安井寿磨子さんに、やっと会えた。パコダテ人のポスターやチラシやパンフに使われている、あのかわいい絵を描いた人だ。
ふだんは大阪住まいなので、会えるとしたら大阪公開のときかなあと思っていたら、東京の京橋で個展をやっているという。「前田監督のところにDMを送った」と本人は主張されているが、「絶対送り忘れです」と前田監督。ともあれ、安井さんと前田さんの共通の知り合いである赤星さんから前田さんに連絡が入り、わたしもぎりぎりで見せてもらえることになった。
「もっと早く知っていればチラシを置いてもらったのにー」と前田さんが悔しがると、「そうやねえ。ごめんごめん」とおっと〜りした大阪弁で応じる安井さん。
「かわいい人」とさんざん前評判を聞いていたのだが、見た目は、かなりの美人、しかも長身。しゃべりだすと、ぽわ〜んとした間と雰囲気が生まれ、かわいい人になる。「頑張ってや〜」と言いながら猫じゃらしのように振っていたシッポストラップは、前田さんの鋭い突っ込みを受けるとハンカチに早変わり。「そこまで言わんかて…」と涙を拭くフリをする。仕草がかわいらしくて、見ていて飽きない。
肝心の展示作品は、パコの宣伝用のイラストよりもぐっと大人っぽいタッチ。ほのぼのしたあったかさは共通しているが、「こんな絵も描くんだ」と新鮮だった。イラストに添えられた短い言葉には詩のようなリズムがあり、ちょっぴり不思議で、安井さんを見ているようだった。
1979年05月18日(金) 4年2組日記 西佳先生好きょ