無責任賛歌
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2001年12月06日(木) |
他人の日記ネタ。Aさんすみません(^_^;)/『ナジカ電撃作戦』MISSION 009/『韃靼タイフーン』2巻(安彦良和)ほか |
昨日の日記、短く書くと言っておきながら長いじゃね−かとお叱りを頂いたのだが、実はあれでも短くなっているのである。 つーか、読んだ本の感想、書いてないしな。 実際、一番行数を食うのは読書の感想なので、それを省いたら、この日記、多分、中身はほとんどスカスカになる。 ホームページを立ち上げたら、読んだ本の感想は別枠にして……とか考えてたんだけど、そうなるとこの日記を『エンピツ』の「アニメ/漫画」のジャンルに入れておく必然性がなくなってしまうのだよなあ。 いい解決方法がないものだろうか。
今日も今日とて、しげの車で行き帰りのお迎え。 車の中で、しげ、いきなり「ねえ、○○さんの日記、読んだ?」と聞いてくる。 「日記っていつのだよ」 「昨日の」 「……今まで仕事だったのにどうやって読めるんだよ」 「それがね、すごく面白かったんよ!」 ご当人に許可を取っていないので、あえて本名は伏せて仮にAさん(♂)としておこう。 このAさん(♂)、私の知り合いの中でも最強の部類に属する超オタクである。オタクであるが故の運命ででもあろうか、30ウン歳の今日に至るまで、浮いたウワサ一つない。いやあるのかもしれないが、多分、イタイ思い出が多そうなのであえて聞いたことがない。 日頃から「いいんですよボクは。独身のおかげでこんなにオタクライフがエンジョイできるんですから」と言い放ち、海外のB級SF収集をライフワークとし、輸入DVDの山に囲まれて暮らしているのである。 さて、そんなAさん(♂)なのだが、実はなんと、ただいまお見合いの相手Bさん(♀)との甘くアツイ関係が進行中なのである。とは言え、純情を絵に描いたようなAさん(♂)のこと、Bさんとお知り合いになってからのデートはほんの数回、恐らくは、まだ手を握ったことすらない清い清い関係であろうかと推察される。 で、Aさん(♂)の12/5付けの日記に、最新のBさんとのデートの様子が描かれているというのだ。 「て、なんて書いてあったの」 「Bさん(♀)を映画に誘ったんだって」 「何の映画?」 「それがね……うぷぷ」 しげの目がカマボコの断面のようになった。 「じらすなよ。何見たんだよって」 「……『ハリー・ポッター』だって!」
「ぶわはははははは!」
二人して笑いをかみ殺すのに苦労したした。いや、結局笑ったけど。 ただし、この笑いには多少、補足説明が要る。 以前、かなりこのお見合いの進行に本気らしいAさん(♂)を囲んで、「恋愛指南術」みたいなことを話したことがあるのだ。 「映画はね、デートに誘う方法としてはよくないんだよ。映画にばかり見入っちゃって、相手をほったらかしちゃうから。だから映画に行く時には、よほど慎重にタイトルを選ばないと」 ある人がそう仰るのをAさん(♂)、大きく頷きながら聞いていたが、『ハリー・ポッター』がその成果か。 しかもAさん(♂)、そのBさん(♀)が「『ハリー・ポッター』、人が多くて見られなかったらどうしよう」と心配しているので、わざわざ指定席のチケットを買ってあげたというのだ。 「けなげでしょ?」 「けなげだねえ。教えを守ってるねえ。フラグを立てているんだねえ」 「で、映画が始まるまで、ハードロックカフェでお話ししてたんだって!」 これはもう、我々夫婦に笑ってくれと言っているようにしか思えない。 実は、ウチの劇団に、女の子にもててもてて仕方がないが、必ず振られる因果なヤツがいる。で、今回のAさん(♂)の行動、「ファンタジー系の映画」といい、「ハードロックカフェ」といい、そいつの行動パターンとバッチリ一致しちゃってるのだ。 大丈夫かなあ、Aさん(♂)。 もちろん私は、Aさん(♂)の幸せを切に望むものではあるが、禍福はあざなえる縄のごとし、好事魔多し、渡る世間は鬼ばかり、世の中どこにどんな落し穴があるか解らない。 日記を読むかぎり、そのAさん(♂)の嬉しさというか、幸せそうな笑顔というかニヤケタ表情っつーかが浮かんで見えて、もう、我々夫婦は顔を見合わせるしかないのだが、そこにAさん(♂)の油断が生じないとも限らない。 ここはぜひ慎重な態度を崩さず、慌てないで、しかし進めるところは進めて、確実にフラグを立てて行ってもらいたいのである。 だってこんな面白そうなネタ、我々もずっと楽しんでいたいもの(^^)。
で、帰宅してAさん(♂)の日記を読んでみたら、『ハリー・ポッター』見に行ったことについて、こんなコメントが書かれていた。 「あー、今笑った人、前に出てきなさい、怒らないから、ただ、耳を片一方殺ぎ落とすだけだから、正直に言いなさい」
