無責任賛歌
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2005年09月13日(火) |
15万ヒット大御礼/ワークショップ『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』Part1 |
カウンターが調子よく回って、ついに15万ヒットとなりましたが、今回、キリ番当選の倍率を三倍(笑)にしたのに、やっぱり連絡はありません。通りすがりさんが多いのにも困ったもんです。 それだけキーワード検索に引っかかる単語が多いってことなんでしょうが、中にはサンプルの文章読んだだけで「君の欲しい情報なんてウチにはないってことが分からないのかい?」って言いたくなるような検索をかけてくる人もいて、15万ヒットと言っても、有頂天になっちゃいけないなあと自戒しているところです。私の気が付かないうちにこの日記をお気に入り登録してくださっていたり、ブックマークをしてくださっている方もかなりいらっしゃるのですが、いちいちお礼を申し上げに伺ったりはしておりませんが(それもかえってご迷惑でしょうし)、感謝しております。得手勝手な駄文ばかり書きつけているサイトですが、今後ともよろしくゴヒイキのほどをお願い申し上げます。
今日から、北九州芸術劇場で、『演出家・森田さんの「イッセー尾形ができるまで」』が開かれるので、これに参加するために職場を一時間、有給取って出かける。 しげは昼から小倉に出かけているので、小倉に着いた時点で連絡を入れて、リバーウォークで合流。お好み焼き屋でヤキソバを食べながら、「昼の部はどうだった?」と聞いても、詳しいことを教えてくれない。実際に参加してみてのオタノシミ、ということだそうだ。 開始20分前に中劇場で受付。名札を貰って、写真を撮られる。森田さんほかスタッフが顔を覚えるための写真だそうだ。しげが「犯罪者みたいでしょ?」とイヤな例えを言うが、実際、そんな感じである。係の女性の方、名札が光で反射してうまく撮れなかったらしく、三回も撮り直される。 ふと名札の山に目をやると、こないだ「応募しませんでした」と言っていた下村嬢の名札がある。さてはアンケートに答えなくても、メールを送れば登録した形になっていたのかと、慌ててしげから下村嬢に連絡を入れさせる。ところがてっきり落ちたと思い込んでいた彼女は、ヤケでオカネを使い果たしていて、参加費が払えなかった。もったいない話である。 ホールの客席でしばし待機。ややあって、車椅子に乗られた森田雄三さん、スラリと長い足がカッコいいイッセー尾形さんが舞台に現れ、参加者が舞台上にいざなわれる。車座になったクッションに、森田さんを中央に50人ほどがグルリと取り囲む。北九州でのワークショップはこれが三年目で、どうやら常連さんもいらっしゃるらしい。小学生くらいの女の子や70歳くらいのご老人に森田さんが声をかける。私は参加するのは初めてなので、否が応にも心臓が高鳴る。しげは昼の部に参加しているので、今回は後方の椅子に座って見学である。 殆どたいした説明もなく、森田さんは一人の学生っぽいメガネの男性に「何か喋って」と言う。当惑して「自己紹介ですか?」と答える男性に、「ダメ」とニベもない森田さん。次のマスクをつけた女性もロクに喋れない。いきなりの問いかけで、まだ「演劇を作る」ことの意味、「演劇のために何をどう考えるか」などに頭を巡らせる余裕がないのだ。 輪を追いながら、森田さんは「じゃあ、今度は『名詞』を言ってみて」と指示を変える。少し、発言しやすくなるが、普通の名詞では森田さんは「つまらない」と言う。ちょっと変わった名詞を挙げると、「凝ってきたね」と嬉しそうにする。 ここで私がどんな答えを挙げたか書いておきたいところだが、NHKが入っていたので、もしかしたらこれはテレビ放送されるかもしれない。今回は本名での参加でもあり、顔バレはちとマズイので、以下も私が何をしたかは一切書かないことにする。肝心なところが大雑把な文章になってしまうが、そういう事情なので諒とせられたい。 一通り「名詞」を言わせ終わったところで、今度は簡単な「会話」を回していく。「相手を困らせるような質問をして」という指示。聞かれたことには基本的に「イエス」と答える気持ちで話を回さなければ行けない。けれど、単純な名詞を思いつくよりも、こちらの方が言いやすい。 次に、「偉そうにしている人、生意気な人」の名前を挙げて、その人のイメージを思い出して声を出してみることを要求される。 「この『思い出す』ということが大事なんですよ」と仰る森田さん。ちょっと喋って黙ってしまう人には「続けて」「間を置いて別の言葉を」と次々に指示が飛ぶ。当然、言葉に詰まってしまう人もいるのだが、「困ったところから続けるのが大事なんですよ。もう分かった人もいると思いますが、これは『とっさの時の返事の仕方の訓練』なんです」ということだそうだ。 さらには、「へりくだった人」「バカをあえて演じている人」の言葉を要求され、最後はそれぞれの役柄を組み合わせて、椅子に向かい合わせてアドリブでやりとりをさせる。 「『会話』はしないようにね。それをすると下手に見えるから」。この指摘には正直、驚いた。今、私たちが演じているのは、私たちよりもちょっとだけヘンな人である。そういう人は、「いばりたい」「へりくだりたい」「バカと見られたい」、それだけの人である。けれど、そういう人の方が我々よりも面白いのだ。なるほど、「他人の言うことを聞かない」人の方が、舞台の上ではキャラクターがハッキリするのだ。目からウロコの気持ちであった。 今日はここまでであったが、参加している最中、こんなにドキドキワクワクするとは思わなかった。上手下手はあろうが、自分は演劇が好きなんだ。今更ながらにそれを実感した三時間だった。逆にしげは、すっかり怖くなってしまっている。 「自分で舞台を作る時は怖くないのに、人のところに飛び込むとどうして怖いんだろう?」 「俺も怖いよ。そうは見えない?」 「うん」 「人が怖くない人間なんていないよ。とっさのときどうしたらいいのか分からないから訓練するって、お前にぴったりの演劇じゃん。やってみなよ」 しげはそれでもまだグジグジとしていたが、私は、森田さんの演出で、しげがどんな演技をするのか、見てみたいのである。
小倉駅から電車に乗って、しげとは戸畑で別れる。しげはそのまま若松まで行って、よしひと嬢の家に泊めてもらうのである。私は、博多駅からバスに乗り換える予定であったが、最終バスに一分の差で間に合わなかった。仕方なく、家まで50分の道のりを歩いて帰る。帰宅して風呂に洗濯。久しぶりの独身の夜であるが、当然、家事は全部、私が一人でやらねばならないのであった。
2004年09月13日(月) 『スウィングガールズ』&『ヴィレッジ』を見た日。……ああそうそう、それから妻の誕生日(^o^)。 2003年09月13日(土) 言論にはリスクが伴うということ/映画『羅生門』 2001年09月13日(木) コロニー落としの報復は/『ヘブン』『ヘブン2』(遠藤淑子)ほか 2000年09月13日(水) シゲオと誕生プレゼントと009と/『遊びをせんとや生まれけむ』(石ノ森章太郎)
2005年09月12日(月) |
選挙ひとまとめ/『二十面相の娘』5巻(小原愼司) |
