無責任賛歌
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2007年01月03日(水) |
アクシデンタル・カメラマン/舞台『戸惑いの日曜日』/『もやしもん』4巻(石川雅之)/『月蝕領映画館』(中井英夫) |
今日もしげ。はパソコンと悪戦苦闘。 こりゃ、買い物も映画も、週末までは無理だなーと、またまた今日もテレビとDVDの寝正月。
見ている最中に眠くなるので、なかなか全部見通せなかったラーメンズBOX『椿』『鯨』『零の箱式』『雀』を見る。初期ラーメンズ、今見ると決して面白いアイデアばかりではない。演技も硬くて今ひとつ。 けれども客はたいして面白くもないギャグに笑っている。これでよくこの二人、思い上がって潰れなかったものだ。 昨年の『ALICE』がかなり面白かっただけに、その軌跡を後追いしてみたのだが、役者が上手くなっていく過程を辿れたという意味では、高い買い物ではなかったと思える。
時代劇専門チャンネルで、映画『大奥』の初日舞台挨拶の再放送。 去年の12月23日に放送されたものだ。
絵島(江島)事件についてのウンチクでもあるかなと期待して見てみたが、話は殆ど出演者へのインタビューだった。そりゃそうか。 絵島事件については、おおざっぱなことしか知らないので、この機会にいくつか本を漁ってみたのだが、史実はただの情痴事件で、当然、映画や舞台のような近代的な純愛話ではない。大奥内での権力争い、老中側用人も絡んだ陰謀事件のように描かれることも多いが、それにしちゃ史実の絵島の放埓ぶりがあまりにうかつ過ぎるので、どうかな、という気がするのである。
映画が史実に依拠しないのは仕方がない。現代人の感覚からすれば、そのまんま映像化するには人間関係が奔放に過ぎる。けれどまあ、大奥に入って総支配まで勤める女が実は処女というのはいくら何でもムリがありすぎで、もしかして今時のオタク向けの萌え要素まで狙ったのかと、穿った見方もしたくなる。
仲間由紀恵がインタビューに答えて「純粋な人としてみなさんの中に入っていけばいいんだなと思いました」と答えていたが、それをさほど違和感なく、堂々と演じられているという意味では彼女は貴重な清純派なのである。つか、ここまで来たら、もう一生、清純派で行くしかないんじゃないか。 若手の女優さんで、こういう「一生清純派」で行きそうなのは、あとはやはり長澤まさみくらいしかいないので、マジメに注目しちゃいるのである。
WOWOWで、舞台『アパッチ砦の攻防より「戸惑いの日曜日」』。
作・三谷幸喜 演出・佐藤B作 出演 佐藤B作/あめくみちこ/細川ふみえ/中澤裕子/小島慶四郎/西郷輝彦/角間進/佐渡稔/市川勇/小林十市/山本ふじこ/小林美江/市瀬理都子/斉藤レイ
§ストーリー§ 舞台は高級マンション「フォートネス・アパッチ301号」。 ここは4日間前まで、鏑木研四郎(佐藤B作)が住んでいたが、借金まみれのため手放していた。 しかし、娘のちよみ(中澤裕子)から、婚約者の堤君(小林十市)を紹介したいと言われ、情けない姿みせたくない彼は、ちょっとだけ部屋を借りることにする。 現在の持ち主、鴨田巌(西郷輝彦)の奥さん(細川ふみえ)が、たまたま電気屋(小島慶四郎)に配線を依頼しているのを見て、その電気屋になりすまして、侵入。まんまと娘のちよみをだます。あとは婚約者の堤君をだませればだいじょうぶ。 ところが、ちよみが堤君を迎えに行っている間に、本当の住人である鴨田がやって来てしまう。さらにちよみが、鏑木の離婚した前妻(あめくみちこ)やら、堤君の両親(角間進・市瀬理都子)までマンションに呼んでしまい、大パニック。その上、本当の電気屋に、鴨田の妻の浮気相手の不動産屋(佐渡稔)、鏑木の現同棲相手のビビアン(小林美江)までやってきて、ひっちゃかめっちゃか。 絶体絶命、どうする、鏑木研四郎!?
……という基本ストーリーは、初演時から変わらず。 初演はナマで見ているので、当時のパンフレットも持っているのだけれども、もともとこの芝居、『みんなのいえ』の原型脚本だったのである。 それがうまくまとまらずに、わずか一週間で全面書きなおし、公演三日前にようやく脚本が完成したという曰くつきの「やっつけ芝居」なのだ。 にもかかわらずここまでの完成度、と誉めることもできなくはないが、やはり他の三谷作品に比べると、無理が生じていたり納得が行かない部分も多々あったのが初演版だった。
それが、このタイトルも変えた再々演版、それらの不満がかなり改善されているのである。 鏑木がマンションに居残ろうとするムリはどうしようもない。それがなければこのコメディ自体が成立しないから。 けれども、鏑木=の佐藤B作のいい加減さがキャラクターとしてより強調されることで、「それくらいあほなことをこいつなら仕出かしそうだ」というリアリティが増している。 そして、初演版では娘たちは鏑木に騙されっぱなしだったのが、最後に全ての真相を鏑木が告白する形に変更されている。ここが私も初演版で一番引っかかっていたことで、「いずれバレることじゃん、始末が付いてない」と腑に落ちない点であった。 カタルシスの点で言っても、今回の結末の方が順当で、三谷さんも昔に比べて「大人になった」ということなのだろう。 新登場のビビアンのキャラクターも、出るべくしてようやく出た、という印象だ。オチはこうなるだろうなと見えてしまうけれども、そこはご愛敬。鴨田の役も、これまでの石井愃一、伊東四朗両氏には申し訳ないが、若妻にかまってやらない傲慢さでは、西郷輝彦が一番似合っている。
正直、三谷幸喜は最近、レベルが落ちてきていたので、新作にあまり期待はしなくなっていたのだが、こういう「改作の上手さ」を見る限り、まだまだやるな、と認識を改める必要があると思えるのである。 ああ、また買わなきゃならないDVDが増えちまった。
夜になって、またまた志免炭鉱竪坑櫓まで出向く。 と言っても今度はただの見物ではなくて、イッセー尾形ワークショップ仲間と一緒に製作中の自主映画の撮影のためだ。 私は探偵の役で、あちこちを徘徊するという設定。もっとも撮影するのは私の後ろ姿とか手元とかシルエットだけで、顔は映さない。探偵には顔がないのである(笑)。
で、ライトアップされたここ志免炭鉱にもやってきているのだが、なんでやってきているのかは演じている私にも分からない(笑)。 脚本なし、イメージ優先のかなり適当な作りの自主映画なので、どんなものになるのかは監督の私にも予測はつかないのである。 てゆーか、先読みのできる映画はつまんないなー、と思ってつくっているので、これでいいのである。
予測不可能というのは実際に予測不可能が起きることで、櫓の回りを歩いているところをしげ。に撮影させている最中にアクシデントは起きた。
櫓のわきに7、8メートルほどの高さのボタ山がある。その上に登って、櫓を見上げているカットを撮ってもらおうと思って、私は先に駆け登った。勾配は急なところだと40度ほどはある。勾配というよりは崖に近い。 中年とは言え、私も体力がなくなっているわけではないから、助走をつけてそこを一気に駆け登った。その後、下にいるしげ。に向かって、もっと緩い勾配の方を指差して、そちらから回ってくるように言った。
ところがしげ。は、何を勘違いしたのか、私のあとを、カメラを持ったまま走って追ってきたのだ。 私より若くても、しげ。の持続力は私以下である。それでも数メートル程度の高さの山なら、しげ。の脚力でも充分に登り切れたろう。脚力がなくても足場がよければ何とかなったかもしれない。 しかし、敵はボタ山である。雨が降ってなくても足場は何となくぬるい。しげ。はあと数メートルというところで崖に足を取られて腹ばいになった。そしてそのままズルズルと落ち、山の途中で引っかかってしまった。
「助けてー」 情けない声が聞こえる。 「あっちへ回れって言ったのに、なんで言うこと聞かないんだよ」 「だって見えなかったんだもん」 かと言って、今見えてる目の前の崖が登れそうかどうか、判断くらいしてほしいものだが。 まるでマンガかCMのように、私が手を伸ばして引き上げてやったのだが、撮った映像はあとで見ると、テレビのドッキリ映像のように、目算を失ったカメラがあえなく夜空を写していたのだった。 さてこのカット、状況によっては使えるだろうか。
ボタ山の上に登りきったところで、いざ撮影再開、と思ったところに、向こうから子供が登ってきた。 こんな夜に近所の子供だろうかと声をかけてみると、「パトロールにお父さんと来ています」と言う。 さてはさっきのしげ。の「助けてー」の声を聞き付けてきたらしい。 とんだゲスト出演者が現れてしまったが、ことによるとこの子との会話も映画のブリッジにそのまま使えるだろうかと考える。 探偵は一人、というつもりだったが、カメラマンが随伴、という設定にしてもいいかもしれない。
晩飯は「庄屋」でマクロビ膳。 私はよく知らなかったのだが、マクロビってのはマクロビオテックの略で、穀類や野菜を中心とした食事のことを指すらしい。中身は玄米ご飯にけんちん汁、湯葉に山菜といったもの。以前も同じメニューがあったけれど、そのときは確か「湯葉御膳」とか何とか言う単純な名称だったと思う。 要するに日本の伝統料理なのだが、こんなふうに新しい言葉で紹介されるとなんだか新発見っぽく聞こえるっていうんで、メニューを一新したのだろう。 味は悪くないが、980円という値段はちょっと高い。流行ものは高く売ろうって腹か。でもおかずの量もたいしたことないし、せめて780円くらいで商売してほしいものだと真剣に思う。
マンガ『もやしもん』4巻(石川雅之)。
限定版は悩んだ末、買わず。フィギュア付き買うと小うるさいやつが近くにいるもんで。 でもどこの店でも完売なようで、好きなマンガが人気呼んでるのを見ると嬉しい。『のだめ』人気もいささか作用してるかもしれないが(二ノ宮さんがホントに作画協力してるよ)。
主人公が影薄いとか言われているけれども、キャラクターはちゃんと立ってるからいいの。 あの、「菌が見える」能力について、誇るでもなく嫌がりすぎもしないところが、イヤミじゃなくていいんだからさ。 特に今巻は、魔女っ子ものにはつきものの「魔法が使えなくなっちゃった!どうしよう!」という展開で(いや、『もやしもん』は魔女っ子ものじゃないけどな)、しかもそれがやはり『もやしもん』らしく、意外な原因と、恋愛ドラマになりそうなならないような微妙で絶妙なバランスのなだらかな盛り上がりとで、まったりと魅せてくれるのだ。
