第三舞台の劇作家・演出家の鴻上尚史さんと「恋愛」について対談。今月30日から再演される『恋愛戯曲』の劇場パンフレット用。という展開になったのは、数年前、2001年の初演版戯曲を元に映画版脚本を作るというお仕事をご一緒したから。「“美人”脚本家が主人公の話、やってみる?」とプロデューサーに声をかけられ、「わたしにぴったりではありませんか」と喜んで引き受けた。SPA!の「ドンキホーテのピアス」連載を毎号愛読していたわたしにとっては、鴻上さんとお仕事できるだけで光栄。脱線だらけの打ち合わせも笑いっぱなしで楽しい仕事だった。
肝心の映画化の話はしばらく停止(停滞)中ではあるけれど、鴻上さんもプロデューサーも「いつかは」と根気強く温めている中での今回の再演。映画版脚本から取り入れたアイデアやセリフもあるとのこと。対談では「作品について、恋愛について、脚本家という職業、書く喜びと苦しみについてざっくばらんに話してください」ということで、稽古を終えたばかりの鴻上さんと近況報告を交えてトーク。恋愛や脚本とは関係のないところで話が盛り上がってしまったけど、お話はあいかわらず面白かった。二時間半のおしゃべりのどこが使われるのか、わたしも楽しみ。観劇される方はパンフをぜひお求めくださいませ。
| KOKAMI@network第8弾『恋愛戯曲』 [東京公演] 5月30日(火)〜6月11日(日) 池袋・サンシャイン劇場 [大阪公演] 6月16日(金)〜17日(土) 大阪厚生年金会館芸術ホール [北海道公演] 6月21日(水)釧路市生涯学習センター 6月23日(金)幕別町百年記念ホール 6月25日(日)深川市文化交流ホール 6月27日(火)あさひサンライズホール 6月29日(木)30日(金)札幌市教育文化会館
|
『恋愛戯曲』は「脚本家の書いている脚本の中に、脚本家志望の主婦が登場し、その主婦の書く脚本に脚本家が登場する」という三層構造。映像にすると美術や衣裳やヘアメイクで三つの世界をわかりやすく差別化できる反面、ライティングの切り替えだけでディテールは観客の想像力に委ねる演劇よりもそれぞれの世界観を限定してしまう。でも、三つの世界の作り込みがしっかりできれば、映像ならではの面白いものになるのではと思う(鴻上さん曰く「主婦の世界にはテーブルに醤油がある、なんていうのも、舞台だと場面転換のたびに出し入れできないので難しい」)。『父と暮せば』『サマータイムマシン・ブルース』のように戯曲から映画化されて成功している作品も続いているし、今回の再演で「映像で観たい」という声が大きくなりますように。
2005年05月19日(木) 鬼界浩己事務所公演『グレートエスケープ』
1979年05月19日(土) 4年2組日記 大きなこぶ