自身を維持し、 其処に、 在り続ける為に。
其の場の変遷に応じて、 自身を、 変異させる。
生に連なる戦略として。
其れが、 時に選択される手段だとするならば。
想いも。
同様だろうか。
「今年も見られたね!」
姫の、 嘗ての、 其の言葉は無く。
俺は、 稀に、 其の淡桃色に視線を遣る程度だけれど。
変異しながらも、 其処に、 想いの核が在るのなら。
其れで、 充分なのかもしれない。
腰掛けた儘、 缶麦酒を傾け華を観る、 何時もの姫と。
覚束ぬ歩に引き摺られながら、 芝生の上で燥ぎ回る、 新顔の娘と。
そして、 赤ら顔に構わず必死に追い回る、 遷移する自身と。
三様を眺めながら、 ふと想う。
何を想いながら。
姫は、 独り華を見上げて居るのかな。
---------- References Apr.18 2006, 「遅れても届く想いでしょうか」 Apr.23 2005, 「創った形に依存出来るのでしょうか」
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