……まあ、こう遠回しに書いてても何のことやら未読の方にはよく分からないだろうけれど、ネットとかで内容を調べる前にやっぱりゲンブツを手に取って読んでもらいたいのである。 農学的なウンチクが好きな方には、樹教授のお話をどうぞ。今回の題目は「ウンコから火薬を作る話」。『もやしもん』は教養マンガでもあるのです(笑)。
『中井英夫全集12「月蝕領映画館」』(創元ライブラリ)。
『虚無への供物』はミステリファンにとっては「これを読まずしてミステリファンを名乗るな」的なバイブルであるが、その人が大の映画ファンであったということは非常に嬉しいことである。 と同時に、中井氏の映画エッセイが、この一冊しか残されていないことに無念もまた覚える。どうしようもない駄文で各種雑誌の紙面を汚しているプロもどきは腐るほどいるからだ。
鈴木清順の『陽炎座』を評するのに、原作となった泉鏡花の短編が、公表されている『陽炎座』『春昼』『春昼後刻』のほかに『酸漿(ほおずき)』も含まれているだろう、と指摘しているのはまさに慧眼で、ただの感想ならばいざ知らず、映画「批評」にはこのような教養が絶対に必要になるのである。 清順監督からは、中井氏に「何かシナリオ書いてよ」との依頼があったそうで、これが実現していたらどんなに心を躍らされたことか、中井脚本による『カポネ大いに泣く』や『ピストルオペラ』が、いや、清順版『虚無への供物』が見られたかもしれないと思うと、氏の早世を悔やむばかりである。
横溝正史原作の『悪霊島』『蔵の中』についての批評などは辛辣で(まあ、あの二作を誉める人間はどうかしているのだが)、前者が清水邦夫脚本・篠田正浩監督という中井氏の知人の作品であるにもかかわらず「どうにもならない」と切って捨てているのが、映画に対する氏の愛情を感じさせて読者としては嬉しいのである。
知人が作ってるからと言って、批評に手加減を加えるエセ批評家はいくらでもいる。こういう文章を読めば、ああ、この人は批評家として信頼できるなあと思える。友達をなくそうが、親類縁者に縁を切られようが、批評家は孤高を貫かなければいけない義務があるのだ。その代わり、いざ自分が映画制作者の立場になろうとすると、スタッフが揃わないということにもなるんだけどね。 映画制作者と批評家とは、二速のわらじが履けない最たるものだと言える。
中井氏の批評は、1982年当時のものであるが、現在読み返してみても決して古びてはいない。それどころか、その先見の明、慧眼に舌を巻くこともしばしばである。 ウォルフガング・ペーターゼン監督の出世作『Uボート』であるが、私は10代のころに見たこの映画をかなり高く評価していたのだが、中井氏は「型どおりの展開で呆れた」「ご都合主義」「筋立てが安直すぎる」とコテンパンである。 当時、私が中井氏のこの批評を読んでいたら、中井氏も映画を見る目がないなどと思い上がったことを考えたかもしれないが、この後のペーターゼン監督の諸作、『ネバーエンディング・ストーリー』から『エアフォース・ワン』や『ポセイドン』に至るまで、ハリウッド規格の安直な映画を量産している状況を鑑みれば、不明だったのは私の方だったと痛感することになっただろう。
意見を同じくする映画については、嬉しくもなる。 ポール・グリモーの『やぶにらみの暴君』を「主人公をただの暴君には描いていない」と賞賛しながら、「後半がつまらない」とダメ出しする。 私が見ているのは改作された『王と鳥』の方だが、実際、私が好きなのも前半なのである。ちょうど先日の日記でこの映画について「後半、主人公が変わる意味が分からない」と書いたばかりだったので、この符合には小躍りしたくなった。
紹介されている映画についていちいちまた私の感想を付け加えていてはキリがない。 印象批評に過ぎると思われる文もないではないが、連載エッセイで紙数が限られている性質上、致し方のない面もあるだろう。 少なくとも、読むに値しない映画評ではない。 惜しむらくは当時の氏が既に病弱であったために、見損なった映画も多々あることである。『エレファントマン』などをどうこきおろしてくれるか、読んでみたかった。
2005年01月03日(月) 相変わらずの正月/映画『0011ナポレオン・ソロ/罠を張れ』ほか 2003年01月03日(金) 日記書いたことしか記憶にないな/『ヘウレーカ』(岩明均)ほか 2002年01月03日(木) 貧乳の夢と鬱と別れのシミュレーションと/『ドラマ愛の詩スペシャル キテレツ』/『本気のしるし』4巻(星里もちる) 2001年01月03日(水) 初夢。……初夢だってば/『雲竜奔馬』5巻(みなもとたろう)ほか
2007年01月02日(火) |
寝正月でもマンガは読む/『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』5巻(阿部川キネコ) |
連日、しげ。は先般行われた「イッセー尾形(抜き)ワークショップ・福岡夜市」公演のビデオテープの編集に追われている。
なんだか一度データが吹っ飛んだとかで、一からやり直し、パソコンの前で悪戦苦闘を繰り返している。 その関係で、家事はもっぱら私の仕事となる。 日頃、しげ。自身が家事なんてろくにやりゃしないのに、こういう時は私にお鉢が回ってくるのだ。 全く不公平な話だと思うが、こちらはパソコンでの映像編集なんてろくろくできないので仕方がないのである。
昨日も雑煮を作ったのだが、うっかり餅を溶かしてしまったので、今日は餅はなし。 鶏肉にちくわ、小エビ、ほうれん草、白菜、えのきという、正月の雑煮と言うよりはただのごった煮汁だけれど、これ、全部しげ。の好物をぶち込んだだけなのだ。 もともと好き嫌いの激しいしげ。は餅は入れても食べようとしない。 鶏の味の染みたつゆで、餅なしのほうがその味も生きるようなので、どんぶり二杯をペロリと平らげた。 ……人に作ってもらう飯は美味いよな、と横目で見る。
しげ。がそんな調子なので、今日はお出かけもなし。 映画ぐらいには行きたいと思ったが、こちらも多少疲れが溜まっていたようで、寝起きがよくない。横になるとすぐに眠くなる。 もともと親戚づきあいもしないので、年始周りやらお年玉やらと、散財しなきゃならない義理もない。 寝正月を決め込むことにして、テレビQの『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』をダラダラと見る。
赤穂事件の首謀者は、実は浅野内匠頭の未亡人・瑤泉院であったとする異色作、というのが売りだけれども、ドラマの作り方自体に何か変化球があるわけではない。 タイトルで語られるほど瑤泉院が権謀術数を駆使するというほどでもない。主演の稲森いずみは美人だけれども、大河『義経』に出演した時ほどに魅力は感じられなかった。 大石が北大路欣也で、柳沢が高橋英樹じゃ、所詮は一昔前の大仰な時代劇で、知的な雰囲気なんて流れようもないのである。
続けて、DVDで買ったばかりの『ラブ★コン』を見る。 身長159センチの男の子と、身長170センチの女の子の凸凹コンビのドタバタラブコメ、であるが、原作にないいかれたギャグに私もしげ。もすっかりやられてしまって、DVDまで買うことになった。 落ち着いてテレビで見ると、やはり原作依拠のラブコメ部分が他愛なさ過ぎて、見ていてつらい。やはり南海キャンディーズやオール阪神巨人を始め、田中要次や温水洋一、畑正憲ら、原作に登場しないキャラクターたちの怪演がたいして盛り上がりのない恋愛ドラマに緩急を付けてくれているのである。
特に、温水洋一は本編で原作を「甘っちょろい恋愛話」と切って捨てるなど、原作ファンが激怒しそうなセリフを連発してくれただけでなく、特典映像のミニドラマにまで出演して掉尾を飾ってくれた。 封入パンフレットにカレンダーが付いていて、6月9日が「胸キュンの日」となっていた。冗談かと思っていたら、これ、わざわざ日本記念日協会に申請して、本当に認定を受けているんだそうだ。別に休日になるのでないなら、なんでもありなんだね。
マンガ『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』5巻(阿部川キネコ)
名ドキッさ(誤変換ですが面白かったのでそのままにしときます。「メイド喫茶」ね)にまだ一度も行ったことがありませんが、一般人もちょろっと覗いてるようだと聞くと、かえって今更行ってもねー、と興味をなくして下りますフジワラです(笑)。
さて、このマンガについて語り出せばまたキリがないので、どうしたらいいのか迷ってると言うか、正月早々なんてマンガを読んでるんだと言われそうだけれども、実際、これは「コミックGUM」を毎月買って、その都度寸評した方がいいかもという気さえしてしまうくらい、『げんしけん』なきあとの現代オタク事情活写マンガとして貴重な存在だよなあとしみじみ泣き笑いつつ(ある意味泣けるのよこれ)はまりこんで読んでるのである。
そうかー、今時はもう、年代が上がってきてるから、あの手の方々は「腐女子」じゃなくて「貴腐人」や「主腐」になってるのだね(笑)。 ちなみに「貴腐」とは、「白ワイン用品種のブドウが、果皮へのボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea) という菌(カビ)の感染によって糖度が高まり、芳香を持つ現象」のことで、貴腐ブドウから造られたワイン「貴腐ワイン」は腐敗したように見える外見からは想像できないような極甘口なデザートワインとして珍重されているそうな。 オタク女子の自称としてはちょっとよ過ぎるんじゃないかと思うけどねー。謙遜も自嘲もしてないじゃん。 どの程度世間に浸透してるのかと思ってGoogle検索してみたけど……。浸透してるよ、おい(苦笑)。 まあ、アキバ系の男子も「A-BOY」とか言ってるイタさとどっこいどっこいじゃあるんだろうけど。呼称をどう変えようがイタイもんはイタイ。
