其れを受容する為の、 機能が、 育ち在るのだろうか。
其れとも。
飽く迄、 気の迷いだろうか。
未だに、 半信半疑の儘。
腕の中に。
淡い温感の漂いを、 感知する。
三五夜の月。
煌々と照らされる月に、 歩みを止めると。
其の温もりが、 ふと、 冷気に覆われた。
「急に寒くなったから。」 「どっか飛び出したのかと想って。」
「今日は満月だから。」 「空飛び始めたんじゃない?」
其の光に、 嬉々として飛び回る、 稚児の姿を。
受話器を通して確認し、 想い描く。
「俺にも見える様に為るのかな。」
「棺桶に入る時に。」 「やっと見えるようになるんじゃない?」
「遅いよって。」 「怒られるね。」
「文句は言うよね。」 「私と小坊主の子だもん。」
「ほっぺ膨らまして?」
約束は。
見える様に為るなんて、 約束は。
出来ないけれど。
今は、 月の光をたんとお挙がり。
もう少しだけ。
俺は、 外に居るから。
---------- References Nov.28 2012, 「一月だけの命でしょうか」 Dec.01 2012, 「触れられぬ温もりでしょうか」 Dec.24 2012, 「彩も違う組み合わせでしょうか」 Aug.13 2013, 「足並みを揃えて祝いませんか」
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