無責任賛歌
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2002年12月31日(火) |
あまりノロケてるって受け取らないようにね(^_^;)/『エクセル・サーガ』10巻(六道神士)/『永井豪作品全書』ほか |
11年目の結婚記念日である。 てことは、ギリギリ20代で私は結婚してたのだな。 でも11年経っても人間的成長なんて1年分くらいしかないような気がするなあ。しげと結婚して唯一悟ったことは、「バカには勝てん」かも知れない。
こうしょっちゅう夫婦喧嘩ばかりしていると、仲がいいんだか悪いんだか、読者の方の中には判断がつかないと仰る方もおられるようだが、それは人生の機微を知らぬ者の言いぐさである(←エラソウ)。 人間、くっつくも別れるも全て「縁」なんで、仲がいいか悪いかとか、愛情があるかないかとかは、たいした要素じゃないんである。 我々自身、「リコンの危機やね」が口癖になっていながら(言ってるのは一方的にしげなんだけれど)未だにくっついてるのは確かにフシギではある。しかしその理由を説明しろったってやっぱり「縁でしょうねえ」としか言いようがないのだ。 「続いてる秘訣はなんですか?」とか「羨ましいですね」とか言われることも多いが、まだ11年しか経っちゃいないんだけどねえ。実際、年がら年中、マンガだのアニメだの特撮だのと騒いでDVD買いこんでるアホと、家事一つできない生活無能力者の夫婦のどこが羨ましいんだか。どうも皮肉や揶揄ではなく、本気でこういうこと言ってるらしいんで、困惑してるのは我々の方なんである。 それとも、我々の存在が羨ましくなるくらいに世の中には不幸な人間が増えてるのかなあ。冷静に考えてみたら、我々なんて「ああはなりたくない」サンプルだろうに。 もちろん、ある意味では我々夫婦も「円満」であると言えなくもない。今んとこ私も浮気はしてないしする気も全くない。しげからは「○○○に行ってカネ使うくらいなら、一人で○○○○するやろ、アンタは」と言われてるが、そういうもんでもない(それにしても自分の相方に向かって、なんて言いようだ(^_^;))。ただ、「このままずっと一緒だろうなあ」とは思っているから、それこそ本当に家庭崩壊しているような家から見たら、羨ましがられるのかもしれないが、そんな低いところで羨ましがられても、と思うんである。黒澤明の『天国と地獄』じゃないが、どうせ憧れるんだったらもっと高いところに目をやらないか。「ヨッちゃんのケーキのほうが1センチ大きいもん」なんてレベルで嫉妬するのって、みっともないだけだと思うが。 我々とて、未だに子供がいないので、じゃあコドモのいる家庭が羨ましいかと言うと、いいなあとは思うが嫉妬するほどではないのだ。人は人、ヨソはヨソなんである。 やっぱり最近、やたらと「子供は作らないんですか?」と私もしげも言われちゃいるんだが、これとて縁だ。コウノトリさんが扉を叩いてくれないのでしょうがない(^o^)。
この「コウノトリさんがコドモを運んで来てくれない」ネタ、最近いろんな人に受けている。「どうしてコドモがいないんですか? 作らない主義なんですか?」などと聞かれたときに、こう答えると、次にその人に会ったときは「コウノトリさんは来ましたか?」と聞かれるようになったのだ。 しかし驚いたのは、今やこの「コウノトリが子供を運んでくる」というフォークロア、もう知らない人いるんだね。「キャベツから生まれる」ってのはもっと知られてない。『ホーホケキョ となりの山田くん』のオープニング、若い人には不条理アニメに見られちゃうんじゃないか。
しげへの結婚ブレゼント、昨日博多駅を回ったときに慌てて買ったのだが、一つだけだとイヤだと言われそうだったので、各種いろいろ取り揃え。 12時を回るなり、しげに渡すと、嬉々として品定めを始める。 でもあまり「結婚の」という雰囲気のモノがない。しげの顔がみるみる暗くなる。やば(・・;)。全く、これも私の悪い癖なんだが、いかにもプレゼントブレゼントしたものを贈るのは誰に対しても照れくさくなってしまい、つい悪ノリしたものばかり買っちゃったのだ。 「指紋採取セット」や「環境度チェックセット」はウケるかと思ったんだが、「実験してどうするん」と言われた(^_^;)。