特に強い意志を以て、 其の日を、 記憶に留めた訳では無いのに。
何時の間にか、 此の身に浸潤して居た。
新たな年度が始まり、 少々遅い春が此の地に届く、 其の頃には。
其の寸前迄、 どれ程自身の意識外に居ようと。
何故か、 其の言葉が手元に来る。
「誕生日おめでとう。」
生誕の日を知った時から。
淡い想いを抱かれた時も、 淡い想いに気付いた時も。
別の雄を選んだ後も、 次の雄を選んだ後も。
次の雄へ嫁いでからも、 其の雄と離別しても。
変わらぬ行為。
其れが半ば、 習慣化して居るのか。
友の一人に、 純粋に祝いを贈っているのか。
少しだけ、 想いの欠片を含むのか。
行為に麻痺して。
自身では、 判断出来ぬ状態だから。
「毎年ありがとね。」 「小坊主だけだよ。」
君からの返信に、 唯の意を、 内包する文字が在ると。
未だ、 木々がざわめく。
---------- References Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」 Jan.04 2004, 「理解から逃れたいのでしょうか」 |