「ぶひゃははははひ、うひうひゃははははは」 ああ、Aさん(♂)「本気」だ。 人生って、なんてステキなんだろう(^^)。
このように私は妻との日々の会話をセキララに書き綴っているのであるが、意外にしげのウケがいい。 こんな万年健忘症の生活無能力者のどこがいいのかわからんが、「かわいいですねえ、奥さん」何ぞと言われたりするのである。 何か書きかた間違ったかなあ。 しげと面とむかって話ししてると、本気でイライラしてきて、ベランダから逆さ吊りしてやりたくなることもしばしばなのだが、まだ筆が甘いのかなあ。 もちろん、日記に書くにあたって、しげの言動をそのまま逐一、移し書きしているわけではない。冗長なところは省略しているし、逆に主語や目的語がはっきりしていない部分を補ったりもしているのである。実物のしげに比べると、1.8倍増しでリコウになっていると言ってもいい。 しげ本人は、この日記を読んで、「なんか、独身男が、自分には妻がいるって思いこんで書いてる感じだね」とか言ってやがるが、じゃあ、「しげの日記」を書いているのも私ってことになるのか。 どんなに知性を捨ててもあそこまで前頭葉が欠落してるような文章、書こうったって書けるもんじゃないぞ。
その通り。 信じられないかもしれないが、あのへんないきもののしげは、実在するのである。
焼肉の2割引券を手に入れたので、また「一番カルビ」で食事。 私もしげも、ロースは食うがカルビは脂っこくって、あまり食わなくなっているので、セットを頼むより単品で頼んだほうが安上がりだと気付く。 いつものロース、ホルモン、ハラミのほかに、今日は牡蠣の味噌漬けを頼んでみるが、食わず嫌いのしげは、やっぱり味見しようともしない。充分焼いてもまだ汁が中に残っていて香りがよく、ちょっと食べてみる価値はあると思うんだがなあ。 精算時に、店員の女の子から、「二度目ですね」と言われて、割引チケットをたくさん貰う。たった二度にして、なんか顔を覚えられてしまったらしい。 「そりゃ、あんたみたいな浮浪者顔、目立つもん」 と、しげは言い腐ったが、自分が目立ってるって発想はないのか。 一見して年齢不詳、性別すらやや怪しい、首が据わってなくてもしかしたらちょっとアブナい人かもって印象のやつなんて目立ってしょうがなかろう。
帰宅してオタクアミーゴスのパティオを開くと、唐沢俊一さんの書き込みがある。 先日のオタアミの打ち上げの2次会で、唐沢さんの発言をいくつか私が日記にUPしたのをたしなめられたものであった。 うわあ、し、しまった、アレはまずかったのか。 確かにそうかもなあ、アレを書かれたってことは、アレがアレする可能性もあるわけだから唐沢さんはお困りになるかもなあ。でもかえってアレしてくるナニも現れる可能性があるわけだから不利益にはなるまいと考えたんだけど即断だったのかなあ。 早速削除しようかとも思ったのだが、ちょっと困ってしまったのは、十中八苦、それは私のことだろうと思えるのだが、名指しはされてないので(それはもちろん唐沢さんの気遣いであるのだろうけれど)、かえって身動きが取れなくなったことである。謝罪しようにも謝罪できない(^_^;)。
オタアミのことに限らないけれども、自分の見聞きしたことで、「これは書けるな、これは書けないな」と判断して取捨選択している基準、一応、自分の中に設けてはいるのだ。 要するにそれを書くことで、「その人が不利な立場になるかどうか」ということなのである。
先日の宴会でも、ぴんでんさんから「アレは書かないのですか?」と聞かれたあるコトがあったのだが、「いや、アレはさすがに」とあえて書かなかった。 アレは確かに面白いネタなのだが、アレをアレのままで書いてしまうと、ナニがナニだというように誤解されてしまう危険性が大きいのだある。 もちろんナニはナニではありませんよと説明することは可能なのだが、それがまた更なる誤解を生じさせる危険もあるのだ。 私はコトナカレ主義は大嫌いだし、アレを書くことはアレに対する理解を深めるきっかけになると思うので、別に書いて不都合は生じまいとも思うのだが、少なくともそれを書いたあと、それに対処する立場に私があるのならばともかく、現実にそうではない以上、私が書くべきことではないという結論を出さざるをえない。 だからアレは書くまいと決めたのである。 さっきから、何のことだかよく分らないだろうけれど、そういうことなんだってば。
