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日本の子供達の科学離れが大問題になっていますね。 世界に誇る技術立国ニッポンの将来が危うい。 若者の理数離れはアメリカも深刻で、 どうやら生活が裕福になると人々は それまでの生活を豊かにしてくれた科学に興味を失うようです。 (セーガン博士は天才はいっぱいいるけれど学生達の理数系の 平均点が低いのを嘆き、平均点の高い日本を羨んでいますが、 平均点が良いだけの日本は天才の出るアメリカを羨んでます) 発達した科学が生み出す破壊的で冒涜的な産物のイメージが 科学主義に一般人の反感を覚えさせているのも 大きな要因でしょう。 科学者達の中には背徳的な研究という印象に 肩身の狭い思いをしている人も多い事と思われます。
でも。
核兵器開発の加熱する冷戦時──人類絶滅前夜、
科学的手法で導き出した「核の冬」の黙示録的ビジョンを打ち出し
権力と手を携えた科学者を断罪したセーガン博士は
一般の人が科学的思考を身につける必要性を力を込めて語ります。
科学的に考える事、というのは文字を知る事と同じで 個人が自分に利益を与え自分の身を護るために 絶対に必要な技術であり武器なのだから。 全ての子供達に、身近なところから科学する心を 育ませてやらなければ。 ロウソクを持たない暗闇の中の人々は 正体の判らないものの気配に怯え、他人から搾取され、 生涯目の前にある美しいものを見る事がかなわないのですから。
1996年12月、 宇宙を愛し地球を愛し国家を愛した 心正しき科学者は62歳で亡くなり、 このエッセイ集は博士の遺書となりました。(ナルシア)
『人はなぜエセ科学に騙されるのか・下』 著者:カール・セーガン / 出版社:新潮文庫
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管理者:お天気猫や
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