< 無理強いしていますか >
貴女との繋がりを、 自ら遮断する時が在る。 俺は貴女に、 音信不通を強要する時が在る。
例え貴女が、 俺にとって別格の存在であっても。 例えどんなに、 お互いの絆が堅く太い物であっても。
嫉妬。 疑念。 不安。
次から次へと浮かんでは肥大する要素が、 幾らでも想い付くだろうに。
一時的であれ、 貴女より優先するべき人が、 目の前に居る事が在る。
決して想いの対象としてで無くとも、 貴女より優先するべき事柄が、 存在し得る。
携帯の振動を無視し、 携帯の音源を遮断し、 貴女からの文に触れる事も無く、 貴女への想いを送る事も無く、 一日が過ぎた時。
想いの閾値を超えた激情を、 貴女は何度も、 俺に叩き付けて来たというのに。
「一呼吸置いてみたの。」 「ぐっと我慢をして一晩寝てみたの。」
何故。 どうして。
還らぬ想いに、 還らぬ反応に、 怒りと寂しさと不安と疑念と様々に湧き上がる想いを抱え、 そして貴女は飲み込んだ。
畏敬の念を覚える程、 素直に、 そして単純に。
貴女の明快な行動と、 俺の発する言葉を決して逃さず記憶する能力には、 何時もながら舌を巻く。
俺は「忙しい」と言う一言で、 貴女に無理を強要し、 俺への信頼を強要したのだ。
精一杯の我慢には足りないかも知れないけれど、 俺なりのお返しを贈ろう。
「えらいね。」 「ヨチヨチ。」
素直に。 単純に。
そして精一杯の褒め言葉。 |
2003年04月07日(月)
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