貴女の悩みは常に、 自分の目の前に有る事のみで構成される。
俺がどの様な状態であろうと、 俺がどの様な想いであろうと、 決して変わる事がない。
貴女の悩みは常に、 自分の目の前に在る物のみで構成される。
俺の悩みが何であろうと、 俺の悩みが貴女へどう向かおうと、 決して関心が無い。
貴女がそう答えた時に、 既に結論は出ていたのだ。
貴女がそう答えた時に、 既に話は終わっていたのだ。
「ついて行くから。」
雄が悩みを口にする時は、 どんな時なのか。 俺が悩みを話す時は、 どんな時だったか。
俺の想いなど、 俺の行為など、 貴女の中には既に存在しない物なのだ。
目の前に突如現れた機会に、 俺はやっと結論を出した。
貴女はその事など忘れていたかの様に、 目の前の出来事で目一杯だったから。
「心配じゃないの?」 「気にならないの?」
思わず口に出した言葉は、 俺の心に追い討ちをかける貴女を、 加速させるだけだと分かっていたのに。
「心配だよ。」
「私は小坊主に負担かけてないかな。」 「私は小坊主に頼って良いのかな。」 「私は小坊主に・・・」
貴女を主格とする言葉の羅列。
数々の心配は、 決して俺を中心としない想い。
それで良かったのかも知れない。
例え何度身体を重ねようと、 性の異なる雄と雌は、 相容れない違いを消せないのだから。
例え何度想いを重ねようと、 性の異なる雄と雌は、 物事へ繋がる道筋の軌跡が違うんだから。
それで良かったのかも知れない。
俺の道は俺の道であって、 共に歩んでも、 貴女の道では無いのだから。 |