< 運命は他に在るのでしょうか >
一冊の本を差し出し、 読めと言う。
向かい合う様に膝の上に座りながら、 今すぐ読めと言う。
或る男女が、 擦れ違い擦れ違い、 最後にお互いの境界を越える。
そんな絵本。
読み終わった頃に、 彼女は不可解な言葉を口にした。
「だから私もあなたも。」 「まだ運命の人に逢ってないんだよ。」 「他に居るんだよ。」
奴の膝の上で、 奴にしがみ付き、 微妙に腰を動かしながら。
奴と向き合い、 お互いの感じるままに、 微妙に腰を動かしながら。
互いは運命の組み合わせでは無く、 お互いに他の大切な人が、 きっと現れるのだと口にした彼女。
言葉足らずに隠された、 彼女の想い。
時として、 完全に異なる想いを言葉に乗せる、 奴の彼女。
「意味分かるか?」 「別れ話・・・じゃ無いんだろ?」 「うん。」
「俺が運命の人なら良いなって事か?」 「私は本当に運命の人?って不安か?」
「分かんねぇな。」 「分かんねぇな。」
今宵もまた雄が二匹。
無い知恵を搾ったところで、 果たして理解出来るのだろうか。
---------- References Aug.27 2003, 「試す言葉が傷を産まないのでしょうか」
---------- Books "Separate ways"/「君のいる場所」 小学館 |
2003年09月23日(火)
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