雲間の朝日に想うこと


< 信に値しないのは何れでしょうか >


明日は。
明朝は。

二人が、
傍に寄り添う二人で居られるのか、
誰も知らないから。


何れ程、
絆を縒り逢わせた想いで在っても。

其れが、
永遠に続く保証は無いから。




一日、
一時、
一刻。

必死に想いを寄せ逢う。



其れ故に。

二人の時の進みが、
速く、
速く、
加速して行くのなら。



其の時の速さに、
何の疑問も湧かない筈だ。












 「信じられないよね。」
 「もうすぐ二年だよ?」



殊更に強調する、
姫の言葉には。

二つの意が在る。




其処に込められた、
時の速さと。

一方に込められた、
意外性。







確かに。

信じられぬ速さで、
時が進んで居るけれど。



本当に。

二人が今も寄り添って在る事を、
信じられない?













 「遊びでしか付き合えない。」




 「やっぱ・・今は好きでいさせて!」






姫の、
二つの言葉に。

今も必死で、
抵抗を続けて居るから。






俺には、
二年なんて何の不思議も無いよ。


2004年03月31日(水)


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History
2003年03月31日(月) 退路を蓋で閉じてしまいましたか



< 何処が好きと言えますか >


其の雰囲気に、
惹き寄せられてしまったから。



求める対象が、
何処に存在するのか。

如何しても見付けられずに、
答えを返せない。



強いて挙げれば、
其の瞳に違いは無いのだけれど。



何度答えても。

其の解答では、
烙印を頂戴するのが関の山なのだ。







問いに肯定するならば。

決して、
姫を選ぶ筈は無いのだから。


 「身体だけ?」


何度と無く繰り返される、
其の問いに。

明確な否定を、
伝える事は可能だけれど。





 「何処が好き?」


何度と無く繰り返される、
其の問いに。

想いから、
明確な言葉を採り出せずに、
敗北する。












本音か?

嫌みか?










 「私はね、ここ。」


横からしがみつき。

胸と、
肩と、
頸の、
丁度真ん中に顔を埋めながら、
自己主張をして。





 「腕と、手と。」
 「胸囲も丁度良い長さで好き。」
 「性格は嫌いだけど。」


尚も、
駄目を押す姫へ。









 「身体だけ?」



想わず、
そう問うてしまう俺自身に。

少々凹む。





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References
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」


2004年03月30日(火)


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History



< 聞き上手でしたか >


良い日和の中、
散歩がてらの近況報告も悪くない。

そんな腹積もりは、
瞬時に何処かへ飛び去って、
跡形も無くなった。




 「じゃぁ、そっちに行ったら。」
 「ちゃんと抱いてよね。」


僅か二月前に、
冗談混じりで届いた筈の文が。

既に役立たぬ情報しか持たぬ事を、
悟ると共に。




 「彼の許可が出たから。」


さっき届いた此の、
彼女の一言は。

消極的な目的を、
積極的な目的へと変貌させるに、
十分だった。









離別の理由と、
其の決定打。

息子との関係と、
其の相性。

生ずる苦悩と、
其の解決法。


年齢も、
家族構成も、
姫に酷似した彼女だから。



聞かねばならぬ、
機会を逃せぬ、
理由が在る。











けれども。

其の想いは、
問う立場と同時に、
答える立場も要求するのか。











缶麦酒片手に、
眼前の桜をぼんやりと観ながら。

花見の彼女の問いに、
一つ一つ、
解答を探して答え。




少し危険な匂いを身に纏う雄に、
惹かれ始めた友人の。


 「今度会うときもしか泣いてたら。」
 「なぐさめろよ。」


不安の欠片に。


 「今度会ったときにも。」
 「幸せな笑顔見せてね。」


精一杯の応援を、
贈りながら。






少し後悔した。












満開近くの桜の姿は、
あくまで携帯の中の夢物語で。



気が付けば。

桜の姿も、
俺の欲した解答も、
何の記憶も残って居ないんだよ。


2004年03月28日(日)


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History
2001年03月28日(水) 離れても想いがありますか



< 如何して言葉が掏り替わるのですか >


相手を想うとは。


相手の言動や、
相手に起こる環境の変化を、
一つ一つ丹念に拾い、
応じて。

相手の最終的な決断の、
全てを許容する事。




其れが大部分を占めるのだと、
そう想って居た。






 「話さなくて良いの?」

 「聞かなくて良いよ。」


問い掛けに、
そう答えたのは。

相手の選択に、
自分が信を置いて居るからに、
他ならないのに。





 「話さなくて良いの?」

 「聞きたく無いよ。」


何時の間にか、
言葉も想いも掏り替って居た。









聞かなくて良いに、
拒否は無い。

けれども、
聞かなくて良いに、
意思も無い。


意思を要求されるならば、
間違い無く、
聞きたいと答えたけれど。


あの時点の姫に、
其れは焦燥を与える効果しか、
無いと想ったから。







間違って居たのか?










