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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年12月28日(土) --

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★新年4日から始めます。

いつもご訪問ありがとうございます。

ごらんのように、 年末年始のお休みに境界もなく突入してます(笑)が、 どうぞ来年も気長にお付き合いください。

新しい年が、皆さまにとって 明るい兆しにあふれたものとなりますように。 そして本が、変わらぬ友でありますように。

(お天気猫や)

2000年12月28日(木) 『現代〈死語〉ノート』

お天気猫や

-- 2002年12月25日(水) --

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『美人粥』

おかゆの本です。

一冊ぜんぶ、基本のお粥から始まって、異国風お粥、 お粥に合うおかずまで、たっぷりと味わえる本。 しかも、美人と付くと、得した気分。

いわゆる白粥はどうやって作ればいいのか、 じつは知りませんでした。 本格的には、お米を水で炊くところからやるのだ、くらいは 知っていても、きちんと作ったことがありません。 うちの母のお粥にしてからが、いわゆる「おじや」で、 炊いたご飯をそのまま水に入れて炊く方式だし、 それでも日常的には困らないのを見ているから始末が悪いのです。

先日、おかゆ専門店で食事をしたとき、 大きな釜からお粥の「もと」となる白粥をざざーっと 鍋に移すのを見て、ああいうのを作ってみたいなぁと 思っていたら、友人がこの本をくれました。 いろいろあって迷ったけど、小林カツ代さんならば、 基本をおさえていて、まちがいなく私にもできるはずだ、 というのがこの本を選んだ理由らしいです。 写真もすてきだし、もちろんお粥もおいしそう。

私はやわらかいご飯も好きで、スープ系が好きだから お粥も好き。 これを読んで、ながめて、行動し、 基本のお粥をマスターしながら、ちょっとしたお惣菜も、 手際よくいっしょに作れるようになると、 生活力がアップすると思います。
(マーズ)


『美人粥』 著者:小林カツ代 / 写真:白根正治 / 出版社:文化出版局

お天気猫や

-- 2002年12月20日(金) --

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『覗き小平次』

「声に出して読みたい日本語」が書店に並んだ時、 買いはしなかったものの魅かれるものがありました。 なにかというとシェイクスピアを引用する英国人を スノビッシュだとは思わない。 祖父はよく歌舞伎や講談の一節を口にしていた。 父は気に入りの文章は暗誦しているらしい。 私も口には出さないけれど、生来名調子が好きなのです。

『覗き小平次』は名高い江戸の怪談芝居「小幡小平次」の 京極夏彦版新解釈怪談です。 「四谷怪談」を読み変えた『嗤う伊右衛門』と同じ様に 『巷説百物語』のレギュラー陣が僅かに見隠れしていますが、 今回複雑な仕掛けは特になく、謎にわずらわされない分、 どっぷり様式美に浸った「読んでカッコいい名調子」が満喫できます。

江戸を震撼させた幽霊小平次。 読み本、芝居に度々扱われた有名どころの怪談ながら、 もとの事件はシンプルで、根岸様も『耳嚢』に書きとめています。

旅に出ていた役者が、家に帰って来た。 ただ、その刻限、彼はもう死んでいた。

たったこれだけの事らしい。 たったこれだけの原型と、舞台で生まれた様々の型。 どう捻る京極夏彦。

捻らなかった。 裏返した。

小幡小平次、死んでいるから怖いのではない。 生きているから。

主役を取り巻く登場人物達にも、明確で歪んだ造形が振り当てられています。 ひきこもり。ストーカー。二次元コンプレックス。自己愛。理由なき暴力。 それぞれの抱くそれぞれの世界が無事に擦れ合う訳がない。 関わらなければよいものを。放っておけばよいものを。 生きているからそうもいかぬ。 この世の芝居はそうは終らぬ。

兎にも角にも「文章」で、どれだけ怖い「幽霊の芝居」が現せるものか。 稀代の戯作者京極亭のお手並み拝見。 (ナルシア)


