< 真を返さぬのが正解でしたか >
例え片言でも、 単語が浮かんでくれば。
其れを紡いで、 想いを再構築する術が在るのに。
其の欠片すら浮かばぬ時。
何を介して、 想いを届ければ良いのだろう。
事の大きさが漠然として、 正確に計れぬ故に、 単語が産まれてくれぬのか。
想いが邪魔をして、 半分他人事を含んだ第三者に、 成り切れて居ないのか。
俺自身も、 平常心で無い事だけは、 理解出来た。
今、 目の前で。
「何とか元気ですよ。」
相変わらず、 傍に居る男の不満を口にするけれど。
目の輝きは、 比較にならぬ程明るいから。
其の不満の種の、 雄の力が。
今の笑顔を、 取り戻したに違いない。
産まれぬ言葉と動かぬ指先に、 抗うかの様に。
「メシ食ってるか?」
一ヶ月前の事件の時、 無理矢理返信したけれど。
「頭が真っ白で。」 「嘘の笑顔さえできません。」
あの時、 御嬢から届いた文に。
「Re:」
題名だけ書きかけで、 後は空白の、 今も残された文が。
返すべき本来の返信で。
そして、 返してはならぬ返信だったのかな。
---------- References Nov.20 2003, 「爪の先に甘い毒を仕込むのですか」 |
2004年02月29日(日)
---------- History
< 似合う想いに届くでしょうか >
望むか如何かは、 精神依存の想いだけれど。
似合うか如何かは、 人の格を、 否応無しに連結させるから。
「似合わない。」
其の言葉には、 きっと本質が隠れて居る。
故に。
其の形を保有して居る、 人の内で。
真に其れを使いこなす人が、 何割居るのか。
一生掛けて、 理解に到達出来る人間が、 何割居るのか。
其れは不明瞭であっても。
希望云々に因らぬ、 憧れ云々に因らぬ、 不足と言う事実のみは。
其処に存在する事が、 明白なんだ。
「小坊主に結婚は無理だよ。」 「似合わない。」
姫の言葉を聞いた、 其の時よりは。
自身に何が不足するのか。
少しずつ見えて来たと、 そう自覚する日々だけれど。
似合わない理由や、 不足に対する明確な解答が、 得られた時に。
初めて。
芯が備わり、 形の真の意味を理解する日が、 来るんだろうな。
---------- References Oct.21 2003, 「足りない条件は何ですか」 |
2004年02月28日(土)
---------- History
2003年02月28日(金) 今晩も凌げるだろうか
< 溝の向こうを留めてくれませんか >
何処迄想いを積み重ねれば、 溝を埋める事が出来るのだろうか。
迫った筈の向こう岸が、 静かに逃げて。
再び途方に暮れる。
年齢差を意識せずに、 想うから。
其の差を、 僅かにでも感じさせぬ行為で、 相手と対峙するけれど。
其の一方で、 年齢差を意識もして、 想うから。
其の差を、 僅かにでも内包する言葉が、 表出すると。
想いの不安定さを察知して、 想いが揺れる。
「所帯染みて来たってよ?」
「忙しくて、」 「他の事に手が回らないからじゃ無い?」
相手に伝わった意図は。
共に自身が乗せた想いとは、 懸け離れた物。
所帯染みるを、 歳と共に活動力が低下して来たと、 捕らえた俺と。
他の事を、 他の人と解釈した姫と。
其処に産まれた境界線は、 元を探れば、 如何しても年齢差に行き着くんだ。
如何に想いを語れども。
力を抜けと言える程の努力には、 未だ達して無いだけ。
---------- References Jan.18 2004, 「交えられぬ違いなのでしょうか」 |
2004年02月26日(木)
---------- History
2003年02月26日(水) たまには待たせても良くないか
< 飼い慣らしたと思うのですか >
出来る限り相手の傍らで、 日々を営める様にと。
共に過ごす刻が、 出来る限り永く成る様にと。
そう願うから。
必然的に。
日々日常の作業が、 二人の間に横たわるけれど。
雌雄として存在し得る刻を、 出来る限り、 増やして置きたいと願うから。
日々日常の作業を、 共に行い、 済ませてしまうのでは無いのか。
想いが在るから、 食器を洗う。
想いが在るから、 乾燥機を操作する。
作業の先が、 何処に向かうのか。
姫は常に、 意識して居たのでは無いのか?