そういったオタクのイタさと、それを自覚しつつもその冥府魔道から逃れられない煩悶と諦観と開き直り(笑)ぶりを描いたマンガがどれだけ長続きするものだろうかと思っていたけれども、なんと7巻までは続いてしまうそうな。 描かれたネタが全部分かるオタクばかりが読んでるとは思えないし、それだけ売れているということは、一般人もある程度は読んでるんだろーねー。ネタなんてよく分からなくても、「今時のオタクってどんなの?」とかいう興味なんだろうか。実際、どういう感想を抱くのか聞いてみたいもんだ。 いやね、一応、恋愛要素はあるし、一般人の興味もあるようなら、ドラマ化してもいいんじゃないかと思うんだけど、どうだろね? そんときゃ、牧ちゃんには戸田恵理香をお願いしたい(←単にコスプレが見たいだけだな)。
まあ、実際にはドラマ化したらドラマ化したで、オタクの監修が入らないとかなりイタイものになるとは思うけれどもね。 確かに、オタクの浸透と拡散は既に一つの社会現象であって、例えば「萌え」なんて単語は、アクセントが一般人とオタクとで多少の差異はあっても、ほぼ共通認識を得られた言葉になってはいる。マンガのように、「アクセントは『え』にあるんだよ!」こうなるとと叫ぶ必要はないと思いはするのだ。 けれども、具体的なネタは全て現在進行形なもので、これからドラマ化したら既に「種ガン」ネタは使えないし、そもそも版権の関係でドラマ化は殆ど無理だってことは分かるんだけどね。
けれども、いかにオタク的なものが表面では浸透していようと、一般人との間に絶対的な「壁」は存在するのだ。いや、その「壁」を感じるからこそ、濃いか薄いかの個人差はあっても、自分が紛れもなくオタクであることの認識が可能になるのである。 「そうだよ私は『ドオタク』だよ!」と叫ばなければならない煩悶もまたこのマンガには描かれているので、それがこのマンガが「オタクの考現学」としてもっと評価されていいと思う理由なのである。
個人的にはコスプレイヤーの牧ちゃんが、バン・ボグートになってるコマがあったので「へええ」と感心してしまった。ホントにそんなことしてるやつがいるかどうかは知らないけど、趣味が実にいいよね♪
あと、「オタク映画」の基本として、『未来世紀ブラジル』『シベリア超特急』『戦艦ポチョムキン』『やぶにらみの暴君』とかが紹介されてたけど、こんなのは私でも持ってる基本中の基本映画なので(作中、新寺ははっきりと「基本」と言っている)、そこの一般人の自称映画ファン、年間に50本程度映画を見に行ってる程度で「オレ、結構映画好きなんすよ、オタクっスかねえ」とか笑って言うな。首もぐぞ。
2003年01月02日(木) 仕事なんぞしたくもないわ/『しゃべくり探偵の四季』(黒崎緑)/『<映画の見方>がわかる本』(町山智浩)ほか 2002年01月02日(水) オタアミビデオと平成生まれと夜のドライブと/『ナジカ電撃作戦』FINAL MISSION/『名探偵ポワロ 白昼の悪魔』ほか 2001年01月02日(火) 眠い一日/ドラマ『不思議の国のアリス』ほか
2007年01月01日(月) |
2006年私的映画ベストテン2/『相棒 バベルの塔』 |
続けて外国映画。
【外国映画】
『ホテル・ルワンダ』(76点) カメラがかなりドキュメンタリータッチで撮ってるのに、役者の芝居が臭い。 『僕のニューヨークライフ』(70点) 役者がみんな役柄をこなしきれていない印象。ウディ・アレンですらも。 『レジェンド・オブ・ゾロ』(57点) 二作目でもう中年化して息切れか……。 『フライトプラン』(78点) トリックに穴はあるし犯人もすぐ分かるけど、ジョディ・フォスターの熱演はなかなか。 『単騎、千里を走る』(61点) 中国に佇む健さんは絵になる。でもあちらの役者さんの方が自然な演技で「格上」に見えちゃうのは……。 『オリバー・ツイスト』(81点) オリバーが運命に翻弄されるばかりで能動的でないのは、原作者のペシミズムによるものだけれども、それを現代にあえて映像化するポランスキー監督の冷たさが美しくも寂しい。 『シャークボーイ&マグマガール 3-D』(21点) 立体映画は基本的に全てバカ映画。もっと開き直ってほしいもんだ。 『ミュンヘン』(77点) スピルバーグがかなり自分の中の甘さを払拭した。ただ、モサドはもっと冷徹で優秀なんで、これがスピルバーグの限界だとも言える。 『クラッシュ』(90点) 運命の皮肉。ミステリーが描くものは、人間ドラマではなくて、もっと大きなもの。人間の点景は、そのための道具に過ぎないのだ。 『PROMISE 無極』(55点) 早走りのCGには笑えたけれど、それがドラマを盛り上げるほどには至らなかった。 『ナイト・オブ・ザ・スカイ』(40点) あー、飛行機速いねー。 『ダイヤモンド・イン・パラダイス』(43点) 怪盗ものにしてはスカッとしない。 『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』(73点) 『指輪物語』と比べてどうこうと言われるけれど、そもそも読者対象の年齢が違うんだから。 『ブロークバック・マウンテン』(80点) なんであの二人がホモに走ったかというと、素養があったからなんだろうね。いきなりなんで驚いたけど。 『力道山』(52点) 力道山の日本語がもう少し上手かったらなー。ジャイアント馬場やアントニオ猪木が登場しないのは問題があるからかな。 『エミリー・ローズ』(55点) ホラーかと思ったら裁判劇。ああそうですか。 『イーオン・フラックス』(41点) かなり期待してたのに、中身はSFとしては古臭い。展開もたるくてねー。 『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(90点) シリーズの最高傑作ではないし、長編化したために間延びはしたけど、それでもこれだけ密度の高いアイデア満載のアニメは、ディズニーには絶対作れないんだよねー。 『SPILIT』(50点) 実話の映像化にしてはドラマチックすぎるのはハリウッド映画の悪いクセだけれど、ジェット・リーもその轍を踏んだ。 『THE MYTH/神話』(49点) いや、大作感はあるんだけど、過去と現在の交錯のさせ方、あれを生身の人間で(しかもワイヤーワークで)やるのは無理だ。ちゃっちくなるだけ。 『南極物語』(42点) 犬が案外死なない。しかもキャラクターが人間的に過ぎる。日本映画のハリウッドリメイクが失敗に終わるのは、アメリカ人の映画作りそのものがウソ臭いからなのか。 『サウンド・オブ・サンダー』(11点) 原作読んで出直せ。 『大統領のカウントダウン』(52点) ロシアがアクション映画を撮るとこうなるという典型。予算をばかばか使ってるわりに印象は地味。 『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』(54点) ロシアがSF映画を撮ると……。ファンタジーだかSFだか分かんなくなるのは、SF自体が何だかよく分かってないからなのかな。 『ファイヤー・ウォール』(57点) 知的なミステリーでいくのかと思ったら、最後はやっぱりバイオレンスで解決。ハリソン・フォードだし。 『プロデューサーズ』(72点) 元ネタがかなりいいんだけど、名曲が少ないのがちょっとネック。 『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』(64点) 子供向けファンタジーとしてはまあまあの佳作。教育臭が漂ってるのは鼻につくけど。原作はかなりキャラが違うらしい。 『Vフォー・ヴェンデッタ』(69点) ダークな雰囲気はいいが、設定に無理があり過ぎ。特に後半のあるトリックについては「そんなやつはいねえ」って突っ込み入れたくなった。 『アイス・エイジ2』(67点) CGもかなり自然になったけど、でもやっぱり人形臭い。「絶滅するの?」のギャグ、動物好きでなくても笑えない。 『アンダーワールド:エボリューション』(49点) なんか人間以外の世界でいろいろドラマは起こってるみたいですが、的なお話。結局はエロなのねー。 『ブロークン・フラワーズ』(90点) オチがないのはこれが『羅生門』だからで問題なし。一応、「推理」は披露されてるんだから、これは立派なミステリーなのだ。 『グッドナイト&グッドラック』(92点) エド・マローのテレビ批判演説でドラマを挟む演出が秀逸。浅薄に聞こえもする演説が、あの構成で意味を持ってくる。 『ピンクパンサー』(56点) オープニングアニメ、どんどんつまらなくなるね。シリーズ後期よりはマシだけれど、クルーゾー警部の魅力はスティーブ・マーティンをもってしても再現できず。 『ダ・ヴィンチ・コード』(79点) かなりの大作だけれど、ダ・ヴィンチの絵を出すまでもなく、メイントリックも犯人もバレバレなのがミステリーとしては減点。70点はオドレイ・トトゥの魅力のおかげ(笑)。 『夢駆ける馬ドリーマー』(68点) 今年は午年かってくらいに馬映画が多かったけれども、実話を元にしたとは思えないご都合主義の展開。60点はダコタ・ファニングの可愛らしさに対して。 『GOAL!』(30点) 実話を元にしたとは(以下略)。出てくるのが男ばっかりなので、点数はこんなもん。 『ポセイドン』(46点) 特撮もよくなってるのにねー。リメイクされて、新しい感動が前作を上回ってる部分が殆どないのがどうにも。 『カーズ』(80点) 脚本はすごくよくできてる。CGの違和感が少ないのも、キャラが動物じゃなくて機械だから。けれども車を主役にする必要はない話。ムダに出来がいいとはこのこと。 『ローズ・イン・タイドランド』(51点) 『ブラザーズ・グリム』よりはテリー・ギリアムらしいけれど、なんだか『裸のランチ』っぽくなっちゃったような。 『M:ⅰ:Ⅲ』(63点) 馬鹿馬鹿しい点では一番オリジナルシリーズに近い。トム・クルーズのカッコつけはいつも通り鼻につくけど。 『ハイジ』(57点) ダイジェスト。キャストはイメージ通りなんだけどねー。 『王と鳥』(85点) オリジナルの『やぶにらみの暴君』を見ていない以上は、これで点数を付けるしかない。暴君が入れ替わってしまう展開のみ疑問。 『太陽』(95点) 歴史も物語もそこにはなく、「昭和天皇」がいて語り、生活をするだけ。物語を作るのは観客なのだ。 