既に一言一句、 頭の中に仕舞って在るけれど。
凝り固まった思考を解し、 新たな風を、 想いの中に取り込める様に。
日を改めて、 再び同じ文を読み込む。
其れでも。
同じ場所で、 此の場所で、 眼が留まれと訴えて来る。
確かに個人には、 複数の顔が在るけれど。
確かに俺には。
幾つもの俺が、 棲んで居るのだけれど。
貴女には。
たった一人の俺しか、 俺として認識されて居ないのだろうか。
「小坊主が起きたら。」 「ちゃんと話そうと思ってたんだよ。」
「でも、昨日怒ってた小坊主が。」 「いつもの小坊主みたい・・・。」
貴女の言う何時もの俺は。
貴女にとって、 一番馴染み深い俺なのかな?
貴女にとって、 唯一安心出来る俺なのかな?
其の姿は。
俺で在って、 俺では無いのだ。
貴女に見せる幾つもの俺が、 全部俺の姿なんだよ。
---------- References Dec.23 2003, 「未来では無く目の前が見えますか」 |