姫の真意が、 何処に在るのか。
其れは定かで無いけれど。
姫の友人達の言葉なら。
真意が何処に在るか、 明確に察知出来る。
「小坊主ちゃんったら。」 「最近所帯染みて来たよね!」
言葉を其の儘垂れ流した、 姫の真意は何処だ。
野に在る狼で在れと言うならば、 容易い事。
飼い慣らしたと、 高を括れば良いよ。
---------- References Feb.03 2004, 「自覚に縛られ自壊するのでしょうか」 |
2004年02月25日(水)
---------- History
2002年02月25日(月) お前の中に何が起きてますか
< 夢でも会話が出来たのでしょうか >
自身の発する熱を預け、 相手の発する熱を感じ取る。
互いの温もりを交換し、 其の心地好さに、 酔い痴れる行為は。
興奮と、 快楽と、 安堵と、 恍惚と。
殆ど同時に、 何種もの想いを得る事の可能な、 極上の会話なのに。
其の半ばで、 事を途切れさせた時には。
如何して此処まで、 不満や不安を、 呼び覚ましてしまうのだろうか。
時として。
「寝ちゃったの?」 「もう・・・」
其の最中に、 一方が眠りに陥る事が在る。
寄り添い、 其の暖かみを感じる行為は。
同時に強烈な安心感をも、 提供してくれるけれど。
残された側の想いは。
何故か其の逆方向へと、 大きく振れるのだ。
良いのか。
興奮と、 快楽と、 安堵と、 恍惚と。
何種もの想いが背中合わせの、 極上の会話だから。
「やだ、起きてよ!」 「ん?」
「もう、入ったまま。」 「ははは、本当だ。」
其の半ばで、 事が途切れても。
会話の後の充実感を、 得る事も在るんだ。
---------- References Oct.11 2003, 「想いが在るから抱けないのでしょうか」 |
2004年02月23日(月)
---------- History
2003年02月23日(日) 俺の幸せは不安ですか
< 其の料理を食べに行きませんか >
後悔と言う言葉も、 未練と言う言葉も。
時系列を後ろに向かう、 単語だけれど。
過去の選択に不満を持ち。
再び同じ選択をするまいと、 願い想う向上心が、 其処には在るのだから。
後悔も未練も、 其れ自体を否定する必要は、 きっと無いんだ。
彼女の好きな男が、 地元で料理を創って居る事。
彼女と二人で食べて居た料理が、 店に並んで居る事。
彼の大好きな、 季節の素材を使う料理が、 今も変わらぬ得意料理で在る事。
「小坊主さん。」 「聞いて下さいますか。」
後輩から届いた手紙に、 記された事実と。
そして。
其の隣に並んで、 自分が料理を創って居たかも知れないと言う、 想い。
「乗り越えられたつもりだったのに、」 「駄目みたいで。」
其の日々を、 真剣に、 過ごせば過ごす程。
其の時々を、 懸命に、 想えば想うほど。
後悔や未練は、 大きく育ち得る物だから。
乗り越えたと、 結論付けた筈の想いが。
突然蘇り、 自身に鋭く刺さる事など、 自然な事なんだ。
大切な事は。
乗り越える事に在るのでは無くて、 別の場所に、 こっそり隠れて居るんだよ。
---------- References Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」 Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」 |
2004年02月21日(土)
---------- History
2003年02月21日(金) お灸を据えても良いですか
< 至福の時間を奪うのですか >
待ちたいと願う想いは、 大切な物だけれど。
大丈夫と意地を張り。
時に無理をして、 疲労を蓄積させてしまう人だから。
自身の帰りが何時になるか、 如何しても読めぬ時には。
「先に寝てろ。」
相手を想う一言で、 先に願いを封じてしまう。
いや。
相手への想いだけが、 其の理由だろうか。
深夜。
冷たい身体を、 床に滑り込ませて。
「嫌だ、冷たい!」
嫌がらせ半分に、 姫の温もりで身体を暖める、 其の心地好さが。
欲しいからなのかも知れない。
けれども。
至福の場所は、 今夜も先客に奪われて居るのだろう。
布団に潜り込むと。
姫の胸は露わになり。
敏感な部分が、 堅く成って居るんだ。
お願いだから、 寝間着を捲り上げないで。
お願いだから、 所構わず舐めないで。
今夜も、 俺の場所を横取りして。
「にゃぁ。」
