで安堵していた私と母に、しかしこの先生は唐突に、私たちが予想だにしなかった恐ろしい宣告を下したのでした。 これはまさに、私たちの束の間の安息を引き裂く、悪夢の序曲にも似た青天の霹靂に他なりませんでした……
糖尿のケがあるのでおやつ禁止&明日から糖尿病食。
Σ(゚Д゚;)(゚Д゚;)オヤツヌキ!!
えあですこんにちは。 母入院日記その12。 初日はこちらから。
夜、会社から、帰宅してすぐくらいのことでした。
バッグの中に放置しておいた携帯に、公衆電話からの着信履歴が入っているのに気がつきました。 なんだろう? と思いましたが、公衆電話ですのでこちらからはどうしようもありません。 公衆電話ということは、心当たりは母しかありませんが…… 何かあったのでしょうか?
と、それに気づいたすぐ後に、今度は家の電話が鳴りました。 夜に家の電話が鳴るのは、私は少し苦手です。 普段、家の電話は何らかの業者くらいしかかけてきたりしないので、業者がかけてこない時間帯に鳴るということは、つまり、それなりに重要な用件がある電話だということだからです。
祖父が亡くなったときとか、 入院していたねこが亡くなったときとか、
そういうのに限って何故か夜にかかって来るんですよね……
今回は、直前に母かららしき電話を受けていましたので、私が受話器を取りました。 「もしもし?」 「もしもし、私だけど」 やはり母でした。 「うん、どうしたの? こんな時間に」 「あのさ、明日会社休める?」 そんなことを聞いてきます。 先日、最後の有給休暇を使ってしまったので、答えは本来Noなのですが…… 「うん、別に平気だけど?」 と私は答えました。 入院中の母がわざわざ電話をかけて言っているのです。詳細はまだ聞いていませんが、なんにせよ冗談で言っているわけはありません。 有給がないということに加え、業務の関係上、ちょっと明日は休むと困ることになるだろうことは予想がつくのですが、これは恐らくそれよりも優先すべき事態です。 「それで、どうしたの?」 促すと、母の少し緊張した声音が返って来ました。
「先生が、検査結果について話があるから、ご家族の人を呼ぶように、って……」
ご家族の人を呼ぶように―― 母がわざわざ欠勤を打診してきた時点で、後に告げられる用件には気づいていましたが、いざ言われてみるとこの台詞にが持つ禁句めいた響きに背筋がぞくりとしました。 「あ、そうなの。何時に行けばいい?」 けれども私はあえて軽く聞き返しました。 深刻な想像を声に表すことなど許されるわけがないじゃないですか。 誰よりも心細いのはそれを伝えている本人だというのに。
朝の10時までに来て欲しいとのことでした。 そして先生の話の後、13時から消化器科に移るということで、その手伝いもして欲しいとのこと。 「おーけーおーけー。では9時半頃に行くようにするよ」 了解して、電話を切りました。
居間にいた妹が「何の電話だったの」と聞いてきたので、私は、「お母さんの病室が変わるから、その手伝いをして欲しいんだって」と咄嗟に答えました。 我ながらチキンな返答です。
それにしても、消化器科、ですか…… 入院前の診察のときもそうでしたが、何故かこの科はいやな感じがします。 先生がいやとか、そういうのではなく、母の病状で消化器科というのはなんだかとても取り返しのつかない病気であるような、そんなイメージがするのです。本当に、ただのイメージだけなのですが。
これまで母との会話で一度も話題に上ることなどありませんでしたが…… いえ、正直に言えばあえて考えないようにすらしていましたが、入院前の検査では、腫瘍マーカーが……とも言われていましたし…… あのときは婦人科の方の、と言われましたが、詳細な検査の結果、それは消化器科の方のということに……?
……、
……ああ、いやだな。怖い。知りたくない。 明日なんか来なければいいのに。
2007年03月25日(日) |
諦めたらそこで試合終了ですよ |
えあですこんにちは。 母入院日記その11。 初日はこちらから。
3日連続でお見舞い日です。
どうも母のいる病室は入院患者の回転が速いようで、入院から1週間ほどの時点で母は部屋で一番の古株になっていました。 この部屋に入る皆さんは来たと思ったら割とすぐに退院していかれます。 しかし母はもう入院してから12日になりますが、未だ検査結果の正式なお話も聞けていません。一体退院はいつになるのでしょうか。
あ、一応病院の名誉の為(?)に言っておきますが、全くお話がない、ということでもないのです。 病室にて時たまお話を聞くことはあるそうですし、入院してすぐ、まだ殆ど検査がされていない頃にですが、病名や今後の方針が簡単に纏められた紙を渡されて説明があったそうです。
病名:腹水、入院期間:1ヶ月ほど
と、その紙には書いてありましたが、腹水というのは病気そのものではなく、何らかの病気がある場合に生じる症状ですので、これは本当に暫定的なものです。 その「何らかの病気」次第で入院期間は変わってくるのでしょう。
ということは、この「1ヶ月」は最低ラインと考えた方がいいということでしょうね。 大元の病気がすぐに退院してさしつかえないものであるならば1ヶ月…… すぐに退院できないものであるなら……
……。
早く退院できることを望むばかりです。
本当は…… もしそんなことが出来るのであれば、このまま検査結果などを知ることなく、ずっとゆっくりしていられればいいんですけどね。 入院前は身体が重すぎて、寝ているだけでも苦しかったようですが、今は大分むくみも取れ、体重も減っているので苦痛はない様子。 身体に何らかの病気が隠されているとしても、それも今の所母に痛みなどを与えてきているわけではありません。 トイレは大変ですが、食べるものや行動に制限があるわけでもなく、辛い治療があるわけでもない。 家事や、仕事や、本当の病名なんかに煩わされることのない、優雅な3食昼寝付の生活を、このままいつまでもいつまでも続けることが出来たなら……
……勿論そんなことが出来るわけはありませんけどね。
話は変わりますが、自分や親しい人が病院に入院した経験がある方はご存知でしょうが、病院内ではテレビカードというプリペイドカードが大活躍しています。 これはその名の通り、部屋のテレビを見るためのカードですが、それ以外にも洗濯機を使うのにも、冷蔵庫を使うのにも、FAXを使うのにも使うという便利カードです。
先日、母の隣のベッドだった人が退院する際、 「使いかけだけど、色々お話してくれてお世話になった左沢(仮名)さんにあげるわ」 と、母にテレビカードを下さったそうです。 「1階で換金できるよ」 と母が教えましたところ、「げんが悪いからいいわ」と断られたとのこと。 そういうもんか?と思いつつも、使いかけならと有難く頂戴し、退院を見送ってから使ってみたところ、それは実は使いかけなどではなく、1000度数ぴったり入った新品だったそうでした。 なんとも小粋な方です。
入院生活での娯楽としてはTV以外にも、家から差し入れた漫画を読んでいる、と前に書きましたが、具体的に何を読んでたかというと、スラムダンクだったりします。他にも読んでましたが。
妹は毎日のようにお見舞いに来て、読んだ分を持ち帰りまた持ってくるを繰り返していましたので、私が気づいたときにはIH予選の陵南戦からしか病室にありませんでしたが、私もそこから読み始めました。 まあ、ストーリーは知っていますし、何よりこの試合はえあさんの最も好きなストーリーのひとつなので文句はありません。