姫の話は何時も唐突で、
其の過程が無いから。

殆ど理解出来ないんだよ。


 「聞きたく無いって言ったじゃない!」
 「話したいことたくさんあるんだから!」


ストレスを溜めて居る素振りの、
姫を見て。

いよいよ大詰めなのかなと、
推測する事しか、
俺には出来ないんだよ。





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References
 Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」
 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」







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2004年03月27日(土)


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History
2003年03月27日(木) 何の為の選択でしたか
2001年03月27日(火) 俺は期待外れじゃなかったですか



< 寝坊の理由は誰のせいでしょうか >


自身に向かう、
怒り混じりの言葉に。

何事か理解出来ぬと、
首を傾げ。


澄ました顔で振る舞う、
其の相手。






道理が通じぬ此の子に、
実は罪が無いと。


理解をしながらも。


 「こいつが上に乗るから、」
 「暖かくて寝坊したじゃんか!」


起き抜けに、
姫の息子が叫ぶ。










笑い声と暖かな雰囲気に、
感謝をしながら。


 「あんたが悪いんでしょう?」

姫は息子に。


 「お前は悪くないよなぁ。」

俺は此の子に。


そう、
言葉を掛けつつ。









息子の言葉に隠された、
事実に気付いて。


俺と姫は、
視線を通わせた。












今日一日の始まりを、
演出した主は。


 「にゃぁ。」


何時も一言、
答えるだけだけれど。



俺と姫の秘密に、
気付いて居るのだろうか。













今朝の姫も、
とても温かくて。

耐え切れずに、
二度寝をしてしまったんだよね。






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References
 Feb.19 2004, 「至福の時間を奪うのですか」


2004年03月23日(火)


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History
2001年03月23日(金) クリスマスを想い出せそうですか



< 血が通う事は無い関係でしょうか >


互いの関係が凝固し、
決して変化せぬ代わりに。

僅かながらでも、
安定感をもたらすのが。



血脈の宿命ならば。



互いの関係が流動化し、
多種多様な姿を獲得出来る、
副作用として。

著しく不安定に傾く、
其の宿命を。


安定へ導く術は、
何処に在るのだろう。





互いが相手を認め、
何れ程受け入れたとしても。

届かぬ領域が、
必ず見え隠れする。













時には兄かも知れない。
時には友かも知れない。

時には父かも知れない。




けれども。

其の内実は、
他人でしかないから。














姫の元に、
そっと近寄っては。


 「あのね・・・」
 「言い争う所とか、聞こえるの。」
 「やっぱり嫌だ。」


今日も一言、
息子が口を開いた。



俺に対して
面と向かって言えぬ事。

俺に対して、
遠慮や気遣いを消せぬ事。









自身の母親と、
其の相手たる俺の存在を。

息子は確かに、
許容の範囲に置いたのだろうけれど。










其の会話を、
後で、
姫から、
聞かされると言う事実は。


届かぬ領域の存在を、
雄弁に語って居るんだろうな。


2004年03月21日(日)


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History
2001年03月21日(水) 本当に逢おうって言ったのか



< 護れぬ約束でしたか >


一つだけ。

約束を護りたいと、
相手が口に出したなら。


何を願うべきなのだろうか。





ずっと一緒に。
ずっと幸せに。

不確かな未来を縛る願いは、
そんなに必要無い。




 「別れて。」


此の言葉を頻繁に使わぬと、
一つだけ、
約束してもらうんだ。







本気で俺を、
不的確な雄だと判断した時には。

或いは本当に、
俺と歩む事が出来ぬ事情を、
受け止める必要が産まれた時には。


甘受するよ。




此の言葉にだけは、
常に重みを包んでおこう。


姫と約束をした。













励まされた筈の作業の手が、
止まる。
















ほんの少し、
時間を巻き戻せば。

其処には、
楽しい時間が在った筈なのに。


つい先迄。

受話器を介して、
笑い声の絶えぬ会話をした筈なのに。




毎晩遅いから?

早く寝ろと言ったから?

寂しい思いをさせて居るから?










