確かに、 其の言葉は。
重たく、 硬い、 想いの塊には、 違いないけれど。
其れが、 何れ程、 自身へ刺さろうとも。
然程の傷跡は、 残さないのかも知れない。
相手が進む為に。
其れは、 吐き出されるべき想いで。
必要性と、 理由が、 確実に在る物だから。
其れ故に。
言われた事実に、 言われた想いに。
愕然と成り、 押し潰される様に、 凹んだとしても。
酔った勢いの 本音に。
普段は決して口に出せぬ、 けれども、 本当はぶちまけたい想いに。
不快感を持ち、 それを、 身に宿し続ける事は。
決して無いのだ。
「また我が儘言っちゃったね。」 「いつか、小坊主に嫌われちゃうね。」
姫は、 何か覚えて居たのだろうか。
痕跡を、 一部分を、 脳裏に残して居るのだろうか。
酔って無くした記憶の、 其の断片など。
放って置けば良い。
覚えて居ないのだから。
其の我が儘が、 何で在ったかなんて。 |