想いの深さが呼び覚ました、 直感なのだろうか。
其れとも、 只の学習効果だろうか。
起き抜けの動作の、 素早さが、 妙に際立って居た事で。
今日の作業行程を、 慌てて、 組み直した。
迷子や、 脱走や、 行方知れずを。
何度も、 繰り返して居るから。
過去の鮮明な映像が、 簡単に、 脳裏に浮かび。
恐らく生じるであろう、 夕方の事態も。
殆ど同時に、 脳裏に浮かんだのだ。
「解禁葡萄酒。」 「買って帰ります。」
夕方の、 仕事帰りの姫の文に。
報告が、 重ねられたのを確認して。
帰宅の準備に取り掛かる。
三十分後には。
きっと、 電話が掛かって来るのだ。
此れを。
少しだけ、 姫を理解して来たと言っても、 良いのだろうか。
或いは、 馬鹿な想いだろうか。
「今日も遅くなる?」
「すぐ帰るから。」
予想通りの、 姫の、 電話に。
用意した荷物を抱え、 用意した答えを繰り返した。
急いで、 帰らなきゃ。
---------- References Jul.04 2004, 「既に他人だと言う事ですか」 Apr.07 2004, 「其れでも欲しい唇でしたか」 |