『覗き小平次』 著者:京極夏彦 / 出版社:中央公論新社

2000年12月20日(水) 『天使の囀り』

お天気猫や

-- 2002年12月18日(水) --

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『ミッフィーのピクニックブック』

☆忘れられなかった、大胆かつシンプルなムック。

『ミッフィーのピクニックブック』
この本を見かけたのは、去年の夏。
鮮やかな黄色の表紙に、白いミッフィーちゃん。
否が応でも、目をひくシンプルで、 大胆なブルーナMOOKシリーズの一冊。

ついつい、手が伸び、本をぱらぱらとめくる。 絵本ではなくて、クッキングとクラフト等、 ピクニックや野外活動を楽しむためのヒントの本です。 ミッフィーちゃんの絵と交互に、 楽しいピクニックの写真が紹介されています。 写真イラスト集という感じで、 たくさんレシピが紹介されているわけでもないので、 迷ったあげく、そのときは買いませんでした。 一冊1000円というのも、ちょっと高いかなあと。

でも、ピクニックのお弁当レシピのユニークさや、 一風変ったクラフトや、野外遊びは忘れがたく、 結局、探し出して、買ってしまいました。 何というか、持っているだけでわくわくするような、 そんな楽しい本です。

暖かくなったら、姪っ子たちと一緒に、 「びっくりパイナップルライス」 (くりぬいたパイナップルに、 バターライスを詰めている!)や 「ミッフィーのフルーツサラダ」を持って、 近くの川まで歩いて、ピクニックに行きたいなあと。 お供には、今、犬の学校で訓練しているロッキーも 連れて行こうと。

ページをめくりながら、 ついつい、ピクニックの計画に思いを巡らしてしまいます。

他にも、ブルーナMOOKシリーズは、  『ミッフィーのおやつレシピ』  『ミッフィーのあったかニット』  『ミッフィーのパーティレシピ』  『ミッフィーのガーデニング』 と、続々と刊行されています。 ミッフィーちゃんのクッキーレシピとか、 ミッフィーちゃんの編み込みニットなど、 他愛ないといえば、そうだけれど、 ハロウィーンのパーティレシピものっているようなので、 ちょっと、心惹かれたりしています。(シィアル)


『ミッフィーのピクニックブック』ブルーナMOOK(4) / 講談社  PART1 おいしいピクニックレシピ  PART2 ミッフィーとおともだちのピクニック遊び  PART3 ピクニックの思い出づくり

2001年12月18日(火) ★冬休みのお知らせ。
2000年12月18日(月) 『植物一日一題』

お天気猫や

-- 2002年12月16日(月) --

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『アルケミスト』

夢。
前兆。
つながること。

スペインの平原で暮らす羊飼いの少年が、 不思議なお告げにしたがって、 ピラミッドの宝さがしの旅に出る。 ブラジルの作家コエーリョが繰りひろげる、 「この世界」への信頼を謳ったベストセラー。

不可能のように思われた夢。 宇宙は、全宇宙のすべての存在は、 人間が、心の底から願ったことを、あらゆる方向から サポートしてくれるのだという。

前兆に気づく。
何かを選ぶ。
意味を悟る。
そしてさらに前兆が待っている。
そうしてその人が変わってゆけば、まわりも変わる。

選び取った道を進んでいても、人は迷う。
もうずいぶん歩いてきたような気がする。
しかし、夢は遠くはてしなく、すんでのところで、くじけかける。
あともう一歩、あるいは半歩で、夢の扉を開けるときに。
その人はそれを知らない。
そんなとき、力が助けてくれることがある。
もし助けなければ、その人は、そのままあきらめてしまう。
それでは、ゲームにならないから。

夢を追いかけて砂漠を遠くに来てしまった者のひとりとして、 このエピソードになぐさめを感じた。 今までやってきたすべてのことを、 後悔の谷に追いやってはいけないのだ。 あのころに選んだ道を歩いて、ここにいる。 それが自分の望みだったからこそ、宇宙は手を貸してくれた。 おそらく宇宙はまだ、じっと見守ってくれている。 最後の山を越える勇気さえあれば。 (マーズ)


