家の中がどんどん荒れている。わたしの仕事が忙しいと片付けが追いつかないのは昔からなのだけど、魔の二歳児というちらかし要員が一人増え、加速度的にものがあふれ返り、収拾がつかなくなっている。家中の壁がシール貼り場になり、お絵描き帳になり、粘土が絨毯にへばりつき……どこまで行ってしまうのか、怖いような楽しみなような。客人が来ると突貫大掃除を敢行するのだけど、仕事が立て込んでいると、人を招くどころではなく、掃除の機会もなくなってしまう。
今朝の読売新聞に、「『美』感じる心 育てよう」の見出しで宮大工の小川三夫さんが文化遺産などへの落書きをどうやって防ぐかについて語っていた。「大切なのは、美しさを感じる心をはぐくむことだ。人は美しいと感じたものを傷つけようとはしない」とあるのを共感して読んでいたのだが、そうした心をはぐくむためには「親が身の回りをきれいにして、美しい空間で子どもを育てることが大事」「親が部屋を清潔にしておけば、子供も自然に掃除するようになる」とあり、頭を抱えてしまった。子どもが手当たり次第汚してかかるのは、「ここは汚してはいけないところ」かどうか区別がつかないほど家の中が美しくないからなのかもしれない。ううむ。
2002年11月19日(火) 白い巨塔