『ユナイテット93』(90点) 本当は何があったのかは分からない。けれども確かにこうだったろうと思えるリアリティがある。 『スーパーマン リターンズ』(72点) クリストファー・リーブに捧げられている作りになっているのはいいのだけれど、ロイスがねー、ああなっててねー、話が生臭い。 『マッチポイント』(83点) どんでん返しのオチの見事さから言っても、1時間くらいに纏めた方が小気味よいミステリーになったと思う。スカーレット・ヨハンソンが脱ぎそうで脱がないので減点(笑)。 『マイアミ・バイス』(70点) オリジナルシリーズの陽気さは影を潜めて、シリアスに。でもおかげで地味になっちゃった。 『グエムル ―漢江(ハンガン)の怪物―』(62点) 特撮がよくて、最初はかなり期待したけど、後半、展開がかなり雑に。マジメに作ってるから、バカ映画にもなりきれない。 『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』(78点) トミーとタペンスがフランス人になると年とっててもちょっとエロいのがお笑い。犯人とトリックはクリスティーに慣れてる人にはすぐ分かる。 『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』(70点) ニッポン勘違い映画としてはかなり笑える。でも北川景子の出番が殆どなかったので減点。 『カポーティ』(91点) 本物のカポーティの映像を見たことがある者には驚異的なそっくりぶり。『アラバマ物語』をさらっと批判するあたりも「らしい」。 『ブラック・ダリア』(59点) もちろん実際の事件は解決していないわけだけれども、こうであったとはとても思えない結末。これは原作者が悪いんだろうね。 『父親たちの星条旗』(45点) 単体だとアメリカの視点の甘さが目立って、どうしてもこの点数にしかならない。『硫黄島』と合わせると90点。 『トンマッコルへようこそ』(67点) キャラクター造形が単純で、ファンタジーと見なしても無理がある。アニメならキャラクターは象徴だからその違和感はないのだけれど。カン・ヘジョンの可愛らしさで60点。 『ホステル』(31点) 三池崇史がチョイ役出演。何か腑抜けたスプラッタホラー。 『上海の伯爵夫人』(77点) これもキャラクターがかなり単純化されているけれど、主役が盲目という設定が、物語が平板化することをかなり救っている。 『unknown/アンノウン』(32点) そこにいる全ての人間が記憶喪失、という設定は面白いのに、ラストの真実が無理あり過ぎ。 『トゥモロー・ワールド』(27点) SF設定を生かしてない。寓話をやりたいのなら、戦闘シーンは余計。 『OO7/カジノ・ロワイヤル』(94点) まさか21作目にしてOO7最高傑作が生まれようとは。心理戦をセリフや説明に頼らず、映像で見せているのも、ミステリーが「真実がただ一つではない」ことを語るものだと分かっている点も高ポイント。 『硫黄島からの手紙』(58点) 歴史を役者が演じるとどうしても作りものめいてしまうので、単体だとどうしてもこの点数。けれども『星条旗』と合わせると、日米の演技・演出の違いがそれだけで一つの文化の差の象徴となって現れてくる。二本セットで90点。 『王の男』(81点) 王の幼稚ぶり、男の妖艶さも含めて、物語も演技も演出も映画よりも舞台向きだと思うが、ドラマの脳密さには圧倒される。
全部で142本か。 アニフェスとかで見た映画も含めれば、見た新作映画は何とか150本を越えているので、一般人レベルなら一応、それなりに映画を見られた年だとは言えるが、映画ファンとしてはたいしたことない。 見損なってる映画はこれの5倍あるのだ。
【外国映画】 1.『太陽』(95点) 2.『OO7/カジノ・ロワイヤル』(94点) 3.『グッドナイト&グッドラック』(92点) 4.『カポーティ』(91点) 5.『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(90点) 6.『クラッシュ』(90点) 7.『ブロークン・フラワーズ』(90点) 8.『ユナイテット93』(90点) 9.『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』(90点) 10.『王と鳥』(85点) 11.『マッチポイント』(83点) 12.『王の男』(81点) 13.『オリバー・ツイスト』(81点) 14.『カーズ』(80点) 15.『ブロークバック・マウンテン』(80点) 16.『ダ・ヴィンチ・コード』(79点) 17.『アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵』(78点) 18.『フライトプラン』(78点) 19.『上海の伯爵夫人』(77点) 20.『ミュンヘン』(77点) 次点1『ホテル・ルワンダ』(76点) 次点2『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』(73点)
洋画だけ次点を二つ挙げたのは、『星条旗』『硫黄島』を日本と数えると、次点が繰り上がるから。 ……しかし疲れた……。 更に本とマンガでベスト書けとは言わないで。 リストをチェックするだけで死にます。
初詣はいつもの日吉神社。 田舎の小さな神社なのに元旦になった途端に参拝客の長蛇の列。 地方共同体はまだちょっとは生きているか。 札を買って買えるが、確か去年までは1000円ちょうどだったと思うが、今年は1200円になっている。 カミサマも値上げしないとやってけないらしい(苦笑)。
ひと寝入りして、早朝からキャナルシティで初映画。 『ふたりはプリキュア』と『デジモン』の二本立てだったが、これがつまんない出来で、しげ。がすっかり立腹する。 ハシゴする予定が、すぐに帰宅。
それでもムーミンカフェの福袋を買ってくれたのだから感謝せねばならないかもしれないようなそうでもないような。
昼寝したあと、夜はもう出かけず。 漫然とテレビで『かくし芸大会』を久しぶりに見る。 チャっプリンやエノケンの未公開映画を発掘、という設定で、有象無象な芸人が下手糞にも程があるタップやら何やらを自慢げに披露している。 日本のバラエティもここまでひどくなってるとはね。 ドリフ以降、日本のコメディは確かに死んだのだと実感。 『相棒元日スペシャル/バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!爆破予告ホテルの罠』。 2時間半の長尺なので、今回はなかなか見応えがある。 いくつかのどんでん返しも定番で、充分予測はつくけれども、やはり水谷豊以下の役者陣の熱演で見せてくれる。
大みそか。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、小野田(岸部一徳)に、衆議院議員の富永(冨家規政)のパーティーに強引に連れていかれる。 富永は都市化再開発計画の急進派で、脅迫や殺害予告などを受けていた。犯人は左翼過激派の梶(杉本哲太)らしく、小野田は右京らをボディーガードにと富永に紹介される。 富永も危険を感じており、元刑事の楓(大塚寧々)を雇っていた。 右京は楓の様子から富永との結婚が近いことを察知。楓の娘(佐々木麻緒)もうれしそうだと言うと、楓は照れながらも婚約を認める。 会場に楓の別れた夫、拓郎(遠藤章造)が現れる。プレゼントを持ってきたという拓郎を楓は追い返す。 ところが、楓の娘が会場から消えてしまう。 拓郎の仕業かと思われたが、誘拐犯から楓に富永殺害の指示が下された……。
ゲストでは、狙撃手役の寺島進がなかなか美味しい。ただ、アレも一つの手だけれど、やはり運に左右されている感がしてしまうので、徹頭徹尾、水谷豊の推理で結末をつけてほしかったという気もしてしまう。派手さはなくなるけどね。 ヒロインの大塚寧々も美しさが際立つが、素晴らしかったのが誘拐された娘役の天才少女・佐々木麻緒ちゃん。 声の出せない役を表情だけで見事に演じ切った。『ウルトラマンマックス』『火垂るの墓』以降、ちゃんとキャリアを積んでいることにホッとした。
2006年01月01日(日) 17万ヒット!/映画『キング・コング』&『乱歩地獄』 2003年01月01日(水) オタク夫婦は新年に何を買ったか/映画『狂った果実』/映画『幕末太陽傅』/『おせん』其之五(きくち正太)ほか 2002年01月01日(火) ぬかるみとミッフィと腐れた餃子と/映画『スパイキッズ』/『降魔法輪』(さとうふみや)ほか 2001年01月01日(月) 2001年元旦スペシャル
2006年12月31日(日) |
2006年私的映画ベストテン1 |
大晦日だが、我々夫婦にとっては、17回目の結婚記念日である。 まだ離婚してないが、熟年離婚ってのもあるからなかなか油断がならないのだな(笑)。
記念日だからと言って、何か大げさなことをするわけではない。 本当はスペースワールドに行って引田天功のマジックショーを見ようかとか、USJに泊まり込みで行こうかとか、計画はあったのだが、しげ。が全部「金がかかる」と蹴りやがった。 引田天功は父も行きたがっていたので、ヨメのワガママに家族が押し切られた形である。 父もいつ倒れるか分からない状態だし、しげ。の主張も一理も二理もあるのだが、想い出は作ってやりたいんだが、興奮してショーを見ながら倒れられてもまたそれはそれで困るのだ。 こういう判断は難しい。
結局、父は初日の出を拝みに熊本へ、我々は志免炭鉱竪坑櫓のライトアップを見に、別行動を取ることになった。
志免に向かう途中、ネットの知り合いの女性の店に寄る。 某地域SNSの常連さんなのだが、個性的なところがある人なので、人気もあるが反発も多い。 地域SNSは顔見知りになる率も高く、参加人数も5000人弱と少ないので、仲良くなればかなり親密に交際できるが、いったん仲違いすると、とらぶるがあちこちに波及する。 それやこれやで、彼女の周辺でも、「派閥」が生まれてしまっていて、彼女を追い出すの追い出さないの、いったん退会したアンチ派が仲間を引き連れてきて再入会、アンチ行動を繰り返すなど、フクザツな状況になっているのだ。
バカじゃね?