『アルケミスト』 著者:パウロ・コエーリョ / 訳:山川紘矢・山川亜希子 / 絵:平尾香 / 出版社:角川書店

2000年12月16日(土) 『人はなぜエセ科学に騙されるのか・下』

お天気猫や

-- 2002年12月12日(木) --

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『猫だましい』

タイトルを見たとたん、「買うべし。」と 思う猫好きは多いだろう。

しかも、巻末に、本文で取り上げられている 『綿の国星』の漫画家、大島弓子の 書き下ろし感想漫画付き、とあっては。

このタイトル、「猫」と「たましい」と「だまし」を 掛けているのだそうだ。 「だまし」まで入っていたとは、さすが猫。

古今東西の猫が登場する名作を視点を変えて掘り下げ、 猫と人間とのシンボリックな関係をひらめかせる本。
世界の猫民話から、『長靴をはいた猫』や、『100万回生きたねこ』、
『空飛び猫』、『宮澤賢治の猫』など、
登場する猫の行動も意味合いも多彩。

たしかに、犬ではこうはいかない。 猫は、河合さんの、心理療法家という仕事においても、 患者によって象徴的に語られることが 最も多い動物なのだと知った。

お話のなかに登場する猫を論じる以上、 多少のあらすじ紹介は欠かせないわけで、 しかし、過ぎると、未読の方にはネタバレとなる。 読んで興ざめるのでは紹介する意味がない。 そのへんの河合さんの葛藤も共感した。

猫づくしの生活となってしまった今年、 部屋で飼っている二匹の猫たちとは、今までに 飼った外猫以上にコミュニケーションをすることになった。 つくづくと思ったことは、 猫にとって世話してくれる人間は、 すべて、「お母さん」なのだということだ。

犬の場合はボス(主人)だと思う。
でも、猫はほんとうに、こう言って鳴く。
「おかーさーん、おかーさんおなかすいた」
・・あんた、さっき食べたばっかり。 (マーズ)


『猫だましい』 著者:河合隼雄 / 出版社:新潮文庫

2001年12月12日(水) 『バースへの帰還』
2000年12月12日(火) 『茶の本』

お天気猫や

-- 2002年12月10日(火) --

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『しろねこ しろちゃん』

友人からもらった絵本。 私の家に今年やんちゃな白猫がやってきたこともあって、 この絵本が目にとまったのだそうです。 表紙からほほえんでいる主人公のしろちゃんの、 くりっとしてやさしい独特のムードに、 読む前からまいってしまいました。 まるで、モナリザの微笑!(しろちゃんは男の子)

本の裏側には、こう書いてあります。

---このお話は、月刊『母の友』(1954年1月号)に掲載された 『白ねこ しろちゃん』を加筆・訂正したものです。---

時間を超えて出会った、森佐智子と、MAYA MAXX。 つまり、50年近く前のお話が、MAYA MAXXの絵によって またふたたび(またたび?)の命を得たわけです。 絵本の世界では、ときどき、 こんなハッピーなことが起こるんですね。 そして、さすが、猫は9つも命を持っているというか。

まっくろいお母さんから生まれた仔猫たちのなかで、 一匹だけまっしろけのしろちゃん。 しろちゃんは、あるとき気付いてしまいます。 自分だけが、家族のなかで異質なものであることに。 お父さんが帰って来る日に、ついに家出してしまいました。

うれしそうなしろちゃん、 しょげているしろちゃん、 あんしんしたしろちゃん。 しろちゃんを見ていると、 「ちゃんと誰かに見ていてもらえる権利」の ことを思い出します。 権利なんて、傲慢な言い方ですが、 やはり、時代がどう変わっても、 「見守られること」は、 子どもにとって、失ってはならない 権利だと思います。

MAYA MAXXのサイトにゆくと、こんなメッセージが。

『私の作品の主題は語りかけることです。』

たしかに、たしかに。 (マーズ)


『しろねこ しろちゃん』 著者:森佐智子 / 絵:MAYA MAXX(マヤ・マックス) / 出版社:福音館書店「こどものとも年少版301号」

2001年12月10日(月) ☆特集:英国オヤジ刑事四人衆。

お天気猫や

-- 2002年12月09日(月) --

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『アタゴオルは猫の森』

漢字の秀吉は、太閤殿下。 カタカナのヒデヨシは、あの「言うこときかん猫」。 ヨネザアドという世界の、アタゴオルという 森に住んでいる。

ますむら・ひろしの漫画を読んでいると、 そういうことが通じる日本人に生まれて よかったなぁと、思う。

一度は、ヒデヨシもどこへ行ってしまうんだろう、 もうこの世界は終わってしまうのだろうか、と 思ったこともあったけれど、いま、こうして、 確かな「かの世界」を確認しつつ、読める喜びは深い。