うーん、こういうときはハッキリと「アレは困ります」と名指しで仰ってくださったほうが助かるのになあ。そのことで私がAIQの中での立場が悪くなるなんてことはないのである。モトから私はこういうヤツだし。 唐沢さんの懸念がどこにあるのかについても、先ほどアレだのナニだのと書いた通り、だいたいの見当はつくので、件の記事の一部は削除するのが当然だろうとは思う。 これは、以前、職場から難癖つけられたときとはケースが違うので、裏日記を作って記事を保存しておくこともしないつもりだ。 ただ、ビミョーなたしなめられ方をされた以上は、こちらもビミョーな対応をしなければならんのかなあ、とか余計なことを思って悩んじゃったのである。 ……ああ、腹芸ってムズカシイよん(+_+)。 結局、散々悩んだ末に、結局、素直に当該の記事は削除することにした。 頑固に「削除する」「削除しない」どちらにも拘っているわけではないということはここに明記しておかねばなるまい。 ……こんなこと書いてて、アレが私のことを指してるんじゃなかったら、私も相当トンマだな(^_^;)。 いや、そんなことないよな、アレは私だ。すみませんすみませんすみません(ToT)。
ついでですから、みなさん、これまでの記事で、「これはダメだよ」ってのがあったら、どうぞ遠慮なくメールででも掲示板ででも、お知らせ下さい。ただの難癖などではなく、明確に根拠があると思われるものについては、誠実に対応させていただきます。
CSキッズステーション『ナジカ電撃作戦』MISSION 009「勇壮なる砂漠の獅子は女神と共に」。 またまた新タイプのヒューマリット、エリスが登場。 ギルダ王国の反政府組織の首謀者アテナに仕えるエリスは、アテナの忠実なるコピーだと言える。 そのアテナが理想を捨て、政府軍への投降を決めた時、エリスはアテナをアテナとして認めずに殺害する。 うーん、所詮、ヒューマリットはヒューマリットで作りもの、と言いたいのかな、この話は。でも、実はナマの人間だって、こんなことやっちゃうヤツは多いんだよね。 「君がそんなやつだとは思わなかった」 そんなこと言うヤツ多いでしょ? 人間がいつだって一つの色に染まってると思いこんでるやつ、あるいは他人もそうだと決めつけたがるやつ。 自己同一性がないのが人間の正体なんだけど、そう言いきっちゃうと自分のことも他人のことも見えなくなる。その恐怖から逃れるために、人は「人間とは」「私とは」と自問自答する。でも、そんなことしたって、結局自分自身の曖昧さは事実としてあるわけだから、不安から逃れることなんてできやしないことなのだ。 意外とハードな終わり方するのかな、『ナジカ』も。 でもこれで「ナジカも実はヒューマリットでした」って結末になっちゃったら、まんま『ブレードランナー』なんで、それは避けてほしいんだけれども。 いや、展開が似てきたので気になっちゃったのよ。
マンガ、安彦良和『韃靼タイフーン』2巻(メディアファクトリー・540円)。 1、2巻で描かれた「函館事件」の5年後、今度は前巻ではヒロインには違いはないが、ワキの印象があったデコ=近藤日出子を主役に据えて、激化するロシア内戦を描く。 まあ、あれだけの「クーデター」を「函館“事件”」と表現しちゃうあたり、安彦さんの歴史認識の冷徹さが見て取れる。 実際、十年前の中国の「天安門“大虐殺”」だって、日本も中国も「事件」ですませちゃったって現実があるもんな。もし、本当に日本国内であんなことが起こったとしても、それを素直に「革命」とか「クーデター」とか、日本の政府及びマスコミは報道しないような気がする。結局はただの小さな「事件」。日中戦争を「日華事変」と言い張ってたのと同じ発想だ。現在だって、何かにつけ、コトナカレなんだよなあ。 安彦さん、それを念頭に置いて1、2巻を書いたんじゃなかろうか。60年、70年のシッポを引きずってる安彦さん、多分、平和ボケの日本に相当怒っているのだ。政治色が強くなって、エンタテインメント性が薄くなってしまいそうな気配があるのはちょっと気になるのだけれど、あくまで物語を主人公が引っ張って行く展開にしていってくれたら、つまんなくなることはないと思うんである。
マンガ、佐藤竜雄原作・滝沢ひろゆき漫画『学園戦記ムリョウ』5巻(NHK出版・500円)。 アニメの方、ずいぶん見逃してるので、ほとんどマンガ版でカバー。刊行ペースが早いので、カットされてるエピソードは意外に少ないんじゃないかな。 物語はいよいよ佳境と言うことで、反銀河連邦が「宇宙連盟」という、これまたただの反乱軍ではないような設定らしいことが見えてくる。 敵をただの敵として描かないその姿勢、『ナデシコ』でもそうだったけれど、実はごく初期からの日本のアニメの王道なのだ。『ナデシコ』のあとだとどうしてもコツブに見えちゃうのがネックだけれど、うまくオチをつけられたら、『ムリョウ』もそこそこいい出来になるんじゃないかなあ。 劇中劇をやたら挿入したがるのも佐藤作品の特徴だけど、モモエ様主演の『こゆるぎ野郎』の全編、見てみたいぞ。『ゲキガンガー』みたいに1話使ってやってくれんかな。NHKじゃムリかもしれんが(^^)。
2000年12月06日(水) 人は年6回風邪を引く/『冒険配達ノート ふまじめな天使』(赤川次郎)
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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