いやあ、久々に読みましたがやはりスラムダンクはいいですね。 「安西先生……バスケがしたいです」、とか、 「諦めたらそこで試合終了ですよ」、とか、 オタクならずとも知るたくさんの名言を生み出したこの作品ですが、私はこの陵南戦ラストの、 「戻れ! センドーが狙ってくるぞ!」 が隠れた名言だと思っています。 このシーンを筆頭に見所が目白押しな試合です。私、この試合だけでご飯3杯くらいいけます。
こんな感じで、母の病室はTVも見れるしリクライニングベッド付というなんとも素敵な漫画喫茶と化していました。 3日間入り浸り、漫画も大分読みつくしました。明日からはまたしっかり会社にいってきます。
えあですこんにちは。 母入院日記その10。 初日はこちらから。
土曜日なので今日もお見舞いに行きました。 実は毎週土曜日は、午前中に遠くからわざわざ友人M氏が私の足となる為に(ぇ?)来てくれるので、重たい買い物なんかがとても楽なのです。米とかねこ砂とかを自転車で買いにいくのは大変なので、非常に助かっています。有難う御座います。
そのM氏に病院まで送って頂いた後、私はすぐに病院には入らず別の場所に足を向けました。 昨日、病院の窓から見下ろしたセンスの悪い和菓子屋さんです。 和菓子屋さんのセンスの悪さは果たして商品にまで及んでいるのか? その検証をしなくてはならなかったからです。
……普通に和菓子が食べたかったからと言う説も有力なんですけれどね。
店内は落ち着いた作りで広々としていて、特にセンスの悪さを感じさせる点は見受けられませんでした。 陳列されている贈答用っぽいお菓子を眺めていますと、お店の人がお茶をいれてくださいました。お、有難いサービスですね。 商品も別にセンスが悪い感じはせず、いくつか食べてみたいなと思ったお菓子があったのでお茶を飲みながら品物を選んでいましたが、まあ、相手は母ですのでいちいちかしこまって箱詰めされたものを買うこともないだろうと、3種類ほどばらで購入しました。 おまけにせんべいもひとつつけてくれました。 いいお店認定しようと思います。
そのお菓子を持って母の病室に行きました。 やっぱり窓際は明るくていいですね。 母のいる婦人科は、カーテンの色もピンクで華やかです。 他の病棟は、手術着を薄くした色みたいなグリーンのカーテンで、これもこれで清潔感があっていいとは思うんですが、ピンクに比べるとなんだか地味というか……暗いとまでは言いませんが、ちょっぴり元気のない感じが個人的にはするのです。
ところで…… この婦人科では(多分どこの科でもそうなんでしょうが)、検温の結果とその日の食事量などを書き留める為の紙が病院から配られているのですが、母はその紙に、指定の項目以外にも色々書き込みを入れています。その日行った検査項目だとか、先生の話だとか、計った体重だとか。
特に体重は、やけに綿密に記録されています。 「3回くらいトイレに行ったら計ってる」 と母の言うその記録の回数は一日に6、7回にも上りましたが、しかしそれだけの頻度であるにもかかわらず、書くたびに着実に体重は減っていっていました。 体重計はナースステーションの前に置いてあり、自由に使えるようになっていましたが、別にそこまでこまめに体重を量れという意味でもないと思うんですけれど……。
……。 ねえ、お母さん。 自分の体重の減り様を…… 楽しんでるでしょ、これ。
利尿剤、やはり物凄い効用です。
「あんたも飲む?」 だから私のは水じゃありません脂肪です。
しかしこれは嬉しくなる気持ちも分からなくない程の減りようです。 前にも言いましたが、1週間20kgダイエット。1日に3、4kgのペースでの減量ですよ。 己の体重に悩む多くの女性にとっては羨ましいことこの上ない現象でしょう。 トイレへの往復で一日過ごすことになりますよと言われても、本当にこれだけ減るのならやる!という人は全国に数百万人いる筈です。 多分普通の人は減りませんけどね。
しかしこの様子を見た主治医は「一気に減りすぎ。」と、利尿剤の処方を一種類やめることにしました。 当たり前ですね。
妹もお見舞いに来たので和菓子を3人で食べました。美味しかったです。 弟も来ましたが弟の分はなかったので隠しました。
えあですこんにちは。 母入院日記その9。 初日はこちらから。
昨日、妹から聞いたことというか、聞かなかったことというかがどうしても気になってしまったので、私は母の病院に行ってみることにしました。 有給休暇をこれで使い果たすことになってしまいますが、今年度はあと1週間だけですから、別に問題はないでしょう。
今日は思いっきり平日ですので、私の顔を見るなり母は、 「あれ、あんた何しに来たの?」 と当然言ってきましたが、馬鹿正直に心配だったから来た、と言うのも病人をむやみに不安にさせるような気がしましたので、有給がまだ余ってるから休んじゃった、と言っておきました。
気になっていた検査結果ですが、どうやら母も本当に聞いていないようでした。理由は先生の都合とのこと。 今日も何かあるなら聞いていてもよさそうな時間帯ではありましたが、まだ特に何も言われていないそうでした。
そうですか…… 気にはなりはしますが、それならそれで、仕方ありません。
もし…… 本当にもし、ですよ? あまり望ましくない結果を母が一人で聞かされていたのだとしたら、一人でいるのは嫌だろうなあ……と。 そういうことも思いまして病院へ行ったというのもありますので、そうではないのだったら、まだ気は楽です。
ところでこの日病室にきてみますと、ベッドの場所が変わっていました。 ひとつ隣に移って、一番窓際の席になっています。 どうやら、窓際のベッドが空いたとのことで、試しに「窓際に行きたいな〜」と言ってみたら、本当にプチ引越しさせてくれたそうでした。 何でも言ってみるものですね。
窓際のベッドは明るく、また4階なので眺めもいいです。東京タワーは見えません。 窓から病院前の道路を見下ろすと、いくつかのお店やさんが見えました。 「あのお店、夜見るとネオンのセンス悪いのよ〜」 と母が言うお店は和菓子屋さんでした。 和菓子屋だって悪趣味にネオンを光らせて自己主張したって別にいいじゃないかと思いますがどうでしょう。
今日は妹は一日バイトであったようで、見舞いには来ませんでした。弟も父も暇があれば来ているようですが、この日は誰も来ませんでした。 面会時間の始まりが遅かったのでお昼は一人で食べてしまいましたが、おやつは母の備蓄をあさって食べて、夜ご飯も売店で買って病院の夕ご飯の時間に一緒に食べて帰りました。
えあですこんにちは。 新しい日記があると過去の日記が最新として報告されない仕様みたいなので、5/4の日記は一旦削除しました。うへ。 さて母入院日記その8。 初日はこちらから。
会社から帰ってきて、いつものように夕飯を作って食べていると、食卓にいた妹が私にこう尋ねてきました。 「お母さんの検査の結果について聞いた?」
今日は検査結果が出る日です。 しかし、私は今会社から帰ってきたばかりなので、見舞いに行った(であろう)妹から聞く以外にはその情報を耳に入れる手段がありません。 なので、 「いや、何も聞いてないけど。どうだったの?」 と聞き返すと、妹は、 「知らない。聞いてない」 と答えました。
聞いてない……? それはどういうことなんでしょう。 今日検査結果が出るって言っていたのに? 妹が言うには、 「今日先生から検査結果を教えてくれるって言われてたけど、教えてくれなかったんだって」 だそうです。
……。 どういうことなのでしょうか。 本当に、教えてくれなかった? 或いは、教えて貰ったけど、妹には言わなかった?