ここに収録されているのは、1999年の末から、 コミック・フラッパーに連載されているアタゴオルのお話。

ヒデヨシの衣装が、これまでの連載よりも、 ぐっと強烈にデザインされるようになって、 食欲もさらに旺盛になったようである。

巻末にはそれぞれ、「アタゴオル余波」という文章が載っている。 著者の書いた文章をはじめて読んだこともあって、 いろいろとうなずいたり、そうなのか、と納得したりした。 本来、漫画を読めばそれで良いことではあるけれど、 ときには、こういう裏話的作品解説もあるといいなと。

ますむら・ひろしが、このネット時代を 意外にも(失礼)、活用していることや、これまた意外にも、 ファンとの交流を大事にしていることも伝わってきた。 いままで、少なくても、アタゴオルだけは読んできた私が、 知らなかったプライベートなことも含めて、 思い込みというのは、場合によっては実像とかけ離れることが あるのだなと反省したりしている。

そういえば、作中のセリフにあった略語で、 テン・パン組=テンプラとパンツ組 テマ・テン組=テマリ&テンプラ組 というのがまた、不意を突いておかしかった。

最近、宮澤賢治の関係で、受賞もされたそうだが、 この世界がまっとうされてゆくことを心から願っている。

※ますむら・ひろしのサイト「ごろなお通信」には、 日記や掲示板などもあり、送り手と受け手の、まさに通信と なって活用されている。 http://homepage1.nifty.com/goronao/

(マーズ)


『アタゴオルは猫の森』1-4(02年末現在) 著者:ますむら・ひろし / 出版社:メディアファクトリー・MFコミックス

2000年12月09日(土) 『ミミズクとオリーブ』

お天気猫や

-- 2002年12月06日(金) --

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『はじめてのことば』

生後すぐ、重い病気と手術によって脳障害児となった 日木流奈君。 1990年生まれの彼は、5歳で文字を知り、8歳になった時、 『想ふ月』という自伝・詩集を自費出版した。 本書は、好評のデビュー作に加筆したもの。

ルナ君は、言葉をしゃべれない。 でも、ルナ君の意識は、生まれる前からちゃんとあった。 手術中の麻酔以外は、お母さんとの出会いも覚えているし、 少しずつ世界を知っていった過程も忘れてはいない。

ルナ君が発する日本語としての言葉は、ドーマン法という、 アメリカ生れの脳障害リハビリプログラムで使用される 文字盤を使って、お母さんやお父さんに伝えられる。 漢字への変換も、すべて本人の指定だそうだ。

ルナ君の存在は、多くの人を惹きつけている。 脳に障害のあるルナ君が、日々回復の途上にあり、 個人のアイデンティティーを示す言葉を、 すでに大人なみの表現手段として獲得していることのために、 ではない。

ルナ君のメッセージが、 受け手の魂をゆらすからである。 風のように、光のように、ただ、 まっすぐにそこにある命から命へと、 ルナ君のことばは、 ひた走る。

迷わずに。

ただ、愛すればいい。 ただ、愛を受け取ればいい。 すべての母と子へ、 地球と、地球に生まれしものたちへ。 しいたげられた者も、ふみにじられた者も、 弱き者も、笑えない者も。(マーズ)

人よ人 あなたの心を見てごらん 探しものはすぐそこに
(ルナ君の詩より)

ルナ君のサイトはこちら。 http://www2.odn.ne.jp/luna


『はじめてのことば』 著者:日木流奈 / 出版社:大和出版

2001年12月06日(木) 『サンタ・クロースからの手紙』
2000年12月06日(水) 『ACTUS STYLEBOOK』

お天気猫や

-- 2002年12月05日(木) --

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『チョコレート工場の秘密』

ずっと前から、読むべきだと思っていた。 主人公のチャーリー少年が、 甘い香りをかいで夢見ていたチョコレート工場のように、 私にとっても、気になり続けていた名作児童文学。 (姉妹篇の『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』 も読んでみたい) なぜか少年たちの探偵話かと思っていたのだが、 読んでみると、本当に、 不思議なチョコレート工場の秘密が明かされる、 という内容だったのだ。

