冬の長い暗闇を、 煌びやかな夜空に換る、 野外劇が。
希望溢れる聖夜を待ち切れずに、 灯される刻。
丁度、 其の一瞬。
互いが、 通りを一つだけ挟んだ僅かな距離に、 在る事は。
きっと、 稀有だから。
時に、 其の偶然は。
想いを、 過剰に増幅して了うのだけれど。
一方で。
其の、 圧倒的な光量は。
隣や、 其の隣に棲まう、 僅かな闇も。
巧みに、 隠して居るのかも知れない。
数行の、 想いの応酬の後に。
「近いんだから。」 「仕事終わったら来れば良いじゃん。」
「忘年会なんですよね。」
「其の時間には帰っちゃうよ。」
「小坊主さんがいくら優しくても。」 「待っててくれないですよね?」
隧道の向こうは。
自身の都合と、 猶予の想いを放ち。
「待ってても。」 「どうせ彼氏が一緒なんだろ?」
「良くご存じで・・・」
其の、 仮初めな想いの在処を。
俺は、 軽く詰った。
---------- References Nov.23 2009, 「何故傍に居るのですか」
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