自身より、 長きに渡る其の視線に因って、 映された姿と、 生じた言葉は。
信を置くに足る想いで。
或いは。
当事者には観る事の出来ぬ、 其の先を。
的確に、 客観視可能なのだ。
其れ故に。
自身の、 想いや振る舞いは。
きっと、 必要な水準を超えて居るに、 違いない。
けれども。
可能か、 否か。
其の、 可否の問題より。
此れ以上、 其の存在に負荷を加える事に。
躊躇が在るのだ。
姫の友人宅で。
娘を、 寝かし付ける、 俺の背後で。
「二人目は作らないの?」
「嫌よ。」 「体力的に無理。」
食卓を囲みながら放たれた、 友人の問に。
姫は、 そう零した。
本気か。
冗談か。
嬉しさか。
照れ隠しか。
「やっぱり駄目か。」
「じゃぁ余所で作る?」
俺の独り言に応じて。
何時もの悪戯っぽい瞳で放つ、 姫の言葉の。
心意は、 何処に在るのかな。
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