しかしいくら一番下の妹と言っても、もう成人した娘です。 これが高校生くらいであれば、検査結果があまりにも悪いものであれば秘密にするということもありうるかもしれませんが、いくらなんでも成人している娘に言わないということもない……でしょう。
ということは、本当に、母自身も教えてもらえてない?
これはどういうことなのか…… もし先生の都合で教えてもらえていないなら、明日辺りには教えてもらえているでしょうか……?
なんだかとても気になります。 なんということはないのかもしれませんけれども…… 明日は金曜日ですが、もう年度も終わりですので、最後の有給を使って病院に行ってみることにしました。
えあですこんにちは。 母入院日記その7。 初日はこちらから。
3月21日。春分の日です。 春分の日はその名のとおり春分である日なので、実は年によって日にちが違うということに、私は結構最近になって気がつきました。 来年は、20日だそうです。 暦の上では今日から春ってことになりますね。寒い日もまだ続きますが、これからはだんだん暖かくなって、桜とかも咲き始めて、過ごしやすい季節になってくるのでしょう。
桜…… 毎年、私は母と一緒に近所の川岸に花見に行っているのですが、今年はちょっと無理そうです。 川沿いの遊歩道を、何百本も立ち並ぶ桜並木が満開の花を咲かせているのを見上げながら歩くのは、楽しい恒例行事だったのですが、残念です。
来年は、一緒に行きましょうね。
ともあれ今日は祝日で会社がお休みの為、母のお見舞いに行きました。 こんにちは、来ましたよーっと。 と、カーテンを開けて入ってみますと、母は例によってベッドに横になって読書中でした。 今日も体調は悪くなさそうです。
しかし…… ふと気づくことがあって、私は母をよくよく見ました。
なんか、やっぱり……
大分痩せてきたような?
酷かった顔のむくみが明らかに取れています。 母に確認してみますと、なにやら入院前日に計測したときには3桁あった体重が、1週間経った今では80kg台まで落ちているとのこと。
1週間20kgダイエット!?
物凄いことです。 ことです……が、しかし、それもそのはず。 前に聞いたとおり、1日に5リットルもの水が尿として排出されているのですから、減らないわけがありません。
たった2日ほど休みだった担当の看護婦さんが出勤してきた時に、 「左沢(仮名)さん痩せたわね!?」 とびっくりされたそうです。 私はまだむくむ前の母の顔を知っていますから驚きは少なかったですが、あの状態で初対面した看護婦さんから見れば、見違えるようだったことでしょう。
恐るべし利尿剤……ッ!
母に、 「あんたも飲む?」 と言われましたが私のは水じゃありません脂肪です。
しかし…… いかに身体には本来不要な水であるといっても、こんなに一気に排出させてしまって大丈夫なのでしょうか? まあ、本人は、身体も軽くなって至って元気そうなのですが……。
この日は祝日でしたので検査はお休みでしたが、月曜日、火曜日とまた検査三昧だったようでした。 明日、入院からこれまでに行った検査の結果を先生から聞くのだそうです。
出来れば私も聞いておきたいのですが、入院時に2日も休み、今年度は私自身も体調を崩して1週間丸々休んだりもしてしまった為、有給休暇があと1日しか残っていません。 母に聞いておいて貰うことにしました。
2007年03月20日(火) |
一方、自宅でh(ry |
えあですこんにちは。 不定期連載母入院日記その6です。 初日はこちらから。
近所のスーパーでバイトをしている妹はちょくちょくと母の見舞いに行っているようですが、通勤2時間のえあさんはさすがにそうも行きません。 朝の8時に家を出たら、帰ってくるのは定時のチャイムが鳴ると同時に退社するという非常用ペースを採用して21時。面会時間はとうに終わっています。
そんな生活ですのですっかりと、自身の食生活も手抜き加減になってしまっておりました。
そろそろ……
カップラーメンは卒業しましょうか。
ということで……
インスタントラーメンはじめました。
湯を沸かすだけのカップラーメンは料理ではありませんが、鍋を使って煮るインスタントラーメンは料理ですよ、ね……? 私、成長してるよ、ね……? お母さん、安心しているよ、ね……?
……。
あ、それだけじゃないんですよ。 最近は、リゾットなんかを食べるときも、あります。
……レンジでチンで食べられる保存食品って偉大ですね。 レンジそのものと並び、発明した人、GJ。
さて、明日は祝日です。 お見舞いに行きましょうか。
えあですこんにちは。 母入院日記、その5……6……?いややっぱ5。 でたらめはいけません。……おてがみありがとうコーナーの回数はでたらめですがこれくらいはちゃんとしましょう。 ということで、改めまして母入院日記その5です。 初日はこちらから。
土日は検査がなく、まだ検査中なので治療もなく、食事や、院内の移動にも特に制限がない母は入院生活をのんびりと過ごしているようでした。 尤もトイレだけは頻繁なので大変そうですが……。
面会は13時からなので、私はそれまでに家事を済ませて病院に行き、病院のレストランで昼食を取ることにしました。 母も一緒です。 勿論母は病院食を取っていますから、飲み物だけですが。 病室は4階、レストランは1階なので車椅子借りてこようか?と聞きましたがいらないとのこと。 少し心配しましたが、トイレへの往復でこれでもかと言うほど歩いていますし、1階にある売店におやつや飲み物を一人で買いに行ったりしているようですので、大丈夫なようです。 「家にいたときよりも動いてる」と言っていました。
ということでレストランでお食事です。 メニューには、色々な料理が乗っていました。 たぬきうどん。(でもうどん類はこれだけ) タンメン。(でもラーメン類はこれだけ) ナポリタン。(でもスパゲティ類はこれだけ) カレー。(何故かカレーは薬膳カレー、野菜カレー、オムカレーと種類豊富) 飲み物類。
他にも平日はすき焼き定食とかやってるらしいです。 ……すきやきていしょく…… 病院のレストラン、意外と凄いなあ……
私は薬膳カレーを食べました。 よくある社員食堂のような、100均で売ってるような安っぽいお皿に適当に盛り付けられている程度かなーと思いきや、ちゃんと一般のレストランのように、洒落た器に見目も綺麗に盛り付けられていて、味もスパイスの風味が薬膳っぽく効いていて美味しかったです。 まあ値段も普通のファミレス程度はするので、本当に社員食堂レベルではちょっと今後の利用を考えてしまいますけどね。
食事中も母はトイレに立ったりしていました。 やっぱりトイレが近いというのは苦労が多そうです。 朝だけの薬なので、夜は効き目が弱まるそうなのですが、それでも夜中も1時間おきに起きなければならないというのはなんとも過酷です。熟睡なんて夢のまた夢です。気を抜けばうっかり大洪水の危機です。 病気というものは怖いなと改めて感じました。
戻りがけに売店でおやつとお茶を買い込みまして、病室に戻りました。 母の病室は6人部屋の廊下側1人分が欠けた5人部屋で、母のベッドの場所は真ん中だけど隣がその欠けた一人分のスペースなので一番廊下側にあたる? という位置でした。分かりにくいですがそんな場所です。 窓から遠く、ぐるっとピンクのカーテンで締め切っているため少しくらいのが難点です。日中も手元の明かりをつけっぱなしにしていなければなりません。 窓側のベッドが空いていたらよかったのに、残念です。
そんなほの暗い小部屋で母とクッキーとかをつまみながら黙々と漫画を読みふけりました。 うちには漫画が売るほどあるので、仮にこの入院が長期となっても安心です。読むものには困りません。 読書会を楽しむうちに、日もとっぷり暮れて夕飯の時間になりましたので、私は帰宅することにしました。
有意義な休日でした。
***
第149回、物凄く久々ですよのコーナー。略してお手紙有難うのコーナー。 これまで放置しまくってしまい申し訳ありません。
・思う所思わない所好きに書けィ!