しかもそれが、あまりにも正統的に常軌を逸した 徹底ぶりなので、改めて名作と呼ばれるゆえんに感じ入った。 正面から押してそこまでやるのか、と。 「では、どんな秘密のチョコレート工場か」と聞かれて たいていの人が想像する世界の天井を抜いているだろう。 (読めばわかるけれど、文字どおりの意味でも)

前半では、チャーリー少年の貧しい生活ぶりが激しく迫ってくる。 こんなことで、主人公なのに、どうなってしまうのだろう、 そう心配するくらい、貧乏である。 読んでるこちらが落ち込んでしまう、 すべてがどうしようもなく悪循環の袋小路的貧乏家族。 不況とはいえ、今の日本に、板チョコ1枚を、誕生日にしか 食べられない子はまずいない。 おなかが空いて倒れないために、運動を極力避けている子も。

チャーリー少年は、そんな暮らしのなかで、 あこがれをつのらせる。 甘い香りをまきちらしている、ワンカのチョコレート工場。 毎日前を通りながら、本物を食べるのは、年にたったの一度だけ。 そこはいったい、どんな夢の工場なんだろう?

そこへ、突然のチャンスが訪れる。 空前絶後のチョコレート工場へ、5人の子どもが招待 されることになったのだ。 誰も出入りする者がいないにもかかわらず、 この町にある、巨大なチョコレート工場は 日夜稼働しているという。 その秘密とは? チャーリー少年はそこで何を見るのか?

そういえば、この物語を読みながら、 しりあがり寿の絵を思い浮かべていた。 チャーリー少年のやることなすこと、 床で勝利のダンスを踊るチャーリー少年のお祖父さんなど、 まさにしりあがり寿的キャラの世界である。 (そういう意味では、しりあがりファンにもおすすめ)

もしも。 もし、子どものころにこのチョコレート工場を見ていたら、 私は、何度も何度も、甘い期待とともに、 この本を開いたにちがいない。 銀紙を破って板チョコを食べるときのわくわくした気持ちも、 またちがった興奮をともなっていたことだろう。 そういう子どもだった人たちを、うらやましく思う。 幼くしてこの本に出会えた人たちを。

作者は話の終わりで、子どもが本の世界に出会うすばらしさを 強く訴えている。 おいしいお菓子を味わうように、 お話を読んだり聞いたりしてこころゆくまで味わいながら、 子どもは大人になるべきなのだ。 (マーズ)


『チョコレート工場の秘密』 著者:ロアルド・ダール / 訳:田村隆一 / 出版社:評論社(児童図書館文学の部屋/てのり文庫)

2001年12月05日(水) 『不眠症』(その2)
2000年12月05日(火) 『誰か「戦前」を知らないか』

お天気猫や

-- 2002年12月04日(水) --

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☆東京こどもクラブ

昨日は、『東京こどもクラブ』のことを 懐かしく思い出しました。 『東京こどもクラブ』というのは、 一種のレコード付き絵本の頒布会で、 毎月、歌とお話の絵本と、絵本の歌とお話が収録された レコードが送られてきます。

※本の解説によると、『東京こどもクラブ』は、  幼児を対象とした視聴覚教育プログラムのようです。

さて、どこにやってしまったのだろうと、 気になったので、探してみたら、 思いも寄らなかった場所から、 すぐ、レコードが全部出てきてしまいました。 心当たりがあった棚には無かったテキストブック(絵本)も、 きちんと大切にしまわれて、記憶とは全然違う所にありました。

ほんとうに、しみじみと、懐かしい。 東京こどもクラブと似たようなレコードブックの頒布会は 他にもあったようで、『ドレミファブック』(世界文化社)というのも 一緒に出てきたし、他にも、もう一社、同じような本がありました。 当時は、こういう形の知育系のソフトが流行っていたのでしょうか。

