実現する事を望んで。
人は、 取極めを交わすけれど。
深意は。
其れが、 達せられる事に在る訳では、 無くて。
其の、 交わした刻の想いを縛る事に、 在るのだろうか。
其れならば。
各々の刻に応じて、 其の姿を、 変化させる事は。
極自然な、 成り行きで。
其の視線が、 今に向いてこそ。
縛りに、 意味が備わるのだろう。
恰も。
其の取り決めなど、 端から無かったかの様に。
守る事に。
本当に、 重きが置かれなくて、 良いのだろうか。
「全て一からになっちゃうんだけど。」 「許されるんだったら。」 「一人片道切符でそっちに行きたいな。」
「約束は?」 「迎えに行かなくて良いの?」
「良いの。」
約束。
其の、 印を附して動きを封ずる、 振る舞いは。
既に、 其の役目を終えたのだと。
あの子は、 そう口にした。
---------- References Apr.27 2016, 「重い指先でしょうか」
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