< 寒さのせいですか >
別れ際。
いつもの行為を貴女に贈り、 俺は去る。
出来る事ならもう少しだけ、 貴女に触れていたい。
出来る事ならもう少しだけ、 俺を感じていたい。
そんな願いをお互いが抱きながらも。
二人を繋ぐ線は、 あっさりと切れる。
別れ際。
いつもの行為を俺に贈り、 貴女は言う。
「唇の軟らかさが違うと思うんだよね。」
何時までも上手くならない、 電話越しのキス。
必死に研究し、 貴女は一つの結論に辿り着いた。
「寒いから唇が硬くなるんだよね?」
次の逢瀬で俺に教えを乞う為に、 今の内から唇を軟らかくすると言う貴女に。
本気で悔しがって、 何度も練習をする貴女に。
今度はお褒めの言葉をかけてあげよう。
「上手くなったね。」
それでも、 キスのコツは教えない。
貴女のキスがこれ以上上手になったら、 俺は電話を切れなくなるから。 |
2003年02月15日(土)
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