浅間日記

2014年02月18日(火) わが研究

ドタバタドタと、都心で仕事を片付け、
じゃ、サヨナラ!と帰路につく。



旅路の友に、高瀬昌弘「東宝砧撮影所物語」。
これが大変に面白い。
同時に貴重な文献でもある。

何しろ、出版が東宝株式会社であるから、
膨大な資料が存分に活用され、これに
映画の黄金時代をみつづけてきた高瀬さんの生きた証言が加わっている。



このところ、高倉健、三船敏郎、黒澤明、と研究をすすめ、
次はクレージーキャッツに着手する段である。

これとは別軸として、大瀧詠一さんの軌跡を追い続けている。
昨年12月に急逝されたことは、皮肉にも20年ぶりの邂逅となったのだが、
これがまた、知らないことの方が多すぎた。

久米宏氏曰く、「大瀧詠一さんの残された最大のものは、
大瀧詠一という研究テーマだったのではないか」。

その通りだと思う。
彼には、南方熊楠や宮沢賢治と同じマインドが流れている。



こうして緒に就いた研究−マイブーム−の中間で思うことは、

戦後の一時代というのは、日本映画、さらにその後の昭和歌謡、
ポップス、そして推察するにこれに演劇、文学、絵画が加わって、
ひとつの文化的な波頭にあったのではないか、という仮説である。

それは、桃山文化だとか元禄文化、というように、
歴史の中で定義され、もっと分析されてもよいのではないか。

戦後の何もかも失い、最も平和を希求する人々が
表現者も鑑賞者も、ともに心を躍らせた。

直接的あるいは潜在的に何を表現し、何を伝えたかったのか、
もっとよく研究しなければいけない、と思う。


2010年02月18日(木) 胃で消化すべきものを腸で消化させよう
2008年02月18日(月) 桜の春を疑う
2006年02月18日(土) 
2005年02月18日(金) 模倣と社会
2004年02月18日(水) 馬鹿でもないし迷走でもない恐怖



2014年02月17日(月)

遅れに遅れた列車を乗り継いで、上京。

あれだけの雪が降ったというのに、都内は既にその気配がない。

除雪が追い付かないわが方に比べ、大都市の機能は大した。

一方で、何が起きてもあっという間に「なかったこと」にできるというのは、
気味の悪い映画を見ているような、嫌な感じがする。

2007年02月17日(土) 
2004年02月17日(火) モチベーション欠乏症



2014年02月09日(日) 哺乳類の卵巣は成体期も、新しい卵を形成する能力をずっと維持しているらしい

ネイチャー日本語版のサイト。

ずっと探していた論文のダイジェストを見つける。
以下、忘れないように記録。

2009年4月13日付 −もう4年も探していたことになる−。
当時は小さな新聞記事になったので、私も知ったのである。



哺乳類の卵巣は成体期も、新しい卵を形成する能力をずっと維持しているらしいことが、新たな研究により明らかになった。この知見は、再生医学や生殖医学に重要なかかわりがあると考えられる。

一般に、哺乳類のほとんどの種では、「卵母細胞」として知られている卵子の形成は出生前に終了すると考えられている。最近、若年期から成体期のマウスで、卵巣に細胞複製能がみられることを示す証拠が得られたのにもかかわらず、出生後の哺乳類卵巣中に雌性生殖幹細胞(FGSC)が存在するかどうかについてはまだ議論が続いている。

J Wuたちは、生後5日齢および成体マウスの卵巣から、機能を備えたFGSCを単離したことを報告している。単離されたFGSCは自己複製能をもち、長期間にわたる培養の後でも増殖能が維持された。このFGSCを不妊マウスの卵巣に移植したところ、FGSCから卵母細胞が生じ、薬剤で誘発した不妊の回復が、仔が生まれたことで実証された。生まれた若いマウスには異常はなく、受精能力をもっていることがわかった。




卵子が老化すると喧伝されているが、このダイジェストを読む限りでは、
必ずしもそうではない、と証明されている。


2010年02月09日(火) 氷川きよしについて夜更けに考えた
2008年02月09日(土) 寒気と消耗と自画自賛
2007年02月09日(金) 自家用人生
2006年02月09日(木) 
2005年02月09日(水) ゲームオーバーなのではない



2014年02月07日(金) 様々な人の思いや物語を引き継いだ命

某雑誌の、「種」を未来につなぐ、という特集。
日本固有の野菜の種を受け継ぎ、未来へ継承しようという活動である。

なんか数寄者の集まりか?と思われるかもしれないが、さにあらず。

これを理解するには、「種」は芽を出して当たり前、
親と同様の個体をつくって当たり前、という固定観念を見直す必要がある。

家庭菜園で育てた野菜が花開き、種をつけたとして、
その種を翌年撒いても、実はならないか、
期待した収穫にならないのである。

これは、国内で流通しているほとんどの野菜の種が、F1種であるためだ。
同じ品質、同じ収量を期待したければ、種屋から種を買い続けるしかない。

命は、−金を払わなければ−、継承されないのである。



命は、金を払わなければ、継承されない。

人間に対しても、そうなるように既にデザインされている。

まったく何の抵抗もなく、子どもを「作る」ために金を払う。
そのうちには、「親もそうしてきたし」と、
納得に拍車をかける時代もくるだろう。

あと100年経てば、立派な「F1人間」の社会である。



未来に悲嘆するが、希望がないわけではない。

件の冊子では、「固定種」「在来種」とよばれる、
室町時代から続く野菜の種を守り続ける団体が紹介されている。

記事の中で「warmer warmer」なる団体を主宰する高橋一也さんは、

「何世代も経て風土に合った古来種は、農薬を使わずに育ち、さまざまな人の思いや物語を引き継いでいる。これを、みんなの力で未来につなげたい」
、と述べている。

様々な人の思いや物語を引き継いだ命。
このことの尊さを、忘れてはいけないと思う。

2012年02月07日(火) 穀雨にはまだ早い
2011年02月07日(月) 
2007年02月07日(水) 最後に誰が笑うのか
2006年02月07日(火) 話が通じない話



2014年02月04日(火)

安倍晋三首相が、教育制度改革について予算委員会で答弁。

道徳教育の教科化、高校での日本史の必修化、
そして、教育委員会制度の抜本的な見直し、をうたっている。

改正教育基本法の精神にのっとって、としきりに強調するが、

錦の御旗にしているそれは、「反対を押し切って強行採決したアレ」だと、
分かっている人はみな、思っている。

2009年02月04日(水) 
2008年02月04日(月) 幸福の技能
2005年02月04日(金) 睡眠運用
2004年02月04日(水) 【備忘録メモの日】


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