返事だけは優等生の、 天敵が。
姫を独り占めして居るのかな。 |
2004年02月19日(木)
---------- History
< 何故撥ね返せなかったのでしょうか >
一年半を経ても。
其の原因たる震源を、 未だに探り当てては居ないけれど。
想いに隙が在ったから。
其の時間が生じた事に、 間違いは無い。
好みでは無い。 触れる気すら無いと。
互いに言葉を発したのは、 一瞬前の事なのに。
想いに隙が在ったから。
何時の間にか、 其の渦に囚われたに違いない。
挑みかかって来た側から、 発せられた言葉。
「どうしてこういう事するの?」
只責任を転嫁する、 理不尽な言葉に。
何故必死に、 言い訳を考えるんだ。
さっき迄、 酒精に錯乱して居たのは、 寧ろ姫で。
俺の記憶には、 事の端から終いまで、 全て記録されて居ると言うのに。
瞳の光に魅入られて、 石化した。
為すが儘に惹き込まれ、 抗えなかった。
俺の想いの錯乱を、 察知して。
「どうしてこういう事するの?」
悪戯っぽい笑顔で、 悪魔の様に囁きながら。
姫は再び、 奥底に俺を導く。
俺の上に居る姫の姿は、 鮮明に映し出されるのに。
其の言葉への、 俺の答えは。
彼の日から一年半を経た今も、 未だ見付からないんだ。
---------- References Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」 Jun.20 2002, 「償うふりが出来ますか」 |
2004年02月17日(火)
---------- History
2003年02月17日(月) 罠を仕掛け終わりましたか 2002年02月17日(日) 想いの代理品は届きましたか
< 既に像も消えて居たのでしょうか >
例え自身の虚像で在っても。
例え自身とは懸け離れた、 相手の創り上げた自分の像でも。
相手の芯に自身が住まい、 日に何度か、 相手が其の像へ話し掛ければ。
想いは育って行くのだろう。
日々の、 相手の状況を、 何処迄把握出来て居るだろうか。
そんな想いは、 分を弁えぬ想いだ。
日々を過ごすのは、 自身では無く他の個体だから。
精神の拠り所として。
自身が相手の傍に在れば、 其れで良いと想う。
故に。
自身の芯に、 相手の存在が消える時に。
不安や疑心や離別が、 鎌首を擡げるから。
自分の姿を。
相手の芯に、 置いてあげる事が大切なんだ。
相手の全てを把握出来なくても。
小さな彼と彼の祖母が、 年末交わした会話。
「お母さんが再婚したら。」 「どうする?」
「今好きな人は居ないみたいだけれど。」
未だ絆を断つ以前に、 小さな彼が感じ取った其処に。
貴女の姿が、 凝集されて居るに違いない。
貴女は。
単純で、 素直で、 分かり易い人だったのに。
既に貴女の芯から、 俺の像が消えて居た事に。
如何して、 気付けなかったのかな。
---------- References Dec.31 2003, 「二度目は何を想って居ますか」 |
2004年02月15日(日)
---------- History
2003年02月15日(土) 寒さのせいですか
< 弁解の為の縛めでしょうか >
此の、 化粧台の、 三面鏡の様に。
奥の奥迄見えて居る、 数多の顔の。
何れも、 自身の顔だとすれば。
其の中に。
共通する要素が存在しても、 不思議では無いけれど。
一番右に映る姿と、 一番左に映る影。
一番右に映る影と、 一番左に映る姿。
日々入れ替わる濃淡に。
自身の、 至らぬ人格と。
自身の、 至らぬ精神力を映して。
縛めとすべき。
いや、 縛めとしなければならぬのだ。
鏡面の様に。
腐れた縁が、 俺自身を映し出すのは。
鏡が、 事実のみを映して居るから。
鏡の表と裏が、 同じ存在だったと知ったら。
如何に想うだろう。
---------- References Jan.01 2004, 「腐れた縁に想いを託して良いでしょうか」 |
2004年02月13日(金)
---------- History
2003年02月13日(木) 素直な肌で抱き合えますか
< 未だ鍔鳴りが聞こえるでしょうか >
僅かな切れ端から。
違和感を捕らえ、 大まかな像を捕らえられる事を。
幸福と想い、 不幸だとも想う。
適当で無ければ、 其の声など聞ける筈は無いけれど。
適当に発信した電話で無ければ、 発信すら出来ない自身を、 理解して居るけれど。
「どうした?」 「寝てたの?」