狂乱の選挙から一夜が開けても、ニュースは選挙のものばかり。 結果はもう皆さんご存知の通り、自民党の歴史的圧勝。
投票率67.24% 自民党296 公明党31 民主党113 共産党9 社民党7 国民新党4 新党日本1 諸派1 無所属18
しげなんぞは「選挙ばかりで見るものない」とつまらなそうである。いつもいつも思いはするのだが、選挙の最中、ほかのニュースは消えてなくなってるのかね? 世間では、自民党が勝つと予測していた人でも「ここまで大勝するとは思わなかった」とか言ってるけど、そうかね?確かもっと議席取ってたときあるぞと思って調べてみたら、1986年、中曽根康弘政権時の、第38回衆議院議員総選挙、いわゆる「死んだふり解散」の時に304議席を獲得している。ああ、みなもと太郎が『風雲児たち』で松平定信を語ってるあたりで「300議席大勝利」とパロったときだ(マンガとかに絡めないと、昔のことも思いだせんのか)。もっとも、あの時は衆参同日選挙に持ち込んで与党有利を演出した結果だったが、今回は様相が違う。自民分裂で「民主有利」の声も囁かれていたのだから、小泉首相のイメージ戦略が効を奏した結果だと言える。実際、あれだけ庶民に「分かりやすい」選挙を展開させた首相も滅多にない。イヤな言い方をすれば、「大衆のレベルを熟知していた」んだけどね。 正直、私は選挙に関しては、1980年、大平正芳首相が選挙期間中に急逝した第36回衆議院議員総選挙の時以来、興味をなくしている。自民党はあの時「弔い合戦」を標榜したが、その日本人の心情に訴えるイメージで、やはり選挙前には自民党不利の予想が大半を占めていたにもかかわらず、286議席獲得という大勝利を得た。この国の人間の大半は、結局は政治を「イメージ」でしか理解できず、その政策内容を冷静かつ客観的に見て判断するなんてことはしないのだなと実感した。それ以来、この感触は変わっていない。私が「今度の選挙はどの党がどの程度票を伸ばす」という予測すると、それは殆ど近似値で当たるのである。福岡に関しては、どの地区の誰が大勝するか僅差で勝つかまで、ほぼ的中してしまう。「一票の価値」なんて、私にとってはないに等しい。こんなんで選挙に興味を持てという方がムリだ。 昨日、よしひと嬢とお喋りしてたときにも「自民党が勝つよ」と言い切っていたのだが、予想通りである(選挙の後ならいくらでも大きな口が叩けるじゃんと言う人もいるだろうから、結果前にちゃんと公言してたことを表明しておく)。小泉首相は争点を「郵政民営化」一本に絞った。“それが何を意味しているか”はたいして関係がない。「余計なもんに税金使うの止めようよ」程度で充分、というより、“それ以上の難しいことは大半の国民には理解できない”あるいは“考える気がない”のである。何か大衆を馬鹿にしているのか、とまた文句付ける人も出そうだが、同じ「大衆」の一人として明言しておく。日々の生活に追われてりゃ、“政治に関心を持って勉強する暇なんてない”のが普通なのだ。各党の政見放送は毎回必ず全部見てるって大人、この日本にどれだけいるってんだ。 私は違うぞ、ちゃんと各党の政治理念や公約や実効力を全て分析しているぞと仰るあなた、あなたは実はこの国では「少数派」なのですよ(笑)。 「刺客」というカッコイイイメージも存分に機能した。いくら他党が「やり方が汚い」と反駁しようが意味はない。もともと造反組には「裏切り者」というマイナスのイメージがあるのだから、「貴様らどの口でそれが言えるか」ってなもんである。あれで、各地の代表は、全て「小泉代理」のイメージを浸透させることになった。大衆は自民党に投票したのではない。「小泉純一郎」に投票したのである。造反組や社民党が彼を「ヒトラー」になぞらえたのはある意味正しい。それは「イメージ戦略」を最大限に利用したという点においてである。逆にバカなのは別に虐殺を行ったわけでもない小泉首相を「ヒトラー」と呼んでかえってイメージを落とした造反組である。亀井静香の苦戦はホリエモン以外が対立候補であってもある程度はあっただろう。それでも小泉陣営においては亀井静香の地盤を揺るがし覆すことは無理だと判断していたと思われる。ホリエモン自身が希望していたとは言え、彼の起用は「あわよくば」でしかない。このあたりの「読み」も小泉首相の、「大衆のイメージを“どこまで利用するか”」という細やかさを感じさせる。 まあ私はこの国の未来がどうなろうとどうでもいいので(←こういう言い方をすると立腹する人もいるのだが、身近にいる政治かぶれのプロパガンダ野郎にはいい加減でウンザリしているのよ)、増税があろうがテロがあろうが、そりゃ信任したもんの責任なので、知ったこっちゃない。 選挙の結果で私の興味を引くのは、東京地区で自民党の名簿候補者が足りなくなって、落選していた社民党の保坂展人が当選したりとか、そういう小ネタだったりする。南関東では、選挙カーを確保するために「名前貸し」しただけの浮島敏男まで当選。そんな人を議員にしちゃっていいのか。辻本清美(比例での当選だってのに、どうして実力で当選できたかのように喜べるのかワカラン)の当選と言い、比例代表制って、やっぱりおかしいと思うんだけどな。
マジで生活費が足りなくなってきたので、父に無心に行く。 全く恥曝しなことであるが、日ごろ偉そうなことを日記に書きつらねてはいても、内実はしげも私も生活無能力者である。テメエのことを棚に上げて世の中がどうのこうのと好き勝手なことをほざいているやつなので、いちいちもっともだとか感心なんかしないように。エラぶってるわけではなくて、馬鹿だから物怖じしていないだけなのである。だから腹を立てて文句付けていただくぐらいでちょうどよいと考えている。 もちろん、遊行費は生活費とは別にちゃんとあるので、無心というよりはタカリなのであった。人間のクズだな。 殆ど舌先三寸で親をだまくらかして(もちろん親父はあえて騙されてやっているのだが)、ついでに「ジョイフル」で飯まで奢らせる。父、選挙結果ら不満らしく、自民党圧勝でバランスが取れなくなったとブツブツ。日本人は結局、自民党しか支持しない、有権者がバカなんだと断じている。しかしならば父が反自民党なのかというと、必ずしもそうではないからややこしい。 「こないだアンケートがあったったい」 「それで?」 「『小泉政権を支持しますか?』って聞かれたから、○○○って答えた」 「ふーん」 「『どこの政党を支持しますか?』って聞かれたから、××党って答えた 」 「……?」 「で、『どの党に投票しますか?』って聞かれたから、△△党って答えた」 「全部バラバラやん!」 「オレはオレなりに考えてやりようっちゃけん、これでよかと」 要するに、世間のバランス感覚のなさが父には腹立たしいのだ。選挙に行く人間だって、日ごろ政治に関心があるわけではなくて、イメージに左右されただけの、実質的には「無関心派」であることは一目瞭然である。組織票を平然と投票できる人間、政策を知りもせずに有名人だからという理由だけで投票する人間、そんなやつらがひしめき合ってるのは父には「狂っている」としか見えないのだろう。父のやり方がムチャクチャであることは事実なのだが、これが博多人らしい「反骨」というものなのだ。リクツではないのだ。
