自身の、 劣る箇所をひた隠し。
自身の、 秀でた武器を以て、 相手へ、 想いを贈り込むのだけれど。
自身の得手不得手や、 或いは好悪は。
時として、 自身とは異なる情動を、 他者へもたらす。
其れ故に。
内に隠る声。 低く聴き獲り辛い声。 嫌いな声。
落ち着く声。 癒される声。 素敵な声。
矛盾を抱えた、 此の声も。
たまには、 役立つ機会を得られるのかも知れないけれど。
一方で。
声を切り離し、 感覚の一端を奪った時に。
果たして、 何処迄、 想いは伝播可能なのだろうか。
「夜中何か言ってた?」 「喉が震えて居たから。」
「寝言かなぁ。」
嘗ての。
何気無い、 坂の街の人との遣り取りを、 想い返し。
ふと。
奥深き課題が内包されて在る事に、 気付かされる。
本音に近い、 芯に近い、 無意識の声ほど。
宿す意思を伝えるのに、 苦労するのだ。
本来は、 音に在る表情を。 体調を。 想いを。
今日は、 如何にして伝えよう。
---------- References Sep.30 2007, 「嫉妬が在るのは何れでしょうか」
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