途中で引っ越してしまったので、 『東京こどもクラブ』は、5回分しかありませんでした。 びんちゃん(楠トシエさん)の歌と、 まえだのおじさん(前田武彦さん)のお話のレコード。 絵本を開くと、中には立原えりかさんが文章を書いたお話もあります。
 ・きんのがちょう(第1回目)
 ・こぶとり(第2回目)
 ・ながぐつをはいたねこ(第3回目)
 ・ふうれんもうろう(第4回目)
 ・ななつのほし(第5回目)
歌は、おなじみの歌ばかりですが、 ふしぎなポケットやトマトの歌が特に好きで、 『東京こどもクラブ』に限らず、 レコードを聞くのが大好きな、お話好きのこどもでした。


<東京こどもクラブ>

どういうきっかけで、『東京こどもクラブ』を始めたのか、 母に聞いてみました。 最初は、『東京こどもクラブ』自体、忘れていたようですが、 レコードのことを話すと、すぐに思い出し、 「あの頃は、私も教育には力を入れてたから」とのこと。

・・・今の私は、教育のたまもの、 『東京こどもクラブ』のたまものなのか。

確かに、大人になっても「お話」はもちろん、 月々配達される「頒布会」も大好きだし。(シィアル)

 → 続『東京こどもクラブ』メルマガ版(2003/01/30 20:10)

2001年12月04日(火) 『不眠症』

お天気猫や

-- 2002年12月03日(火) --

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☆『ふるさとの民話』創刊

12月5日にCD付きの『ふるさとの民話(全30巻)』が 創刊されるそうです。

新聞の広告欄を見ながら、ふと、 『東京こどもクラブ』(レコードとテキストを毎月配本)のことを思い出しました。

五つか六つくらいの頃です。
当時はそんなにゆとりのある暮らしではなかったけれど、 毎月郵便で届く『東京こどもクラブ』は、 子供心にも贅沢で、そしてまた、ゆたかさをしみじみと感じられる 両親からの贈り物でした。 当時は、もちろん、レコードで、赤い小さなレコードプレーヤーで 歌やお話を聞いていました。

片面がお話で、もう一方が歌。
歌も楽しかったけれど、レコードと一緒に送られてくる お話のテキストを読みながら、 まえだのおじさん(前田武彦さん)の語るお話を聞くのが大好きでした。 大切なレコードではあったけれど、毎日、毎日繰り返し繰り返し聞いていたので、 どのレコードもぼろぼろで、それでも高校生の頃までは持っていたのですが、 その後の引っ越しで、どこかに紛れてしまいました。 毎月送られてくるテキストも、専用にバインダーに綴じ、 物置の奥の方にしまわれていたのですが。 今では、どこにあるかもわかりません。

幼い頃、両親は共働きで、 祖母とも遠く離れた町で暮らしていたので、 有名な童話や民話は、『東京こどもクラブ』のレコードを聞いて育ちました。
とはいえ、あんなによく聞いていたのに、今では、 本で読んだのか、レコードで聞いたのか、もう区別はつかず、 「七つの星」のことくらいしか覚えていませんが。

子供にとって、物語は、人の温もりとともに、 両親や祖父母などの肉声で聞くのが一番いいのでしょうが、 『東京こどもクラブ』を経験した私にとっては、 「おはなし」がそばにある、ということが一番大切なように思います。 特に民話は、耳で聞くもの。 耳から独特のリズムを拾うものだと、そう思います。

だから、もうじき創刊の『ふるさとの民話』は、 幼い頃の『東京こどもクラブ』の追体験のようで、 とても楽しみです。 朗読も壇ふみさん、桂三枝さん、竹下景子さん、風間杜夫さん…と、 とても贅沢なCDです。

月二回の大人の「東京こどもクラブ」  −そう思っているのは、私だけですね。 (シィアル)


『語り伝えたいふるさとの民話』(全30巻・60話)CD付き
 第一回配本【中部地方(一)】『ゆきむすめ / かさじぞう』(語り:檀ふみ)発行:世界文化社  毎月第1・第3木曜日発売

2001年12月03日(月) 『Good Things For Organizing』

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