マンガ、小原愼司『二十面相の娘』5巻(メディアファクトリー)。 『白髪の魔人』編が終了。俳優・田宮清次の顔を持つ白髪の魔人。二十面相との過去の因縁がついに明かされるが、その正体が“そういう人”であったとはなかなか意外な結末だ。 ネタバレしないで感想を述べることがムチャクチャ難しいのだが、白髪の魔人が二十面相に対してなぜあれほどまでに執着し敵対し、その手から全てのものを奪おうとしていたのか、“そういうことであるなら”充分に納得できるのである。魔人が「人形」に拘り続けた理由もまた、同じ理由であったと考えられる。 しかし、その理由がかなり特異であるために、さてこれが原典の『二十面相』の世界観とどの程度リンクするものかどうか、若干の疑問は残る。乱歩世界の夢幻境の一つとして考えることも不可能ではないのだが、「そちらの方向に進むのはどうかな?」とちょっと考えさせられてしまうのである。 ネタバレを避けると、こんな書き方にしかならないので、何のこっちゃよく分からないとは思うけれども、ご容赦いただきたい。
2004年09月12日(日) スタジオジブリ、金のオゼッラ賞 2003年09月12日(金) 誉められ下手な話/『ガウガウわー太』7巻(梅川和実) 2001年09月12日(水) 誰かあの飛行機に「テロチルス」と仇名をつけたやつはいないか(^_^;)/『あずまんが大王』3巻(あずまきよひこ) 2000年09月12日(火) 打ち身とワンピースの続きと/『ONE PIECE』6〜15巻(尾田栄一郎)
2005年09月11日(日) |
ヒビキ狂想曲/舞台『ラーメンズ・プレゼンツ GOLDEN BALLS LIVE』 |
掲示板にも書いたけれど、この日記の15万ヒットが近づいています。毎日200人近くいらっしゃっているのであろう通りすがりさんたちと、50人いるかいないかくらいの数少ない常連のみなさま方、毎度ありがとうございます。今回、前後賞も考えておりますので、カウンターにご注意頂いて、「あっ、キリ番だ!」とお気づきの方は、通りすがりさんでも構いません、メールにてお知らせください。水野晴郎さんサイン入り『シベ超5』パンフやキティちゃんご当地ハンドタオルなどをプレゼントいたします。まあ、報告がない可能性の方が高いので、常連さんは様子見て頑張ってクリックしてみてください(笑)。
昨日のハカセの結婚式の記述について、「カクテルドレスの色がブルー」と書いたけれども、ハカセから「写真で見るとブルーに見えるけれども、薄紫なんですよ」と訂正のメールがありました。ということなので、昨日の記述は「薄紫」と読み替えといてください。 以上のように、私の視力では色の濃い薄いの区別があまり付かないので、しょっちゅうこういう間違いはしでかしてしまうが、ご寛恕いただきたいのである。
『仮面ライダー響鬼』三十一之巻 「超える父」。 まーねー、本音言っちゃえば「作品外のゴタゴタはどうでもいい」ってのがスタンスなんだけれど、一応、あっちこっちのサイトとか覗いて、今回の騒動の概略だけは見とくことにする。でも先週と状況は変わらないね(笑)。 「明日夢君の父」問題、死別じゃなくて離婚してたんだな。設定にはそう書いてあったみたいだけど、本編中で触れられることはなかったから、これも「唐突感」は否めない。でも、桐矢君がヒビキに亡き父の姿を見出し、明日夢君に向かって「君はなぜお父さんに会いにいかないんだ?」と詰め寄った(全く余計なお世話をするやつだ)ことをきっかけにして、ヒビキの助言もあって明日夢君も「お父さんに会ってみよう」と決意する、という流れ自体は別におかしくはないのである。会いに行ったはいいものの、肝心の父ちゃんは日曜出勤していて、会社に行ったら現場に出向していて、現場に行ったら急に倒れて入院していて、病院に行ったらもう回復して家族でレストランに行って(バイタリティーありすぎだよ父ちゃん)、というムリヤリな展開にもやっぱり反発を抱くファンはいるみたいだが、「誇れる父」を描きながら、かつ、明日夢君自身が「父を超える」決意をさせる手段としては、十全ではないにしてもダメ出しするほど悪くはない。犬小屋を作ろうとする心理なんか、明日夢君なら充分自然だろう。帰りのタクシーの中での明日夢君と母ちゃんの会話も、定番の「私が惚れた人だから」はまあ照れるが、いい雰囲気は出している。このへんにまで文句を付けるとすれば、そりゃやっぱり過剰反応だよ。 結局、従来のヒビキファンの反発の殆どは「テコ入れ」キャラである桐矢君に集中してるんだね。実際、ラストの「ヒビキ、お前はいずれオレのものになる」なんて、何が言いたいんだか意味不明だ。多分、こいつがこれから先、魔化魍側に取り込まれていくことになるって伏線なんだろうけれども、今の段階でそれらしいセリフを吐かせるのは矛盾であり、先走りに過ぎる。このあたりの吟味の甘さが井上敏樹の「雑さ」であるのは事実なんだが、同時に、いかにも「あと二十話でシリーズを完結させねばならない」突貫工事ぶりを露呈しているとも言えるのだ。ファンの中には『龍騎』のラストの超どんでん返しの再現を不安視している人も多いようだが、あれは「ライダーバトル」という設定があったからありえた結末なんで、『響鬼』のように「途中引継ぎ」という不測の事態と単純比較なんかできないんである。 白倉伸一郎プロデューサーのブログでは、今回の騒動を知った上でわざと「釣られて」、「重態で捨てられた子供を引き取った」と形容している。29話まで、展開が遅々として進まなかったのは事実なのだから、「重態」と言われても仕方のない面はあるし、「捨て子」の比喩が正しいのであれば、現場放棄をしたのは前スタッフの方かもしれないという可能性もある。もちろんこれは「引き継いだ側の論理」で書かれている文章だから、全面的に信用するわけにはいかない。「真実」はもうしばらくしないと明かされることはないだろうが、そのときでないと、この騒動の評価は定まりようがないと思う。 今日もヒビキさんは「きびだんご紅」というしょーもないギャグを飛ばしてくれて、団子詰めをチマチマやってる様子を日奈佳に「不器用」と容赦なく断定されてしまうという、ヒーローっぽくない情けない姿を見せている。こんな些細なシークエンスまで、ファンの反発を買っているのは、やっぱり「袈裟まで憎い」レベルまで落ちてるよとしか言いようがないのである。確かに私も『アギト』のころはこの手の井上敏樹の寒いギャグはいちいち癇に障って仕方がなかったのだが、『響鬼』の中だとヒビキのキャラクターから考えて、決して不自然な印象はないと思うんだがねえ。