 「お願いだから。」
 「別れて。」


電話を切った直後に、
届けられた文。










敢えて自分が創り上げた重みに、
潰されるのは。

決して本望では無く、
滑稽だろ。


2004年03月18日(木)


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History
2002年03月18日(月) 冗談だと言い切りますか
2001年03月18日(日) 想いの強さが問題なのか



< 前科を消す術が在りますか >


二人の其の間に横たわるのが、
一つの状況でも。


其処から決定される、
二人の関係は。

決して、
一つに定められる物では無い。




一つの事柄が。

自身に強烈な不安感を、
与えた続ける物だとしても。


或る側面からは。

逆に相手に、
拭えぬ脅威を与える物。









崩れ掛けて居るにも拘わらず。

其の背後に在る礎を、
姫が一向に外す気配を見せぬ事に。


俺は不安感を消せないけれど。


自身の不安など、
不安の内に入らない。







俺が姫に、
何れ程の想いを注いでも。






 「離れちゃう?」

 「ん?」

 「私が一人になったら。」
 「前みたく離れちゃう?」



俺の前科が。

姫の奥底で、
消える事は無いのだから。














今度はちゃんと、
傍で見て居るから。

逃げずに。




そう想い続けて、
自身を奮わせ続けるしか。



前科を消し去る手段など、
無いんだよね。





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References
 Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Jun.27 2002, 「まだ遠慮が必要なのですか」
 Jun.25 2002, 「支える資格がありますか」


2004年03月17日(水)


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History
2003年03月17日(月) 仕掛けに気付きませんでしたか
2001年03月17日(土) この感情は血迷いですか



< 必要の無い格好良さでしょうか >


自身の歩みを、
何度と無く省みて。

新たな解答を導き出す事が。


先に進む為の、
糧と成るかも知れないけれど。



眼に触れる物は。

出力として、
自身から飛び出て現れる物は。


あくまで結果。






内省は、
内省であって。



更なる変化を産む為の、
水面下の努力は。

相手には、
決して見えない物だから。




疑念を産み、
不安を産むのだ。













事在る毎に、
変化の過程が視界に届くから。


 「小坊主、頑張ってるから。」
 「小坊主の支えになりたいから。」


そう言って、
姫は無理をしてくれるけれど。







其れは、
日々の生活を半分共有して居るからこその、
偶然。














俺は寧ろ。

変化の過程など、
相手には気取られたく無い。


結果だけを、
姫に贈り続けたい。









其の偶然に、
何度も助けられて居るけれど。





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Acknowledgment
 I was impressed by your diary, 姜.
 It's difficult for me to solve both an amorous equation
  and a mathematical expression.
 Thank you for your high quality texts.


2004年03月14日(日)


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History
2002年03月14日(木) 挑んでも良いですか
2001年03月14日(水) もう少し待ってみますか



< 都合の良い状態が必要ですか >


対等の関係が。

二人の力関係が、
対等で在ると言う事が。


事を、
良い方向に導くとは限らない。



時に都合良く扱われる事も、
存在するけれど。

其処に力を加える糧にも、
変化し得るのだから。







都合の良さが。

最悪でも、
最終手段としての逃げ場が、
其処に在る事が。


例え緩慢でも、
正確に、
丁寧に、
想いを進めて行く為に。

必要不可欠の条件だと、
認識すれば。





俺はきっと、
納得出来るけれど。













例えば俺が。

今直ぐにでも、
姫をかっさらえる状況下なら。



 「たぶん焦ると思う。」
 「プレッシャーになるから。」


遅々として進まぬ、
一向に進まぬ、
後始末に。

姫は壊されてしまうから。












自分の想いを、
姫はゆっくり実現すれば良い。






ゆっくり俺を見極めれば。


過ちの縄で、
再び雁字搦めにされる事は、
きっと無いでしょう?





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References
 Mar.07 2004, 「秤は未だ揺れて居るのですか」
 Feb.28 2004, 「似合う想いに届くでしょうか」
 Oct.21 2003, 「足りない条件は何ですか」


2004年03月12日(金)


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History
2003年03月12日(水) 千里眼ですか
2001年03月12日(月) 友達と会うのもだめですか



< 記念日がそんなに悲しい日でしょうか >


記念日。

二人の間に創られる、
特別な日。



そんな日を、
大切に扱える様に成ったのは。

何時からだろうか。







画面から流れる、
入籍の文字と。

脇から、
其の日の由来を伝える音声。



 「私たちの記念の日って。」
 「いつなんだろう。」


ふと、
姫は口にした。











聖なる夜や、
互いの誕生日や、
初めて出逢った日や、
初めて結ばれた日。

共に歩む事を、
決め事と定めた日。



それぞれに。

想いを乗せる日には、
違いないけれど。




 「彼の日じゃない?」

 「彼の日だろ!」



二人が同時に口に出す程、
互いの心に、
しっかり腰を据えた日なのだから。





其れが例え、
どの様な日で在っても。

二人の素敵な日で、
良いじゃない。


















 「小坊主に乗った日なんだよな・・・。」

姫は悲しそうに。


 「姫に乗られた日だよね!」

俺は悪戯っぽく。



此れからも、
言い続けるのだろうけれど。





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References
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Feb.13 2004, 「弁解の為の縛めでしょうかか」