いつも基本的には頂いた日付順にお返事を書かせていただいているのですが、このお手紙の投函日付は3月4日でした。3月4日……。もう出された方もお忘れになられているかと思います。 さて、最近このような一見定型文のメッセージを頂きますと、何かどっか一文字書き換えられているんじゃなかろうかと大変警戒しつつ3べんくらい読み返す癖がついております。 ……。 …………。 ………………。 ぽちっとな、有難う御座いました。
・タリスさんの再登場希望☆
下僕へのメッセージ、有難う御座いました。 タリスさんですか。そうですか。あの属性の人間が複数いる作品と言うのもそれはそれだと思います。 あの属性の人間は、私も個人的には書き易……もとい、好きですので、是非機会があれば再登場させてあげたいです。 まずはその機会w(ry
・永遠の16歳のえあさんよりは素敵な未来じゃないでしょうか(にっこり) ……冗談ですよ?
3月3日の日記へのコメントだと思います。有難う御座います。 有難う御座いま…… うあああああああん(ノД`)・゚・.
えあさんは永遠の18歳で御座います。16歳程度の小娘と一緒にしていただいては困りますなあ、ハハハ。
・大変失礼ながら、トップのコピーライトが未だ1998〜2006になっております……。3年連続で差し出がましい一言を申し訳ありません。
ぎ ゃ あ 。 今年もすっかりと忘れておりました。指摘有難う御座います。大変有難い指摘です。言っていただけませんと多分まだうちは2004年です。 そのうち直させていただきます。って、えあさん……そのうちって……
・……なんといいますか凄く大変な状況みたいですね。お母さんのこと心配とは思いますけれど、気を落とさずがんばってくださいませ(ありきたりなことしか言えなくてすみません)。
ご心配有難う御座います。 今書いているのは過去日記ですので、まずはそのときを思い出しながら書くことを頑張ろうと思います。
他、転載不可でのメッセージ、有難う御座いました。
えあですこんにちは。 タイトルが全然入院していませんが、母入院日記4です。 初日はこちらから。
土日は私は仕事が休みですので、母のお見舞いに行くことにしました。
病院は家から自転車で十分程度と大変近いのですが、私は免許はおろか自転車すら持っていなかったので、私はまず足となる自転車を買うことにしました。お見舞い以外にも、今後しばらくの移動手段を得なければなりませんから、手痛い出費ですがこれは必須です。 近くのホームセンターに買いに行こうとした所、妹から、別のホームセンターの方が安いという情報を仕入れましたので、そちらのお店に見に行きました。
余り行かないホームセンターの入り口付近に、ちょっと埃をかぶって、自転車はおいてありました。 値段を見ますと、26インチのママチャリが6980円。 む、確かにこれは最安値な予感。砂埃をかぶっていてもまあいいでしょう。 赤い自転車と銀色の自転車がありまして、どちらを買おうかなあー……と悩みましたときに、はたと気づきました。
妹がここが安いと知っていたってことは。 妹もここで同じ自転車を買っている……んだよなあ。 ……妹の自転車って何色だっけ。
流石に家に同メーカーで色まで被った自転車が2台あったら分かりにくいです。必死で記憶を呼び起こしますが……ダメです。覚えがありません。 なんとなく銀だったような気もしましたが、結局私が欲しいなと思った銀色を購入してしまいました。 結局、後で確認した所、妹は赤だったので被らずに済みましたが。
ぴかぴかの……否、ちょっと埃をかぶった新車でねこのトイレ砂を買いに行ったついでにたまたま立ち寄ったスーパーでねこのドライフードが大変お安くなっておりましたので、それも持てるだけ大量購入。 期限間近の品物とはいえ、1.4kgで398円の半額というのは、値札が間違ってるんじゃないかコレ?というレベルでの安さです。4袋も買い込んでしまいましたが大変お得な買い物でした。
お買い物を済ませてから、母のお見舞いに行きました。 二日ぶりに面会した母は、背もたれを少し高くしたベッドで妹が差し入れた漫画を読んでおりました。
金曜日に、おなかに針を刺して水を抜くことになっていたので、多少水が抜けて楽になってるかな?と思ったのですが、1リットルは抜く予定の所、水が余り出て来ず、90mlしか抜けなかったそうでした。 その代わりに、利尿剤は相変わらずの効きっぷりのようで、ひとつ2500ml入る蓄尿袋が1日で2つ満杯になるほどの大放出っぷりとのこと。 顔の辺りのむくみも少し軽くなってきたような気がします。
一昨日の入院当日にCTと、その次の日に抜けなかった水抜きをしましたが、土日は検査などはお休みだそうで、急かされて入院した割には特に何をすることもなく過ごしていました。
えあですこんにちは。 普段あんまり押していただけることのない投票ボタンがここ数日ぽちぽちと押して頂けております。応援大変嬉しいです。
母入院日記その3。 初日はこちらから。
母が入院しまして、家族の生活もガラリと変わりました。 これまでは母が家事一切を取り仕切ってくれていたおかげで、私たちは家に帰れば母が食事を作ってくれていて、暖かいそれを食べるだけでしたし、洗濯物も脱ぎ捨てて置いておけば母が纏めて洗って干してくれていました。 母が入院して、これからこの家事を今後どうするか、が最初の懸案事項になりました。
まず、食事ですが、これは個人戦にしました。 私は帰りが遅い方なので皆の食事を作る時間などありません。 共働きのご家庭から見れば何軟弱なこと言ってるのさという所でしょうが、うちの家族は好き嫌いがやたらと多く、しかもそれぞれ違うので、作るとなったら全員に違うおかずを作るようなことになるのです。
私はどれだけ早く帰ってきても夜9時になるってのにそこから自分含めて4人にそれぞれ別の食事を作るとか、もう考えただけでもヴァーです。……ていうかそれ以前に、正直各人の食べられないものを私、完全には把握してません。 それならば、各人がそれぞれ食べたいものを食べた方が揉め事も少なくていいというもの。 お米だけは炊いておくことにしましたが、それ以外は各人の裁量に任せることにしました。
……しかしそんな想像するだけで作るのが鬱になる食事事情であったにもかかわらず、母は毎日食事を作ってくれていたんですよね…… しかも作ってもらって当然と言うように感謝もせずに食べるだけ食べて、挙句の果てには甘ったれて「アレはイヤ」「コレもイヤ」と文句を垂れていたものでした。 そんな仕打ちに、母もたまにはキレていましたが、私だったらその瞬間から冷たく永久ストライキに入っている所です。 ……母の寛容さを身を持って感じました。
洗濯物は、お風呂の残り湯を使うので、最終便でお風呂に入ってお風呂から出た時に洗濯機を回しておけば、朝までには脱水まではかかっていますから朝干すだけー。とたかを括っていましたが、他にも朝にはゴミ出しなどのお仕事が増えるということをすっかり忘れていて、最初の日はうっかり遅刻するところでした。 夜にゴミをまとめるのも、朝にもゴミ多少出るしなあ……どーしよー。あと30分早く起きるか……このおねぼうさんの私に出来るかぁ……?とうんうん思案していましたが、家を出る時間が私よりも多少遅い妹が、母が家にいる頃から洗濯物干しはやっていたということでしたので、有難くお任せすることにしました。