昼、メルパルクホール福岡で、ラーメンズ・プレゼンツ『GOLDEN BALLS LIVE』。 早めに現地に着いたので、近所を散歩、「九州エネルギー館」を覗いたあと、会場に入る。お客さんは殆どが女性。演劇ファンというよりはラーメンズへのアイドル人気なんだろうなあ。隣の席の女性が、観劇中、片桐仁を見て感極まったと言うように「素敵……」と呟いていたのが芝居以上に印象的だった。 タイトルは、ラーメンズの二人に、野間口徹、西田征史、久ヶ沢徹の三人を加えて「GOLDEN BALLS」というユニットを結成した、という体裁だけれども、直訳すれば「金玉は生きている」である。いいふざけ方だ(笑)。 様々なスケッチを映像を間に挟んで進めていく形式や、シュールなギャグからシチュエーションコメディまでありとあらゆるギャグをぶち込んで行こうとする姿勢は、モンティ・パイソン、シティボーイズの流れにあるが、ラーメンズの強みは、若くて体技にキレがあることがそれぞれのギャグをよりシャープにしている点にある。今回の舞台もそれは充分に発揮されているのだが、ちょっと残念だったのは全員、なぜかトチリが多くて、芝居の流れが止まることが多かったことだ。小林賢太郎が「今日は全員がそれぞれに傷つく日だ」と自嘲的にギャグを飛ばしていたが、一応、会場は笑ってくれてはいたけれども、役者としては反省しなければならないことは言うまでもない。 けれども、『アリス』でも感じたことなのだが、そのギャグのアイデアの豊富さには正直、驚かされているのである。しかもそれが体技を生かした「舞台」でしか表現できないものが多いことに、感服している。例えば、冒頭のパントマイム勝負のスケッチ、五人がずらりと並んで、畑から野菜を引き抜くマイムを演じる。「ダイコン」「ニンジン」……と来て、それまではみんな同じパフォーマンスだったのが、最後に小林賢太郎が「ゴボウ」と言って、一人だけ“長く”野菜を引き抜く。これだけのことなのに笑いが起きるのである。ちょっとした違和感を笑いに結びつけるセンス、簡単なようで、自分で演じてみればこれがどれだけ困難なことか分かる。ちょっと動きに余計な「タメ」が入っただけで観客は笑わなくなるのだ。 当然、全部のギャグは紹介しきれないが、いくつか、私が好きなスケッチを。 「愚問道」を極めようとする五人。師範代(片桐仁)に向かって、四人が、「愚問」を投げつける。「魔女の宅急便が出てくる映画はなんだ!」。切り返す師範代「魔女の宅急便!」……確かに愚問だ(笑)。 「人生のチャンスを掴もう」と、旅を続ける若者(西田征史)。そこに現れた樵の二人(小林・久ヶ沢)は「これが『チャンス』だ」と言って、山椒魚みたいなヘンな生き物を見せる。「チャンス」とはそのドーブツの名前なのだった。実はほかにも「ビッグチャンス」「ダブルチャンス」「宇宙チャンス」などもいたのである。 「ヨーガ」の師(片桐仁)が、楽天の通販で買ったでっかい「ゴールデンボール」(つか、でっかい落花生型のビニールボール)を使って、「寿司」とか「ぷよぷよ」の携帯模写を見せる。そこに小林賢太郎の解説ナレーションがかかるのだが、片桐が足を前で組んだポーズを取ったときに、「『素顔のままで』……思い出してー、思い出してー」と言ったのには笑った。 「新米コックたち」が、初めて厨房を任される。ところが、彼らは食材に「紙粘土」を使おうとしたり、デタラメの限りを尽くす。そのたびにコック長(久ヶ沢)は「ちょっと待てえ!」と止めるのだが、事態はエスカレートするばかり。久ヶ沢徹のこの発声が冷静かつ権威敵であろうとしながらも焦る心理が見事に表されていて、爆笑を呼ぶ。このスケッチが今回、一番気に入った。 先述した通り、トチリが多かったのは残念だけれども、間違いなくラーメンズの二人は現代コメディアンの最前線を走っている。
夕方、よしひと嬢から電話。 今度のしげのお泊まりについての打ち合わせの電話だったのだが、「ちょうど博多に来てるんですが、お食事でも一緒にしませんか?」と誘われて、「ビッグボーイ」で食事。職場の愚痴などを聞く(笑)。 「今日はイベントが凄かったみたいですよ」と言うので、「選挙?」と聞き返したら、「いえ、コミケが」と返される。そりゃ「イベント」って言われればそうだよな。世間には、「選挙には本当に興味がなくて」という発言には眉を顰めて、国政にモノ言う権利をなくしてるぞと非難する人もいるだろうが、そんなの覚悟の上なんだから、文句を付けられる筋合いはない。オタクはオタク道のみを邁進するものなんである。 「忙しくて最近はアニメも映画も見ていないんですよ」と言いながら、「毎週見てるのは『NARUTO』に『アイシールド』に……」言い出すので、心の中で「見てるじゃん」と突っ込む。 要するに、一度体の中に流れたオタクの血というものは消えないということであるが、よしひと嬢と他の腐女子の違いは、自分のイタさを自覚しているかしていないかだろう。人間、みんなイタイものは持ってんだから、そこから目を背けてちゃ、ひとりよがりにもなろうってものである。
よしひと嬢を博多駅にお送りして、帰宅、録画しておいた『グレートマザー物語』を見る。今日は『響鬼』の細川茂樹さんのご家族の紹介。なかなかモーレツなお母さんで、「茂樹はうちの皇太子」と公言するのはちと恥ずかしいが、まあ、それくらいの気概がないと、個性的な役者さんってのは育たないもんかもね。 細川さんが教師志望だったのが、教育実習のときに「ネクタイに高級なものを使うな」なんて下らない難癖をつけた担当教員のせいで断念せざるをえなかったというエピソードには腹立ちを感じた。形しか見ねえバカ教師はもう、昔も今もあとを絶たないんである。でもそのおかげで我々はヒビキの勇姿を見られているんだから、今回ばかりは人見る力のないバカ教師に感謝すべきかね。 細川さんが作ったカレー、旨そうだったな。男は一人暮らしをすると、カレーだけは作るのが上手くなるのである(笑)。
第62回ヴェネチア映画祭で宮崎駿監督に栄誉金獅子賞が送られた。って前々から決まってたことだけどね。この手の「栄誉賞」ってのは「功労賞」ってことで、映画祭の審査委員だって完璧じゃないから、世紀の大傑作に受賞させることを「見逃す」ことだってあるのである。その「罪滅ぼし」的な意味合いが強いので、要するに映画祭が絶対の権威だなんて思っちゃいけないということを映画祭自らが表明しているようなものなのである。でもこれで宮崎監督があと1、2本くらいは映画を作ってやろうって気持ちになってくれると嬉しい。でも次は『ハウル』のときのこと反省して、ちゃんと脚本書いてから映画作ろうな(笑)。 受賞で機を一にしたわけでもないだろうが、DVD『ハウルの動く城』と『ジブリがいっぱいSPECIALショートショート』が11月16日に発売される。後者の内容は以下の通り。
1、そらいろのたね 2、なんだろう(Aタイプ〜Eタイプ/CGオープニングバージョン) 3、On Your Mark(CHAGE&ASKA プロモーションフィルム) 4、「スタジオジブリ原画展」TVスポット 5、「火垂るの墓」金曜ロードショー放送告知スポット 6、「金曜ロードショー」オープニング映像 7、「金曜ロードショー」オープニング映像 8、オンラインショッピングモール「SHOP-ONE」告知スポット 9、アサヒ飲料「旨茶」CM(渋谷編/会議編) 10、LAWSON「三鷹の森ジブリ美術館」チケット販売告知スポット(Aタイプ〜Cタイプ) 11、LAWSON「千と千尋の神隠し」DVD販売告知スポット 12、ハウス食品「猫の恩返し」キャンペーンCM(Aタイプ〜Cタイプ) 13、りそな銀行 企業CM(Aタイプ〜Cタイプ) 14、ハウス食品「おうちで食べよう。」シリーズCM夏バージョン(ままごと編/おつかい編/路地裏編/宣伝カー編/ままごと編30秒) 15、ハウス食品「おうちで食べよう。」シリーズCM冬バージョン(ソリ遊び編/道草編/ソリ遊び編30秒) 16、KNBユメデジPRスポット(はじまるよ えらいこっちゃ編/テレビ新世界編/新世界遊泳編) 17、読売新聞社 企業CM瓦版編(15秒/30秒) 18、読売新聞社 企業CMどれどれ引越し編(Aタイプ15秒/30秒/Bタイプ) 19、どれどれの唄 20、ポータブル空港 21、space station No.9 22、スタジオジブリ最新作(『空飛ぶ都市計画』のことかな?)