いや、21世紀だし科学の子になってほしいし。 「茶運びカラクリ人形」は「夜になったら動き出すからヤだ」と拒否。動きださねーし髪も伸びねーよ。いや、怖がるかもと思いつつ、つい面白いんで買っちゃった私も悪いんだが。 「電動耳掃除機」は、一瞬喜ばれたが、試してみるとズル耳のしげの耳には合わなかった。あれ、吸引式だから粘着タイプの耳垢には効果がないのである。 結局、コートと安い化粧セットと、ごく無難なものだけがまあ、しげのお気に召したよう。シール式のネイルアートを私の爪にも貼って喜んでたが、やっぱりブレゼントはシンプル・イズ・ベストと言うことか。つーか「ヘタなテッポも数あちゃ当たる」という感じだったけどね。
せっかくの結婚記念日なのだが、こんな年末、近所で開いてる店なんてどこにもない。一番豪勢に食事するとすればロイヤルホストである。 帰宅したら2時を回っていたので、朝までひと寝入り。
ゆっくり寝るつもりだったが、意外と早く目覚める。しげは当然まだイビキをグガスカかいている。けっこう仮面のポーズでいぎたなく寝ているしげを見ていると、窓を開けてご近所に見せてやろうかという気にもなるが、あいにく寝室の窓はテレビと本棚で潰れているのである。しかし、こいつにだけは「トシヨリは早起き」になる時期が来るとは思えないな。 テレビを点けると、「テレビタックル」の再放送をやっていて、これが超常現象特集。ロシアかどこかの超能力者とかいうのが出演してたが、「空中浮遊ができる」と言っていながら、ロシア本国でも日本でも全くできない。日本旅行のダシに使われただけじゃん、テレビ局。「飛べなかったら旅費は向こう持ち」くらいの契約書結んどきゃよかったのに。でもそうしたらきっと来日しなかったんだろうな。 ビートたけしや大竹まことは失笑してたが、本気で超常現象を研究するつもりなら、こういうインチキネタばかり出してくるのは逆効果だと思うが。
しげが起きてきたのは、結局2時。まあ夕方にならなくてよかった。 父の店に連絡を入れたら「今忙しいからあと1時間して来い」とのこと。 それじゃあ、と風呂に入ったら、途端にまた電話が鳴って「ヒマになったからすぐ来い」。どっちなんだ。 店に着いて中に入るなりビックリ。壁にかけてあるカレンダー、巨乳アイドルのMEGUMIである。 「なん、これ?」 当惑して思わず出た私の声に、父が即答する。 「MEGUMIたい。巨乳」 いや、それはわかる。私が聞きたいのは「なんでそんなものが壁にかかっているか」だ。 「よかろうが。これ掛けとくとお客さんが喜ぶとたい」 姉まで「ホント、喜ぶとよ」とやや処置なし顔で言う。でも一番喜んでるのは、どう考えても父だ。 そう言えば去年はここに小向美奈子が掛かってたっけなあ、と思い出す。どっちかというと父の好みは八千草薫みたいな清純派だったはずだが。いつから巨乳セクシー系に蔵がえしたんだ。トシ取ってかえっておっぱいが恋しくなったか。 まあ、突っ込んだって仕方がないので、黙って伸びきった散髪をしてもらう。 「なんではよう来んやったとや」と言われるくらいに伸びていたので、思いきりバッサリと切ってもらう。実際、そうしてもらわないと、髪が薄くなってるのがバレバレなのだ(^_^;)。 父も今朝の「タックル」を見ていて、「日本におるけん飛べんとか言うとったばってん、ロシアでも飛べんやったやないか」と文句をつけている。ああいう番組でホントに人が飛んだためしってないんだけどな。 途中、常連のお客さんが見えたので、いったん散髪を中止。 「息子さんば先にせんでよかとね?」と仰ってくださるが、父、「よかとよかと。アンタとの付き合いのほうが長いっちゃけん」とお客さんを優先。もちろん私に文句はない。今や大晦日にいらっしゃるお客さんというのは40年以上のお付き合いのある人だけになっているのだ。大事にするのは当然。 しげは自分で時々勝手に髪を切っているので、あちこちザンバラである。それを整えて見られるようにしてもらったら、ほとんど刈上げ状態になった。なんだかおぼっちゃまである。 散髪が終わって、「ソバいらんか?」と聞かれたが、「ソバだけは用意してるから」と断る。ホントはもらっときゃよかったんだろうが、用意してくれてるときとそうでないときがあるからあまり当てにしてないのである。
