2005年11月15日(火)  『天使の卵』ロケ見学2日目 旅人気分

ロケの朝は早い。『パコダテ人』も『風の絨毯』も『子ぎつねヘレン』も早起きが辛かったけど、今回はとくに早い。6:15にロケバス出発から逆算して間に合うぎりぎりの5:40まで布団の中で粘る。ヘアメイクが必要な役者さんはさらに早起き。

寺へ向かう電車内のシーン。福知山の駅から京都方面行きの電車に乗り込んでの撮影。電車出発間際まで、ロケバスの中でお弁当を食べて待機。とても寒い。駅構内に入ると、通学の高校生たちが市原さんと沢尻さんを見つけて「え!」と信じられないものを見たように目を見開き、一緒にいる友人をつつき、「マジ!」「すごくない?」を連発。テレビで見ている平面の人がいつもの通学路に3Dで現れたら、そりゃあびっくりだ。

貸切ではなく、一般の乗客が乗っている車両を間借りしての撮影。ラッシュ時間を過ぎ、車内は空いている。窓の外は秋色ののどかな風景が続き、ボックスシートに揺られて本を読む人が絵になる。気分はローカル線の旅。

夏姫が車内で目を落とす歩太のデッサン帳を見せてもらう。ページの最後まで、さまざまな表情の春妃が描きこまれている。白地にペンシルで描きこんでいくのではなく、白地をペンシルで塗りつぶしてから練り消しゴムで黒を削り、濃淡を作る手法。作品に合った衣裳やロケ場所を決めるように、美大浪人生が愛する人を描くならどんなタッチになるか、吟味を重ねた上で選ばれたのだろう。奥行きと力強さがある絵には歩太の感情が宿っているようで、引き込まれる。

午後は撮影隊を離れ、京都を探索。「キンシ正宗」の看板を掲げた町屋を改造した堺筋三条のイタリアン『あるとれたんと』で遅めの昼食。向かいの『タントタント』の姉妹店のよう。窓に面したカウンター席が気持ちいい。

町屋の並ぶ三条通りを散策しながら東へ向かい、ビーズの卸屋でパーツを買ってハートのピアスを作り、モザイク画のような外観に惹かれた『ラジオカフェ』にふらっと入る。店内にはミニFM局(NPO京都コミュニティ放送が運営するFM79.7MHZ京都三条ラジオカフェ)があり、店の真ん中のブースから発信中。天井が高くてくつろげる。パンプキンケーキもおいしかった。
夜は、『京町屋 繭』の一角にあるCafe Rumble Fish(カフェランブルフィッシュ)へ。飛び石の路地を進んだ奥に、雰囲気のあるお店が佇んでいる。プロデューサーの清水さんと合流し、『たかはし』というこれまた隠れ家っぽいカウンターのお店に連れて行っていただく。おいしい日本酒と、それをさらにおいしくする肴が出る。お酒が進むにつれ、清水さんが映画を語る口調は熱くなり、ほんとに映画に惚れているんだなあと思う。

2004年11月15日(月)  「トロフィーワイフ」と「破れ鍋に綴じ蓋」
2002年11月15日(金)  ストレス食べたる!

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