雲間の朝日に想うこと


< 夜桜は切ないですか >


俺の元には、
既に届いている物。

けれども未だ、
貴女の元には届いていない物。




独り占めをする時も、
誰かと共に味わう時も。



貴女が隣に居た事は、
今迄一度たりとも無い。









貴女との距離的な差を感じる時に、
必ずコイツが横に居る。


毎年毎年飽く事も無く、
俺の方が先に手に入れ続けるであろう桜。

毎年毎年飽く事も無く、
貴女の住処を先に訪れ続けるであろう雪。




貴女との距離的な差を感じる時に、
必ずコイツが浮かび上がる。


毎年毎年飽く事も無く、
俺の住処に現れる灼熱の夏。

毎年毎年飽く事も無く、
貴女の住処に届く涼やかな夏。












季節の風物詩。
雪洞に映える吉野桜。


これ程切ない物は無い。


2003年04月15日(火)


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小坊主
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