貴女の周囲に、 俺の姿が増えて行く。
貴女の周囲に、 俺の像が描かれている。
「小坊主・・・」
受話器越しでも、 寝言でも、 独り言でも。
貴女が俺の名前を口にする度に、 貴女の世界に加えられ、 貴女の世界へ浸透し、 貴女の世界を蝕んで行く俺。
「今ね、小さな彼は小坊主なんだよ!」
貴女独特の世界観、 相変わらず理解に苦しむけれども。
小坊主たちは全滅した・・・
そんな出来事を聞かされれば、 相当落ち込む事はわかっているけれども。
それでも俺は、 嬉しさで顔が綻ぶ。
小さな彼が、 ゲームの主人公に俺の名を付ける事。
会った事も無い子供の中に、 俺の名前が刻まれていると言う事。
幼気な子に根差しかけた好意が、 そのまま永遠に続く様に。 |