2004年03月09日(火)


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History
2003年03月09日(日) 相手を想うとは何なのだろうか
2001年03月09日(金) 相思相愛だったのか



< 爪痕程度で櫻を散らせますか >


背中に爪痕を負う程度で、
願いが叶うなら。

想いの存在価値など、
糞喰らえ。





何時でも
何処でも、
何れ程経っても。

代償として、
身体を縛り付けるから。



其の日、
其の刻を。

丁寧に丁寧に、
想い、
紡げるんだ。













君の職と、
俺の職は。

然程離れて無い筈なのに。



 「頼みがあるんだけれど。」

 「何?」

 「相談したいんだよね。」



本格的に、
仕事の話を振るのは。

初めてである事に、
気付いた。








ようやっと。

乾いた心が、
潤い始めたのか?











其の想いは勘違いであると、
瞬時に悟る。












 「旅行に行ってたの。」

 「どこに?」

 「香川。」

 「そっか。」








香川。

君に求婚した雄の住処。





今更と、
そう想い続ける事だから。

代償なんだよね。





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Background
 shela " sakura "






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References
 Feb.21 2004, 「其の料理を食べに行きませんか」
 Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」


2004年03月08日(月)


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History
2002年03月08日(金) 心に蓋をするのですか
2001年03月08日(木) 何故胸の内を開けたのか



< 秤は未だ揺れて居るのですか >


自身の意地を押し通す事と、
相手の意地を受け入れる事とを、
天秤に掛けたなら。

想いが、
後者を選択しただけの事。



自分の意固地と、
想いに封さえしてしまえば。


其処には、
何の問題も無いのだから。







譲れぬ物が、
確固たる壁が。

例え其処に、
存在したとしても。



自分の都合などかなぐり捨てて。

四の五の言わずに、
一点突破せねばならぬ物も在る。





困難など、
自分の内側に自らの想いが築き上げる、
只のまやかしなのだから。















 「俺はね。」
 「姫の旦那に飼われてるんだよ。」

 「良く我慢出来・・・」
 「出来るんですか。」



酔いに自虐の想いを委ねて、
後輩に語らう。



 「立場変わりゃ出来るよ。」

 「俺には無理っすね・・・。」

 「お前もそう言う時があったじゃない?」

 「ああ・・・。」
 「そうかも知れません。」









確かに未だ、
疑問だよ。

自尊や自負や自身の人格迄をも、
意固地と決め付けるべきか。












其れでも、
離したくは無いみたいなんだ。





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References
 Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」
 Oct.19 2003, 「過去って何者なのですか」


2004年03月07日(日)


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History
2003年03月07日(金) 不安を口にする権利が有るか
2001年03月07日(水) お帰りが言えますか



< 先導を買って出てくれるのか >


同僚が。


 「小坊主、話あるんやけど。」


他者では無く、
敢えて俺を指名した事から。

身近な友人では無く、
未だ深く語り合った事も無い相手を、
選択した其の雰囲気から。




彼の伝えたい話の全容を、
殆ど全て理解して。






 「俺に言う事じゃないでしょ。」


浮かんだ最後の言葉に、
慌てて蓋をした。









何度と無く、
意図を交わし合い。

其れでも尚、
相互理解に至らぬ事が、
多いのに。




何の前触れも無く届いた、
僅か最初の一言で。



何故。

お互いの共通理解が、
最終局面に飛んでしまうのだろうか。









物理的な距離や、
想い描く距離や、
其の過程や、
自身に巣喰う想いが。

殆ど同様な状況下に、
居る事を。


お互いがお互いに、
感じて来たからなのか。








其れとも。

俺が只、
其の言葉が手に入る事を、
渇望して居るだけだったのか。













 「小坊主、話あるんやけど。」
 「別の職が決まってな。」

 「良かったじゃん!」
 「一緒に住むんだ?」

 「おお、住む住む。」

 「おめでとう!」














 「結構待たせとるしな・・・。」












俺には未だ。

呑みに行こうと彼に伝える力しか、
備わって無いよ。


2004年03月04日(木)


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History
2001年03月04日(日) これは嫉妬と違いますか





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