愛しい、 其の存在を。
時として、 自身の目の前に固化したいと、 願うから。
狂気の想いが、 眼前に、 出現するのだろうか。
其処で、 其の命を断ったとしても。
其の対象を、 固化出来るなどと言う想いは、 幻想で。
其の対象に、 触れる事すら許されぬ世界に、 自身を、 貶めるだけなのに。
朝、 気が付けば。
「苦しい・・・」 「痛いよ・・・」
眼前の、 寄り添う対象は。
苦しみに喘いで居た。
我に返れば。
「ごめん・・・」
「何で首絞めたのよ・・・。」
両の手で頸部を包み、 強く力を込めた、 其の、 直後だった。
俺は、 少し狂い掛けて居るのだろうか。
首を押さえ、 息を荒げた儘の姫は。
刹那的な、 俺の狂気を。
例え夢で、 犬に襲われようと。
犬の首では無く、 姫の首を、 確実に絞めた俺を。
どう受け止めたの? |