と誰もが思うだろう、というのが「私の常識」であるが、「ネットの常識」はそうではない模様である。 いや、これはもうネットのせいとか、そういうことではなくなっているのだろう。ともかく自我肥大を起こしている人間が増えていて、「自分と違う意見の人間は全て敵対者」としか認識できなくなっているのである。
ワークショップで、「悪口言い合えるのが幸せ」と森田さんが言われていたことがよく分かる。 それなりに親しく無遠慮なことでも結構言ってしまえる友人・知人がいないわけではないが、本気で遠慮なくモノが言える相手なんて、もう私にはしげ。しか残っていないのだ。オヤジも本気でモノ言ったら泣くし。
今にして思うが、私がしげ。のことを「バカ」とか「知恵遅れ」とか「寄生虫」とか「ゴクツブシ」とか「フランケン」とか「西田敏行」とか散々悪口を書き散らし、何度も家を追い出していたことに対して、「そんなこと言うなんてひどい」と噛みついてきた人々は、本気で人と関わりあったことがない不幸な人たちだったのだと思う。 その人たちには、私もまたしげ。からひどい目に会っているのだという想像が全く働かなかったのだろう。 別に私ら夫婦が幸せかどうかは分からないが、少なくともその人たちよりはマシなのだろうとは思える。
そんなわけで、私は親しくなれば親しくなるほど、相手に対する口が悪くなる傾向がありますが、一応、念のために言っておけば、私が「馬鹿」と呼ぶのは本人の「行動」に限定されるものだけで、例えば相手の容姿(チビとかデブとかハゲとかブスとか)について悪口を言うことは殆どありません。 「誰かに似てる」という言い方をすることはありますが、これはあえて言ってます。誰かに似てることを気にする人間の方が、その誰かの容姿に対して差別的な見方をしているということですから、その人の心の程度が知れるのです。 何が「私はオンリーワンよ、誰にも似てないわ」だ。それって、ただの傲慢なのにね。 ちなみにしげ。は落第(笑)。
あのSNSも、最初はよかったのにねえ、と愚痴をこぼしながら、年越しそばを注文して食べる。 手打ちそばで実に美味かったが、しげ。はその女性が高校生の子供もいるのに、大晦日に家に帰れないというのはよくないんじゃないかとお節介な心配をしているのであった。
宇美八幡を冷やかして、竪坑櫓へ。 確かにライトアップはされていたが、ナントカ城みたいなものではそもそもない、薄汚れた「廃墟」だから、雰囲気は「幽霊さん、いらっしゃーい」ってなものでしかないのであった。もともと心霊スポットとしても有名なんだよねー。 周囲に客もぽつぽつとしかいない。しかも広場に車を乗り入れようとしたら、警備員に追い出された。 こんな辺鄙なところに、近所の者以外に誰が歩いてくるか。 観光の目玉にするつもりがあるのかないのか、まるで分からないのである。 ま、確かに廃墟ファンにしか魅力は分かるまいが。
そう言えば、『百合星人ナオコサン』というマンガにも志免炭鉱、紹介されてたな(笑)。あのマンガにはこの櫓のフィギュアが出ているように描かれていたが、多分そんなものは実在しない(笑)。
それからあと、キャナルシティに向かって、今年最後の映画を滑りこみで見る。 映画は桃井かおり主演・脚本・監督の『無花果の顔』。 一年の最後にこれだけの映画を見られたのは実にシアワセだった。
今年は、ろくろく日記が書けなかったので、ここで一気に去年封切りの映画で見たやつの感想を書いちゃおうと思う。 点数付けが好きじゃないのにあえて付けたのは、一言コメントだけじゃさすがに評価してるのかしてないのか曖昧に見える作品もあるなあと思ったので。 映画は公開順に並べた。まずは日本映画編。
【日本映画】
『銀色の髪のアギト』(45点) 作画だけのGONZO、今回も脚本はヘタレ。 『輪廻』(62点) やや奇を衒い過ぎ。優香の熱演は買い。 『THE有頂天ホテル』(33点) ギャグが作り過ぎで白けるばかり。こんなのをウェルメイドなんて呼ぶな。 『ギミー・ヘブン』(64点) SFミステリーとしては上々。宮崎あおいは熱演だがミスキャスト。ロリキャラじゃダメでしょ。 『コアラ課長』(42点) おバカな点は買うが間伸びすぎ。 『博士の愛した数式』(84点) 寺尾聰、向かうところ敵なし。授業のシーンも秀逸。 『天使』(35点) 深田恭子に喋らせなかったのは吉。けれどそもそも天使って柄じゃない。 『たべるきしない』(65点) 綾瀬はるかのPVに見えるが、ちゃんと映画している。 『ブラックキス』(59点) 手塚眞はヘンだ。そこを好くか嫌うかは趣味の問題。 『最終兵器彼女』(5点) CGだけはちょっとおおっと言った。前田亜季ファンでも萌えようがない。 『スキージャンプ・ペア ~Road to TORINO 2006~』(71点) 間抜けぶりはいいんだけど、新作の猪木の部分のテンションがいまいちなのが惜しい。 『転がれ!たま子』(48点) ヘンでも、センスがないとね。 『ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状』(56点) 宮崎あおいも出てればねー。堀北真希と夏帆が可愛いからそれでいいや。 『サイレン』(58点) 雰囲気はいいけど、冒頭でトリックがバレバレなのはちょっとねー。 『県庁の星』(67点) 定番な展開だけど、酒井和歌子がシビアな役を演じた点がポイント高し。 『ドラえもん のび太の恐竜2006』(87点) 前作を作画、脚本の上でも凌駕。藤本さんの生前に見てほしかった。 『機動戦士ZガンダムⅢ ―星の鼓動は愛―』(86点) トミノ演出はウェットに見えても実は乾いている。ラストの変更は実は変更ではない。 『ONE PIECE(ワンピース)THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』(53点) 誰だ、イナガキに声優させたのは。話も作画も昨年よりダウン。 『かもめ食堂』(92点) キャラクターと役者の理想的な出会い。フィンランドの空気もよし。 『超劇場版ケロロ軍曹』(57点) ポケモンもデジモンもケロロも、プラレス三四郎以来、進歩がない。 『まじめにふまじめかいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん』(79点) 定番でも『カリ城』パターンはまだ生きてるかな。 『真救世主伝説・北斗の拳 ラオウ伝 純愛の章』(61点) 原哲夫キャラの中に北条司キャラが混じる違和感が笑えてよし。バカ話だから感動はしないよ。 『子ぎつねヘレン』(41点) キツネはかわいかったねー。 『寝ずの番』(90点) 原作と役者の力で高得点。映像編集にあともう一つテンポがあれば。 『立喰師列伝』(92点) 見返すほどに味が出る。歴史を語ること自体を馬鹿にする悪意は最高。 『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(13点) えーと、どんな話だったっけ? ミステリーとしても糞だけど、年々テンポが悪くなるのはどうにかして。 『映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』(84点) 前半のホラー演出がかなりよかったんで、後半の失速が悔やまれる。 『チェケラッチョ!』(62点) 少年が主人公だけれど構造は少女マンガ。KONISHIKIが美味しい。 『小さき勇者たち ~ガメラ~』(60点) 冒頭シーンはよかったんだけどねー。 『LIMIT OF LOVE 海猿』(23点) 『逆境ナイン』の監督さんだから、もしかしたらバカ映画として撮ってるのかも知れない。それなら70点なんだけどねー。 『明日の記憶』(49点) 渡辺謙、この映画では評判ほどに上手くはない。てゆーか、濃すぎ。話も深みがない。 『間宮兄弟』(89点) 本間姉妹(沢尻エリカ・北川景子)が70点分(笑) 『雪に願うこと』(43点) 馬が40点分。感動ものはもうちょっとウマく作ってよ。この程度でも騙される客や評論家は質が低い。 『嫌われ松子の一生』(83点) ミステリー色は薄れたけれども、コメディとして仕立てた演出はなかなか。中谷美紀でなくてもよかった気はするが。 『水霊 ミズチ』(44点) ホラーは女の子をもっときれいに撮らないと。渡部篤郎、ムダ死に(苦笑)。 『花よりもなほ』(85点) もう少しエピソードを切り取ってテンポをよくしてほしかったけれど、市井ものでオリジナルでこれだけ密度が高い時代劇は近年でも出色。 『佐賀のがばいばあちゃん』(42点) 吉行和子の役じゃないよ。カメオ出演がやたら多いのもかえって興醒め。 『トリック劇場版2』(31点) バカ映画なのは最初から分かってるけど、同じトリックを毎回使い回すのはなぜ? 『初恋』(86点) 宮崎あおいが三億円事件の犯人なんて無理だろうと思って見てみたらやっぱり無理があったけれど(笑)、あの時代を回顧する切なさは伝わってくる。 『猫目小僧』(69点) CGなんかくそくらえの精神が小気味よい。これで無駄なカットがもうちょっと少なかったらよかったのに。 