互いが、 互いに、 互いへ向き。
相手を想い。
相手の想いを、 想う。
当たり前の様に希って来た、 其の状態は。
本当は、 不完全な物なのかも知れない。
唯、 向き合った所で。
其の焦点が、 的確に、 定まらなければ。
向き合わぬ事と。
何ら、 変わりない。
向き合って無い姫と、 焦点の定まらぬ俺。
いや。
向き合って居ない俺と、 焦点を逸らす姫。
互いが、 互いに、 向き合おうとしながら。
決して、 噛み逢う事の無い、 想いを。
確認して。
「小坊主が言う向き合うと。」 「私が想う向き合うと。」 「意味が違ってるよね。」
一言だけ残し。
姫は、 家を出た。
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