< 過去は無意味と言い切れますか >
其の流れは、 飽く迄、 一途に在り続ける物で。
変える事も、 逆らう事も、 遡る事も。
決して、 無いのだけれど。
なぞり、 振り返り、 想い起こし、 反芻し。
眼前に呼ぶ事だけは。
僅かに、 許されて居るのかも知れない。
其れ故に。
益には為らぬ様な、 其の想いが。
時折、 顔を出すのだろうか。
珍しく。
「旅行に行った。」 「夢で。」 「温泉行きたいな。」
あの子は、 想いを幻に投影し。
初めて。
「昔の住まいで。」 「一緒に暮らして居る夢を見たよ。」
「其の頃知り合ったからね。」 「小坊主ちゃんの家なんて。」 「場所すら知らないけれど。」
自身の脳裏に。
過去と、 今と、 混雑した想いが、 浮かぶ。
流れは、 戻る事など無いのだから。
「あの時からずっと大好きだよ。」
「ありがとう。」
今更、 想いを伝えた処で。
何の益も無いのだろうか。
あの子は。
「ずっと言えなくてごめんね。」 「愛してるよ。」 「今日は穏やかな日が過ごせました。」
其の過去が繋ぐ、 今日を。
そっと、 伝えてくれた。
---------- References Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」 Aug.15 2002, 「安堵しても良いのですか」 Jun.02 2011, 「過去の真が垣間見えますか」 Apr.20 2013, 「初めて繋がった日に為るのでしょうか」
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2016年11月30日(水)
---------- History
2005年11月30日(水) 通じて了う言葉でしょうか 2004年11月30日(火) 欲しい答えが違ったのでしょうか 2001年11月30日(金) 試されているんですか
< 使い切る程使ったでしょうか >
人の歩みに、 或る一定の嵩が在って。
其の質量が、 等量だと言うならば。
高密度な歩みは。
其の分だけの長さを、 失うのだけれど。
少なくとも。
質と、 量と、 其の積が。
常に、 一定で在ろう筈も無い。
ならば。
唯。
命数が少なかったと、 言うのだろうか。
きっと。
きっと、 幾つもの想いを飲み込んで。
「どうして私なんだろうね。」
其れでも溢れ出る、 あの子の想いに。
大した応えを、 贈れぬ儘。
「嘘。」 「小坊主ちゃんで無くて良かったや。」 「小坊主ちゃんはまだまだやんなきゃいけないことがあるんだよ。」 「だから私が選ばれたのだ。」
あの子は紡ぐ。
確かに。
あの子の歩みは、 極めて濃厚だけれど。
「使い切っちゃった。」
そんな風に、 呟かされる程。
何かを得て来た訳では、 無いのに。
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2016年11月17日(木)
---------- History
2007年11月17日(土) 嫌いより無い方が増しでしょうか 2006年11月17日(金) 久々の地下街を愉しめるでしょうか 2005年11月17日(木) 日々蓄積して居るのでしょうか 2001年11月17日(土) 愛してるだけじゃ足りないですか
< 呼べば帰って来られませんか >
突然に、 途絶えたとしても。
決して、 不可思議な事では無い故に。
寧ろ、 確率論に因れば。
途絶える事の方が、 多い故に。
常に。
常に。
覚悟は、 抱いて居るのだけれど。
其れでも。
強い願いが。
時に、 不可思議な想いを呼ぶ事も、 在るから。
常に。
常に。
待って居ると、 伝え続けるのだ。
数週振りに。
「聞こえてたよ。」
あの子の言の葉が、 画面に映り。
一つ、 息を吐く。
「私さ。」 「もう自信が無い。」 「毎回ありがとうとバイバイを入れなきゃって。」
あの子は。
眠りの前に、 お別れを口にする様に成り。
「おやすみ。」 「また起きられるように願っててね。」
「起きられるよ。」 「待ってる。」
起きろ。
起きろ。
呼び掛けながら、 待つ日々が。
続く。
---------- References Dec.02 2015, 「半信半疑のお帰りでしょうか」 Jul.11 2014, 「想い入れの深いお帰りでしょうか」 Feb.28 2015, 「現世への寄す処でしょうか」 Nov.14 2011, 「断薬代わりの束縛でしょうか」
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2016年11月14日(月)
---------- History
2011年11月14日(月) 断薬代わりの束縛でしょうか 2005年11月14日(月) 擦り付ければ気が済みますか 2004年11月14日(日) 其の挨拶は悪戯なのでしょうか 2003年11月14日(金) 其の形は俺でしたか 2002年11月14日(木) 望む物は何ですか 2001年11月14日(水) 慎重になってはいけませんか
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