例え目上の人であっても、 例え年上の人であっても。
言葉をぶつけ合う行為に理由があれば、 言葉の凶器は、 言葉のメスに早変わり出来るんだ。
何か手に入れたいから、 何かを求めているから。
言葉の凶器を放つ時には、 放つ方にも、 放たれた方にも、 前に進む力が足りないんだ。
「昨日は厳しい言葉を言ってごめんなさい」
そっと文を寄越した後輩。
違う。
彼女が放った言葉は、 充分俺を奮い立たせる言葉だったよ。
彼女を応援したかった。
遠距離の彼を想って、 全く身動き取れない彼女に、 栄養補給をしたかった。
けれども、 俺の言葉は劇薬で、 強い副作用が、 彼女の心に残ってしまったのだろうか。
「重いよ。」
彼女の結びの言葉が、 ズシリと重い。 |