< もう少し離せると言うのでしょうか >
幾つか在る、 其の物差しの中で。
最も要に当たるのは、 何れだろうか。
時間、 距離。
其の差を具現化する物理量は、 幾らでも在るけれど。
其れ等は。
時に係数の揺らぐ、 函数の、 一変数に過ぎなくて。
具現化の極めて難しい、 投影された想いの。
大小や、 増減に。
唯一、 意味が生じる。
其れ故に。
あの子が零した、 其の、 写像に言及した言の葉は。
此れ迄とは。
少し、 重みが異なるのだ。
「あのね。」 「距離を置かない?」
「どうやって。」 「此れ以上の距離を置くんだよ。」
「そうだね。」
手を繋いだ儘で。
互いの身体を、 もっと、 もっと、 離して行けば。
手が離れる前に。
腕を、 失って終うのかな。
---------- References Oct.25 2014, 「細糸を頼む覚悟が保てますか」 Dec.24 2013, 「賭事の様な恋愛でしょうか」 Oct.08 2013, 「唯一の支えを絶てますか」
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2014年11月27日(木)
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2009年11月27日(金) 何を較べた一字でしょうか 2005年11月27日(日) 酒精より強い絆でしょうか 2004年11月27日(土) 贈る心算で奪ったのでしょうか 2002年11月27日(水) 根雪の様に残り続けますか 2001年11月27日(火) 貴女にも確かな跡がありますか
< 嘘の数だけ増えたのでしょうか >
嘘は義だろうか。
人の道を護る偽は、 義足る振る舞いなのだろうか。
其れとも、 嘘は偽だろうか。
飽く迄、 義とは為り得ぬ虚が、 憑いて回るのか。
永く、 永く。
其の結論に一致を見る事の無い、 倫理と、 規則と、 感情の、 鬩ぎ合いに。
行く末が在るのか、 確かめようも無いけれど。
自身の大義を。
其処に、 強固に添えて了えれば。
少なくとも。
其の結論に依らぬ世界を、 創り出せるから。
其処に、 重みを残す側と。
其処には、 既に何ら関心を有しない側では。
如何に、 想いが向き逢って居ようとも。
其の先が、 曖昧に揺らめいて終うのだ。
「病状話して辞めて来たよ。」 「此れで小坊主ちゃんに嘘吐かせなくて済むね。」
「嘘を突き通して良かったのに。」 「言うのきつかったでしょ?」
「うん。」 「泣かれた。」
想いと、 嘘とが、 貼り逢わせの言の葉は。
行き違って、 行き違って。
余計に想いを残して行くね。
---------- References Nov.07 2014, 「代役は想いに成るのでしょうか」 Oct.15 2014, 「休んだ理由だけなのでしょうか」
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2014年11月20日(木)
---------- History
2004年11月20日(土) 逆転の為の贈り物でしょうか 2003年11月20日(木) 爪の先に甘い毒を仕込むのですか
< 描き換えるのは定義でしょうか >
定義は。
荒野に柵を築いて、 安堵を得る為の工夫だから。
侵入を許さぬ頑強な想いと、 漏出を許さぬ強靱な意志とを。
自身が、 持ち逢わせる限り。
其の境目など、 不要に他ならないのだ。
けれども。
強度や、 粘度の、 不足する時に限って。
環境に応じて、 境界線を描き換えては。
都合良い定義を、 欲して終う。
普段の、 軽口の応酬にすら、 気付けずに。
「愛とか恋とかってなんだっけ。」 「どっちにしろ私には儚くて遠い物か。」
あの子は。
言の葉を、 言の葉通りに咀嚼しようと、 彷徨った。
そうね。
自身で、 縁遠い定義を据えて了えば。
其れは、 縁遠く居続けるだけよね。
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2014年11月19日(水)
---------- History
2005年11月19日(土) 事が済めば不要でしょうか 2004年11月19日(金) 理解の進んだ証拠でしょうか 2002年11月19日(火) 予知夢ですか 2001年11月19日(月) まだ関係が壊れそうで怖いですか
< 代役は想いに成るのでしょうか >
幾つもの制約が、 其処に、 立ち塞がって在るから。
其の狭間で、 互いを想える刹那は。
殊更、 尊い様に感じるけれど。
時に、 其の感覚は。
事の軽重を過たせ。
本質を、 霞ませて了う。
互いを慮る事も、 支えに成る事も、 感謝に値する事も。
決して、 軽んずべき事では無いけれど。
少しでも、 苦痛が緩和され。
少しでも、 穏やかに休める事が。
何を置いても、 求められるべき事なのだ。
「お休み続きでご迷惑おかけ致します。」
「とんでもございません。」
柵の、 隙間を縫った電話は。
求められた、 必要な援護に違いないけれど。
「初めての旦那としての役目が。」 「会社への欠勤の電話とはね。」
「担当者外出だって。」 「言伝頼んだよ。」
「小坊主ちゃん、有り難う。」 「助かったよ。」
漂う香りが。
一瞬、 現実の知覚を麻痺させる。
何故に。
忘れて終いそうに成るのだろう。
一文字、 一文字、 必死に打ち込みながら。
相当な時間と精神力を消耗して、 此の電信が、 届いて居る事を。
---------- References Oct.15 2014, 「休んだ理由だけなのでしょうか」 Oct.07 2013, 「請われる儘で居て良いですか」
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2014年11月07日(金)
---------- History
2006年11月07日(火) 蟻の一穴を望むのでしょうか 2004年11月07日(日) 何度目の別れでしょうか 2002年11月07日(木) 待っていてはくれないのですか
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