テレビ『もういくつ寝ると25周年!? ドラえもんスペシャル』。 原作第1話『未来の国からはるばると』初アニメ化ってのが触れこみだけれど、まあそんなに大上段に構えるほどの始まり方はしてないのである。原作版は、ドラえもんもオバQもそうだが、初期はどちらも実に「もっさり」していて、このもっさり感が実は藤本さんの「味」なのだが、当然、今のキャラデザインに合わせたドラえもんにそういう印象はない。スタッフに「原典回帰」の意図はあったのだろうが、原作自体が変質していった中では、それは詮無い試みであると思う。良くも悪くも第1話とて「今の」ドラえもんにならざるを得ない。だって、本気で「原典に」とおもうなら、声優を一新するくらいの気持ちで始めないといけないのではないか? 少なくとも私は今の『ドラえもん』が始まったときに「大山のぶ代ってドラえもんのイメージじゃないなあ」と感じた違和感は忘れてないぞ。少年同士の友情なんだよ、のび太とドラえもんは。大山さんのオバサン声でそれを表現するのはムリだ。石田国松のころの大山さんならまだ合うんだが。もちろん今の若い視聴者にそういう違和感を感じてくれって言ったって、イメージを刷り込まれてる今じゃ、到底ムリな話だろうが。
ずっと隠してた(ことになってた)主題歌の歌い手、東京プリンと発表。 アニメとの合成で頭にプリンのかぶりものかぶって踊ってたけど、これでまたファンの怒り買わないかなあ。けどこの「ドラえもんじゃない!」と批判の多いリニューアルソングも、しばらく経てばみんな馴れるのである。私ゃ前の子供に媚びてたのに比べりゃ、よっぽどマシになったと思うけどな。
『ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?』。 なんだか今朝と同じような番組やってるのである。 タイトルからすると「月面着陸はヤラセだった!?」ってトンデモな結末を導き出すのかと思ったらそうではなかった。まあ、あれを否定したら番組への非難轟々だろうし。 でもどの「ヤラセ」についても結論を出す寸前の寸止め状態で引くってのは、やっぱりビリーバーの人たちのヒステリックな反発が怖いのかね。サイババなんてどう見てもインチキしてるようにしか見えないんだが。
DVDレコーダー、長いこと買ったままで接続してなかったんだが、『紅白』を録るためにようやく接続。ところが端子が足りず、BS放送が映らない。仕方なくCSから録画。 見返してみると、倍速だと相当に画面が粗い。ビデオテープに比べると、ディスクでコンパクト、ということ以外にはあまりメリットがないな。
マンガ、六道神士『エクセル・サーガ』10巻(少年画報社/YKコミックス・520円)。 次のアニメ化があるならまだ続けていいけど、そろそろネタとしては引きどきじゃないかなあ。いい加減でイルパラッツォと蒲腐博士の因縁とエクセルの絡み、書いてほしいんだけど。 しかし、毎回福岡限定、ヤバいネタやってくれてるよなあ(^_^;)。岩田は改造されたあと、「三越」って名前になってたのか。でも実際に吸収合併したのは「伊勢丹」だぞ。そっちの名前のほうがロボットっぽくないかな。 第1話「弱かったり儚かったり」に出てくるデパート「表屋」っての、「寿屋」だよ。店長の「人が居ないんです荒れてるんです等閑になってるんです!!」って、関係者が見たら激怒しないか。実際、支店がどんどん消えてったものなあ。私ゃ、どこより安くて一番利用してたデパートだったってのに。テーマソングも歌えるぞ♪(それがどうした) 「濃度99.9%」に初登場の住吉の妹、「かなる」ちゃん、これはもう明らかに「キャナルシティ」である。確かにあそこの住所、住吉だったな。オサゲで眼鏡っ娘で中一の13歳の「妹」である。ここまで「狙った」キャラというのも珍しいな(^o^)。ということは、この女の子の中にも間歇泉みたいな噴水とか、シコシコしてたり油っぽかったり肉厚だったりするものを味わわせてくれるスタジアムとかがあるのだろうか。……すみません、ついどうしょうもないシモネタやっちゃいました。m(__;)m 「黄金の心」の「海鷲スタジアム」はもちろんダイエーホークスフランチャイズの「福岡ドーム」。これは福岡人以外にも『ガメラ 大怪獣空中決戦』でお馴染み。ダイエー選手のサイン入り色紙とかは常時買えます。 「神でも痛い」のさつま焼酎「林伊蔵」は元ネタわかんないなあ。酒には疎いもんで。
