形振り構わず突進し、 泣き喚き、 それでも足りないと判断すれば、 我が身を傷付ける。
注意を惹く為の手段に、 限度は無い。
空腹で啼き、 眠いと啼き、 それでも危ないと判断すれば、 腹癒せで啼く。
独占を貫く為の行為に、 際限は無い。
二人の甥が繰り広げる不可思議な行為は、 母性を得る為の、 本能的な闘いに違いない。
常識的には赤児とは呼ばない年齢の子が、 まるで乳飲み児の様に振る舞い、 駄々を捏ねる。
嫉妬心が、 対抗心が、 人の心を幼児化させる。
ああ。 そうか。
「もう小学校だろ。」 「何で乳なんか触らせるんだよ。」
小さな彼に対する俺の嫉妬は、 甥っ子同士の争いと全く同じ行為なのか。
独占欲が、 俺を赤児にしているだけか。 |