『タイヨウのうた』(40点) YUIの歌が上手いような下手なような、と微妙なラインなのが難しいところ。 『デスノート(前編)』(55点) リュークのCGに違和感を覚えない人がいるのが信じられない。ラストの改変を酷評する人もいるが、悪くはないよ。 『着信アリ Final』(32点) シリーズ化する必要があったのかなあ。堀北真希がよかったのはホント『AIWAYS 三丁目の夕日』だけだったねー。 『ブレイブストーリー』(43点) 作画だけだよGONZOは。って、毎回同じ批評(苦笑)。 『ゆれる』(88点) 裁判ものだと思うと肩透かしだけれど、香川照之が最高にいい。 『笑う大天使(ミカエル)』(11点) 伊勢谷勇介は殿下っぽかったけど、あとのキャストと監督が総崩れ。せっかく広川太一郎さんが復活されたのに……。 『日本沈没』(79点) 日本が沈没しなくても、あの展開ならOK。主役二人の演技力不足がかなり痛い。丹波哲郎さんの遺作になってしまいました……(涙)。 『ラブ★コン』(81点) バカをやるならここまでやんなきゃダメです。田中要次、温水洋一、畑正憲、谷原章介、彼らの怪演に主役二人が負けてないのもすごい。 『時をかける少女』(95点) 青春ものだから素晴らしいのではない。運命の冷徹さが背景にあるSFだから素晴らしいのです。 『ハチミツとクローバー』(83点) マンガの映像化の理想的な映像化の一つ。原作のマンガチックな部分を剥ぎ取ったのが吉。中の美術が「らしい」のにも高得点。 『神の左手悪魔の右手』(37点) 金子修介は女の子を撮るのが下手だ。 『蟻の兵隊』(58点) 戦争を語るドキュメンタリーとしてはまだまだ甘い。 『ゲド戦記』(44点) ジブリの汚点。これに感動したなんてやつは映画とアニメを一万本見てきてから出直せ。 『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(52点) テレビシリーズを無視したパラレルな設定や、SFをやろうとした意欲は買いたい。けれどSFにし損なった。残念。 『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』(47点) 星井七瀬が美味しい役。倉田のアニイが老いてしまったのが悲しい。 『紙屋悦子の青春』(85点) 演劇をそのまま映画にしても映画にはならない。なのにそれをあえてした。そこから逆に浮かび上がったものがある。そういう実験作。 『ラフ』(47点) 長澤まさみには本当はそんなに人気はないと思う。マスコミと小林信彦画が煽ってるだけで(笑)。 『親指さがし』(47点) 結末が意外でも何でもないのがちょっとねー。人数限定だと真犯人あいつしかいないじゃん。 『日本以外全部沈没』(51点) かなり原作に忠実。となるとバカ映画の河崎監督にはちょっと荷が重すぎたか。ニッポン音頭は長すぎ。 『バックダンサーズ!』(57点) 定番の展開を持たせるためには、キャラ設定にもうちょっと工夫がほしい。陣内孝則の熱演がいいだけにねー。 『LOFT ロフト』(60点) 『世にも奇妙な物語』の一編としてコンパクトに見られればかなり高得点だったんだけど……。あと安達祐実がねー、無理があってねー(笑)。 『ヅラ刑事』(71点) 昨年は河崎実イヤーだったけれど、これが一番の傑作。でもやっぱり歌が長い。 『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(43点) ファンは感涙すると思うでしょう。けれど見てみたら「こんなもったいない使い方しやがって!」でしたよ。篠田三郎、出てやれよ! 『出口のない海』(22点) 脚本家さん、時代考証に合ったセリフを書こうね。 『フラガール』(44点) 役者はみんないいんだけどねー、脚色が定番に過ぎて、リアリティが全然なくなっちゃった。これを外国に出すのかよって。 『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』(77点) こういうバカ映画を正しく評価できないのが評論家の未熟なのです。 『アタゴオルは猫の森』(57点) CGで作る意味なし。つか、ゲームレベルで出来悪いもん。ヒデコは可愛かったけど。 『地下鉄(メトロ)に乗って』(37点) だからSFセンスのないやつにSFを作らせるな。 『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』(80点) シリーズろくろく見てなかったんで、まさかこれがミステリー映画だとは思わなかった。見事に騙されました。 『デスノート the Last name』(76点) Lとミサミサだけでここまでの高得点。ライトは所詮バカだから、藤原竜也でもよかったとも言える。それと鹿賀さん、ヒゲ付けて四季喋りはやめて。 『手紙』(29点) 感動させようと設定に懲りすぎると外しちゃうという典型。 『アジアンタムブルー』(59点) 感動させようと設定に懲りすぎると笑えちゃうという典型。笑える分だけ手紙より上。 『暗いところで待ち合わせ』(81点) 昔、「どれだけバカなトリックを思い付けるか」というアソビを大学でやってたけど、まさにこれはものすごいバカトリック。ここまで笑かしてくれたらもう大満足です。 『武士の一分』(80点) ギリギリ80点。でもそれは原作者が時代小説家としては二流なせい。あのラストじゃ、「出来レース」にしか見えません。役者がみんないいので何とか持ってる。 『映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!』(40点) 劇場版なんだから、もう少し脚本を練りましょうよ。 『デジモンセイバーズ THE MOVIE 究極パワー!バーストモード発動!!』(43点) デジモンもレベルが落ちたなあ……。 『犬神家の一族』(60点) 前作はつまんない原作のつまんない映像化だった。殆ど昔のままだから、高得点は上げようがないけれど、石坂浩二がかなりしょぼくれてきて原作の金田一に近づいてきたのでそこは評価。 『鉄コン筋クリート』(97点) アニメはここまで来ました。「意味分からん」と仰る方は、表現に意味があると勘違いしている人なんだよねー。つまり馬鹿ってこと。 『大奥』(73点) バカ映画はバカ映画としてちゃんと評価しよう。だから時代劇に近代的な恋愛観が持ち込まれたり、『風とともに去りぬ』みたいなおおげさなメロドラマが持ち込まれても、笑って楽しめばいいの。 『無花果の顔』(90点) 正常と異常との境にある日常。それをカメラが冷徹に見つめる。これは傑作。 『TOKYO LOOP』(74点) こういう短編アニメのオムニバスには出来不出来があるので、点数が付けにくい。しりあがり寿さんの作品だけなら85点くらい挙げてもいいんだけど。
ペスト20を並べると以下の通り。 これでキネ旬のベストテンにも送るつもりである。 【日本映画】 1.『鉄コン筋クリート』(97点) 2.『時をかける少女』(95点) 3.『かもめ食堂』(92点) 4.『立喰師列伝』(92点) 5.『無花果の顔』(90点) 6.『寝ずの番』(90点) 7.『間宮兄弟』(89点) 8.『ゆれる』(88点) 9.『ドラえもん のび太の恐竜2006』(87点) 10.『機動戦士ZガンダムⅢ ―星の鼓動は愛―』(86点) 11.『初恋』(86点) 12.『紙屋悦子の青春』(85点) 13.『花よりもなほ』(85点) 14.『映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』(84点) 15.『博士の愛した数式』(84点) 16.『嫌われ松子の一生』(83点) 17.『ハチミツとクローバー』(83点) 18.『暗いところで待ち合わせ』(81点) 19.『ラブ★コン』(81点) 20.『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』(80点) 次点『武士の一分』(80点)
2002年12月31日(火) あまりノロケてるって受け取らないようにね(^_^;)/『エクセル・サーガ』10巻(六道神士)/『永井豪作品全書』ほか 2001年12月31日(月) 40歳のロンゲ……髪薄いってのに/『読者は踊る』(斎藤美奈子)ほか 2000年12月31日(日) 20世紀の終わりの夜に……/『算盤が恋を語る話』(江戸川乱歩)ほか
2006年12月06日(水) |
小倉ワークショップ余燼/第1回演劇研究会『笑の大学』 |
今年10月に行われた、イッセー尾形の作り方小倉ワークショップ。 心理学者の吉村順子先生のレポートが、イッセー尾形ブログに掲載された(12月5日付)。 これだけのイベントがあったのだから、参加者の一人である以上は、この「無責任」の方にもレポートを掲載すればよかったのだが(しげ。からもせっつかれてたし)、先々月はまだ心の準備が整っていなかったのである。 ミクシィのコミュニティに簡単に書きつづったレポートがあるにはあるが、さてそれをそのままここに転載しても、雰囲気の違いに戸惑う方もいらっしゃるだろうから、それは控える。
