今迄の、 其の言葉は。
飽く迄、 拒絶なのだ。
けれども。
今記した、 其の言葉は。
決して拒絶では無く。
ふんだんに、 許容を隠した言葉なのだ。
今迄なら。
意思表示はされて居ないと、 言い張っただろうから。
其処に、 ほんの一歩でも。
進展の跡が在ると、 感知する。
大家の、 奥さんと言う言葉に。
「私は奥さんじゃないし。」 「プロポーズもされていない。」
奥さんでは無いと、 言いながらも。
「小坊主は意思表示をしたと。」 「言うけれど。」 「私は忘れたから却下。」
姫は、 僅かな許容を籠めて、 其の言葉を記した。
確かに、 想いは進んで居る筈だよね。 |