この一か月もあっという間に過ぎ、娘のたまは今日で2才9か月。あと3か月で3才、そして『ぼくとママの黄色い自転車』の公開日。2才9か月につけるキャッチコピーを何にしようかと考え、「おっぱい卒業」「丸が描けるようになった」(今までは線だけだったのが円を閉じられるようになった)「イヤイヤ本格シーズン」などの候補が頭に浮かんだが、先ほどパパに「このへや はいんないで。ここは たまちゃんのへや! いじわるのへや!」と言い張っているのを見て、「『いじわるのへや』の女王」とした。今週はパパの帰りが毎晩遅かったので、あんなにパパになついていたのが一転、「たまちゃん、パパにいじわるするのよ」と開き直っている。好きだからこそ憎いってやつかしら。
別段甘やかしているつもりはないけれど、厳しくしつけてもないうえに、じいじばあばには甘えたい放題という育ち方をして、世界は自分中心に回っていると思っているふしがある。「たまちゃん せっかくかわいいふく きていったのに かわいいって いってもらえなかった」。この自分大好き病が重症化しないよう(ほどよい自己肯定を残しつつ、鼻持ちならないナルシストにならないように)経過を見守っているところ。
「パパがでんわしているうちに アンパンマンみようよ」などと悪知恵もますます働くようになり、たま語はヒットを連発。だけど、書き留めるのが追いつかない。帰宅したパパに「おへやへ どうぞ」。どこでそんな言葉を覚えるのか、不思議不思議。今月のMVT(Most Valuable Tamago)は、じいじばあばのうちで「ウンチ!」と訴えたときに、飛び出した一言。
たま「ばあば、ウンチでる!」
ばあば「(おむつを確かめて)あら、もう出ちゃってるじゃない」
たま「もう いっぽん!」(そして、トイレで、成功!)
ウンチは一本二本と数えるのか! そもそも数える場面ってないよね〜と大笑いした。今日、保育園に迎えに行くと、一人でトイレに入り、自分でズボンとオムツを下ろして便座に腰を下ろしていた。こんなことも自分でできるようになったのか、とびっくり。そばにいると、つい手を出してしまうけれど、ほうっておくと、どんどん自力で解決してしまうのかもしれない。
「いじわる」と「いたずら」は知恵に比例してひどくなるのか、家中の薬や化粧品が空にされた一か月でもあった。バンドエイドはことごとく袋から出されてビヨーンと伸ばされ、ハンドクリームは水洗いされ、ポンプ入りのクレンジングの中身は床に押し出された。床がよく滑り、わたしが転びかけたときの顔がよっぽどおかしかったらしく、「ママ びっくりしてたねえ」と後からうれしそうにからかってくる。イジワル!
今夜の子守話は、「たまちゃんいっぱい」の話をリクエストされたので、実体験をふまえて「おりこうたまちゃん へそまがりたまちゃん」のお話。
子守話69「おりこうたまちゃん へそまがりたまちゃん」
たまちゃんは このごろ いじっぱりで いじわるで へそまがりです。 ママのことを ほんとうは だいすきなくせに 「ママ だいきらい」といって こまらせるのが だいすきです。 ママが「たまちゃん おしょくじよ。てを あらってらっしゃい」というと 「はーい。てを よごしまーす」と いたずらを はじめます。
ところが あるひのこと。 たまちゃんが てに インクをつけて せっせと よごしていると せんめんじょから たまちゃんそっくりな おんなのこがでてきて 「おててを あらいました」と きれいなてを さしだしました。 「あら たまちゃんが ふたり!」 ママは びっくりしましたが たまちゃんは もっとびっくり。
しょくじのまえに たまちゃんは ふざけて 「ごちそうさま」と いいますが たまちゃんそっくりな おりこうさんは「いただきます」と てをあわせます。 もちろん だれかさんみたいに スープにぎゅうにゅうをいれて 「こうしたほうが おいしいよ」なんて いじわるを いったりしません。
おなかがいっぱいになると たまちゃんは 「まずかったー。おなか ぺこぺこー」と いいますが おりこうたまちゃんは「おいしかったです。ごちそうさまでした」と てをあわせます。
おふろにはいって あたまを あらうとき たまちゃんは いやだいやだと あばれますが おりこうたまちゃんは おとなしくしています。
「おりこうたまちゃんと いたずらたまちゃん どっちが ほんものの たまちゃんかしら」と ママがいいました。 「こっちが ほんものにきまってるじゃない」と たまちゃんは いおうとしましたが ひねくれものの くせがでて 「こっちは にせものでーす」と いってしまいました。 「へそまがりたまちゃんが にせものたまちゃんってことは おりこうたまちゃんが ほんものたまちゃんなのね」と ママは いいました。 おりこうたまちゃんは 「はい そうです」とこたえました。
と、そのときです。 「うえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」 たまちゃんは じぶんでも びっくりするぐらい おおきなこえで なきながら ママに だきつきました。 「ほんものの たまちゃんは こっちよ こっち! ママ そっちの たまちゃんは にせものだよ!」 ママは たまちゃんのあたまを よしよしとなでながら いいました。 「そんなこと わかっているわよ」 「え?」とおどろいて たまちゃんは ママをみました。 「たまちゃんのこと ママは せかいでいちばん よくわかっているからね。 どんなに そっくりな にせものでも ママは ぜったいに みぬけるわよ」 でも たまちゃんが あんまり へそまがりで いじっぱりなので ママは にせものたまちゃんに だまされた ふりをしたのでした。
たまちゃんが ないているあいだに にせものの おりこうたまちゃんは いなくなっていました。 「さっきの たまちゃんは どこにいったのかな」 たまちゃんと ママが まどのそとの そらをみあげると ちいさなほしが ぐんぐんと そらたかく のぼっていくのが みえました。
もしかしたら こまったママを たすけるために おほしさまが おりこうたまちゃんに ばけたのかもしれません。
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今日も『つばさ 絵本 まじょのなみだ』で日記を訪ねてくださる方が大勢。明日の放送にも、ちょこっと登場。絵本の世界が夢に出てきたという設定のメルヘンな美術にもご注目。いよいよ、明日は5月23日!
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