吉村先生のレポートを引用しながら、覚書程度のことを書いてみようと思う。 http://issey-ogata.jugem.jp/?eid=365#sequel(引用元)
〉 遠くになり近くになり、どこかで祭り囃子の太鼓の練習が聞こえる、それがぴったり芝居にはまりました。 〉 新生児室に流れるお母さんの拍動の音、それに同調することで、一人一人が同じ根っこを持ちながらも、こんなにも違って見えるということ。30人の日常ではとても濃いショッパーズたち。それが、水墨画のような芝居を作りました。
森田先生は、「祇園太鼓を打てる人はいない?」と参加者に聞いてみたのだが、残念ながら皆無。 男性の参加者が少ないし、生粋の小倉っ子ばかりというわけではなかったので、これは仕方がない。ただ、無法松のイメージばかりで北九州を捉えられても困る男性も多かろうと思うので、岡田さんの静かな太鼓は、遠雷のように舞台を彩っていて、これはこれでよかったと思う。「水墨画」とは言い得て妙。 本物の祇園太鼓を聞こうと思ったら、中村有志さんを呼んでこないとね(笑)。
「笑い講」 > ダリの格好したいんちき笑い教ボランティアのイッセー尾形に言われるままに、大声で笑い声を上げていきます。 > で、イッセーも観客もあっけにとられます。おとなしい顔のまま前に進み出た人物は、腰に手をあててあっはっはとやりだすと、表には普段表れない、見事な大物笑いを続出させるのです。
笑ったうちの一人が私です(笑)。 本番当日にいきなり登場することになり、イッセーさんから「地上の人々を見下すように」と言われて、その指示どおりにやってみたつもり。でも直後に「意外な笑いでした」とイッセーさんに突っ込まれた。 腰に手を当てるのをうまくできなかったのは、練習の時に私が上がってしまって失敗したのを、森田さんが「そのまま使おう」と言って採用されたもの。ちょっとしたネタを森田さんは鋭く見逃さない。 人の恥を無理やり晒させているとも言えるが(苦笑)。
「嫁と姑」 > 大きなぼうやのような息子、袴をはいて堂々とした体躯が目立ちます。おふくろ、新米炊くのうまいなあ。と隣に座った和服女性に言います。嫁は歯をせせりながら、テレビの前にごろ寝。
嫁役のSさんの「しーっ、しーっ」という歯をせせる音が大好きでした(笑)。 Sさんは喋り出せば立て板に水でアドリブのセリフが言える人なのだが、森田さんはここではあえてセリフを殆ど抑えさせた。 息子役のTさんは失礼ながら外見がデクノボーなので(そう見えるってだけで実態ではないので誤解なきよう)、実際にこの家を支えているのは、例え家事なんかしてなさそうであっても、今寝転がってるSさんなのである。 小倉はやはり女が強い(笑)。
「次長の詩集」 > 二人で昼休み。微妙な男女の仲なのか。体を外側に傾けている女の肩に手を回します。そしていうことは、会社の同僚の悪口。二人して、微妙な関係性を保つために会社での噂話を使うことにしたみたいです。どうも、もっとも盛り上がるのは次長の話。そこに本当に間が悪く当人の次長が割り込みます。すっかり態度をかえて次長を持ち上げる男の持ち出すのは、次長のふんどしコレクションの話題。
お調子者の社員を演じたのは、本当はマジメなんだろうけれども決してそうは見えない後のサノ氏。はまり役である。交流会で、森田さんが笑いながら「誰か止めろよ」とダメ出ししたフンドシ話は、もちろんアドリブ。 観客も「いつまで続くんだこれ」とタメイキをついたと思うが、ようやくLisa嬢が切ってくれてホッとした。シロウトを舞台にあげることの是非は観客の判断に委ねられているが、その判断の境界がこのスケッチにあったように思う。 「完成度」という観点に立てばもちろんこのスケッチは失敗だろう。しかしそもそも演劇に「完成」などというものはありえるのか、という疑問もまた湧く。 サノ氏のフンドシ話には誰しもウンザリしたと思う。しかしそのウンザリは石を投げたくなるようなウンザリだったろうか。同じくウンザリしているLisa嬢と観客は見事に同調してはいなかったか。そしてLisa嬢のカウンターパンチを期待してはいなかったか。 それが観客による演劇の「補完」ということなのではないかと思う。 もっとも、私は練習日に見たタイトルどおりの「次長の詩集」のネタの方が好きではあった。Lisa嬢の震える声の「お母さん」の詩の朗読は(やはりこれもアドリブ)、温かいような寒いような微妙な雰囲気を漂わせていたし、そのロマンチックなんだかぶっきらぼうなんだかよく分からない詩を書いたのが仏頂面の草莽の志士詩であるのだから、これは笑えた。 いきなりの変更は、本番前日の森田さんのダメ出しで「詩集は面白くないなあ」と言われた結果だ。急遽サノ氏のアドリブで「次長のフンドシ」になってしまったのだから、森田さんの「止めろよ」も、シロウトにいきなりのレベルアップを要求しといてそれかよ、である(苦笑)。
「自衛隊タクシー」 > 泣く娘をとつとつと慰めるお父さん。得意の四文字熟語を引用するのですが、そのうち、熟語を披露することにうっかり夢中になりかけます。タクシー運転手として、もらいすぎたお金を届けに行ったエピソードを話しだすお父さん。どう関係があるのかわからないけど、娘はありがとう、ありがとうと感謝します。なおも泣き続ける娘に、お父さん「空が泣いたら雨が降る、山がなくときゃ水が出る♪」と歌いだします。
これも好きなスケッチの一つ(と言って嫌いなスケッチはないのだが)。 ともかくKさんのキャラクターは強烈だ。森田さんの「余計なことをしなければ名優に見える」という指摘もよく分かる。シロウトとプロの最大の違いは演技を抑制できるかどうか、間が取れるかどうかなのだろうが、Kさんの場合は抑制しているのか間が取れているのか、そんなことを超越してあるがままでそこにいる。 ここまでくれば、別に名優に見えなくてもKさんはKさんでいてよいと思える。 娘が泣いているのも、果たして本当に心配しているのかどうか分からない。どうもこのムスメ、何かいかがわしいことに関わったか、関わったと誤解されているかのどちらかなのだが、お父さんは娘を慰めるつもりで自分語りしているうちに、当初の目的を忘れてしまっているようなのだ。 娘は「ありがとう」と口にするが、何がありがとうなんだかよく分からない。 このあたりから、「現実の中の不条理劇」という様相がこの発表会に漂い出す。
「おじいちゃんうるさい!!」 > なんとか孫の会話に割って入ろうとして、全部阻止されるじいちゃん。でもじいちゃんはめげません。じいちゃんうるさい、と言い続ける孫娘。じいちゃんいることで、このわがままそうな姉妹がとても仲良しにやってるのです。まったく会話にならないのに、じいちゃんはしきりに姉妹にはなしかけます。3人ともにうれしそうに見えてくるから不思議です。
おじいちゃんのYさん、この方のマイペースは、地も舞台も変わりない。 会場大爆笑のスケッチだったが、実は私はじり子さんが「じいちゃんうるさい」と口にするたびに舞台の袖で涙ぐんでいた。 その口の効きように腹を立てていたからではない。「3人ともにうれしそうに見えてくる」、まさにその通りで、爺ちゃんがいて、孫がいて、その孫がじいちゃんに「うるさい」と平気で言える家庭。それが羨ましかったからである。 「家族」の姿が見失われている現代、このワークショップに私たちが森田雄三&イッセー尾形に罵倒されながらも集まってくるのは、失われた家族の絆を追い求めているからなのかという気がしてくる。
「だんなの悪口」 > 泣く直子。慰めるピンクの服の太った女性。ここでも、慰める女性は自分の過去の話を淡々とします。確かに相当不幸かも。そこへ、ピンク女性の夫が帰ってくる。マッキュンと呼ばれる夫と、直子の間に親しげな空気が流れてきて、だるまのように前を向いたままのピンク女性のまゆがじょじょに上がってくると、その表情の豊かさに、みとれてしまいます。もしかしたら、この二人はキャサリンと呼ばれるピンク女性のこの表情を見たさに、こんなやりとりをはじめたのでしょうか。たぶんそうなんじゃないかな。3人のせりふの間のよさが場面を支えていました。
てめえの女房が出ていると、どうも客観的に語れないのだが(苦笑)。 やたらお誉め頂いて恐縮なのだが、私としてはしげ。を見るたびに「こいつならもっと自然に、かつ面白く出来ろよなあ」と思ってしまうわけで、けれどもそれは、それだけ才能を買っているということになるわけで、ミビイキが入ってるんじゃないかと言われるとそうかもしれないと悩むことになるのである。 実際、しげ。は「うちのダンナ、おならが臭いの」と悪口を言うネタをイッセーさんに「そのキャラに下品なギャグは似合わない」とダメ出しされたそうで、キャラ作りが最初から成功していたわけではないのである。 しげ。は最後まで、「モスラの歌がどうしてそんなに受けたのか分からない」と言っていた。実は私もよく分からない(笑)。このスケッチを冷静に見るには、DVDで再見する以外にないだろうと思っている。