掃除あたりは、まぁそんなにしなくても別に生きてけますから気にしないことにして(殴)、買い物は食事が個人戦ですから、入用になるのは日用品とねこ用品と米くらいで、この辺は購入タイミングがある程度読めますから週末にでも買えばよく……
という所で大切な仕事を思い出しました。 ねこの注射です。 うちの糖尿病ねこのインシュリン注射は朝8時夜8時と決まっておりまして、朝は私、平日夜は、私がどうやっても間に合わないので母にやってもらっていました。 さて、夜の注射をどうするか。 妹はバイトの関係上夜8時の帰宅は多少微妙な日もあり、弟は4月までは仕事はないので基本的には家に居ますが…… 弟は以前から、「ねこの世話は私個人の娯楽なので、手伝う義務はない」と言い切っているんですよね…… たまにおかしいと言われる我が家のシステムですが、うちの家庭ではねこの医療費が全額私持ちだというのも、この辺の考え方に由来するからだったり、もっと率直に、他の誰もお金を持っていなかったからだったりします。
ともあれ、そんな彼が果たしてねこの注射などというものを手伝ってくれるのかどうか…… 正直やってもらえないだろうなあと思っておりまして、その場合の代案を真剣に考えつつもお願いしてみました所、なんと案外すんなりと了承してもらえました。 他のおうちではなんでもないことかもしれませんが、私にとってはこれは大変に革命的な事件でした。それだけ望み薄なお願いだと思っていたのです。 ……実際の所は注射を忘れられてることもありましたが、忘れるのは別にいいのです(よかないけど)。絶対やってもらえないだろうなあと思っていたことをやってくれると言ってくれただけでも嬉しくてありがたくて感謝せずには居られない出来事でした。
母の入院という危機的な状況に瀕したおかげで、家族の絆が深まったような気がなんとなくします。気の所為でもそう思っていた方がなんか綺麗っぽいので、そういうことにしておきます。
ともあれそのように役割分担をしてみたところ、思っていたほどの負担がないらしいことに気づき、ほっと胸を撫で下ろしました。
あとは、母の病状がほっと胸を撫で下ろせるものであることを祈るばかりなのですが……
えあですこんにちは。 今回も、前回に引き続きましての回想日記です。
***
前日、先生に指示されたとおり、この日も朝一で病院へ向かいました。 今日も父も私も仕事を休んでの付き添い二人体勢です。
私が車の免許を持っていれば父は休まなくていいんですが残念ながら持っていませんし、父が満足に母の世話をできるのなら私が休まなくてもいいわけですが、父はあまり気が効くほうではないというのは知っていましたし、……まあなんというか昨日の様子でなんとなく、母が私を呼んだ理由を理解しましたので、このようになりました。
この日向かったのは、婦人科でした。 産科が併設されているのでしょう、待合室で待っていた半数くらいは妊婦さんか、恐らく妊婦さんという感じの若い女性でした。 やはり前日のように車椅子に乗って待合室で待っている間に、また問診票を書かされました。 産婦人科の問診票は多少記入内容に違いが見受けられましたが、やはりある程度は同じなのですから、共通化できるところはして頂きたいし、一回書いた問診表くらい他の科に回して頂きたいと素人考えには思うのですが、無理なんでしょうか病院の方々。
ともあれ、問診票を書きまして、待合室で静かに待ちました。 朝一で来たつもりでしたが早い患者さんはもっと早く来ており、また、予約時間が決まっているといっても待たずにその時間に診療を受けられるということでもないようで、やはり今日もかなりの時間を待機に使うようです。 婦人科は女性ばかりで父は居辛かったのでしょうか、気がつけばとっくにいなくなっていましたが、もはやどうでもいいです。
待つこと数時間…… ようやく母は診察室に呼ばれました。 まずは、診察室の中にある内診室でエコーを撮ってから、また少しだけ待ち、先生のお話を聞きました。
「婦人科系で、おなかに水が溜まる病気と言うと、卵巣腫瘍が疑われます」
婦人科の女医の先生は、そのように言いました。 「おなかに水が溜まりすぎて、エコーがよく見えません。……まずはおなかの水を抜いていきつつ、検査していきましょう。入院は、今日からでも大丈夫ですか?」
入院……
こうなるというのは分かりきっていたことですが、その言葉に母は少し困った様子を見せました。 「すぐに入院しないといけませんか」 そのように問う母に、先生は、 「出来る限り早くが望ましいです。今日が無理なら、明日くらいなら構いませんが」と答えました。
母が困っているのは、流石にこの期に及んで病院嫌いを発動しているわけではなく、うちは自営業で、母はその事務の一切を取り仕切っている為、母が仕事が出来なくなるととても大変なことになるからでした。 まだ月の半ばですから忙しい時期ではありませんが、そろそろ月末の締めの仕事をしなければなりません。 私は全く分かりませんので、父が全般を取り仕切ることになります。
……。
大丈夫でしょうか。いや、大丈夫でないと困りますが。
「いつ入院するか決めて、教えてください」 と言われ、私たちは診察室を追い出されました。 待合室というか、病院の廊下を探しますと父を発見することが出来ましたので、父に入院を勧められた旨を報告しますと、父は、今すぐに入院するように言いました。 仕事は何とかするそうです。
「何とかするって言ってるんだから何とかするでしょ」 と母も同意しましたので、本日入院することが決まりました。 看護婦さんにそのように伝えますと、午後2時までに準備を整えてきてください、との返事を頂きましたので、私たちは一旦家に戻りました。
うちでは、ねこは恒例行事のように入院を繰り返してきましたが、人間の入院はお産以外では初めてでしたので、病院から頂いた入院のしおりと首っ引きで必要なものを揃えました。 下着類が替えを考えると少し足りなそうだったので、私は自転車で近所の衣料品店に走りました。 丁度必要としていた、スポーツブラタイプのものが運よく半額セールをやっていたので、安く買い求めることが出来ました。
家に帰って、かつて修学旅行で使った大きなバッグに、買ってきた下着やら、タオルやら、身の回りのものやらを詰めました。 修学旅行のときはわくわくする楽しい作業でしたが、今回は、あまりわくわくする作業にはなってくれませんでした。 母は、仕事に使う帳簿とはんこと筆記具も、バッグの中に詰めました。 ……父が何とかするのは外回りの仕事だけで、やっぱ事務は母がやるようです。
病院との約束の時間のすこし前に、準備が一通り終わりましたが、バイトに行っている妹が帰って来ていなかったので、母はもう少し待ちたいと言いました。 近所のスーパーでバイトをしている妹は、普段から、昼の時間は一旦仕事を上がって家に戻ってきているのです。 妹が帰ってきて、顔を合わせてから、母と父と私は再度病院に戻りました。
