言の葉は、 想いを委ねる術に過ぎないから。
飽く迄。
意図に準じて、 葉は選ばれる筈だけれど。
一葉、 一葉、 軽やかに舞う姿には。
殊の外、 重い歴史が煮詰められて居るのだ。
其れ故に。
其の葉をふわりと受け、 再び、 吹き帰す為に。
人は、 研鑽して来たのかも知れない。
ふと。
再放送の画面に、 時を映し。
「そばにおいてね。」 「邪魔しないから。」
坂の街の人が、 自身を仔猫に投影して寄越した文の、 其の深意に。
今更、 辿り着く。
本当は。
仔猫の振りをした、 小犬だったのか。
「あなたと逢った その日から」 「恋の奴隷に なりました」
無知は。
何時でも補える事だと、 今も、 そう思うけれど。
無知は。
想いの機微を、 いとも簡単に摘んで終うね。
---------- Background 奥村チヨ " 恋の奴隷 "
---------- References Dec.16 2008, 「見えない色は誰のせいですか」
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