けれど今巻の白眉は何と言ってもラストの番外編、『夏の番組』だ。 市立アクロス学園2年A組、ごくフツーの女子こーせー、小林琴乃は、そのパワーを校長と生徒会長に見初められて、「アメリカから来たナゾの外人・エクセル」の名前を与えられ、対外試合の助っ人として抜擢されたのであった。 ……って、まんま『アグネス仮面』じゃん(^_^;)。蒲腐の顔、しっかりマーベラス虎嶋になってるよ。そのあとの展開も、エルガーラとタッグ組まされるとこまでおんなじ。ここまでテッテ的にやられると、ヒラマツ・ミノルさんも面白がってるんじゃないかな。 ほかにもやたら細かいパロがあったんで、分るだけ解説しようと思ったら、既にネットに全て書かれていたのであった。さすがマニアはいるよなあ。 「あれは… デンプシーロール!?」→ 森川ジョージ『はじめの一歩』 「ああ 光が見える」 → 小山ゆう『スプリンター』 「先生ー バスケが……」 → 井上雄彦『スラムダンク』 「光速!! 右ペン速攻」 → 松本大洋『ピンポン』 「我が部は今日からカーリング部になったのだよ」「ナンテツイテナインダ」→ 吉田聡『ちょっとヨロシク!』 「チョキ? いやっグーだっ」 → 福本伸行『賭博黙示録カイジ』 「まてーっその技を2度使ったら……! おまえは死んでしまうんだぞーッ」→ すがやみつる『ゲームセンターあらし』 「そのシルエットは! 生きていたのかエクセルーっ」→ 宮下あきら『魁!! 男塾』 「人が鳥に――!?」「うう…聞いたことがある あれはまさに――」→ 島本和彦『男の一枚 レッドカード』 「カバディ」「カバディ」「カバディ」→ うすた京介『セクシーコマンド−外伝 すごいよ!! マサルさん』 「エクセルうううー オレは人間をやめるぞォォォーッ」「誰!?」→ 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』 「右上スミ小目!」 → ほったゆみ原作・小畑健作画『ヒカルの碁』 全体的にジャンプ系が多いね。私も全部はわからん。『スラムダンク』、読んでないし。『ちょっとヨロシク!』懐かしいなあ。死んだ母が「この世で一番つまらないマンガ」と貶してたっけ。そこまで貶すほどの何が母にあったのだろう(^_^;)。 いやまあ、それはそれとして、結局何とかエクセル・エルガーラにせ姉妹は四王寺学園の六本松(ロボット)姉妹に辛勝するのである。どうやら次巻も続編が載るらしいのだが、滅法面白いんだから、どうせならこれだけスピンオフさせて、連載しちゃったらどうか。
『永井豪作品全書』(新紀元社・3675円)。 表紙が『まろ』の卵の君のぬーど。なんてマイナーな(^_^;)。 短編長編取り混ぜて、全ての作品を各2ページずつ解説して網羅。網羅はいいんだけれど、1ページのコママンガも『バイオレンス・ジャック』も同じ2ページ扱いってのには疑問が残る。 それだけ一つ一つの短編にページを裂いていながら、永井豪自身が筆を取っていなくて、アシストに描かせている作品(『ハマグリどっせ〜!』ほか)まで全て何の注釈もなく載せているのは資料としても不備である。 反面、単行本未収録の『快傑痴仮ン面!』ほかの短編を完全収録してくれているなど、嬉しい面もあるのだが。 ああ、けれど本当に永井豪が破天荒でバカバカしくてムチャクチャ面白かったのは、『イヤハヤ南友』くらいまでだったんだよなあ。ギャグもエロスもバイオレンスもSFも、それ以降の作品はことごとくパンチに欠けている。 今の説明的でゴテゴテしてるばかりでキャラの線が少しも生きてない作品を見てたら、永井豪がかつてどれほど一時代を築いていたか、納得しきれない若い人も多いだろうなあ……。
2001年12月31日(月) 40歳のロンゲ……髪薄いってのに/『読者は踊る』(斎藤美奈子)ほか 2000年12月31日(日) 20世紀の終わりの夜に……/『算盤が恋を語る話』(江戸川乱歩)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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