「うん。」 「ちょっと風邪ひいたみたい。」
其の適当な時が、 相応しい機会で無い事を。
電話の相手は、 気軽に話す体調では無い事を。
少し残念に想った。
相変わらず、 自分から切断出来ぬ通話。
相変わらず、 またねの言葉の後に発動される、 口付けの音。
「小坊主ぅ。」
相変わらず、 思わず口を付いて出る、 俺への甘え。
貴女も、 俺も、 未だ何も変化出来て居ない。
同じ苦しみで悩む日々が、 きっと戻って来る事を。
本能的に 理解出来て居る筈なのに。
戻ろうの一言さえ在れば。
もしかしたら、 元の鞘に収まるのかも知れないな。
---------- References Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」 Jan.30 2004, 「整理の付かぬ記憶でしょうかか」 |
2004年02月11日(水)
---------- History
2002年02月11日(月) 決意の心はどこから湧いたのですか
< 軸が歪んで居るのでしょうか >
目の前の日常は。
感覚のみに因り、 構成される物では無い。
感覚で構成され、 文字で構成され、 物質で構成され、 想いで構成され。
多種多様の軸が交差して。
其の緩衝領域にこそ、 真髄が在るから。
何れも真で。 何れも偽で。
基準軸を、 別の軸に入れ替えるだけで。
真偽が入れ替わり得る。
其れ故に。
軸と軸の変換を、 自身で自由に扱う事が出来た、 其の時に。
何らかの道を開いたかの様に、 感じるのだ。
自分の言葉と 自分の感覚と、 自分の事実と、 自分の想いと。
自身のみに存在する軸の、 入れ替えすら、 儘ならぬ今だから。
何度軸を入れ替えても。
結果は散り散りで、 元の要素と懸け離れて居るから。
事の真偽は不明確で、 曖昧な物かも知れないけれど。
貴女に惑い。
揺れは、 収束へ向かわないのかな。
---------- Acknowledgment I was scooped by your "scratch", あげは. I expect to success your try and... I'll start my new site as soon as allowed. Thank you for your diary and high quality texts. |
2004年02月10日(火)
---------- History
2003年02月10日(月) 何を悩んでいたのですか 2002年02月10日(日) 何を望んでいるのですか
< 自分の得手を武器にしませんか >
刻を切り獲る作業には、 二通りの途が在ると言う。
何れかは得手に属し、 方や不得手に属すると言う。
其の二つの内、 得手を武器として山を登り。
其の術に極みを覚えた時、 得手を捨て、 不得手のみで刻を切り獲る。
其処からが、 全ての始まりだと言う。
構図、 露光、 対象、 動き。
切り獲る画を想い描き、 経験と勘を駆使して、 其処に自身の存在を近付けて。
頭で撮る写真。 理詰めで撮る写真。
環境、 手癖、 情動、 雰囲気。
想いの儘、 流れる儘、 自身の存在が近付いて。
心で撮る写真。 勝手に撮らされる写真。
「頭で撮れば良いんだ。」 「理詰めで撮れば良いんだ。」
「技術が追い付いて来た時に。」 「全部捨てて心で写真を撮ってみる。」
先輩の言葉は。
自身の得手を使わぬ愚を、 知らしめる言葉なのだ。
心で創る想いが、 存在するのならば。
頭で創る想いも、 存在し得る。
未だ未だ未熟な、 成長途上の自身なのだから。
得手に蓋をする必要は、 何処にも無いのか。 |
2004年02月08日(日)
---------- History
< 向きを入れ替えて見ませんか >
境界を定める事。
存在や、 役割や、 繋がりに、 基準を設ける行為は。
同時に所有する領域を、 明確に決してしまう事だから。
信に値する、 其の相手に対しても。
隠れた裏側を見せる必要など、 実は無い。
表裏とは。
自身が相手を受け止める為に、 新たに創り上げる、 単なる基準で。
即ち制限でしか無いのだ。
其処に型枠を取り付ける事が、 抑もの人の過ち。
裏の顔と、 相手の姿を縛り付ける故に。
想いが滞るのでは無いのだろうか。
人の産み出す誤解は、 人の産み出した過失に乗じて、 其の姿を具現化する。
表の顔と、 裏の顔と。
其の型枠にこそ。
想いの不足が、 潜んで居る。
想いの向きを入れ替えたら?