「ジブリ美術館」で上映されてた映画はやはり収録されないようだ。けれど、『ナウシカ』以降では、宮崎駿監督の最高傑作である『On Your Mark』が収録されているので、これは絶対に買いである。宮崎監督が売れすぎちゃって嫌いになった方も、「天使を救い出す二人の警官の物語」であるこれだけは眉間ならばぜひ見ていただきたいのである。チャゲ&飛鳥の歌が邪魔って大欠点はあるんだが(笑)。
2004年09月11日(土) 911の陰謀 2003年09月11日(木) アニメの世界は広いんだぞ/『Heaven?―ご苦楽レストラン』6巻(完結/佐々木倫子) 2001年09月11日(火) 地球が静止した夜/『ななか6/17』3巻(八神健) 2000年09月11日(月) ミステリとワンピースと/『ONE PIECE』1〜5巻(尾田栄一郎)
2005年09月10日(土) |
ハカセ結婚!/『ユート』2巻(ほったゆみ・河野慶) |
グータロウ君が、日記でここんとこのカトウ君と私の諍いについて苦言を呈している。 「たかがネットでのテレビに関する意見の食い違いから始まった話が、ここまでゴテルということは、今までの二人の間に(第三者、特に会ったことも無いような人間には想像もつかないような)相当な因縁があるのだろう」 もちろんこれは「皮肉」であって、「そうでなきゃてめえらただのバカだぞ」いう謂いなのであるが、この「因縁」というやつがまあ、話せば長くなるのだが、実は全くないのである。 いや、ないと思っているのは私だけで、どうやらカトウ君の方にはあるらしいのだけれども、「あるらしい」ということがウワサで伝わってくるばかりで、カトウ君が直接私に何か含むところがあるのかどうか語ってくれたことは一切ない。おかげで、本当にあるのかないのか、確認できないでいたのだ。 かと言って、こちらから「文句があるなら言うてみい!」と言うのもそれこそ「インネン」である。しょうがないんでそのまんま放置していたのだが、それでも彼はことあるごとに日記にチラチラとそれらしい不満や愚痴みたいなものを書き連ねていた。そのウジウジしている態度にいい加減飽き飽きしていたので、こちらの『響鬼』30話感想にカトウ君が絡んできたのを機に、じゃあまあ、いっちょトコトン突っ込んでやろう、とやってみたのである。「どっちもどっちでお互いイタいオタクじゃねえか」とグータロウ君が思ったのも当然である。わざとイタくしたんだから。 カトウ君のブログに、状況が何も分かっていないあほな第三者が乱入したりしたおかげで(だいたい、仕掛けてきたのはカトウ君の方が先なのに、どうして私の方が論点ズラシてるなんて言えるのかワケ分からん)、彼はまた「逃げ」を打っちゃって、結局どんな「因縁」を彼が感じていたのか、分からずじまいだったわけだが、ここまでハッキリ言えないというのであれば、どうせ大したことはないのであろう。グータロウ君の「皮肉」は、まさしく的を射ていたと思われる。 カトウ君が、面識のないグータロウ君にまでメールを送っていたというのには実際、呆れた。自分で考えるアタマを持ってないと言うか、どこまで軟弱なのであろう。ここにセイラさんがいたら頬を平手打ちされているところである。何が不満なのかは判らないが、カトウ君の正体は知れたので、「好きにやっちゃってくれ」というのは、全くその通りだと思う。 ああ、それからグータロウ君、「フジワラに対して平気で暴言はくし、陰で悪口も言うけど」って、陰口言ってたんかい(笑)。おりゃー、正面切って君の悪口は言うけど、陰口は叩いたことないぞ。
『ウルトラマンマックス』第11話「バラージの預言」磁力怪獣アントラー登場。 金子修介が、監督及び特技監督も兼任の一本。一応、『ウルトラマン』の『バラージの青い石』のリメイクではあるが、監督が金子さんでゲスト女優が藤谷文子なんで、なんとなく『ガメラ 大怪獣空中決戦』を30分番組にまとめたって雰囲気もある。古代の伝説の復活って点でもそうだしね。 逆に、『ウルトラマン』の方が『ガメラ』よりも制作年代は古いのだから、『ガメラ』はそれまでの様々な「伝説怪獣モノ」の集大成だったとも言える。やっぱルーツはクトゥルーあたりになるんかな。 それはそれとして、金子監督の登板となると、ちょっとは期待したくなるのだが、オハナシとしては全くの定番で、怪獣の復活、伝説の解明、学会から追放された科学者の娘、遺された秘宝が怪獣を倒す決定打となる、など、悪いとまでは言わないが、あまりにも既視感が強い展開が続くので、改めて面白く見られるほどではない。もちろん、初めて見る子供たちにとってはこれで充分面白くはあるのだろうが。 いつもいつもロボット演技の満島ゆかり、磁気嵐で調子がおかしくなってドモったりするのがおかしいが、東京が麻痺状態になるのは仕方がないとしても科学の粋を集めているはずのUDFくらいは、もうちょっと持ってくれてもいいんじゃないかって気はする。まあ、一番の矛盾と言えば、古代都市バラージを滅ぼしたアントラーが、どうして日本に現れたのか、説明が一切ないことなのだが、このあたりは予算の関係で、古代都市バラージを視覚化できなかったってこともあるのかもしれない。何か今回、ミニチュアがいつにも増してチャチに見えたのは気のせいか? アントラー、一部人形だったし。もっとも、オリジナル版『バラージの青い石』のバラージのセットだって、『ウルトラマン』のために作られたものではなく、映画『奇巌城の冒険』のセットを流用したものだったのだから、昔も今も、特撮とオカネの問題とはままならぬ関係にあるんだねえ。 でも定番の脚本であっても、役者がよけりゃ、もうちょっとワクワクできたんじゃないかと思うのだけれど、藤谷文子はなあ、『ガメラ』のころからたいして演技力、上がってないからなあ。もちっとタメのある演技のできる人の方が、あの役には合ってたと思うんだけれど、多分、金子監督の「人脈」でのキャスティングなんだろうね。チョイ役ならともかく、ヒロインに使うのはどうかと思うぞ。 しかし、アントラーに向かってDASHのメンバーが「このクワガタ野郎め!」「違うよあれはアリジゴクだよ!」と間の抜けた会話をしたかと思うと、字幕で「ANT LION」英語解説が入るのはギャグのつもりなんだろうか? なんか外してるような気がするけどなあ。
今日は、ついに穂稀嬢(ハカセ)の結婚式である。思えば遠くへ来たもんだ(笑)。 実は披露宴でppメンバーで歌を歌わなきゃならない仕儀となっているので、午前中に、ちょいと練習しておこうと、早めに出発、車で鴉丸嬢を迎えに行く。其ノ他君も一緒に来られたらよかったのだが、あいにくと仕事で熊本である。本当に、どうして其ノ他君は来られなかったのだと、一同、臍を噛んで悔しがることになるのだが、それはもうちょっとあとで。 会場の全日空ホテルに到着したのが11時。待ち合わせは博多駅でということだったのだが、もう現地に着いてしまったので、カトウ君に連絡して、直接こちらまで来てもらう。 ホテルのロビーの椅子に座って待っていると、カトウ君がやってくる。手を上げて挨拶すると、向こうも一礼はするが、円を描くように遠巻きに私としげを迂回して、鴉丸嬢の座っている椅子の向こうに回ってしゃがむ。なんか、子犬が怖がって飼い主の陰に隠れようとしたみたいで、おかしい。なんでそんなにビビるかなあ(笑)。 ルーズリーフに歌詞を書いたもの(生まれて初めて作ったカンペ)を配って、歌うパートを決めて、軽く合わせてみる。場所がロビーだから大声では歌えない。カラオケはしげが携帯にダウンロードしたものを使って、音程を合わせてみる。場合によっては駐車場かどこか、大声が出せる場所に行かなきゃならないかと思っていたがまあ何とかなりそうなので、あとはぶっつけで行こう、ということになる。 会場は二階の「万葉の間」。披露宴までにはまだ40分ほど間があったが、覗いてみると、もう、桜雅嬢が来ていた。しげから「ダイエットしてるよ」と聞いてはいたが、本当にスッキリしていて見違えるようである。