今度は診察室ではなく、病棟の方へ直接向かうように指示されていました。 4階の婦人科病棟です。 4階……。なんかイヤな数字なような……。 とはいえ、病室には4のつくところはありませんが、階はしょうがないでしょう。そもそも海外では4は幸福の数字です。気にしないことにして、ナースステーションに声をかけました。 「入院することになりました左沢(仮名)ですけれど……」 流石にここでは待たされることなく、すぐに担当の看護婦さんが現れ、病棟の各施設を軽く案内されて、病室へ通されました。
病室は5人部屋でしたが、先客は2名しかおられませんでした。 えーと、なんかガラガラなんですけれど…… 外来の混雑具合からは一転、この婦人科病棟、他の部屋もベッドの埋まり具合は半分ほどという空きっぷりです。 ……世間では、病院のベッド不足とかが問題になってたんじゃなかったんでしたっけ……? じ、実はこの病院、流行ってないんでしょうか。
とりあえずそのへんは見なかったことにして、母は車椅子からベッドに移って病院の寝巻きに着替えました。 身体中に水が溜まっている母は、洋服のサイズもかなりの大きさになっていましたが、病院の前開きをして紐で留める形の寝巻きはゆったりと着ることが出来ました。 また、病院のリクライニングが出来るベッドは、上半身も浮腫み、家では背中に畳んだ毛布を敷いて頭を高くして寝ていた母にとっては具合のよいものだったようで、軽くリクライニングをさせて休んでいました。 これならゆっくりと休めますね。
と言いたいところでしたが、母はそうそう休んでばかりというわけには行きませんでした。
ここまで申し上げていませんでしたが、実は昨日の時点で母はとある薬を処方されていたのでした。 その薬とは……
利尿剤。
言うまでもなく、体内の余分な水分を尿として外に排出する為の薬です。 この利尿剤、昨日薬剤師さんから服用時の説明を頂いた時に、 「夜は飲まない方がいい。寝られないから」 とまで言われていたものでして、その効果は薬剤師さんの言に違わず、
10分に1回は尿意を催す。
というスバラシイ効き目でした。 今朝から飲み始めたその薬のおかげで、午前中の診察を待っていた間にも、実は幾度となく車椅子でトイレと待合室を往復していたのでした。
その薬は今もバリバリ効いている為、そして今後もバリバリ処方されます為、入院してもゆっくりと身体を休めることなど叶いません。 ナースコールで看護婦さんを呼んで車椅子でトイレ往復してもいいらしかったのですが、全く歩けないわけではないので母は自力でトイレまでの旅を、今日から暫くの間、延々と繰り返すことになったのでした。
***
コメント有難う御座います。今回の日記だけでなく、以前からのコメントの返信もちょっと滞っていますが少々お待ちください。
さて、何週間ぶりの日記でしょうか。えあですこんにちは。 1週間2週間、果ては1ヶ月とか日記を書かなかったところでえあさんにしてはそうそう珍しいことではありませんが、あえて言おう、お久しぶりですこんにちは。と。 ……あえて言おうと言ってみたかっただけですが何か。
ここ暫く消息を断っていたのはまあいろいろあって忙しかったり疲れたりスラムダンクを読破したりしていたからなのですが、今日あたりからはそろそろ、その間の日記を書き始めていこうかと思います。 日付は、書いた日付ではなくその出来事の日付で書いていきます。
私的な面で大部分が構成されている上、面白くもなんともない日記ですので、ネタ目当ての方は読み飛ばしぷりぃずです。
非常に唐突なんですが、うちの母はどこから見ても病人でした。 元々高血圧持ちで、背中が痛いと始終言っていましたし、何より全身が傍目から見てもありえないほどに酷くむくんでいました。
下半身は言うまでもなく上半身も腕から胸から顎下に至るまで全身がパンパンになり、最近では体重も3桁に突入する程になっていました。 症状は去年の春あたりから目立ってきていましたが、もしかしたらその前からだったかもしれません。元々太ってはいる方だったので見落としていた時期もあったかもしれません。
むくみの症状が出る前の、高血圧だけだった頃からですが、当然何度も病院に行くことを勧めてきました。が、その度にお金がないだのなんだのという理由を盾に頑として聞かず、こちらが金なら何とかする等と説得すれば逆切れする始末。 なんかもう、その繰り返しに正直疲れて、いい加減ホームに入ってくる電車の前に気持ちよく飛び込みたくてしょうがない毎日になってきていました。
だってさあ。別に私は憎くてあなたの嫌いなことを勧めてるわけじゃないんだよ。お母さん、あなたの身体が心配だからこそ言ってるんだよ。 ……いや、正直に言うよ、私の為だよ、私が見ていられない。
もう嫌だ。
もしかしたら病院にいけばまだ間に合うかもしれないのに。
あの時手を打っておけばという絶望はもうたくさんなんですよ。
しかしまあ、ほんとに電車にGoした所でただ自分が楽になるってだけで。 何の解決にもならないのでそれは心の奥にステキドリームとして秘めておくしかなかったというここ何ヶ月かだったのですが…… その必要は突如としてなくなりました。
どういう経緯で趣旨替えをしたのかは分かりませんが、3月13日の朝、唐突に、「病院行くから、出来れば会社休んで」と母が言い出したのでした。
夢かと思いました。 というか、この日何故か、母が病院に行った、という夢をみていたんです。 まだ夢を見ているんじゃないだろうかと、本気で思いました。
病院に行ったからって、絶望が広がるだけかもしれないといえばそうなのですが…… なにもしない絶望よりは、目の前に具体的に提示される絶望の方が、私にとってはまだマシなものでした。
父も仕事を休み、車で市立病院へ行きました。 母は長い距離を歩けるような状態ではなく、一見しただけで芳しい状況ではないと分かる様子でしたので、病院に入ってきた私たちを見て、すぐに受付の人が車椅子を持ってきてくれました。 新患受付をするときも、その受付の人が、先に必要と思われる所を予約しておくから、と、書類を作ってくれました。
まず内科と……循環器科……婦人科……消化器科……
当たり前極まりないですが、だんだん具体化してきたな、と思いました。 内科はとりあえず調べる為で、心臓の働きが弱ければむくむから循環器……確か卵巣腫瘍で腹水が溜まるから婦人科……消化器はなんだろう……おたんこナースで読んだ腹水溜まってたいじわるなおばさんはどこの腫瘍だったか……
……。漫画とか、嫌ですね。知らなくていいような変な知識がつきます。
まず回された内科で、問診票を書いて順番を待ちました。 待合室は主に老人の方々でいっぱいで、母は車椅子に座らせたまま待っていました。 車椅子からソファーに移動するのも大変だったのです。
診察を待っている間に幾度か看護婦さんに呼ばれ、尿検査や採血、心電図、レントゲンなどの検査を行いました。 それぞれの検査室へ、車椅子を押して移動しました。別に看護婦さんがついてきてくれるわけではないので、私が押したり父が押したりしました。 車椅子の足を置くところに足を乗せることすら、手で介助しなければ出来ないような母の有様に、涙が出そうになりましたが、車椅子ドリフトー!!とか周囲にはた迷惑な所業をやることで我慢しました。 母からも苦情が来ました。