あの時。
其の型枠を、 貴女に理解しろと押し付けたのは。
俺の方じゃないのか。
---------- Acknowledgment I was impressed by your sound "『そのとき』". You are my favorite author, 響. Thank you very much!
---------- References Dec.30 2003, 「其の俺は俺では無いのでしょうか」 |
2004年02月07日(土)
---------- History
2003年02月07日(金) 迷いの嵩は減らせないのか 2002年02月07日(木) 良い所はなかったですか
< 人の夢故の儚さでしょうか >
刹那に輝き。
時を置かずして、 其の姿を消してしまうから。
逢いたい、 逢いたいと、 如何に願おうと。
其の一瞬に、 自身の時を巡り逢わせぬ限り。
儚い姿を拝む事は、 出来ないのだ。
深夜。
踏み締める、 其の歩調に合わせて啼く、 新雪の木霊に。
未だ観ぬ姿を想い出す。
今頃其の輝きは、 極大に達して居るに、 違いないけれど。
其の姿を観る理由が、 其処に無いんだ。
貴女の夢を。
貴女と手を繋いで、 通りを歩く夢を。
初めて観ました。
踏み締める雪の音は。
昨夜此処で、 踏み締めた雪の音でした。
祭りは、 今日からなのですね。 |
2004年02月05日(木)
---------- History
2003年02月05日(水) 愛しさに呪いをかけて良いですか 2002年02月05日(火) 本当に大丈夫ですか
< 自覚に縛られ自壊するのでしょうか >
包容力の不足など、 端から自覚をしているから。
精一杯の背伸びをして、 加えて数寸だけ、 自身の器に弾力性を引き出して。
相手を想い続ける。
其れでも。
不足分を補えぬ事実と自覚が、 身体を圧迫し続けると言うのに。
余裕の無さなど、 相手に微塵も伝わる筈が無いんだ。
平然と、 悠然と、 自信満々に振る舞うから。
其の姿は、 相手への安心感を供給する代わりに、 自身の本心を犠牲にするから。
何度繰り返しても、 奴は何度も包める漢だけれど。
限度は在る。
「あなたは・・・」 「彼氏じゃなくて紐?」
「あのねぇ。」
「違うな・・・ペット!」
酔いに委せた甘えだと、 どれ程理解して居ようと。
鋭利な刃を切り刻み続ければ、 奴は自壊する。
「気にしてるんだから・・・」
「ごめん。」 「ペットは酷いよね。」
気付かぬ彼女は、 奴と愛玩動物とを比した事を、 頻りに謝罪するけれど。
奴に刺さった言葉は。
後者では無く、 前者だ。
お願いだから早く気付いて。
---------- References Sep.23 2003, 「運命は他に在るのでしょうか」 Oct.21 2003, 「足りない条件は何ですか」 |
2004年02月03日(火)
---------- History
2003年02月03日(月) 余裕に見えましたか
< 弄ぶ口付けを楽しめませんか >
触覚と、 味覚と、 場合に依っては聴覚と、 更には視覚と。
複数の感覚を、 想いに載せて同時に絡め合う故に。
一本では無く、 何本もの絆を築くに値する行為。
其処に潜む意味合いが、 其れを自身の支配下に置くには、 多過ぎるから。
無意識下で、 何時の間にか。
意識下への想い付けを、 済ませて了うのだろうか。
奴の彼女から、 奴へ告げられた言葉。
「私たちって。」 「キスの相性悪いよね。」
相も変わらずに。
鋭利な刃を持つ、 其の言葉で。
彼女は自身の想いを表現する。
其れならば。
奴も其の想いに、 応えれば良いんだ。
「相性ってさ。」 「電気が走るか走らないかなんだよ?」
「彼女らしい甘え方じゃん。」
キスの瞬間。 一瞬身構える彼女の口に。
容赦なく電気を浴びせて、 遊んだら良いさ。
---------- References Oct.30 2003, 「重ねる唇に潜んで居るのですか」 |
2004年02月01日(日)
---------- History
2003年02月01日(土) 想いを足せば突き抜けられるか
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