しばらくお喋りするが、せっかくみんなドレスアップしてるのに、しげが「みんなでこれからご出勤?」とか言うので雰囲気ぶち壊し(もちろん出勤先は中洲である)。 会場前のロビーに「新婦のドレスが何色か当ててください」というカードがあったので、カトウ君と二人で書いて出す。しげと鴉丸嬢は参加せず、「男の子ってこういうのが好きねえ」と珍しい動物でも見るような目で私たちを見るが、せっかくのイベントなのに無視するのもどうかって思うけどねえ。私は一番右側のカードを選んだ。私は視力が弱いので、ほかのは全部ブルーに見えたが、それだけピンクだったからだ。しかし、係員さんのアナウンスがないので、誰もこのカードに書き込もうとしてない。あまりイベントとして機能してないっつーか、どうして段取り悪いかね(結局、ハカセのドレスはブルーだったのだが、どのブルーだったかは私には分からん。私もカトウ君も外れた)。 会場に移って、いよいよ披露宴の時間。パッヘルベルのカノンに乗せて、新郎新婦の登場。未だにこの曲聞くと『エヴァ』だなあと思ってしまうが、あまり幸せそうなシーンでは流れてなかった気がするな(笑)。ハカセはもう、うちの誰ぞが言っていたが、「普段の三倍増し」の美しさである。よくぞ化けた(笑)。いや、もちろん素地がいいから化粧映えするという意味である。 ご新郎は、今回初めて拝見したが、見た目誠実で実直そうな、顔立ちがちょっと俳優の小木茂光か坂田聡に似ていらっしゃる方であった。ハカセより14歳年上ということであるが、二人並んでいると既になんともいえない密なアトモスフィアが漂っていて、結構お似合いに見える。新郎の関係者がスピーチに立つたびに、「こんな若いムスメを」だの「とんでもない魚を釣り上げて」だの、誉めるというより「憎いよコノー」ってな感じで露骨に羨ましがってるものばかりだつたのがおかしい。 プロフィール紹介、乾杯のあとで会食。和・洋・中、好きな食事が選べたので、私は和食、しげは洋食を選んでいた。カトウ君は洋食、鴉丸嬢は和食である。カトウ君、テーブルマナーに自信がないらしく、「しげさん、先に食べてみせてくださいよ」と頼むが、頼む相手を間違えている。「ナイフとフォークは、内側から取るの」とか言うので、「ウソつくな」とたしなめる。でも、食事の間中、カトウ君はチラチラとしげの所作を気にしていたようだ。多少、仕草がヘンでも、別に構わないと思うけどなあ。けど、ボーイさんがパンを持ってきたときに、両手に一個ずつパンを持って、どの皿に置いたらいいか分からず、キョトキョトしてた様子はおかしかった。 お色直しのあと、いよいよカラオケタイムである。最初は新郎の同僚の皆さんがSMAPの『らいおんハート』を歌う。「新郎も一緒に歌ってください」と誘われたので、新郎が席を外すと、すかさずほかのご同僚さんがたがハナヨメの隣に殺到してツーショツトを取りまくるという「仕込み」。いやー素晴らしいなあ、生きてるうちにハカセがこんなにモテてる様子を見られるとは! みんな、「若いムスメ」ってことで幻想見すぎてるぞ♪ 次が桜雅嬢とお友達がKiroro の『未来へ』、そして三番手にしてトリが我々の、“チェリッシュの『てんとう虫のサンバ』”である。 ハイ、そこのキミ、あまりのあざとさに笑ったりしないように。四人が共通で歌えそうな結婚式用の歌って、それしか思いつかなかったなんだよ。ちょうど『エヴァ』繋がりでいいじゃないか。 歌うだけかと思ったら、司会の女性から、いきなり「代表の藤原さんから挨拶を」と言われる。確かに事前の打ち合わせでは、MCは「適当にお願いします」と言ってはいたのだが、まさかフラレるとはなあ。「劇団で新婦はどのような活動を?」と聞かれたので、思わず「主演女優を」と言ってしまう。確かにハカセは出演経験あるんだけど、厳密には「三人主演のうちの一人」なんで、いささか誇張があるのである。でも、めでたい席だから、それくらいのアピールはあってもいいやな。ハカセに「舞台のビデオはもう見せましたか?」と聞いたら、うつむき加減に首を横に振ったので、「旦那さんより先に花嫁さんのセクシーな姿を見てしまってすみません」とか言ってしまう。これも本当はセクシーというよりもちょっと蓮っ葉な役だったんで、やや言葉に工夫をしているのである。まあいずれ旦那さんにもしっかり見てもらえば真実は現れるであろう。もっともハカセが見せる気になるかどうかは疑問ではあるが。 歌はまあ、なんとかトチらずにみんな歌えた。直前に同じテーブルに着いていたハカセのお友達に「出だしのところ、新郎新婦の名前に置き換えたらいいですよ」と言われたので、そこのパートを歌う手筈になっていた鴉丸嬢が、ものすごく眉間に皺を寄せて、口をトンガラセていたのが印象的ではあったが(笑)。 最後に、花嫁がブーケを手渡すというので、会場の独身女性が全員、集められる。当然、鴉丸嬢も呼ばれるわけであるが、カトウ君が「オレも独身なのに」という顔をしていたのがおかしい。普通、こういうのに呼ばれるのは女性だけだろう。 リボンが九本用意されて、そのうちの一本がブーケに結びついているという、縁日のクジみたいな趣向。鴉丸嬢に当たったら面白いなあと思っていたら、本当に当たった(笑)。鴉丸嬢の名前が呼ばれたとたん、私は大笑いし、カトウ君は口をあんぐり開けていたが、ここに其ノ他君が来ていたらどれだけ面白かったことであろうと、不在をつくづく残念に思うのであった。テーブルに戻ってきた鴉丸嬢、「出来レースみたい」と自分も大笑い。「これは私に『芸人として生きろ』ってことか? そうなのか?」といささか興奮気味。あとで聞いたのだが、ハカセ、このとき鴉丸嬢に「其ノ他さんと絶対幸せになってくださいね!」と連呼してたそうだ。確かにこんなに「劇的」だと、これは本当に「さっさと籍入れちまえ」というご託宣なのかもしれない。 披露宴も滞りなくすんで、会場を出る。新郎新婦とそれぞれのご両親が並んでお見送りしてくれるが、ハカセのお父さんが特に一人一人に熱烈に握手をされていた。そこまで感謝して頂かなくても、とかえって恐縮してしまったほどである。よっぽど嬉しかったんだろうなあ。 新婚旅行とかは未定だそうだが、さっさとどこか行き先決めて、ハネムーンベイビーでも作っちゃいなさい。改めてハカセ、結婚おめでとう。
ホテルを出て、博多駅に移動。カトウ君とはここで別れる。どこかで飲み物でも飲みながらおしゃべりでも、と予定していたのだが、夜勤明けで眠かったらしく、目がもう、泳いでいたのである。酒もかなり入っていたから、殆ど酩酊状態である。無事に帰れたのかなあ、あれで。 残り三人で、「紀伊國屋」「GAMERS」を回って、パピヨンプラザの「ロイヤルホスト」でドリンクバー。カトウ君、いったい私と話をしたかったのかしたくなかったのか、ワケわかんないねーなどと話す。こっちは何にもわだかまりはないから、話を切り出さなきゃならない理由もない。やっぱり言いたいことがあるんだかないんだか分からないままなのである。 このあとしげと鴉丸嬢は、ラクーンドッグさんの芝居を見に行くので、家まで私を送ってもらって、そこで別れる。どうして私も付いて行かなかったかというと、そろそろ体力が限界に近くなっていたからであった。
前にも日記に書いた通り、私は結婚式にトラウマがあるので、そこにいるだけで気分が悪くなってしまう。今日は席についたときからずっと、痙攣が起きていて、少し吐き気もしていた。間が悪いことに、ボーイさんがウーロン茶と間違えてウーロンハイを持ってきて、それをうっかり気付かずに飲んでしまったために、頭痛も激しくなった。それで歌まで歌ったのだから、よくやったもんだと自分でも感心するが、いつまでも無理が利くわけもない。部屋に戻った途端、トイレに駆け込むことになったのだが、気分がようやく回復したのは、そのあとひと寝入りしたあとだった。 めでたいけれども、ちょっとばかし疲れる一日であった。
