< 捨て去る意志こそ想いでしょうか >
過酷な環境に、 其の身を置く故に。
他に向かう意識を、 削りに削って。
自身の総てを、 其処に向けねば為らないから。
例え、 僅かで在っても。
自身の想いが遺る可能性を、 排除出来ぬ要素は。
総て、 捨て去って置きたいのだ。
けれども。
其れは、 向かう自身の周囲から、 総てを奪う事と。
同義だから。
自身の生を、 一つ残らず摘み去る事と。
何ら変わりない。
何も、 生えぬ土地より。
例え、 雑草に埋もれたとしても。
例え、 僅かな彩だとしても。
蒲公英の咲いて居る荒れ地の方が、 糧に為らぬだろうか。
「そういえば。」 「彼女出来た?」
あの子は。
今日も、 其の総てを引き剥がそうと。
無理矢理に呟いた。
---------- References May.24 2016, 「愚図な想いも力でしょうか」 Mar.07 2016, 「待って居るしか無いのでしょうか」
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2016年09月23日(金)
---------- History
2007年09月23日(日) 要求水準に達して居ますか 2005年09月23日(金) 合鍵は育て行く物でしょうか 2003年09月23日(火) 運命は他に在るのでしょうか
< 嘘を吐くから許せるのでしょうか >
言の葉には。
確かに、 限り無い能力が宿る事は、 在るのだけれど。
言の葉は。
飽く迄、 言の葉に過ぎず。
其の範疇を超える事も、 無いのだ。
其れ故に。
一文字、 一文字、 必死になぞり得た筈の、 其の想いは。
時に、 蜃気楼の様に、 遠離り。
時に、 寄生虫の様に、 其の身を蝕んで行く。
其れでも。
顔の視えぬ儘で、 何も聞かされぬ儘で。
無責任な言の葉を、 吐く事が。
解だろうか。
「何故こんなにも許せないか。」 「やっと分かった。」 「私は帰りたかった。」 「嘘でも良かったんだよ。」
あの子が、 想いの一部を封じた理由は。
「無理だよねじゃなくて。」 「一緒に帰ろうねって言って欲しかった。」
覚悟の足りぬ俺が零した、 言の葉だと。
其れは。
言われなくても、 気付いて居るのだけれど。
其れでも。
首を、 縦には振れないんだ。
あの時も。
今でも。
---------- References Apr.28 2016, 「足らぬ覚悟を問われて居るのでしょうか」 Jan.03 2016, 「愛は死に至らしめる事でしょうか」 Oct.25 2014, 「細糸を頼む覚悟が保てますか」 Jul.16 2014, 「覚悟の意味を受け入れられますか」
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2016年09月19日(月)
---------- History
2013年09月19日(木) 見える様に為れるでしょうか 2011年09月19日(月) 何を求めて逢うべきでしょうか 2010年09月19日(日) 其処では吸わない約束じゃありませんか 2004年09月19日(日) 其処迄限界に近かったのですか
< 欠片を繋げば忘れませんか >
見付からぬ欠片が。
ぷつりと、 其の繋がりを断ち。
所々で外れた欠片の。 其の連なりが。
余計に、 不可思議な世界を創るのだろうか。
一つ、 一つ。
紡がれ、 深みを増す筈の、 欠片は。
時折。
迷子の子猫の様に、 か細く惑う。
繋がらぬ欠片を、 見付けては。
「写真見ても分からないのがいくつか。」 「航空券の履歴とか照らし合わせると。」 「写真も合致するんだけれど。」
「うん。」
「行った記憶が無いの。」
「そっか。」
あの子は、 必死に紡ぎ直そうと、 試みた。
ならば。
繋いで居ない欠片を、 新たに結えば。
或いは。
眠り続ける記憶まで、 呼び覚ませて了えるだろうか。
「明太子さんどうしたの?」
西都の、 あの子が選んだ筈の、 欠片に。
「隣のわさおは覚えている?」
陸奥の、 あの子が選んだ欠片を、 結い直す。
少しでも。
想い出す切っ掛けに、 為るように。
---------- References Sep.22 2014, 「最後の最初は後幾つ在りますか」 Apr.29 2013, 「もう一度逢える道中でしょうか」 Sep.24 2014, 「消えて保てる想いでしょうか」
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2016年09月11日(日)
---------- History
2007年09月11日(火) 放たぬ方が増しでしょうか 2006年09月11日(月) 張り子を固めて育つでしょうか 2003年09月11日(木) 他の逃げ口は無いのですか 2001年09月11日(火) 誰でも良いと想っているのか
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