「病棟のうわさ話」 > ここでも、白衣の男性と事務員は女医の悪口でお互いの関係を暖めています。選ばれているのは、強烈にうわさ話しても大丈夫なくらい強烈なキャラクターです。 > もちろん、強烈キャラの女医さん登場です。3人になって、次の人のうわさになりますが、どうも当の女医さんよりは格が下らしく、話がはずみません。なぜか、立ち上がって歌いだす女医さん。お追従というのも、盛り上がるらしく、二人は勢いを盛り返します。
苦言を呈することになるが、これは練習段階の方が圧倒的に面白かったスケッチ。 内容は悪くない。にくまるさんやなつさんのツッコミも練習の時は笑いを誘っていた。それが本番で空回りしたのはなぜか。 ご当人も承知だろうが、あきこさんのキャラクターが弱くなってしまったためだ。特に、「プレイバック」の謳いだし、これが繰り返すたびに弱くなっていったのだ。 人前でいきなり意味もなくモモエちゃんになりきるような強烈なキャラクターだからこそ、悪口が生きる。気弱なキャラクターが見えてしまった時点で、舞台に寂しさが漂ってしまった。 あきこさんもそれを感じていたからこそ、博多ワークショップでは奇跡の起死回生を図ることになる。もちろん、そこには森田さんの徹底的なダメ出しがあった。 だからこそ言えるのだが、一回や二回の失敗なんかどうだっていい。舞台が面白いかつまらないかなんてどうだっていい。そこに立っているのはドシロウトなのだ。たとえどんなに練習を積もうと、逆にプロになってはいけないのだ。 イッセーさんが私に「自信満々でやっても面白くないよ。しろうとが不安でたまらないけれども一生懸命やる。それが面白いんだから」と言った。 あきこさんも博多ではただ一生懸命にやった。だからこそ輝いた。 そのための試金石として、この小倉の舞台はとても意義のあるものだったと思う。
「やくざ団地」 > 着飾った女性二人。第三者の悪口でここでも盛り上がるかとおもいきや、ここでは、二人の関係は作れません。聞いているおとなしい女性は同意することができないのです。悪口に同調しない人がこのテーマでしょうか。当の女性が登場し、自分の悪口の残り香をかぎつけます。衣装がはっきりしていて、真ん中の同調できない女性をはさみ、まっ白のチャイナドレス、と真っ赤なワンピース。間の女性にお互いの悪口を吹き込みます。
これも練習の時の方が面白かったスケッチ。 悪口を言い合う二人を姉妹とする落ちは説明的で、それを付ける必要はなかったのではないかと思う。ただ、それを付けざるをえなかったのは、月子さん、ポアレさんの二人が、あともうちょっとのところでヤクザの女房に見えなかったせいだろう。 練習の時には初めての組み合わせで緊張感が漂っていたのだが、それが本番では薄れた印象だった。
「悪かったのはだれ?」 > ここでは、対立している学校の職員の間にとんちんかんなだめ先生が入ってきます。少しも仲裁しようなんて色は見せずに、♪仕事おさめだ正月ちかい、みんなで仲良くてんぷらそばたべよ♪と第九の節で歌います。家庭の愚痴は楽しげです。足がくさいといわれても、カレーが1週間続いても、校長にだめだしされても、先生は楽しそうです。真剣に対立していた二人はだんだんばかげた気分になってきて・・・。ここでも仲直りは第3者の悪口を交換することです。
自分が出ているとやはり客観的には判断しづらい。 吉村先生に「だめ先生」と見てもらったのはありがたいが、裏設定としては、他地方から転勤していて小倉に馴染めず、ふてくされているというつもりだったのである。だから小倉弁を喋れない。ワークショップではなぜかセンセイ役ばかりを振られているが、知り合いの教師をモデルにしてある。 森田先生からは「あと一日あればね」とダメ出しを頂いたが、実際、やったあとで、最初の二人のやりとりはもうちょっと長めにやってもよかったよな、とか、最後は三人の大合唱でもよかったよな、とか思う。 爪楊枝をくわえるのも思いついたが、それはやりすぎだったろう。
「舞踊教室」 > ダンス教室です。半パンの男性をはさんで、中年の女性二人が先生の悪口を言っています。とりを飾るにふさわしく、ダンスの先生は本当にアクの強い人物のようです。それにしても、ここでの見せ場はダンス生徒の女性が、超高速で悪口やら追従やら繰り出す様子です。先生が登場して、うっとりナルシスチックなせりふを口にするのに、がんがん合いの手入れていきます。うっとりするような掛け合いに、日本の悪口は文化だったんだってわかります。
先生役の方は本当にダンスをされているので、練習時に披露したダンスは素晴らしいものだった。 生徒役の人たちがそれを真似できたらよかったのだが、さすがに数日の練習ではそれは不可能で、本番ではかなり簡略化されてしまったのが惜しい。 悪口を言われるキャラクターはやはりより個性的でなければならないから、ダンスも本格的であったほうがいい。 先生に一番可愛がられている生徒が一番トッポイ感じの男性で、ダンスもへたくそ、というのが笑える。そういった演劇的なし掛けがかなりあるスケッチだったので、シロウトには難しい芝居なのだが、かと言ってこれをプロでやったら面白くなるかと言うとそれも違うだろう、ということが感じられるのである。 特に男性役の朝日新聞さん、これはシロウト以外の誰にもできないキャラクターだったろう。
> 共通に悪口言い合える対象のいる職場は平和です。そして、芝居っていうのは、どんなに秘密でも悪口でもいじわるでも、観客に見せるってことが、結局陰湿なものを公明正大なものへと転化してしまう力を持っています。WSで、普段やらないことを大声でやってみて、参加者がはればれするのも、芝居の力が大きいでしょう。
悪口が決して陰湿なものではない、いや、陰湿な悪口であっても、「聞こえよがし」な悪口は、相手が「強者」であれば、決して「いじめ」には繋がらない。 悪口を単純な正義感で否定し封印するのは、逆に陰湿な感情を発散させないままに人間関係を継続させることになる。それは果たして健全なことだろうか? 悪口ですぐに「傷ついた」とのたまう御仁が世の中にはたんといらっしゃる。被害者意識が強くなりすぎるあまり、「あいつは私を傷つけた」とヒステリックに吹聴する。「何もそこまで言わなくてもよかろう」と周りが思っても、自意識過剰に陥っているので聞く耳を持たない。意識的にか無意識的にか、騒ぎ立てることで、自分を逆に社会的強者の立場に転換しようとしている。 こういう人物がごろごろ現れるようになれば、悪口文化は滅びる。いや、かなり滅びてしまっていると言っていいだろう。このワークショップは、失われつつある文化の再生を図ろうとしている、そしてだからこそ一般人の、プロでないシロウトが参加することに意義を見出している、私にはそのように思えるのである。
> 今回の小倉は三者関係を見事にとりあげたんだなと思いました。ここではおもしろいことに二者の関係はそれほど重要なものとして描かれません。そりゃそうです。二人でいるときは楽しいとか楽とか当たり前すぎます。 むしろ、三人目がいることでできあがる二者の関係を堂々と取り上げたことがおもしろい。いじめって、この3人目を弱い人にすることですよね。でも、小倉ではふてぶてしい3人目がどんどんやってきました。これは、なんというか現代のヒーローなんだと思います。
私もその「3人目」を演じたわけだが、果たして「ヒーロー」に見えたのだろうか。
夜、ワークショップ仲間のHさんと待ち合わせて、しげ。と三人でSGcafeへ。 SGでのイベントには何度も参加しているが、私の主催としては初の試みで、演劇研究会を開くのである。 teruさんとネットでやりとりしているうちに、何となくそんな感じになってしまった。
俎上に乗せるのは、舞台版『笑の大学』(1998再演版)。 三谷幸喜作・山田和也演出、西村雅彦・近藤芳正出演の、映画化もされた傑作喜劇だが、映画版よりも舞台番の方が圧倒的に面白い。 ただ、誰か批評家も言っていたことだが、これを三谷幸喜の喜劇に対する決意表明と見るのはどうか。劇中劇がそこまでの傑作には仕上がっていないことが、その批評の根拠になっていると思う。面白い作品ではあるが、過大評価で神棚に祭りあげるようなまねはしたくないのである。 これはもう、何度も日記には書いてきたことなので、それ以上の感想は省略。
とりあえず集まったみなさんが、舞台の楽しさについて歓談してくださったのが嬉しい。
次回は1月10日(水)『12人の優しい日本人』の予定。
2002年12月06日(金) 頑張れ爆走①/第二回日本オタク大賞/『SとMの世界』1巻(ビーパパス・さいとうちほ)/『井戸の中の悪魔』(篠田真由美・秋月杏子) 2001年12月06日(木) 他人の日記ネタ。Aさんすみません(^_^;)/『ナジカ電撃作戦』MISSION 009/『韃靼タイフーン』2巻(安彦良和)ほか 2000年12月06日(水) 人は年6回風邪を引く/『冒険配達ノート ふまじめな天使』(赤川次郎)
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☆劇団メンバー日記リンク☆
藤原敬之(ふじわら・けいし)
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