ほったゆみ原作・河野慶漫画『ユート』2巻(集英社)。 ジャンプ本誌では、もう打ち切られて二ヶ月ほどが経っているので、こんなマンガがあったことを忘れてしまっている読者も多いか。まとめて読むと分かるが、これ、ストーリーは決してつまらないなんてことはない。 お父さんの転勤で、北海道から東京に引っ越してきたユート。スピードスケートを東京でも、と意気込んでいたけれども、東京には北海道のような屋外スケートリンクはない(当然だ)。それでもどうしてもスケートをやりたいユートは、万能スポーツ少年の吾川幸太と、スピードスケートの出来るリンクを探し回る。そしてようやく、スピードスケートを教えてくれるクラブを見つけるのだが、そこは同じスピードスケートでも、ロングトラックではなく、ショートトラックを教えるところだった……。 逆境、それでも諦められぬ夢、ライバルの登場、新しい仲間たち、新たな対決など、ほったさんのドラマ構成力は『ヒカルの碁』のころから決してレベルダウンはしていない。じゃあなんで『ユート』がヒットしななかったかっていうと、やっぱり作画の魅力のなさしかないんである。面白いことに、『ユート』のコマ割り、画面構成の仕方は、『ヒカルの碁』と全く同じなのだ。ああそうか、ネームまではほったさんがやってたんだなあ、と思い出して、そうなるとこれはもう純粋にマンガ家の「キャラクターデザイン」「表情・演技の付け方」がこのマンガをつまんなくしている原因だと断定できる。 実際、ユートと吾川の、肝心の主役二人の描き分けが、髪のトーン以外にたいした特徴がないなんてのは致命的である。特にうまくないのは「口の表情」で、パターンが少なく、キャラクターたちはしょっちゅう口が空きっぱなしである。ボケとんかい、こいつらってなもんである。『デスノート』やってるから仕方がないとしても、小畑さんと組んでりゃ、こんなに「華のない」マンガにはならなかったろうになあと、残念で仕方がない。ジャンプ読者も、堪え性がないから、つまんないと思ったらすぐに見捨てるけれども、だったら掲載し変えてでも続けてほしかったなあ。こんなに少年マンガの王道を行くような原作書ける人なんて、めったにいないのに。
2004年09月10日(金) ヤクザな金田一 2003年09月10日(水) 祭りの終わり/『ヒカルの碁』23巻(完結/ほったゆみ・小畑健) 2001年09月10日(月) 憎まれっ子世に……/『RED SHADOW 赤影』(加倉井ミサイル)ほか 2000年09月10日(日) 睡魔と戦いつつこれを書いてます/『星降り山荘の殺人』(倉知淳)
2005年09月09日(金) |
自分で書いてても鬱陶しいわ/『宗像教授異考録』第一集(星野之宣) |
さて、ppのメンバーを震撼させているかあるいは無視されているか(つか、無視するよな)のカトウ君のプログでの私とカトウ君のバトルであるが、もうどんどん泥仕合と化して来ている。そうなんなきゃいいがなあと思いつつ、なったらなったでしゃあねえやなと覚悟を決めて、始めたものの、ワケも分かってない第三者まで参入してきて、どこまで続くか、見当も付かない感じだ。 それでも私はカトウ君のことを身内だと思って接してきたし、だからこそ個人攻撃じゃないかと言われようが一切、容赦をしなかった。本気で相手と意見を戦わせようとすれば、その人格にまで立ち入ることを避けられるものではない。私はこれまでにも、しげにも、よしひと嬢にも、鴉丸嬢にも、余計なことばかり口にしてきている。彼女たちがそれで腹を立てたことも何度もあると思うが、かといって、私が思っていることを黙っていれば、カンのいい彼女たちのことだから(しげ除く)、私が何か言いたげだけれども、それを口にせずに何か鬱積した思いを抱いていることをすぐに察知してしまうことだろう。そのほうがよっぽど気持ちが悪いし、彼女たちに対して不誠実である。だから、嫌われることを覚悟でモノを言っている。好かれたいとか、あなたのためを思ってなんておためごかしではない。 もちろん、カトウ君に対しても、彼が怒って絶縁状を突きつけて来たとしても、私は蕭然としてそれを受け入れる覚悟でいたのである。たかがテレビ番組くらいのことで、ではあるが、人間、どんな些細なことで諍いが起こるかは分からない。私は、自分の書く文章、一字一句について、どんな批判を受ける覚悟もしているのだ。それなのに、カトウ君にはいったい自分の言動にどれだけの覚悟があるのか甚だ心許ない。へらへらして姑息な逃げをすぐに打つが、それがどれだけ相手に対して失礼か。私がカトウ君を一人前の大人として(以前から幼稚な言動はやたら多かったが、会話するためには、大人として遇するのが礼儀である)会話していたのが馬鹿みたいである。こっちの日記でもちらちらと感想を書いてはいても、主にカトウ君のブログにコメントを付け続けたのは、最終的な裁量権をカトウ君に預けるためだったのに。 今日になって、カトウ君から、「リンクを外してくれ」と言ってきた。そこまでは、「ああ来たか」だったのだが、その次が呆れた。「でもプライベートではお付き合いを続けたいと思います」。 なんじゃそりゃあ?! お前は俺に対して腹を立てたんじゃなかったのか? 俺の言うことに納得がいかないんじゃなかったのか? 何だその中途半端な覚悟のなさは! カトウ君が「リンクを外す」と言った理由は、私がある腐女子さんのサイトのURLを、「君のイタさって、ここんとこのサイト並だよ?」ということを示すために貼ったからである。これが彼の正義感に反応したわけだが、言うに事欠いて、「絶対に自分は間違ってない」である。 余談になるが、私はホモオタさんの件で、法務局を訪ねたことがある。そのとき、インターネットの差別書き込みなどの問題について、様々なレクチャーを受けた。そのときに担当官の方から念を押されたことは、たとえどんなに差別的と見られるような書き込みがあっても、簡単に削除などができるものではない、ということである。法務局が削除要請をするものには厳密な基準があり、検討に検討を重ねた上で、ようやく管理人に対して要請が行われる。それとても、「強制力」はないのだ。名誉毀損によって訴えられる例は、ごく少数なのである。これがどういうことなのかはご理解いただけるだろう、何よりも最大限に保障されなければならないのは、「表現の自由」なのである。私もこれまで、しょっちゅうこの日記のリンクをあっちこっちに貼られて晒されたりしているが、たとえそこでどんなに批判的に扱われても、これも「引用」の範囲内で許されていることであるから、腹を立てたことなどはない。どんなシロウトの日記だろうと、表に晒した以上は、批判の対象になることは避けられない。それがいやなら、とっととネットから去るしかなかろう。法的にも何の問題もないし、削除も含めて書き込みをどう扱うかの裁量もカトウ君に任せている。それでカトウ君に何の正義があるというのか。リンク貼りに何か異常なものを感じているのは、カトウ君の常識の方が異常なのである。自分のちっぽけな正義感が、もっと大きな、「人間の表現の自由」を犯していることに気付いていない。私に非があるとすれば、せいぜい「下品なことをした」程度であるが、彼がここを先途と「これだけは自分が間違っていない」と主張するのは、他に自分がすがれる論理を持たないからであるし、その行為は私以上に下品である。根拠のないプライドだけは高いので、潔く振る舞えず、やたら噛みついてくるのだが、そんなことをすればするほどカトウ君の異常さは目立つことになる。もし私のこの論理がおかしいというのなら、「法的に何の問題もない」という点を覆してみせなさい。と言うか、してみせろ。それが、「正義」を振りかざしたカトウ君の義務だ。「法の話なんかしてません」とか、また逃げを打たずに。 私とカトウ君のバトルが、個人攻撃に移ってしまうのは、彼が一見、作品のことについて語っているように見えて、その実、「この作品を好きな自分を理解してほしい」オーラを発することになっているからである。彼が「主観」「主観」と口にするのはこのためで、結局、彼には自分の思い込みしかない。そりゃ、「人の話を聞けよ」と言いたくもなる。 彼は「ネット上での考えには相違があるので、リンクを外したい」というが、この論理も意味不明である。