採血など、腕がむくみすぎて血管を捜すのも一苦労の様子で、ただ血を抜くだけで数十分かかったりするなど、手間を取りながらも一通りの検査を終えました。 内科の前に戻ってからまた一時間ほどは待ちましたでしょうか。 ようやく診察室からお呼びがかかりました。
「心不全ですね」
父親は煙草を吸いにどこかに行ってしまったので私と母で診察室に入りますと、裏から蛍光灯で照らせるアレ(名称不明)にレントゲンの写真を貼り付けてそれを見せながら内科の先生はそう言いました。 心電図では心臓の動きが悪く、レントゲンを見ると心臓が肥大していることが分かると。 なので、循環器科に行ってください、と、かなり待たされた割には数分程度で診察は終わりになりました。
循環器科は内科の隣でしたので、同じ待合室でまた同じような内容の問診表を書かされてから待つことになりました。 検査はひとまず終わっていたので、今度は一時間程度だったでしょうか、ただただひたすら待った後に診察室に呼ばれました。
「循環器じゃないような……」
やはり父は煙草を吸いに行ってしまったので、私と母で診察室に入りますと、循環器科の女医の先生は、そのように首を傾げました。 心臓の働きは悪いことは悪いが、おなかにこれだけ水が溜まっていれば当然悪くなるとのこと。心臓が悪くて溜まるなら、肺に水が溜まって、それで苦しくなって病院に来る筈だ、と言うのです。 母は呼吸は苦しくないといいますし、実際肺には特に水は溜まってないそうでした。
血液検査の結果を診て、先生は「輸血をしたことはありますか」と聞きました。 ないですと答えると、「身内にC型肝炎の人はいますか」と聞きました。 これもいなかったのでいないと答えました。 「消化器科に行ってください」 先生は、そのように言いました。
消化器科…… 急に不安が大きくなってきました。 内科、のうちは漠然としすぎていて、不安の対象が見定まっていませんでした。 循環器科、は高血圧もありますし、正直覚悟していたというか、想像の範疇でした。 けれど、行けと言われたのは消化器科…… 消化器科というのはどこを担当するのでしょう。 胃とか、腸とか、……よく分からないですが、呼吸器以外の臓器であるのだと思いました。
臓器に、ただ事でなく悪い所があるというと……。
消化器科の待合室でもまた同じような問診表を書かされ、かなり待たされることになりました。 待つのはともかくとして、問診票はどうにか共通には出来ないものなのでしょうか。 しばらくしまして、ようやく診察室に呼ばれました。
「こんなに水が溜まってたら検査のしようもない」
多分そろそろわざと席をはずしてるんじゃないだろうかということに思い至りましたがやはり父はいなかったので、私と母だけで先生の前に行きますと、消化器科の先生はそのように言いました。 「循環器科の先生はなんて言ったの」 と聞くので、内科から循環器に回され、消化器に来る様に言われた経緯を話しますと、 「確かに肝臓にちょっと出てるけど……循環器混んでるから回したのか……?」 などとポツリと言いました。 「循環器が先だと思うんだけど。とにかく、水をどうにかしなくちゃ何も出来ない」 先生はそう言いましたが、私たちにそんなことを言われても、です。 なんか大病院の縦割り構造が見えた気がしてきました。
診察室から出て、さりげなく途方にくれつつ待ってみました。 そろそろ診療時間も終わりの頃になっていて、待合室で待つ人の数は少なくなって来ていました。 ……ここらあたりまでのどこかで昼ごはんを食べたはずなのですが、どこの診察の間であったか思い出せません。
暫くぼおっと待っていると、診察室から看護婦さんが出てきて、「採血に足りない項目があったから、もう一度採血をしてきて」と言われました。
先程、母も看護婦さんも大変な思いをして、かなりの時間をかけてこなした採血です。 またあれをやるのかぁ、と母はげんなりとしていましたが、採血室にやってきて、先程もお会いした看護婦さんと再対面しますと、あちらも同じように思ったようでした。
また時間をかけて採血を終え、消化器科の前に戻りました。 それからやはりまた大分待ちました。もう待合室には、私たちを含めて数えるほどしか人はいませんでした。 人が一人減り、二人減りして行きますと、病院内が酷く静かに感じられました。 廊下を掃除するおばさんたちの雑な掃除を母の車椅子をゆらしながら並んで見ていました。 「隅っこまでモップではいてないよねあれ……」 「そうだよね……てか、なんかゴミ落としてってるけど」 「……時間給だからそれでいいんだよきっと」 多分よくないと思います。
いい加減、眠くなるほどに待たされた後、看護婦さんが出てきて、次の行き先を告げられました。 今度は、「循環器科に行くように」だそうです。
循環器科に戻ってきました。 循環器科の前は、内科の前でもあるので先程来たときには特に混んでいたのですが、ここももう待っている人は入院患者のおばあさんがひとりしかいませんでした。 循環器科の待合室は2階にあり、すぐそばは吹き抜けになっていて、1階の総合ロビーみたいな一番広い待合室が見下ろせたのですが、そこはもう電気も消えていて、暗くなっていました。 窓から覗く景色も、もう暗い色に染まり始めていました。
やがて、母と私は診察室の中へ呼ばれました。
やはり、父はついてこなかった診察室で、循環器科の女医の先生は私と母にこう告げました。
「婦人科系の、腫瘍マーカーが出ているようです」
婦人科外来へ予約しておくので、明日そちらに行くように、ということと、恐らく入院することになるだろうということを、先生は私たちに告げました。
診察室で母がエコーを取っている間、車椅子があいていたので、私は車椅子に乗ってみることにしました。 車椅子は、結構、小回りが利くようです。 待合室には誰もいなくなっていたので、その場でくるくる回ってみました。 窓から見える、日が落ちてシルエットになった病院の庭木が、高速で流れていきました。
今春、調理師の専門学校を卒業する友人の卒業制作発表会?にお邪魔してまいりました。えあですこんにちは。
調理師のたまごたちの卒業制作ってなにつくるんだろ〜?と疑問符を浮かべながら行ったのですが、あたりまえというかなんというか、その卒業制作の内容はお料理そのものでした。 そりゃそうですね。それを勉強しに行ったのですものね。キルティングとか作ってもしょうがないですね。
具体的にはTVチャンピォンなんかの料理王選手権みたいな感じといえば分かりやすいんでしょうか。食べる料理と言うよりは見る料理と言う感じの(実際、味付けもしてないらしい)個人ごとに決めたテーマに沿った創作料理が展示されていました。 料理そのものだけでなく、多様なオブジェを使用した料理の配置の仕方など、演出するセンスも問われるようで、規定のスペース内に様々な工夫を凝らして作品が作られておりました。
