雲間の朝日に想うこと


< 罠を仕掛け終わりましたか >


自分を駆り立てる力と、
自分に備わる狩猟本能は、
全く同じ支配を受けているのだろうか。


何時の間にか抜かれた牙。
何時の間にか削られた爪。

闘いの為に備わった雄の武器が、
錆付いて崩れている。






幸せと言う魔物が、
自分の能力を削り取って巣食う生き物なら。

俺は既に、
その魔物に半分以上力を吸い獲られてしまったのかも知れない。














 「今度逢う時、どうやって抱いて欲しい?」



昼休みに仕掛ける、
小さな悪戯。

仕事の合間に、
束の間の休息を取っただけなのに。










 「午後からずっと顔が笑ってたよ・・・」
 「小坊主のせい。」



昼休みに仕掛ける、
普段の悪戯。

俺の目論見通り、
貴女を潤んだ目で半日を過ごさせたと言うのに。













 「小坊主は?」

 「普通。」








精一杯の強がりに、
戸惑いの想い。


貴女との幸せを感じれば感じる程、
俺は狩りの能力を奪われ、
自分を駆り立てる力を磨り減らして行くのだろうか。

貴女はゆっくりと、
俺の手足に蜘蛛の糸を張り巡らせて来たのだろうか。














何時まで経っても、
今日は目の前に貴女が居る。

何時まで経っても、
貴女は目の前でほくそ笑んで居る。


2003年02月17日(月)


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2002年02月17日(日) 想いの代理品は届きましたか





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小坊主
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