鋭利で在れば在る程。
対象や、 意図は、 鮮明に切り取られるけれど。
其の鋭さは。
時に、 身を切り刻む。
一方で。
緩やかで在れば在る程。
緩衝剤に包まる肌触りは、 心地好いけれど。
ともすれば。
応答の鈍さや、 優柔不断さを、 伴うのだ。
其れ故に。
個対個の、 組み合わせに応じて。
適切な時定数が、 必ず、 存在する筈なのに。
何故に。
好まぬ時定数を、 採用するのだろう。
僅か一分で、 聖夜を祝うなら。
画面に映し出される、 御題への解答に。
「私はストレートな方が良いなぁ。」
姫は、 確かにそう応えた。
「俺は何方かと言えば回り諄いよね。」 「何で好きなの?」
「温かいから。」
自信に満ちた、 姫の返答は。
其の分だけ。
俺の自信を、 余計に奪って行く。 |