和洋中製菓と、どれもこれも様々なアイデアが見られて楽しかったのですが、個人的には製菓部門が見ごたえがありました。 私、意外と言われることも納得されることもあって人様から自分がどう見られているんだかいまいちわかんないんですが、実は結構少女趣味だったりするのです。ひらひらのフリフリのバラやリボンがあしらわれた何段にも重なったケーキなんか、見てるだけで幸せになってしまう人です。 やはり製菓を専門に勉強してる人はそっち系の趣向の人が多いらしく、乙女チックに華やかなケーキに囲まれて大層充実した世界が味わえました。 携帯で写真を、きゃーあれもかわいいこれもかわいいとばかりにばっしばっし取ってたのですが、後から見たら似たようなケーキの写真が大量に出てきてなんかその趣味の偏りっぷりに笑えました。
一番かわいいと感じたのはお菓子ですが、一番おいしそうと感じたのは洋食ですね。 丁度昼頃で、昼飯も食べていなかったのでおなかがすいている中、表面はこんがり中はレアっぽく焼かれた見るからにジューシーそうな骨付きの肉とか腹立つくらい美味しそうでした。まあ前述の通り味はついていないそうですが。
しかし、どのジャンルも総じて大したものだと唸らされました。 学生の作品ながら、このまま十分お店に出せそうという作品から、お店に出すどころか店頭やパンフレットに飾れそうというレベルの作品までありました。 勿論反対に、ああ……まだまだ要努力かな、という作品もあったのですが、卒業間近とはいえ学生なのですから、もう少し後者の度合いが多いものかと思っていましたがそうでもありません。 専門学校って凄いですねえ。一年二年前まではこのうちの大多数はただの高校生であっただろうに。さすが即戦力を育成する機関です。
肝心の友人の作品はロブスターを使った洋食でしたが、これもまた大変に素晴らしいものでした。 特に友人については、一人暮らしの割にはあんまり料理らしい料理をしてないとゆー時代から知っているので、何だかとても感慨深いものがありました。
今後、彼女は現場で修行を積んで、一人前の料理人になって、いずれはお店を出したりするのでしょうか。 人様の将来についての事ですが私がわくわくしてきます。 頑張って素敵な未来を描いて欲しいものです。
2007年03月01日(木) |
今気がついたんですが |
前回頂いたコメント…… もとい、前回付けの日記で転載させて頂いた、結構前に頂いたコメントですが、
・焼きそばの麺はスーパーで売ってる中華麺を使ってみては? ・茹で時間を短めにして野菜加えてソースかけていためるとか。
これ、この二つでワンセットな気が凄くしてきたのでよく見たらやっぱrワンセットでしたすみません。うん、茹でるね!中華麺は茹でるよ!OKOK。
そんな勘違いってよくあるよねという日常のひとこまからこんにちは。えあですこんにちは。
スパムメールが今日もまた届きました。いや、連日届いてはいるんですが。 えあさんのメールボックスにもスパムメールフィルタはかけてありまして、半分以上はそのフィルタに阻まれ隔離されて私の目には届かないで済むようになっているんですが、やはりそれでも結構な数、えぐいタイトルのメールが手元に届けられます。
なんかねえ…… えあさんね、エロは好きですよ。認めます。大好きです。 大好きなんですが……
日々届くスパムメールのタイトルにげれげれと連なっている数多のエロ文句は…… えあさんの求めてるエロとは全く違うんですよねえ……
女子○生○出しレ○プとかさあ…… お金持ちの熟女とかさあ……
激しくどうでもいいんですけど。
まったくもう…… スパムメールは従来のDMよりも遥かに安い値段で大量に出せる為それはもぉ数うちゃ当たる方式を取るってのは、当たり前ですよ。分かりますよ。 それでもですねえ。 もう少し考えて出して欲しいものですね。 懸賞サイトとかからリークしてるんじゃないんですかこれ? そこからであれば私の性別くらいは書いてあるでしょうに……
いや…… 9割がたはサイトから拾っているアドレスだけど……(世界樹専用のに来てるから)
少なくとも、私が女性だと分かっている場合であるなら、そういった無意味な件名で送信してくるのはやめていただきたいものですね。
女性にならば、
14歳の少年を……
とか書いた方がメールを見られるは高いと思います。
高いと……思います。
……えあさんなら迷わず開封しますが、何か?
しかし本日はうっかり、そんなスパムメールの山のうちひとつを、開封してしまったのですよ。
だってさあ……
私の本名が件名になってたんだもん……
ぐおお、絶対スパムだ、と思いながらも、漢字まで一緒だったので念のため開けたところ…… やっぱりスパムでした。 くそう。なんか負けた気分。
話は変わりますがこないだ、ゲーセンのクレーンゲームでUSBのマグカップヒーター?をゲットしました。200円で取れましたから、まあ元は取れてるでしょう。 使わないので、開けていませんが。 またこないだは、小型のハロゲンヒーターをゲットしました。600円ですから、これもまあ元は取れてるでしょう。 やっぱり使わないので開けていませんが。
ウチの友人にもクレーンゲームが趣味な人がいて、よくでっかいぬいぐるみを頂きます。 それは開封するもしないもないので、私のベッドで私と共に寝ているんですが……
最近、私の寝場所がなくなってきました。
ちなみに私が枕に使っているクッションもクレーンゲーム産です。 あとぬいぐるみ専用の棚とかあります……
……。
そろそろクレーンゲーム産の商品で家の床が抜けるんじゃないかと心配になってきた私は、後に残らない、お菓子類をクレーンゲームで取ることにしました。 ちなみに、クレーンゲームをやめるという選択肢は、ありません。私の愛すべき趣味です。
こないだはカプリコを4袋ほどとチョコボールを取ってきました…… 遡れば、チーズも取りました……ソーセージも取りました……アイスも取りました……チップスターも取りました……グミも取りました……ポッキーも取りました……コアラのマーチも取りました……するめいかも取りました……
……。
これほどまでに形に残らないものばかり取っているのに、家の床が抜ける危機が去っていない気がするのは、気のせいでしょうか。げっぷ。
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第148回、今回の日記は冒頭の「このコメントひとつづきぢゃん!」という事実に驚愕して急遽書いただけですのでネタとしては全然練りきれていませんのコーナー。略してお手紙有難う御座いますのコーナー。 本来日記は自然体で書くものですから問題ありませんね……うふうふふ。
・待ってますわ〜♪ヽ(*'-^*)。M氏にも(*´∇`)ノ ヨロシクネ〜♪=*^-^*=にこ〜♪
先日転載不可でコメントくださったお姉さんからヽ(´∀`*)ノ ええもちろん是非行かせて頂きますよ〜! 今度は平和的に大盛りサイズ程度で行かせて頂きます(平和なんだ、大盛り……)。目玉焼きー!目玉焼きを今度こそ食うのですー(´∀`*)じゅるり
・この際、えあさんもメイドコスチュームに(゜□゜)
ぇぇぇぇぇ。 私はご主人様(はぁと)って言いたいんじゃないですよう、ご主人様(はぁと)って言われたいのですよう〜。 し、しかしながらメイド服を着てご主人様に対し倒錯プレイというのもまた……ごっくん。 ……こ、これ以上は口に出してはいえないよ〜(*ノノ)
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