私の掲示板に来られる方で、ネット上のルールについて、私と意見を異にする人はいくらでもいるが、そのことで掲示板に書き込むことを禁止したり、相互リンクを外したりする理由にはならない。そんなことをすれば、日本人の大半を閉め出さねばならなくなる。先ほども述べた通り、法に抵触しない以上、「誰もがレスを付けることのできる」ブログや掲示板への意見は、最大限尊重されなければならないからだ。それこそ、『響鬼』のブログの管理人が、批判書き込みも一切削除しないように。ヒステリーを起こしている管理人の運営するサイトでは、たいした批判文でもない書き込みでも、管理人の逆鱗に触れただけで削除の嵐になってしまう。カトウ君はその「危険領域」に片足を突っ込んでしまっているのだ。 つかねー、「絶対に俺は間違ってない」なんてモノイイ、マトモな人間は絶対に言わないよ。これもどうせカトウ君は「そんなつもりでは言ってない」とか卑怯なことを言い出すかもしれないから、だったら「この件だけは自分にも何がしかの根拠はあると思っています」と言い直せ、と言っておこう(そういうつもりで言っているのだと好意的に解釈してである)。それでもって、もっと明確な、主観ではない根拠を示せればいいのだけれど、結局彼は何も示さないもんな。 この手の初歩的な言葉遣いもままならなくて、言ってることが前と後とで矛盾しまくっているから、言葉をそのままに受け取っていいのか、裏に何か別の意味があるのか、判別がつかず、どこにどうコメントを付ければいいのか、分からないのである。 文章が下手なら下手で、どんなに努力しても自分の意志が伝わらないこともあるのだということは覚悟して、いちいち弁解しないくらいの潔さがあればいいものの、口では「自業自得です」などと言いつつ、余計な一言をいつも付け加えて、事態をまた紛糾させてしまう。そこが卑劣だ。「自分は意見の押し付けなどしていない」などという主張が、全くの「ウソ」であると理解できないのであれば(だから「主観」という言葉を使えば、そうなるんだよ)、リンク外しでもなんでもすればよい。ただ、ここまで一見柔らかな口調で、内実ただの押し付けをやらかした以上は、それを要求することは私に対して「縁を切ります」と主張しているのと同じ意味だと解釈する。これも「そんなつもりはない」などと逃げるな。「そう受け取られるよ」と言っているのに、あえてそれを行いたいというのであれば、実質的に絶縁宣言をしているのと同じことだ。全く、こうまで「こんな風に取られる言動を取るな」と言ってるのにそれを取り続けるやつも珍しい。 まあ、「言葉の不自由なやつを苛めたってしようがないじゃん」とお諌めたい方もいらっしゃるかもしれないが(カトウ君相手だとそれも少ないかもしれないが)、これまでカトウ君が私に対して堂々とモノを言わずに陰口ばかり叩きまくっていたことは知っているので、そんなやつが「正義」を振りかざしてきたので、「ふざけるな、何様のつもりだ」とカマしてやっているのである。さあ、カトウ君がどう出るか、人に責任を押し付けずに、自分の意志で「あなたとは付き合えません」と言えるのであれば、少しは見直してやれるのだが。 どうせまた、あっちこっちにメールしまくって愚痴だの陰口だの叩きまくることしかできんだろうな。
夜、よしひと嬢から電話。 しげの今度の泊まりについての打ち合わせであるが、肝心のしげが、明日のハカセとの結婚式に備えて、早寝してしまっていたので、後日、本人から連絡させるようにすると話す。 カトウ君との一件についても少し話すが、「(カトウ君を)心配してる?」と聞いたら、「いや別に」とニベもない。「『このバーカ』と伝えといてください」と言うので、日記に書くことも承諾を貰ってこうして書く。これがまあ、カトウ君のこれまでの「蓄積」の結論なのである。
と思っていたらまたカトウ君からメール。 「縁を切りたきゃ切っていいですよ」。 ……しばし呆然。 世の中には何言っても通じないやつはいるものだし、通じないだろうなとは思っていたけれども、なんかこんなに「典型的」だと、カトウ君に考える力があるのかどうかすら疑わしくなってくるな。怒涛のように「あほ」と返事のメールを送ったが、心の底から反省して冷静になろうと努力しているカトウ君のことだから、きっとご笑納いただけることだろう(笑)。
と言ってるすきに、今度は下村嬢から直接電話。今晩は千客万来である。やっぱりカトウ君の件で、心配して電話をくれたのであった。 いろいろあって下村嬢も疎遠になっているけれども、彼女は私がいかに悪辣な人間かを知っているから、カトウ君のことを心配しているのである。「だって、彼は乙女だから」。言葉は柔らかいが、まあ、アレだってことだね(笑)。 しかし、そんな比喩をされるとまるで私がいたいけな少女を拉致蹂躙して入るみたいである。カトウ君の外見は乙女とは程遠いんだけどなあ。 「なんとかならないんですか?」 「どうなるかねえ。別にどうなったって構わないとみんな思ってると思うけど」 「……カトウさんがかわいそうになってきました」 心配されてるけれども諦めもされているわけで、心配するだけ無駄な労力を使うことになるとは衆目の一致するところであろう。
で、これで終わりかと思ったら、またメール。 ああ、今度はハカセからだった! 何かホッとしてしまったが、昨日の日記を読んで、「ご祝儀少なくてもいいですよ。生活大事にしてください」という心遣いだったのである。まあ、こうなることは分かっていたのだが、昨日も書いた通り、恥曝しを覚悟して日記を書いているので、ゲルピンを隠しておくことなどできないのである。 ハカセハカセ、今んとこ、ガスは止められてないからまだ大丈夫です(笑)。
マンガ、星野之宣『宗像教授異考録』第一集(小学館)。 いったん連載終了した作品が再開されることは決して珍しいことではないが、『サルまん』の「パート2ものは当たらない」法則は、本作に関しては杞憂だろう。星野ファンの(もしかしたら、高橋英樹ファンもいるかな)ほとんどが、民俗学の泰斗、歴史上の様々な謎について「異説」を唱え続ける宗像伝奇(むなかた・ただくす)の再登場を待ち望んでいたのである。 前作『宗像教授伝奇考』では、当初、宗像教授が伝説の巨人に遭遇するなど、SF色が濃かったものが、後半になればなるほど、かなり本気で歴史の謎に踏み込んで行くことになり、ミステリーとしての特色を強めていくことになる。今回も、遮光器土偶、山本勘助、聖徳太子、インド原始仏教の謎が、宗像教授のフィールドワークによって解かれていく。しかし、やはり本作のベースはSFであって、ミステリーであれば読者が憤然とするだろう宗像教授の「幻視」によって、解答が提示されることも多い。 しかし、その解決の瞬間 ―― ネタバラシになることを避けるなら、ある人物が遮光器土偶を手にして呟く言葉 ―― のシーンを見たときに、たとえそれが「幻視」であろうと、それが土偶の真実であったに違いないと感じさせる説得力がある。もちろんそれは、星野さんの画力、構成力があればこそだ。 今巻では、『神南火』の主人公、忌部神奈も登場し、宗像と推理バトルを繰り広げる。ファンサービスとして嬉しい趣向であるが、バトルの題材となった聖徳太子の謎が、ほかのエピソードに比べてややインパクトに欠けるのが残念であった。
2004年09月09日(木) ホモでオタクな“あの”ストーカー 2003年09月09日(火) で、『CASSHERN』に樋口可南子はホログラフィーで出るのか?/『鉄腕バーディ』2巻(ゆうきまさみ) 2001年09月09日(日) 見え透いたウソにすがるココロは/DVD『ウルトラマンティガ THE FINAL ODESSEY』 2000年09月09日(土) なんでこんなにバカなのか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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